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「エースコンバット」ほぼ全作を通して劇中の戦史&技術史を振り返る。エルジアの無人機はベルカの技術……ってどういうこと?
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印刷2019/01/26 00:00

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「エースコンバット」ほぼ全作を通して劇中の戦史&技術史を振り返る。エルジアの無人機はベルカの技術……ってどういうこと?

 2019年1月17日,バンダイナムコエンターテインメントから「エースコンバット7 スカイズ・アンノウン」PS4 / Xbox OnePC版は2月1日。以下,ACE7)が発売された。

画像集 No.085のサムネイル画像 / 「エースコンバット」ほぼ全作を通して劇中の戦史&技術史を振り返る。エルジアの無人機はベルカの技術……ってどういうこと? 画像集 No.086のサムネイル画像 / 「エースコンバット」ほぼ全作を通して劇中の戦史&技術史を振り返る。エルジアの無人機はベルカの技術……ってどういうこと?

 フライトシューティングゲーム「エースコンバット」シリーズの最新作であり,なんと12年ぶりのナンバリングタイトルとなる本作。小惑星・ユリシーズの落着から20年を経た2019年のユージア大陸を主な舞台として,ユージア大陸西端の大国・エルジア王国と,スプリング海を挟んだオーシア大陸の大国・オーシア連邦の間で勃発した,“第二次大陸戦争(別名,灯台戦争)”が描かれる。この戦争では,軍事力でオーシアに劣るエルジアが,それを戦術で補うべくベルカ人の技術に基づく無人航空機を大量に戦線投入する。

 と言っても,“ストレンジリアル”と呼ばれる架空の世界で行われる戦争なので,旧作をプレイしていない人には造語だらけな上記の説明がチンプンカンプンだったり,旧作プレイヤーでも背景設定を忘れてしまっていたりするだろう。PS4版の初回購入特典で「エースコンバット5 ジ・アンサング・ウォー」(以下,ACE5),Xbox One版の初回購入特典で「エースコンバット6 解放の戦火」(以下,ACE6)をプレイするときに(初回購入特典の関連記事),「今はいつだっけ……ここはどこだっけ……自分は誰だっけ……」となってしまうかもしれない。

 そんなわけで,本稿ではエースコンバットシリーズのゲーム内で描かれてきた主な戦史と戦闘機技術史を,旧作の概要を踏まえつつ,劇中の時系列に沿って紹介していこう。プレイ時の予備知識として活用したり,ここからシリーズに興味を持ったりしてもらえれば幸いだ。


エースコンバットシリーズの世界


 エースコンバットシリーズの地球は人類が住んでいて,アメリカのマクダネル・ダグラスが開発したF-15や,旧ソ連のスホーイ設計局が開発したSu-27など実在の航空機が存在するものの,国家構成どころか大陸の形状が現実とは大きく異なっている。劇中の大陸は,オーシアの存在する北オーシア大陸を中心として見ると,地続きで南半球に南オーシア大陸,西にベルーサ大陸,西北にアネア大陸,東にユージア大陸,そして南の極地に南極大陸といった6種類が存在する。

 国家は連邦制のものが多め。資源獲得を目的とした他国侵略や,政治の国粋主義化はよく見られるが,人種差別について目立った描写はない。大まかな生物史や人類史は史実をなぞっているらしく,犬や馬といった我々の知る動物が存在したり,かつて隕石衝突による恐竜の大量絶滅があったり,クリスマスにはツリーを飾ったり,戦争の中で航空機が進化したりしている。

南北オーシア大陸(OSEA)を中心にした「ACE7」時代の世界地図。西にはベルーサ大陸(地図上のVERUSAは,ベルーサ大陸でなく,同大陸内のベルーサ国を指した表記),北西にはアネア大陸(ANEA),東にはユージア大陸(USEA)が存在する。もちろん本作の地球も球状なので,ベルーサ大陸から西に行けばユージア大陸に辿り着く
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 エースコンバットシリーズは,制作時期による微妙な設定のぶれはあるものの,この独特な地球が舞台となっている。ただ,PSP用ソフト「エースコンバットX2 ジョイントアサルト」は現実の地球に架空兵器が存在する世界,「ACE COMBAT ASSAULT HORIZON」PS3 / Xbox 360)は現実の地球&実在兵器での架空戦記,PS3用オンラインゲーム「ACE COMBAT INFINITY」はストレンジリアル世界の設定がミックスされた現実の地球を舞台とするなど,固有の設定となる。


小惑星ユリシーズの発見(1994年12月)

「エースコンバット04 シャッタードスカイ」

 ストレンジリアル世界に多大な影響をおよぼしたのが,“ユリシーズ”という通称で呼ばれる(学術名は1994XF04)小惑星だ。これはユージア大陸に存在する国際天文学連合(IAU)によって1994年12月に発見され,軌道予測の結果,地球に落着して深刻な被害を引き起こす可能性があると発表された。


ベルカ戦争(1995年3月25日〜6月20日)

「エースコンバット・ゼロ ザ・ベルカン・ウォー」

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 ゲームで体験できるもっとも古い戦争は,PlayStation 2用ソフト「エースコンバット・ゼロ ザ・ベルカン・ウォー」(以下,ACE0)で描かれている“ベルカ戦争”となる。これは経済破綻状態となったベルカ連邦が,潤沢な天然資源が発見されたウスティオ共和国へ,劇中の1995年3月25日に侵攻したことで勃発したもの。ベルカにとってウスティオなどの近隣諸国は,1988年の連邦法改訂によって独立した国なので,いわゆる再征服活動(レコンキスタ)にあたる。ベルカはウスティオのほか,南端で国境を接するサピン王国や,ベルカの国土奪取を画策していたと思われるオーシア連邦(ベルカ経済の再建を目的とした二国共同事業で,オーシア公社が採算割れ工作を行った)などにも宣戦布告する。

ベルカ戦争の主な戦域(なお,地図は「ACE7」時点のもので,「ACE0」時点とは国境線などが異なる)
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 ウスティオは再併合を拒むが,伝統的に強力なベルカ軍の電撃的侵攻によって国土の大半を占領される。追い詰められたウスティオは残存兵力を集結させると共に傭兵を招き,それらを外人傭兵航空部隊として再編。「ACE0」のプレイヤーは,そこに参加した傭兵(コールサイン:ガルム1,TACネーム:サイファー)として,ベルカとの戦いに身を投じる。

※コールサイン……無線で用いられる呼び名。主に管制との交信に用いられ,一般的には「部隊名+番機の数字」で表される。簡単に言えば「庶務課課長」や「総務課主任」のように立場を表したもの。

※TACネーム……無線で用いられる呼び名。主に部隊内での交信に使われ,分かりやすいように簡潔かつユニークな名前が多い。簡単に言えば個人のニックネームのようなもの。


 ちなみに,サイファーや中盤まで僚機を駆るラリー・フォルクなどが職業とする“傭兵のパイロット”は,現実では極めて稀(※)なので,それが生業として成立するほど,作中の世界では戦争が恒常化しているようだ。

※現実における“傭兵のパイロット”は,2011年内戦時のリビアや1960年代のカタンガなど,情勢不安な国で主に登場している。

周辺諸国に侵攻を始めたベルカ
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 ウスティオはオーシアやサピンと連合軍を結成してベルカに挑み,サイファーの活躍もあって,5月13日にはウスティオ首都・ディレクタスの解放による事実上の国土奪還に成功する。ウスティオからのベルカ敗走を期に,ウスティオ対ベルカの戦いを静観していた周辺諸国や,ベルーサ大陸の大国・ユークトバニア連邦共和国も連合軍に合流し,5月17日には核査察を名目にベルカ国内へと侵攻。この侵攻には,ベルカ領土の権益奪取などを目論む諸国の打算もあった。

 ベルカ軍の本隊はベルカ北部への撤退を重ね,その一方で見捨てられた形となったベルカ南部には厭戦ムードが蔓延する。そんな中,ベルカ国内では徹底抗戦を掲げる主戦派と,降伏を容認する反戦派の対立が起こったらしく,主戦派は以前にも増して過激化。ウスティオへの核攻撃に出撃したベルカ爆撃機隊が,ウスティオ軍およびベルカ戦闘機隊の妨害で全滅すると,ベルカ軍は自国中部で7発の戦術核を起爆させた。

帯状に展開され,即席の防衛線を築き上げた核自爆。死者数だけで1万2000人におよんだ
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 ベルカの核自爆と,それに乗じた反撃作戦は連合軍に相当なダメージを与えたものの,あまりの暴挙にベルカ国民は政府不支持が決定的となる。1995年6月20日,ベルカの反戦派からなる暫定政権とウスティオやオーシアなどが降伏文書を調印。それによってベルカ連邦は解体されたうえ,主権国であるベルカ公国の南半分がオーシア連邦に割譲された。オーシアは,軍部に被害こそ出たものの,まんまとベルカ領土を奪取できたわけだ。

ベルカは8年間で領土が1/4ほどまで縮小した
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“国境無き世界”クーデター事件(1995年12月25日〜12月31日)

「エースコンバット・ゼロ ザ・ベルカン・ウォー」

 ベルカ戦争終結から約半年後,北ベルカでベルカ軍上級将校によるクーデターが発生する。このクーデター組織“国境無き世界”は単なる旧軍残党ではなく,オーシアやサピン,ユークトバニアなどの,多数の軍人および傭兵が参加したもので,幾度もの戦争を起こし続ける諸国政府を軍事力で破壊して単独の巨大統合国家を作ろうという,超国家型組織だった。

 “国境無き世界”は,ベルカの弾道ミサイル偽装基地・アヴァロンダムを占拠して核攻撃を計画する(標的は不明)。これに対し,ウスティオは再びサイファーを戦線へ送る。最終的には,サイファーが弾道ミサイル管制機である多目的戦闘攻撃機・ADFX-02(ペットネーム:モルガン)を死闘の末に撃墜し,核攻撃を阻んだ。ベルカ戦争からクーデター事件まで,度重なる核の脅威を経験したベルカ戦争の戦勝国群は,一様に軍縮へと進む。

※ペットネーム……軍用機に付けられる愛称。ちなみにエースコンバット劇中での実在機のペットネームは,アメリカ軍の愛称や俗称,NATOコードネーム,ロシア軍での愛称などが混在しており,独特な雰囲気を醸し出している。

純粋に機動力・加速力に優れるうえ,戦略レーザーシステム,多用途炸裂弾頭ミサイル,電子妨害ポッドと攻防に強力な兵装を搭載していたADFX-02
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 ADFX-02は,南ベルカ国営兵器産業廠が開発していた機体で,実験的な兵装が多く搭載されていた。その残骸と,建造中だった同型の姉妹機・ADFX-01はオーシア連邦に接収された。


ユリシーズの地球衝突が確実視される(1996年4月20日)

「エースコンバット04 シャッタードスカイ」

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 IAUからユリシーズ追跡調査の必要性を訴えられたFCU(中央ユージア連合)の政府はそれに応え,1996年4月20日にユリシーズの地球衝突がほぼ確実であるという調査結果を公表した。この情報は同国大使を通じて世界各国の首脳にも届けられ,世界中で対小惑星の技術研究が進められる。その中で,エルジア共和国の隣国・サンサルバシオンでは“ストーンヘンジ”,アネア大陸東方のエストバキア連邦では“シャンデリア”といった巨大な地対宙兵器の建築が進む。



ユージア大陸紛争(1997 or 1998年3月ごろ〜同年9月18日)

「エースコンバット3D クロスランブル」
「エースコンバット3D クロスランブル+」


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 ベルカ戦争からユリシーズ落着までの間に,ユージア大陸では全土を巻き込んだ,“ユージア大陸紛争”と呼ばれる軍事クーデターが勃発したようだ。これはニンテンドー3DS用ソフト「エースコンバット3D クロスランブル」(以下,ACE3D)および「エースコンバット3D クロスランブル+」で描かれている。

ユージア大陸紛争の主な戦域
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「エースコンバット04 シャッタードスカイ」(以下,AC04)の背景設定に存在する雑誌「OUR SCIENCE」1998年9月20日発売号では,ストーンヘンジの防衛航空隊に所属する,元傭兵でクーデター軍との交戦経験を持った“ジョン・ハーバード”のコメントが掲載されている。「AC2」と「AC3D」に同姓同名の人物が登場するが,前者では傭兵,後者では志願兵だ
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 “ようだ”と述べたのは,「ACE3D」が「ACE7」公式サイトの年表に記載されていないため。「ACE3D」作中では,ナンバリングシリーズとバックボーンを共有しているような描写が多い(というか他作品よりも共有を強調されてすらいる)ものの,「ACE3D」が“正史”にあたるのかは定かではない。

 そもそも「ACE3D」はPlayStation用ソフト「エースコンバット」および「エースコンバット2」(以下,ACE2)を再構築したタイトルなので,立ち位置の把握が難しいところだ。

「ACE7」公式サイトに掲載されている年表
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 なので「ACE3D」については,あくまで「ストレンジリアル世界の一部“かもしれない”」ものであると認識してほしい。また「ACE3D」のゲーム内では,各作戦が行われた月日こそ確認できるものの,年については分からない。作中で“隕石”の地球衝突が確実視されていること,しかしまだ衝突していないことを踏まえつつ,月日をナンバリングシリーズとすり合わせると,可能性があるのは1997年か1998年となるので,小見出しの期間はそれをもとに記している。

※上記した「AC04」と「ACE3D」のジョンが同一人物だと仮定すると,エルジア大陸紛争は1997年の出来事となる。そのほか,ジョン・ハーバードの名前は「ACE5」の設定資料でも,報道カメラマンによる2010年12月30日の記述に大気機動宇宙機アークバードの搭乗運用技術者として見られる。

 ユージア大陸紛争の前,軍縮のためか,オーシアとユークトバニアは長年続けていた緊張関係を解いて融和路線に転換している。それに伴ってオーシアとユークトバニアの経済は成長。経済的な遅れに危機感を覚えたユージア大陸の国々は,地域統合体の結成を目指し,その一歩として“ユージア同盟軍”を結成する。まず構えるのが軍隊というのは,戦乱の続く世界だからこそだろう。

 しかし潤沢な天然資源を有するユージア大陸の南部諸国は,その資源に依存する同大陸の国々よりも,将来性のあるオーシアとの同盟を画策する。この裏切りに対して強く反発する北部・西部の軍事国家を中心として,複数国の軍部が一斉クーデターを決行。クーデター勢力は南部に侵攻し,ユージア大陸全土を掌握する。

オープニングムービーで映し出される,ユージア大陸西部における勢力図。「ユージア大陸西部の軍事国家」とは,赤く染まっているエルジア共和国のことだろうか
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 追い込まれた南部諸国は,志願兵を中心とした特殊戦術戦闘飛行隊“スカーフェイス隊”を結成する。「ACE3D」のプレイヤーは,スカーフェイス隊に招集された退役軍人(コールサイン:スカーフェイス1,TACネーム:フェニックス。なお「AC2」では傭兵という設定)として,3月20日に初出撃。ジョン・ハーバードや永瀬ケイが駆る僚機と共にクーデター軍を鎮圧していく。

 この戦乱にあたって,クーデター勢力は戦闘AI・Z.O.E.をYF-23AやF-15S/MTDなどに搭載して戦線投入する。さらに要塞・イントレランスにおける決戦では,Z.O.E.の機体として新型戦闘機・ADF-01も持ち出す。この時代ではZ.O.E.やADF-01の出自は不明だったが,後述の“ベルカ事変”でその裏側が少し明らかになる。

イントレランスを防衛するZ.O.E.のADF-01。センサー群で囲まれたキャノピーが特徴的
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 「ACE3D」最終ミッションのアフターブリーフィングにおいて,フェニックスは同隊の作戦司令官であるウルリッヒ・オルセンから,諸国の軍拡と抑止力拮抗による“武装平和”状態の予想を聞かされ,来るであろう次の戦争への参加を求められる。もしかすると,後の“大陸戦争”でもフェニックスは戦場を飛んでいたのかもしれない。


ユリシーズ落着(1999年7月8日)


 1999年7月8日,ストーンヘンジを主力とした破砕作戦によって1000以上の破片と無数の宇宙塵に分裂したユリシーズは,ロシュ限界の内側を通過して地球上に落着する。終末的事態こそ避けられたものの,主な落着面となったユージア大陸では,7月25日までに約50万人が死亡。産業基盤が崩壊し,経済恐慌と大量の難民が発生する。

非被害国からは幻想的な光景にさえ見えた,ユリシーズの落着(左画像は「AC04」,右画像は「ACE6」より)
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各地に穿たれた巨大なクレーター(左画像は「AC04」,右画像は「ACE7」gamescom 2018トレイラーより)
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 エルジア共和国にも大型の破片がいくつか落着し,とくに首都・ファーバンティ近郊では衝撃によって大規模な地殻変動が引き起こされ,海岸地帯の市街が水没した。しかし,そんなエルジアでもユージア大陸最大の国であるため,救いを求めて大量の難民が流入する。難民流入による影響は劇中で描かれないが,さらなる物資不足や治安悪化に苛まれたことは想像に難くない。

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「AC04」におけるファーバンティ近郊のクレーター。レイカークレーターと呼ばれており,海中のクレーターなので自然に消え去ると予想されている
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「ACE7」gamescom 2018出展用トレイラーより,水没した海岸市街。「AC04」終盤では砲弾飛び交う戦場になったこともあり,崩壊が進んでいる


大陸戦争(2003年夏〜2005年9月19日)

「エースコンバット04 シャッタードスカイ」

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 2003年夏,エルジア共和国は苦境打開のため,サンサルバシオンへと侵攻する。これがPlayStation 2用ソフト「エースコンバット04 シャッタードスカイ」の背景となる“大陸戦争”の始まりだ。サンサルバシオンの首都を陥落させたエルジア共和国は,FCUを中核としたUTO(中央ユージア条約機構)軍部が警備していたストーンヘンジも奪取。かねてより“武装平和”と呼ばれる抑止力の拮抗関係を続けていたUTO構成国に砲口を向ける。UTOは,さらなる同盟国を呼び込んでISAF(独立国家連合軍)を結成するも,対空兵器として運用されたストーンヘンジの制空能力は凄まじく,ISAFは射程外である大陸東端の島国・ノースポイントまで撤退を強いられた。

大陸戦争の主な戦域
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かつて「AC04」公式サイトで配信されていた,2004年9月19日時点の勢力図をもとにした壁紙。巨大な円は,ストーンヘンジの射程を示す
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ノースポイントは,「ACE3D」だと画像でマーキングされているイントラレンスが決戦の地となり,「AC04」ではニューフィールド島が始まりの地となる。「ACE3D」では軍事国家だと述べられているので,ISAFはその武力を求めて逃げ込んだのかもしれない

 「AC04」のプレイヤーは,窮地のISAFに参入したパイロット(コールサイン:メビウス1。TACネームは不明)となる。そして2004年9月19日の爆撃機迎撃から2005年4月2日のストーンヘンジ破壊を経て,2005年9月19日のファーバンティ攻略戦を成功させたことで,大陸戦争を終結へと導く。

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エルジア軍に拘束されていたストーンヘンジの技術者を乗せてISAF勢力下への脱出を試みる,航空会社・エアイクシオンの701便。離陸中に攻撃を受けて機長が負傷しており,副操縦士のケイ・ナガセが操縦する
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脱出した技術者から得た情報をもとに,ストーンヘンジの攻略作戦が実行された。なお,このとき砲台の1基はユリシーズ破片の衝突により故障しており,ISAFによる攻撃を免れて屹立している
「ACE7」のgamescom 2018出展用トレイラーで映し出されたストーンヘンジ。上記の残った砲台が修理されたもの
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メガリス占拠事件(2005年9月26日)

「エースコンバット04 シャッタードスカイ」

 ファーバンティ陥落から間もない2005年9月26日,ファーバンティ南方のトゥインクル諸島に築かれたロケット打ち上げ基地・メガリスが,降伏を拒むエルジア軍の若手将校によって占拠される。メガリスはロケットやミサイルを発射できるほか,衛星高度を漂うユリシーズの破片を軌道変更させて地表に落下させる機能があり,それを兵器として使おうという計画だった。エルジア軍残党は死力を尽くして抵抗するが,これもまたメビウス1の働きによって撃滅される。

ユリシーズの破片を落下させるメガリス。ちなみにノースポイントとは逆に,トゥインクル諸島は「ACE3D」では始まりの地,「AC04」では終わりの地だ
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2005年11月25日にはユージア大陸の小国・デラルーシで,このころ義勇兵としてISAFに参加していた「ACE0」のラリー・フォルクが,ベルカ事変を追う記者からのインタビューに答えている
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 しかし旧エルジア軍の残党は大陸中に散っており,メガリス占拠事件の後もISAFとの散発的な小競り合いを各地で続けた。

 大陸戦争およびメガリス占拠事件の終結後,エルジア共和国が再編されるなかで王政復古が行われ,「ACE7」に登場するエルジア王国が誕生する。



自由エルジアの蜂起(2006年)

「エースコンバット5 ジ・アンサング・ウォー」

 具体的な時期は不明だが,2006年に旧エルジア軍の空軍将校を中心とする一派が“自由エルジア”を名乗り,旧軍事工廠から武装を略奪。さらに他の残党と合流し,大規模な武装蜂起を行った。

 これに対してISAFは退役していたメビウス1を召喚し,特別掃討作戦“オペレーション・カティーナ”を任せるというのが,「ACE5」のアーケードモードにおけるストーリーだ。自由エルジアは,大陸戦争では配備が間に合わなかった最新鋭機のX-02(ペットネーム:ワイバーン)を実戦投入するが,旧エルジア軍のエースパイロットは多くが大陸戦争で散っていることもあってか,メビウス1に敵わず撃滅される。もしワイバーンに超一流のパイロットが搭乗していたら,自由エルジアの運命も変わっていたかもしれない。

画像集 No.063のサムネイル画像 / 「エースコンバット」ほぼ全作を通して劇中の戦史&技術史を振り返る。エルジアの無人機はベルカの技術……ってどういうこと? 画像集 No.064のサムネイル画像 / 「エースコンバット」ほぼ全作を通して劇中の戦史&技術史を振り返る。エルジアの無人機はベルカの技術……ってどういうこと?

 作戦終了後,メビウス1は管制官からISAFへの残存を求められると共に,「エルジア無人戦闘機の開発データも入手することができた」と告げられる。しかし,「AC04」およびオペレーション・カティーナに目立った無人機は登場しない。やはりユージア大陸紛争でZ.O.E.を運用したクーデター勢力は,エルジア軍の過激派が中心的だったのではないだろうか。


環太平洋戦争 / ベルカ事変(2010年9月27日〜12月31日)

「エースコンバット5 ジ・アンサング・ウォー」

画像集 No.080のサムネイル画像 / 「エースコンバット」ほぼ全作を通して劇中の戦史&技術史を振り返る。エルジアの無人機はベルカの技術……ってどういうこと?
 2010年,太平洋上に浮かぶオーシア領土西端・サンド島の空軍基地を,所属不明機が襲撃する。太平洋を挟んだユークトバニアとは友好関係にあったため,同基地に配備されていたのは新兵と教官のみで,撃退には成功するも飛行中だった兵士のほとんどが戦死。「ACE5」キャンペーンモードのプレイヤーは,初戦の難を地上待機で逃れた新兵(TACネーム:ブレイズ。コールサインで呼ばれる場面はない)として,同じく地上待機だったアルヴィン・H・ダヴェンポートや初戦を生き延びた新兵のケイ・ナガセと共に,教官のジャック・バートレットを隊長とした“ウォードッグ隊”に編入される。

 同隊がバートレット機の被撃墜や,なりゆきによる訓練生ハンス・グリムの合流を経た2010年9月27日,ユークトバニアはオーシアへ宣戦布告。後に“環太平洋戦争”や,諸々の動乱を含めた“ベルカ事変”と呼ばれる戦争が始まる。

環太平洋戦争の主な戦域
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 ウォードッグ隊はオーシア軍をユークトバニア首都・シーニグラードの目前まで導くも,オーシア軍の“8492飛行隊”を名乗る謎の部隊による工作で反逆者の容疑をかけられる。ウォードッグ隊は練習機を奪取して逃亡し,旗下の通信情報艦による傍受でベルカ人組織の暗躍に勘付いた国防海軍第3艦隊の旗艦・空母ケストレルに保護される。

 この戦争は,ベルカ戦争の怨恨を忘れないベルカ人組織が,オーシア/ユークトバニア両国のハト派に妨害,タカ派に援助と扇動を行い,さらに戦況を泥沼化させることで引き起こした壮大な復讐劇であり,ウォードッグ隊が受けた工作は戦争の早期終結を防ぐためだった。一連の騒動で表向きには戦死とされたウォードッグ隊は,おとぎ話の悪魔にちなんだ“ラーズグリーズ隊”へと名を変え,オーシア/ユークトバニア両国の主戦派やベルカ人組織と交戦する。

サンド島の副司令官であり,かつて8492飛行隊の派遣将校でもあったアレン・C・ハミルトンは,戦争終盤に自ら戦闘機を駆ってラーズグリーズ隊を襲う。そのなかで「ベルカの核を手に入れ,その恐怖で愚かな戦争を終わらせるんだ」と“国境無き世界”によく似た理念を口走っていた
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 「ACE5」では,ストーリーに絡むものではないが有人型のADF-01(ペットネーム:ファルケン)が登場する。この機体は,ユージア大陸の組織ではなく,オーシア国内の軍需企業であるノースオーシア・グランダーI.G.が開発したもので,そんな出自にも関わらずユークトバニア国内の施設を破壊することで入手可能(接収した部品から組み立てたという設定)となる。

 ノースオーシア・グランダーI.G.は,オーシア政府が獲得した南ベルカ国営兵器産業廠を再編した企業であり,表向きはオーシアへの恭順を示していたが,実はベルカ人組織“灰色の男たち”の工作機関という裏の顔を持っていた。ユークトバニアへの有人型ADF-01の提供は,戦争長期化のために行われた工作のひとつだ。そんな経緯や機体名の類似からも分かるように,ADF-01はADFX-01/02の発展型にあたる。

 また,「ACE COMBAT ASSAULT HORIZON」ララビットマーケット限定版の特典冊子「Aces at War: A History」で明かされたところによると,ADF-01以前にADA-01(ペットネーム:アドラー)という攻撃機が開発されており,その護衛用に同機ベースで開発された戦闘機がADF-01であるとのこと。また,ADF-01の開発計画は“Z.O.E.プロジェクト”と名付けられており,北ベルカやベルカ人組織の人的資源不足を補うため,無人化が前提とされていたという。環太平洋戦争時のユークトバニアは偵察ドローンやX-45,潜水艦用UAVといった無人機の運用に積極的だったが,それもベルカ人組織の影響があるのかもしれない。

 ベルカ,ADF-01,エルジア,無人機……点を追っていくと,「ACE7」につながる道筋が見えてくる。

全天周ディスプレイ仕様のコックピット“コフィンシステム(Connection For Flight Interface System)”と,TLS(Tactical Laser System)を搭載し,高い空戦能力を誇る有人型のADF-01。無人型とは機首のデザインが異なり,センサー群は機体中央部へと寄って,先端部のスリット内にメインカメラらしきユニットが搭載されている
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ADA-01は,ポリ窒素爆弾・MPBMや,その戦略仕様であるSDBMといった武装の開発こそ遅れていたものの,機体自体は試験飛行まで行われていたらしい。その機体の行方は不明だ(画像は「ACE COMBAT INFINITY」で初めてプレイアブル機となった,MPBM搭載型のADA-01B)
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 環太平洋戦争や,先のベルカ戦争の終結直後,極右主義の軍人や技術者などが,ベルカと友好関係にあったアネア大陸東部のエストバキア連邦へ亡命したという。


エストバキア内戦(2007年前半〜2013年前半)

「Ace Combat Northern Wings」

 1999年7月8日,ユリシーズの破片はアネア大陸にも降り注いだ。西部のエメリア共和国は比較的軽微な被害で済んだものの,東部のエストバキア連邦は経済破綻に至り政府機能が麻痺して内戦状態に陥る。内戦は国内東部を拠点とする勢力が勝利し,そこから発展した軍事政権がエストバキアを掌握する。この勝利の影には,亡命したベルカ人の協力もあったという。

 この内戦中,アネア大陸の北西に位置する永世中立国・ノルデンナヴィク王国の“グレンデル隊”が,極秘裏にエストバキア東部勢力支援のため派兵されていたらしい。同隊はユリシーズ落着直後,世界的な騒乱に対応するため結成された組織で,諸国軍隊に協力することで自国の政治的中立を保つことを目的としている。このような立場なので,後のエメリア・エストバキア戦争では,内戦時にエストバキア政権の支援に就いた責任を問われ,エメリア側で戦うことになる。

「ACE6」におけるアネア大陸の地図。北西にノルデンナヴィク,中央から南西がエメリア,東がエストバキア。ちなみに,アネア大陸東部とユージア大陸の位置関係を考えると,ユリシーズの破片はユージア大陸南から北極海を通ってアネア大陸へと至る,ベルト状の範囲に落着したと考えられる
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 グレンデル隊の活躍を描いたのが「Ace Combat Northan Wings」(以下,ACENW)だが,同作は「ACE7」公式サイトの年表に乗っていないどころか,そもそも北米・欧州のみでリリースされた携帯電話向けアプリだ。「ACE3D」以上にこれが正史かは怪しく,まして最終ステージで戦う対空歩行戦車・ジャイアントアントリオンをどう捉えるべきかは悩むところだ。ストレンジリアル世界は多彩な超兵器が登場するものの,さすがに巨大な対空歩行戦車は突飛さが否めない。

最終ミッションでは,YF-23にF-35の単発回転ノズルエンジンを載せたようなV-55(ペットネーム:アールヴァク)という架空機でジャイアントアントリオンに立ち向かう。ストレンジリアル世界では2040年に歩行戦車アントリオンが運用されているが,その25年前にいきなりジャイアント版だ
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 とはいえ「異国の地を転々としながら歴史の裏で戦い続ける部隊」という設定は,なかなかロマン溢れるものではないだろうか。「ACENW」ではエストバキア内戦以外にも,大陸戦争や,その開戦以前の混乱期,環太平洋戦争などのステージが存在する。「ACE7」の特典で「ACE5」や「ACE6」を遊ぶときに,「この空のどこかに,祖国の中立性を守るため戦うノルデンナヴィクの機体もいるのかな」と思ってみると,飛ぶのがちょっと楽しくなるだろう。

絵面はなかなか奇妙だが,設定はアツい
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エメリア・エストバキア戦争 (2015年8月30日〜2016年4月)

「エースコンバット6 解放への戦火」

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 2013年には曲がりなりにもエストバキアが再統一されて,アネア大陸に平和が戻るかと思われていたが,再編されたエストバキア軍は2015年8月30日にエメリアの首都・グレースメリアへと侵攻を始める。「ACE6」のプレイヤーは,エメリア軍のパイロット(コールサイン:ガルーダ1,TACネーム:タリズマン)として,僚機のマーカス・ランパートと防衛戦に出撃するが,重巡航管制機アイガイオンから発射される特殊巡航ミサイルの猛威に晒され,撤退を余儀なくされる。

エメリア・エストバキア戦争の主な戦域
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巡航ミサイル運用や戦闘機の発着能力を有し,「空飛ぶ空母」と言えるアイガイオンと電子支援プラットフォームのギュゲス,航空火力プラットフォームのコットス。旧ベルカ軍はXB-0(ペットネーム:フレスベルク)という巨大航空機を開発していたが,関係はあるのだろうか
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エメリアのユリシーズ被害は軽微だったが,ストリートチルドレンによるエストバキア進駐軍を標的としたひったくりが横行するなど,あまり治安は良くないようだ

 一度はアネア大陸を放棄し,西部のケセド島まで撤退したエメリア軍だが,タリズマンの活躍により大陸への帰還を開始。3月31日の昼に首都奪還作戦を開始し,エストバキアの最新鋭ステルス艦上戦闘機・CFA-44(ペットネーム:ノスフェラトゥ)および同機が管制する大量の無人機・UAV-45(ペットネーム:マーレボルジェ)を下して,グレースメリアを解放させる。

 CFA-44はレールガンや全方位多目的ミサイル,高出力のECMポッドといった,特殊な兵装を運用できる機体だ。また,UAV-45の機体中央にはADF-01と同様のセンサー群が確認できる。戦術的装備の戦闘機と無人護衛機といったコンセプト,それとエストバキアへのベルカ人の関与を考えると,ADA-01/ADF-01との技術的な関係があるのだろう。

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中央部にADF-01と似たセンサー群が存在するUAV-45(画像はプレイ中のガンカメラ表示を切り出したもの)。小型機なので武装は機関砲のみだが,飽和攻撃や超高速弾頭でなければ仕留めにくいほどの圧倒的な機動力を誇る
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大量のUAV-45を管制できるCFA-44。UAV-45がADF-01に技術的源流を持つとしたら,本来はCFA-44にあたるのがADA-01,UAV-45にあたるのがZ.O.EおよびTLSを搭載したADF-01だったのかもしれない
エストバキア軍は,占拠したラグノ要塞にノースオーシア・グランダーI.G.のロゴ入りコンテナを搬入していた。同社はベルカ事変の後に相応の行政措置が施されたはずだが,廃業に至らず商売を続けているというのはオーシアの下心あってだろうか。また,後年著名になるゼネラルリソースのロゴ入りコンテナも同じ輸送船に載せられているので,この二社は何かしら関係があるようだ
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 3月31日の夜,エストバキアはグレースメリアに対して,シャンデリアによる直接攻撃を開始。エメリアは4月1日の早朝に総攻撃を敢行し,大規模な防空隊を打ち破ってシャンデリアを破壊する。その後,具体的な日時は不明ながら,エストバキア国内のクーデターによって軍政政権が排除されたことで,エメリアとエストバキアの休戦協定が締結された。


自由エルジアの再攻撃 / 2014年5月28日〜

「エースコンバット7 スカイズ・アンノウン」

 PS4版「ACE7」に収録されるVRモードでは,シリーズプレイヤーとしては三たびメビウス1となり,8年を経た2014年でも健在の自由エルジアと戦っていく。「ACE5」アーケードモードでISAFへの残留を求められたメビウス1は,渋々か快くかは分からないが,軍隊に腰を据えたのだろう。なお,この時代までにISAFは解体され,IUNという国際連合組織の傘下にある国際停戦監視軍(IUN-PKF)へと再編されている。

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この時代,メビウス1は古参兵に英雄扱いされるものの,若者からはロートル扱いされる
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VRモードでは,メビウス1としてエアショーをのんびり眺めることもできる


第二次大陸戦争(灯台戦争) / 2019年5月15日〜

「エースコンバット7 スカイズ・アンノウン」

 2019年5月15日,オーシア連邦で無人機を用いたテロが勃発する。それと同時に,エルジア王国がユージア大陸に対するオーシア連邦の過干渉および権益独占を理由に宣戦布告。ユージア大陸諸国とオーシア連邦がエルジア領土内に共同建設していた,宇宙太陽発電所の基盤である軌道エレベータおよび周辺施設を占拠する。これが,第二次大陸戦争の始まりだ。

第二次大陸戦争の主な戦域
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 オーシア軍は強大な軍事力を持つが,エルジア軍が大量に投入した無人攻撃機は総合的な戦闘力で勝り,オーシア軍をユージア大陸東端まで追い詰める。かつてベルカの考えた量的不足を無人機で補う計画が,この時代のエルジアによって実現化したのだ。エルジアが無人機の精密攻撃でクリーンな戦闘を展開する一方,オーシアは誤爆による民間人殺傷を繰り返す。そんなオーシアの姿勢をエルジアの王女であるローザ・コゼット・ド・エルーゼが批難したことで,エルジアはベルカ連邦の敗因となった世論すら味方につける。

 第一次大陸戦争は比較的シンプルな2勢力の激突だった。しかし第二次大陸戦争のユージア大陸はエルジア/オーシアだけでなく,旧エルジア派や,旧エルジアへの併合で消滅した小国の末裔,ベルカ人組織などが絡み合ううえ,オーシアも「ACE5」で主戦派が政治主導権の奪取を目論んだように一枚岩ではないので,ある出来事をきっかけに戦況は混乱の坩堝へと変貌する。

 「ACE7」では無人機が従来以上にフォーカスされており,プレイヤーはオーシア軍の戦闘機パイロット(TACネーム:トリガー,コールサインはネタバレになるので伏せる)として,“レーベン”と呼ばれる未知の無人機と交戦することになる。レーベンの実態については,ゲームをプレイして確認してほしい。


gamescom2017トレイラーおよびgamescom2018トレイラーで登場した白い機体。キャノピーなどは見当たらないが,機首前方にスリットがあるので,そこにセンサー類が集約されていると思われる。
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gamescom2018トレイラーで搭乗した黒い機体。コックピットブロックにセンサー群が搭載されているらしく,さらにエンジンブロックの形状や主翼とカナードの配置がADF-01と酷似している
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