プレイレポート
「デモンゲイズ2」ではデモンがより身近に感じられるように。デートして合体して革命も起こしちゃう,本作のプレイレポートをお届け
本作では,新たな舞台に移っただけでなく,主人公であるデモンゲイザーの設定や,仲間となるデモン達を一新。前作で高い評価を得た快適なゲームシステムや,拠点におけるヒロインや仲間達との共同生活といった要素に磨きをかけつつ,デモン達との関係をより深く掘り下げて楽しめるようになった。本作の開発コンセプトやさまざまな設定については,角川ゲームスとエクスペリエンスのキーマンに行った「こちら」のインタビュー記事を合わせて参照していただきたい。
今回はそんな本作を一足先に遊んでみたので,プレイレポートをお届けしよう。
「デモンゲイズ2」公式サイト
新たなデモンゲイザーとなってアステリアの自由を取り戻せ
さて,上述のとおり,舞台を新たにした本作で主人公達の拠点となるのが,かつては小劇場として人気を博していた「ステラ座」だ。現在は表向き,宿酒場として営業を続けているものの,その実態はアステリア革命団の面々が暮らすアジトとなっており,地下には革命団によるラジオ放送「大転覆ラジオ」のためのスタジオが隠されている。
ステラ座の地下には,このほかに前作でおなじみのカッスルが経営する武具・道具屋,葬儀屋からラジオの構成作家に華麗な転身をした(?)プロメスの部屋,そしてデモン達のメンテナンス室がある。また,地上部分にはステラ座の若き女支配人にして革命団のリーダーであるミュゼ,その妹で大転覆ラジオの歌姫を務めるプリム,さらには主人公やデモン達が暮らす部屋などがある。
革命団のリーダーであり,ラジオのDJも務めるミュゼ。よく,悪い笑顔で策略を練っている。くひひ |
ミュゼの妹のプリム。控えめな性格だが,抜群の歌唱力を誇る革命団の歌姫 |
前作から引き続いての登場となるカッスル。本作では一人で武具・道具屋を兼任している |
ドクロ様に胸キュンのプロメス。ラジオの構成作家に転身したが,葬儀屋の仕事もやる |
すっかりダメエルフぶりが板に付いたレゼルム。激太りしたが,酔うと脱ぐ癖は直らなかった |
使用人のトマ。主人公達の身の回りのお世話をしてくれるほか,ステラ座の給仕もこなす働き者 |
大まかなゲームの流れは前作を踏襲しており,プレイヤーはこのステラ座で最大5人のパーティを編成し,冒険の準備を整えて各地のダンジョンに向かうことになる。ストーリーのノリや全体的なプレイフィールは「これぞまさにデモンゲイズ」といった感じで,前作ファンならば何の違和感もなく,すんなりとゲームに入り込めるはずだ。
一方で,前作から変化している部分も,もちろんある。その1つが,ゲーム開始時のキャラメイクで,主人公のアライメント(性格)を「善」「中」「悪」の3つの中から選べるようになったこと。どのアライメントを選択したかによって,主人公と仲間(デモン)が覚えるスキルが変化するという仕組みで,善だと防御系のスキル,悪だと攻撃系のスキルを多く習得し,中ではそれらをバランスよく覚えられる。
また,デモンの立ち位置も大きく異なり,前作のような“自分でキャラメイクしたパーティメンバー”で冒険するのではなく,仲間になったデモンをそのままパーティに加える形になった。前作のデモンは戦闘中に召喚して戦わせる助っ人のような存在だったが,今回はさまざまな個性を持ったデモンから好みのメンバーを選んでパーティを編成し,共に戦えるようになったわけだ。
前作プレイヤーの中には,この“仲間のキャラメイクができなくなった”という点を不安に思う人がいるかもしれないが,実際にプレイしてみた感想を率直に述べると,個人的にはまったく不満を感じなかった。むしろ,筆者としてはこちらのほうが好みかもしれない。それぞれのデモンに固有の性格付けがなされたことで,日常生活のドラマにメリハリが生まれており,より深く彼らに愛着を持てるようになっているのだ。
さらに,デモンの育成について補足しておくと,プレイヤーがまったく介入できないわけではない。むしろその逆で,デモンはレベルアップ時にステータスポイントを自由に割り振れるほか,一定レベルに達したときには複数の「リバティスキル」が提示され,好きなものを選択できる。このリバティスキルは,主人公のアライメントによって変化するので,プレイヤーごとに違った育成が楽しめるのだ。
どのデモンも最初は敵として登場するが,戦闘に勝利してデモンゲイズで魂を支配することで革命団に加わってくれる。仲間になったデモンは自動的に相部屋に放り込まれるので,前作のようにあらかじめ空き部屋を借りておく必要はないし,お金にうるさい管理人さんに,外出先から戻るたびに家賃を請求されることもない。その理由については,上述のインタビューでエクスペリエンスの千頭 元氏が語っているとおりだが,筆者は結構気に入っていたので,ちょっぴり寂しいところだ。
その代わり,一度だけお金を払って個室を借りるとそこに家具を置くことができ,その部屋に入居したデモンは家具に応じたステータスボーナスを得られる。よくパーティに入れて連れ歩くお気に入りのデモンには,ぜひ個室(と家具)を用意してあげよう。
デモンと一緒に暮らし,デモンと力を合わせて戦う
ところで,「こちら」の記事でお伝えしているとおり,本作では発売に先駆けて,公式サイトにて取扱説明書の事前配布が行われている。すでに取扱説明書を熟読して,あれこれと想像を膨らませている人もいるのではないかと思うが,仲間としての存在感がぐっと増したデモン達との“日常”と“バトル”について,やはり実際にプレイしてみないと分からない部分も多いはず。
というわけで,ここからはこの2つのポイントについて,簡単に紹介していきたい。まずはデモン達との日常に関してだが,なんと言っても大きな注目を集めているのが「メンテナンス」と「デート」だ。
メンテナンスはステラ座の地下にあるメンテナンス室で行うことができ,1回につき1個の「メンテクリスタル」が必要となる。メンテクリスタルはデモンを撃破した際に入手できるほか,「デモン空間」内でのバトルによっても手に入る。とは言え,デモン全員の好感度をMAXにできるほど集めるのはかなり大変なので,とりあえずはお気に入りのデモンに絞って使っていきたい。
メンテナンスの方法は,デモンが喜びそうなポイントを見極めて○ボタンを長押し,あるいはPS Vitaの画面をタッチするというもの。デモンの画角と喜びそうなポイントは毎回変わるので,いつも同じ攻略法でうまくいくというわけではない。メンテナンスには数回の練習ができる「プラクティスタイム」と一発勝負の「本番タイム」があるので,プラクティスタイムでここぞというポイントを見つけておきたいところだ。
メンテナンスが終了すると,その結果に応じてデモンの好感度ゲージが上昇し,ゲージがいっぱいになるとデモンとのデートイベントが発生する。デートイベントは,ステラ座や街のあちこちでデモン達と親睦を深めるイベントが発生するというもので,コミカルなものから,ちゃんとデートらしいものまでさまざま。デートイベントが終わると,デモンの好感度レベルがアップする。もちろん,男性型のデモンともデート(?)できるが,筆者は試していないので,その内容は各自の目で確認してほしい。男は全員放置!
好感度レベルが上がると,デモンや主人公のステータスにボーナスが加わり,デモンが「デモンスキル」を習得する。通常のスキルは,デモンのレベルを上げることで覚えられるが,デモンスキルはデモンの好感度を上げることでしか習得できないので,やはりお気に入りのデモンとの仲を深めていくのがいいだろう。むろん,筆者は可愛い女の子にしか興味がないので,男は全員放置である(2回目)。
そんなデモン達とのほのぼのライフと対を成すのが,「禁域」と呼ばれるダンジョンでのバトル。アステリア各地にある禁域はモンスターがうろつく危険地帯で,マグナスター配下のデモンによって守護されている。主人公達の目的は,この禁域の最深部に安置され,知らず知らずのうちに人々の心を支配している「ボイスクリスタル」を破壊することだ。
本作におけるデモンは,「人間体」と「デモン体」という2つの姿を持ち,戦闘中に「トランスデモン」によってデモン体に変身することで戦闘能力が向上する。デモン体になると,通常スキルに加えて上述のデモンスキルを使用可能になるが,変身中は画面左上にある「スターゲージ」が減少していく。スターゲージは戦闘中に敵を攻撃することで増加する仕組みだ。
そして,バトルにおけるもう1つの大きな要素が,トランスデモン中の仲間と合体する「デモンクロス」。合体すると,武器の射程が無制限になり,一方的に複数回行動できるようになるなど非常に強力で,デモンの好感度が高いほど,デモンクロス中の行動回数が増加する。さらに,合体後の姿はデモンごとに「力」「技」「魔法」の3タイプがあり,合体中はタイプに応じたデモンスキルも使えるようになる。
しかし,デモンクロスには注意点もある。まず1つが,合体の成功率はスターゲージの残量やデモンの好感度によって変化するという点。とくに,スターゲージが残り少ないときは成功率が極端に下がるので要注意。そして,合体が終了するとスターゲージがゼロになり,合体した仲間は衰弱して,数ターンのあいだ戦闘に参加できなくなってしまうのだ。これはピンチ!
したがって本作では,格下の敵とは人間体のまま戦ってスターゲージを溜め,ちょっと本気を出したいときは変身し,ここぞというときに合体して一気に畳み掛けるといった使い分けが重要になる。また,トランスデモンもデモンクロスも,一度実行すると任意で解除することができないという点も覚えておきたい。
これまで紹介した以外にも細かい新要素はいくつかあるが,ここではそれは置いておいて,最後にストーリーについて軽く触れておくと,まさに“王道”の展開が待っている。欲を言えば,せっかく革命をテーマにしているのだから,それと絡めて自由を取り戻した人々との交流や,アステリアの各エリアを解放していくことによるゲーム的なメリットなどがもう少し欲しかったところだが,全体的なノリは前作をそのまま引き継いでいるので,ファンは安心してほしい。
前作「デモンゲイズ」の遊びやすさをそのままに,順当なパワーアップを果たした「デモンゲイズ2」。ダンジョンRPG初心者からコアプレイヤーまで,前作以上に幅広いプレイヤーが楽しめるゲームに仕上がっていると感じた。ゲーム発売後に配信予定の無料の大型DLC「柳生斬魔録 コール・オブ・ザ・グリモダール」も早く遊びたいところだ。
ちなみに,ゲーム本編を最後までプレイすると,前作の世界のその後がちょっぴり分かる……かもしれない。もちろん,好感度をMAXにしたデモンとのちょっとしたアレもある……気がするので,こちらもお楽しみに!
「デモンゲイズ2」公式サイト
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