連載
結のほえほえゲーム演説:第21回「アイドルマスター シンデレラガールズ」4thライブ1日目全曲レポ「みんなでSSAの気持ちになるですよ」
2016年10月15日,「アイドルマスター シンデレラガールズ」のライブイベント「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 4thLIVE TriCastle Story」が埼玉県のさいたまスーパーアリーナ(以下,SSA)で開催されました。
張り切って取材記事を書いたところ,全曲について語ってしまい,うっかり1万字を越える長文になり,しかもこれが初日のみのレポートであることに気付いて我ながら呆然としていますが,どうか最後までお付き合いください。
願わくば,SSAやライブビューイング会場にいたプロデューサーの記憶が,少しでも鮮やかに蘇りますように。SSAやライブビューイング会場へ足を運ぶことのできなかったプロデューサーにも,あの感動を少しでも届けられますように。皆さんがもう一度,魔法に包まれますように。
SSAへ足を踏み入れると,すでに客席はプロデューサーでギッシリ。彼らが握るコンサートライトはすでに光っています。開演を今か今かと待ち望む客席のプロデューサーの皆さんは,会場に流れる「絶対特権主張しますっ!」や「Orange Sapphire」で息のピッタリ合ったコールを入れています。
その光景を見た瞬間,彼らは今日という日を待ち望み続けた,紛うことなき同僚プロデューサーであることを確信しました。今日ここで初めて出会う人々ではありますが,会場へ入った瞬間,プロデューサー達の思いは一つであるという安心感に包まれ,この日がずっと続けばいいのに……なんてことを思いました。まだ始まってもいませんが。
人生で初めて,記者席と呼ばれるエリアに足を踏み入れると,各媒体の皆さんが席に座ってノートPCを広げています。そこで4Gamerの松本さんに「この席って,ライブ中,立ったらマズいですかね」とコッソリ聞いてみると,私の装備品(左手にメモ帳,右手にペンとコンサートライト)を見て「記者席では誰も立たないと思うけど……」と言いつつ,後ろの列の人に,私がライブ中に立ってもいいかと確認してくれました。
会場の中でもひときわ異質な空気を放つこの記者席では,さすがにそんなにはしゃげません。コンサートライトは一応です。万が一,テンションが限界突破したときのために……。と,このときは完全にタカをくくっていました。
照明が落ち,ディスプレイで協賛企業の紹介が始まります。プロデューサー達は表示されたすべての企業名を大声で復唱するのです。最近だと応援上映などでもよく見られる光景ですね。Blu-rayなどには収められないと思いますが,歌舞伎の掛け声のようであり,これにより発声に対する恥じらいがやわらぐので,本番が始まった瞬間,ためらいなく走り出せるんですよ。
千川ちひろによる,公演に際しての諸注意が始まります。私達の元気すぎる返事を聞いたあと,クスリと笑って話を続けるちひろさん。「我々は今,ちひろさんと会話をしている……」。そんな臨場感からもテンションは上がります。
アナウンスが終わると,ステージに築かれたシンデレラの城が姿を現します。ここで,佐藤 心,三船美優,森久保乃々,依田芳乃の4人による特別ナレーションが披露されました。先日,担当声優が発表されたばかりの4人。まさか公演の最初に聞くアイドルの声が彼女達だとは,どのプロデューサーも想像できなかったのではないでしょうか。まさにBrand Newな開幕です。
「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」(以下,「スターライトステージ」)で10月15日も開催期間中だったイベント,「LIVEPARTY」の報酬として登場していた佐藤 心。SSAへ向かう電車の中では,スマホを横向きに持ち,イヤホンをしながら高速で指を動かしている乗客をたくさん見かけたので,きっと最近,SR佐藤 心をお迎えしたばかりというプロデューサーも多かったことでしょう。
プロデューサーにとって,見覚え,思い入れがあり過ぎる衣装ばかりなので,遠くの席からでも,すぐにお気に入りのアイドルを見つけられたと思います。
「BEYOND THE STARLIGHT」は,「スターライトステージ」の1周年を記念する曲です。冒頭の「3,2,1,Fight!」で,シャイなプロデューサーや,記者席の雰囲気に緊張しているプロデューサーが最初からすべてを解放できるよう,1曲めに配置されたのだと思います。ええ,気付けば私も立ち上がり,コンサートライトを振っていました。万が一のテンション限界突破,早すぎます。それにしても,メモを取りながらコンサートライトを振るって不可能じゃないんですね。
大槻 唯役の山下七海さんの曲紹介で,2曲め「Snow Wings」が始まります。この季節にピッタリの曲で,お城にはキラキラ舞う雪が映し出されます。曲のラスト,色とりどりの衣装を着た24人が中央にギュッと集まる演出では,一列となってポーズを決める姿がまるで人形箱みたいで,幻想的な雰囲気です。3曲めは,パッションメンバーによる「Flip Flop」で,キャスト同士が肩につかまり,列車のように行進する振り付けが元気いっぱいでした。
4曲めは五十嵐響子役の種﨑敦美さんによる「恋のHamburg♪」です。ハンバーグを焼くフライ返しを持ちながら踊る姿はキュートそのもの。「ちょっと背伸びしてのぞきたい」で,フライ返しの下から覗いたり,お皿にハンバーグをちょこんと乗せるような仕草がたまらなく可愛かったです。
アイドル達が小道具を持って踊る楽曲も増えてきた「スターライトステージ」でこの曲が実装されるときには,ぜひともフライ返しを小道具にしてほしいですね。
5曲め「青の一番星」は,塩見周子役のルゥティンさんと小早川紗枝役の立花理香さんによるデュエットです。かねてより二人が熱望していた,京都出身の周子と紗枝の二人組,「羽衣小町」のデュエットが,この曲で叶ったのです。青い和装のルゥティンさん,赤い和装の立花さん,並び立つ姿もさまになっていて,和風ロックをはんなり歌いあげます。
3rdライブBD,オーディオコメンタリーでもりっか様(立花さんの愛称)との共演を熱望していたルゥティンさんのことを思い出し,思わず目頭が熱くなりました。良かったね……。今回,こうしたキャスト同士のラブコールが叶った場面が多く見られ,次のライブではどんな共演が実現するのか,プロデューサーの想像もはかどるというものです。
次の「共鳴世界の存在論」では,「青木志貴役の二宮飛鳥なのか,二宮飛鳥役の青木志貴なのか」という言葉が生まれるほど,キャストとアイドルのシンクロ率の高さが話題になりました。個人的に,このシンクロにはもう一人の存在として作詞作曲の烏屋茶房さんがいるのではないかと思います。烏屋さんは,何かに抗うような,メッセージ性の強い作品が多く,飛鳥と近いように感じるのです(ぜひ,烏屋さんのほかの作品も手に取ってください)。飛鳥というアイドルを媒介に,3人の存在がシンクロし,存在証明と化したような,そんな印象を受けました。
7曲めの「き・ま・ぐ・れ☆Cafe au lait!」では,3rdライブでも「劇団フレちゃん」と呼ばれていた,キャストによるお芝居を交えた演出があり,会場を盛り上げました。サバイバル好き大和亜季役の村中 知さんを,元警官の片桐早苗役,和氣あず未さんが追いかけたり,間奏ではミュージカルのようにダンサーを交えて踊ったりと,さらにパワーアップした「劇団フレちゃん」でした。楽しければ何でもアリな世界が,宮本フレデリカのキャラクターにマッチしています。
そして,「エヴリデイドリーム」です。誰もが自分のために歌っているんじゃないか? と感じてしまいそうなくらい,一途な魅力たっぷりに歌われた曲。佐久間まゆ役,牧野由依さんの見せる笑顔は,どこか佐久間まゆを感じさせます。扉の前で歌う姿さえ,誘われるまま扉の奥へと足を踏み入れたら閉じこめられてしまいそうな危うさがあり,大変魅力的です。
9曲めの「Bloody Festa」では,ダンサーが吸血鬼に扮し,ステージ全体がゴーストハウスのようになりました。個人的に,白坂小梅役の桜咲千依さんの衣装が非常に好みでした(「アイドルマスター シンデレラガールズ」のSR+ゴシックホラーナイトメアがモチーフだと思われます)。「離さないで」で,片手をそっともう片方の手で掴むようにスタンドマイクの前で合わせる姿が,儀式のようです。
小梅のままで声を張るのはとても難しいことのように思えるのですが,ケロッとしている桜咲さん。か弱いけど力強い,正反対の魅力を合わせ持つ小梅らしいステージでした。
10曲め,「お散歩カメラ」では,キャスト達のステージを映したディスプレイの映像に,カメラの撮影画面が重なって,高森藍子役の金子有希さんの「カシャッ!」の声と共に,シャッターが切られるという演出があり,プロデューサーから歓声が上がります。龍崎 薫役の春瀬なつみさんは,元気にステージを駆け回る姿から表情まで,薫らしさ全開。金子さんと並ぶと身長差があるのですが,それがまた愛らしかったです。
ステージに映し出された色とりどりの花畑の中で,相葉夕美役の木村珠莉さんが優しく包み込むように歌った11曲め「lilac time」のあとは,12曲め「明日また会えるよね」でした。トロッコではなく,馬車に乗ったキャスト達が会場へ入ってきます。アリーナと記者席の間のそれらしい空間を見ながら,開演前から期待していたのですが,実際に目の前を馬車が通り過ぎると……これは近い。とても近い! 想像以上に近いです。
女子視点で言うと,ヘアメイクや髪や肌の質感まで分かるレベル。思わず全力で手を振った私に,りっか様は優しく微笑みかけてくれました。ありがとうございます。あれは間違いなく私を見ていました。ええ,私だけを。
アイドルと目が合うなんて体験,PS VR「アイドルマスター シンデレラガールズ ビューイングレボリューション」でしかできないと思っていましたが,この体験を思い出すことにより,次に「ビューイング レボリューション」をプレイするときには,リアルさをいっそう感じられるはずです。リアルな体験をもって,バーチャルリアリティの世界への没入感に期待してしまう,悲しきゲーマーの性と申せましょう。
キャッチーなメロディを明るく元気に歌い上げる13曲め「Radio Happy」では,山下七海さんの華奢な体のどこにそんな力が隠されてるの,と思うほど,底抜けに元気な「イエーイ!」で,心が明るく照らされるような気持ちに。
14曲め「気持ちいいよね 一等賞!」では,おなじみの野球対決が始まります。今回のピッチャーは向井拓海役の原 優子さん。ここぞという場面で,ストレート勝負しかないと思いきや,チェンジアップを投げます。そこへ姫川友紀役の杜野まこさんがフルスイング。
カキーンという音と共に,見事ホームラン。大盛り上がりで始まったのに,「いけるよ! いけるよ! いけるよ! いけるよ! いけるよ!」というユッキの応援と共にさらに大きくなっていくコール。これまで体験したことのない会場の一体感に包まれ,ユッキとプロデューサーがお互いに応援し合う曲なんだと感じました。杜野まこさんの衣装にあった背番号「32番」は,「気持ちいいよね 一等賞!」が収録されたCD「THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 032」からでしょうか。
15曲めは「Can't Stop!!」。キャストがジュリ扇を振りながら踊るこの曲がかかった瞬間,会場は一気にバブル時代へ。片桐早苗役の和氣あず未さんはバブルを経験していない若さですが(プロデューサーの皆さんも,おそらく経験していない人が多いでしょう),彼女が演じるからこそ「夢のバブル時代」を会場全体で作り出せているような気がします。
バックダンサーとして参加しているキャストの中に,3rdライブでのキレがあまりに良かったりっか様の姿を探すと,ステージ下手の真ん前で相変わらずキレッキレで踊っていて思わずガッツポーズ。時折入るドヤ顔が素敵です。無表情で踊る速水 奏役の飯田友子さんなど,バックダンサーとして参加しているキャストの個性,表現の違いを楽しめる曲でもあります(毎回キャストの中でも「参加したい!」と人気のある曲らしいです。参加しているキャストがとても楽しそうなので納得)。あじゅじゅ(和氣さん)のベビーフェイスにポリスの衣装は,眺めていると罪悪感を覚えるほどの破壊力でした。ギルティー。
16曲め「きみにいっぱい☆」では,再びトロッコに乗って会場を回るキャスト達。プロデューサーに「ちゃんと見てるよ!」と伝えるような,金子有希さんの優しい笑顔。威勢のいいパフォーマンスとのギャップが可愛い,ブンブンと手を振る原 優子さん。彼女達を見送ったあとは,中野有香役,下地紫野さんによる空手も披露された17曲め「恋色エナジー」から,18曲めの「花簪 HANAKANZASHI」へと続いていきます。りっか様の和装の袖が揺れる姿,牧野さんの指に絡めたリボンを流す姿など,サビの振り付けが映えます。
続く19曲めは,「秘密のトワレ」。ささやきに近い歌声をイメージしていたのですが,想像よりはるかに力強い歌い出しで心を鷲掴みにされました。一之瀬志希役の藍原ことみさん,MCでしゃべっているときの声は低めなのですが,歌声は高くのびやか。志希の二面性を思わせる,掴みどころのない魅力です。志希というアイドルの「18歳の色気」は露骨すぎてはいけません。無防備で,どこまで本気なの? と分からなくなるくらいの危険をはらんだ,掴みどころのない志希というキャラクターを表現する難しさを,ライブでも堂々と見せつけてくれました。
セリフ部分の突き抜けたカッコよさ。繰り返されるフレーズの余韻を残す妖しさ。トップノート,ミドルノート,ラストノートと,香りが変化するオードトワレのような魅力でした。イントロ,アウトロの,香水を手首に練り込むような振り付けが似合っていてほれぼれ(「スターライトステージ」でもおなじみの,あの振りです)。
20曲めの「咲いてJewel」は,クールメンバー9人によるパフォーマンスです。落ちサビの歌声が力強くて新鮮でした。21曲め「ミラクルテレパシー」では,これ以上ないくらい元気なノリの良いパッションメンバー3人で,間奏に入ると,堀 裕子役の鈴木絵理さんのサイキックパワーで,お城に映ったスロットをスリーセブンに。この後のトークコーナーでは,鈴木さんが「会場の運気が良くなったので,帰りにガチャを引くと,もしかしたら?」と話していました。
曲終わりで,キャスト達が何かを念じていると,ステージから誰かがせり上がってきます。「紫の衣装を着たキャストは誰?」と目を凝らすプロデューサー達。「To my darling…」のイントロが流れても,会場は未だに探り探りの空気。なぜかと思うかもしれませんが,これは当然の反応です。ソロ曲を別のアイドルが歌う機会だって大いにあるわけですから。
プロデューサーが「まさか,もしかして」と思ったとき,歌い出しと同時に,モニターに表示された「竹達彩奈」の文字。その瞬間,この日の一番大きな歓声が上がりました。竹達さんが登場してから歌い出しまでの会場の空気は,今思い返すと,あれが真の「サプライズ」に遭遇したときの人々の反応なんだな,と思います。
想像もしなかった現実に脳みそが一瞬フリーズしてしまう感じ。SSA全体がフリーズするなんて,異常事態ですよね。竹達さんも,登場してからプロデューサーの反応がなかったため,「あれ?」と思ったようです。竹達さんが輿水幸子としてプロデューサーの前に登場するのは今回が初めて。プロデューサーにとって,長い間ずっと待ち望んでいた瞬間だったのです。神の降臨を目の前にしたような歓声,叫び,嗚咽,あらゆるものが入り混じった応援を受けながら,涼しい表情で,優雅に手を振る姿はまさに幸子そのもの。
そのまま幸子センターで23曲め「Near to You」が始まり,会場は大興奮。あんなにもしっくりくる初センターがあっただろうか。バトル漫画で最終決戦の前に駆け付けた仲間のように,あらゆる思いを背負って幸子が堂々と立っていました。
続く24曲めの「Absolute NIne」は,相葉夕美役の木村珠莉さん,藍原ことみさん,原 優子さん,ルゥティンさんと,バラバラの個性を持つ4人。原さんの力強い歌声,流されずに気高く歌う木村さん。藍原さんが女らしさをそっと潜ませ,ルゥティンさんは透明感のある歌声で支える。新たな化学反応が起きた1曲でした。この個性のぶつかり合いこそが,シンデレラガールズの醍醐味でしょう。
ソロパートが細かく刻まれてから,4人で歌う場面で一斉に力が集結するイメージで,「Absolute NIne」の持つ「何かに立ち向かっていく感じ」にピッタリでした。スタンドマイクも似合っていましたし,この曲の新たな魅力を知ることができたような気がします。
クールなパフォーマンスと,その奥で熱く煮えたぎるアイドルへの愛情に,ただただひれ伏したい。手足の振りも美しく,指先までしっかりと奏の存在を感じます。
26曲めは「in fact」です。橘ありす役の佐藤亜美菜さんは,どんな曲やセリフでも,一言一句ありすに対する姿勢がブレません。どんなシーンでも,佐藤さんならちゃんとありすにしてくれる,そんな安心感があります。3rdライブでの「in fact」は今にも消えてしまいそうなはかなさでしたが,今回はゆっくりと立ち上がる強い意思を感じました。
まったく聴こえ方が違うのに,何一つ違和感がないのは,佐藤さんが,ありすとしての1年の経験と成長を,ちゃんと表現してくれているからではないでしょうか。この後のトークでは佐藤さんも,ありすとして,佐藤さんとして,たくさんの出会いや関わりの中で変化し,成長してきたという実感を語りました。佐藤さんには,これからもこの曲を歌い続けてほしいですし,佐藤さんとありすがこの曲に出会えたことを,心から幸せに思いました。
演奏終わりは歓声を上げながらコンサートライトを振ることが多い会場のプロデューサーですが,この曲は会場が大きな拍手に包まれました。
24曲めの「Absolute NIne」から26曲め「in fact」までは,3rdライブのセットリスト同様の流れ。3rdライブで話題になり,個人的にも思い入れのある3曲なだけに,不安でもあり,楽しみでもあったのですが,あえて同じ流れで3曲魅せることによって,曲の新たな可能性やアイドルの成長を見せつける演出のように感じました。
そして,27曲めは「あいくるしい」です。歌ってくれると信じていました。初めてそろったオリジナルメンバー。ステージ2階,ステージ上手,下手とそれぞれの扉の前で真っ直ぐ前を見つめて歌っている二人の姿は,距離感があるにも関わらず,背中合わせのような,穏やかな信頼を感じました。
かつてないほど力強い28曲め,「生存本能ヴァルキュリア」のあとは,原さんによる気合入れが行われます。「おまえら,ブランニューキャッスルはこんなもんじゃ終わらねえぞ! 最後までブッちぎるからなー!」と拓海らしく客席を煽り,プロデューサー達も熱が入ります。
29曲め,「Lunatic Show」では,イントロで桜咲千依さんから「今日はこのメンバーで素敵な悪夢みせてあげるー! 輝子ちゃんの分もみんなでヒャッハーしようっ」と本日不在の相方,星 輝子を思うコメントが。プロデューサーは,この一言でどれだけ幸せな気持ちになることか。
アニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ」では,アクシデントが発生したアイドルの代わりに別のアイドルが登場するシーンがいくつかありましたが,「アイドルが別のアイドルを思い,存在を背負ってステージに立つ」ことを,応援しないわけにはいきません。それでいて,歌う曲が激しい「Lunatic Show」ってところがいいですね。ジワッとにじんだ涙を吹き飛ばすようにコンサートライトを振れるわけですから。楽しそうにぴょんぴょんと跳ねる桜咲さんは大変可愛らしかったです。
そして,待ってました,30曲めは「Tulip」です。オリジナルメンバーで唯一不在の城ヶ崎美嘉がCGで映し出され,センターに。最後の欠けたピースを埋めるように,センターで美嘉が踊っています。美嘉の登場をどこかで期待していたプロデューサー達にとって,最高に嬉しい演出だったのではないでしょうか。「スターライトステージ」でおなじみの振り付けも見られて嬉しかったです。サビ前「咲いている」の,一拍置くところで,手のひらをすくうように包む飯田さんが,完全に奏でした。いつもデレステMVで見ていたあのシーンが目の前で……。
31曲めの「純情Midnight伝説」も,オリジナルメンバーで唯一不在である木村夏樹がCGで映し出され,センターに登場。ことごとくプロデューサーを泣かせにきます。炎陣の叫びに応えるかのように,プロデューサー達の応援もどんどん熱が入っていきます。個人的に「スターライトステージ」のきわどいラインを攻め抜く振り付けを再現してくれて感謝しかありませんし,そのシーンで会場から思わず歓声がもれていたのも忘れません。あの振り付けの色っぽさは,たまらないですよね。
天使のような笑顔で,久野さんが動いて,歌って,踊っているんです。思わず隣の人に「今あのステージで歌っているアイドル,私の担当なんですよ! 見てください,あんなに立派に堂々とパフォーマンスしてる」と語り,「仁奈ちゃん,見てるよ。あなたのプロデューサー,ここにいるからね」と全力で叫びたかったほどです。
記者席でこれ以上騒いだら,ほかの人に迷惑をかけてしまうかと思って自重しましたが,泣きながら脳内で叫んでいました。「ハイファイ☆デイズ」の仁奈は,こうしてアイドルのみんなと一緒にこの曲を歌えることが嬉しい,という気持ちを込めて歌ったと,CD発売前日のネット特番で久野さんが述べていました。そんな仁奈ちゃんが,SSAという大きな会場で,プロデューサーのみんなと一緒に「ハイファイ☆デイズ」を歌う。彼女の喜びを想像するだけで,私の顔はもう涙でグシャグシャでした。
ちなみに,久野さんの衣装は,「スターライトステージ」のSSR市原仁奈「ともだちたくさん」をイメージしたものと思われます。まさにあのイラストのように,元気にジャンプしている久野さんがとても眩しかったです。
ラストの34曲めは竹達さん,久野さん,サプライズゲストの二人も交え,キャスト全員での「GOIN’!!!」です。曲が始まろうとキャスト達が立ち位置についたとき,キャストの間に謎のスペースが生まれます。キャスト達が不思議がって戸惑っていると,竹達さんが,ドヤ顔で違う位置にいた,と慌てて戻りました。会場全体が,「幸子かよ」と心の中で突っ込みを入れたことでしょう。
そしてプロデューサー達のアンコールに応え,千川ちひろさんが登場。さまざまな新情報を公開しました。
最後の「これからもアイマスですよっ,アイマス!」は通常,島村卯月役の大橋彩香さんが担当しているのですが,本日は桜咲さんが担当。1stライブから参加している桜咲さんによる「アイマスですよっ」は,歴史的な瞬間であるような気さえしました。
個人的にシンデレラ達の魅力は,この没個性の時代に,全員が個性でぶつかりあってくれるところにあると思います。ニュージェネレーションズの3人など,これまでのイベントやライブで中心だったメンバーがいないという今回の公演でしたが,最後まで彼女達が彼女達らしく走り続けてくれたことを,最高に嬉しく思います。
キャストである彼女達が「(声を担当している)アイドルが,少しでも輝けるように!」と,このステージを作ってくれたことが,言葉にできないほど伝わってきました。髪色をアイドルの色に染めたり,ダンスや歌を練習したり,挨拶の言葉を考えたり……。客席のプロデューサーも,そんなステージを見て「大好きなアイドルが,もっと輝けるように!」と全力で応援していたと思います。こんなに美しい出来事が,世界に存在するなんて。
さて。なんだか長くなってしまいましたが,いかがでしたか? こんなに長い文章を書いたのは大学の卒論以来かもしれません。もし最後までご覧いただいた方がいらっしゃったら,ありがとうございます。気が向いたら,私のTwitterに一言でも感想をいただけると嬉しいです。
次回は,もちろん10月16日のSSA公演2日目のレポートを書きます。この連載は隔週連載なのですが,この熱をどうしても早くプロデューサー達に伝えたいので,来週10月29日に掲載させていただく方向で調整中です。ありがたや。それでは,また次回お会いしましょう。
■10月15日:セットリスト(リスト中敬称略)
1.BEYOND THE STARLIGHT (THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS)
2.Snow Wings (THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS)
3.Flip Flop (金子有希,鈴木絵理,杜野まこ,山下七海,和氣あず未)
4. 恋のHamburg♪ (種﨑敦美)
5.青の一番星 (ルゥティン,立花理香)
6.共鳴世界の存在論 (青木志貴)
7.き,ま,ぐ,れ☆Cafe au lait! (髙野麻美,鈴木絵理,種﨑敦美,村中 知,和氣あず未)
8.エヴリデイドリーム (牧野由依,下地紫野,長島光那)
9.Bloody Festa (桜咲千依)
10.お散歩カメラ (金子有希,今井麻夏,春瀬なつみ)
11.lilac time (木村珠莉)
12.明日また会えるよね (藍原ことみ,金子真由美,下地紫野,髙野麻美,立花理香,種﨑敦美,牧野由依)
13.Radio Happy (山下七海)
14.気持ちいいよね 一等賞! (杜野まこ,木村珠莉,髙野麻美,種﨑敦美,原 優子,牧野由依)
15.Can't Stop!! (和氣あず未,飯田友子,金子有希,鈴木絵理,立花理香,千菅春香,山下七海)
16. きみにいっぱい☆ (金子有希,木村珠莉,鈴木絵里,原 優子,春瀬なつみ,杜野まこ,山下七海,和氣あず未)
17.恋色エナジー (下地紫野)
18.花簪 HANAKANZASHI (立花理香,種﨑敦美,牧野由依)
19.秘密のトワレ (藍原ことみ)
20.咲いてJewel (青木志貴,飯田友子,今井麻夏,桜咲千依,佐藤亜美菜,千菅春香,長島光那,村中 知,ルゥティン)
21.ミラクルテレパシー (鈴木絵理,山下七海,和氣あず未)
22.To my darling… (竹達彩奈)
23.Near to You (Long Intro Ver.) (THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS)
24.Absolute NIne (Long Intro Ver.) (藍原ことみ,木村珠莉,原 優子,ルゥティン)
25.Dance ShowCase - Hotel Moonside (飯田友子,青木志貴,千菅春香)
26.in fact (佐藤亜美菜)
27.あいくるしい (立花理香,牧野由衣)
28.生存本能ヴァルキュリア (今井麻夏,金子真由美,金子有希,木村珠莉,佐藤亜美菜,千菅春香,長島光那,原 優子,春瀬なつみ,村中 知)
29.Lunatic Show (桜咲千依,金子真由美,村中 知)
30.Tulip (藍原ことみ,飯田友子,髙野麻美,ルゥティン)
31.純情Midnight伝説 (Long Intro Ver.) (金子真由美,千菅春香,原 優子,村中 知)
32.ハイファイ☆デイズ (Long Intro Ver.) (今井麻夏,春瀬なつみ,久野美咲)
33.みんなのきもち (Long Intro Ver.) (久野美咲,藍原ことみ,青木志貴,今井麻夏,桜咲千依,金子真由美,佐藤亜美菜,下地紫野,長島光那,春瀬なつみ,杜野まこ,ルゥティン)
34.GOIN'!!! (THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS)
35.EVERMORE (THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS)
36.お願い!シンデレラ (THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS)
最近プレイしているゲーム(2016/10/22)
PlayStation 4:「ペルソナ5」
PlayStation 4:「アイドルマスター プラチナスターズ」
PlayStation Vita:「ZERO ESCAPE 刻のジレンマ」
ニンテンドー3DS:「カルドセプト リボルト」
iOS:「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」
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アイドルマスター シンデレラガールズ ビューイングレボリューション
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