イベント
[GDC 2016]高所恐怖症なら避けるべき。VRでロッククライミングを体験できるCrytekの新作「The Climb」を体験
The Climbは,アルプス,東南アジア,そしてグランドキャニオンという3つのロケーションで,1人称視点のロッククライミングを楽しめるというシミュレーションゲームだ。「Rift」のローンチ後に発売が予定されている専用コントローラー「Touch」でのプレイを前提にしているが,今回はXbox Oneコントローラーでプレイできるようになっていた。
操作は比較的シンプルで,左右のトリガーにアサインされた両手を,少し白くなっている突起に向けて動かし,頂上を目指して進んでいく。ときには,覗き込むようにして少し離れた突起に手をかけたり,[A]ボタンで上下左右にジャンプを行ったりして,とにかく上へ上へと登っていくのだが,ときおり[LB/RB]ボタンを押して手を休めなければ,手を滑らせて落ちてしまうこともある。
トレイラーを見ると,手のひらだけで腕のない状態の自分の分身に違和感を覚えるかも知れないが,ゲームプレイ中はまったく気にならなかった。
筆者がトライしたのはタイのパンガー湾がテーマと思われる東南アジアのマップで,ふと動きを止めて視線を後方に持っていくと,緑のジャングルと青々と広がる海が,そして真下には自分が進んできたと思われる白い砂浜が見える。CRYENGINEで描かれたグラフィックスの表現も素晴らしく,VR世界のプレゼンス(「そこにいる」という感覚)は高かった。
Crytekはもともと,2015年のE3 2015にてPlayStation VR専用となる「Robinson: The Journeys」の制作を発表しており,今回のThe Climbはいわば実験的なセカンドプロジェクトとしてスタートしたらしい。ただ,立ってプレイすることが前提にはなるが,左右に覗き込むような姿勢を取る以外に動き回る必要がなく,体験型のゲームとして,「The ClimbにはCrytekのVR初参入タイトルになる資格が与えられた」のだと,エグゼクティブ・プロデューサーのElijah Freeman(エライジャ・フリーマン)氏は話していた。
The Climbは,フルプライスとなる49.99ドルでの発売が予定されている。ローンチタイトルではなく,少し遅れての4月中のリリースを目指して開発が続けられているとのこと。
このグラフィックスのクオリティで,2160×1200ドットの解像度,そして90fpsをキープするのだから,相応のPCスペックは必要になりそうだ。ただ,CRYENGINEをVR世代の主力とすべく売り込みを図るCrytekにとっては,このあたりの妥協は考えていないようで,パズル感覚で体験型アクションを楽しめる,VRゲーム第1世代注目の1作となりそうだ。
「The Climb」公式サイト
- 関連タイトル:
The Climb
- この記事のURL: