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シャドバの国内大会「RAGE Shadowverse 2023 Summer」GRAND FINALSレポート。津島の塩選手が悲願の初優勝
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印刷2023/06/23 17:03

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シャドバの国内大会「RAGE Shadowverse 2023 Summer」GRAND FINALSレポート。津島の塩選手が悲願の初優勝

 CyberZ,エイベックス・エンタテインメント,テレビ朝日が3社合同で開催する,デジタルカードゲーム「シャドウバース」iOS / Android / PC)のeスポーツイベント「RAGE」。本稿では,2023年6月18日に行われた「RAGE Shadowverse Summer」のGRAND FINALSをレポートする。
 なお,本大会の様子はYouTube,OPENRECで配信されているので,試合の詳細を知りたい人はこちらもあわせてチェックしてほしい。

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■YouTube配信URL
https://www.youtube.com/watch?v=4Cj5SpoXEIE

■OPENREC.tv配信URL
https://www.openrec.tv/live/em8xg22nkr2

■RAGE公式サイト内ファイナリスト紹介ページ
https://rage-esports.jp/shadowverse/2023summer/gf/finalists/SaltofTsushimaThx

「シャドウバース」公式サイト



GRAND FINALS会場の様子をレポート


 GRAND FINALSが行われたのは東京・秋葉原のベルサール秋葉原だ。都心でアクセスもよく,メインストリートに面しているからか,足を止める通行人も多く,会場は賑わいを見せていた。

会場入り口の展示パネル。現在の最新カードパックのキービジュアル
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こちらは7周年を記念して描き下ろされた新しいタイトルバック
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 大通りに面した開放型スペースの1階では,物販ブースの出展や本作で使用された原画の展示,インフルエンサーやプロ選手のステージが行われていた。

1階のステージを遠景から。開放感があり足を止めやすい
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イラストの展示コーナー
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作中で使用されたイベントスチルの原画
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キャラクターの立ち絵の原画
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 エスカレーターを上がった2階ではプロプレイヤーとの交流イベントや4人フライト式トーナメント,配信者のサイン会などを開催。1階とは異なりコアプレイヤー向けのイベントスペースだ。

4人フライト式トーナメントの様子
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プロプレイヤーと対戦できるブース
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プロチームのファンミーティング待機列。写真の列は横浜F・マリノスeスポーツのもの
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 メインステージは地下1階に設置され,選手たちの攻防に歓声が沸き,熱気に包まれていた。

地下観覧席の様子。巨大モニタに映し出される攻防に会場が揺れていた
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会場では新カードの発表も


 くり広げられるGRAND FINALSの激闘の合間には,6月27日リリース予定の新カードパック「Heroes of Rivenbrandt/ミスタルシアの英雄」から新カードが発表された。

 PV付きのお披露目となった「黒蒼の絆・フォルテ&ミリアム」はドラゴンのレジェンドカード。これまで本作ではネメシスのカードとして活躍したミリアムの効果表現として,進化効果でネメシスのトークンである「エッジアーティファクト」を呼び出すことができる。

新カード「黒蒼の絆・フォルテ&ミリアム」
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こちらはそのカード効果
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 手札のランダムバフは,第21弾カードパックに収録されたレジェンド「気高き雷・ロマロニア」がやや使いにくかった印象なのでなんとも評価が難しいが,10PP到達時にプレイすると2回攻撃が可能になる疾走フォロワー,しかもキャントリップ付きという性能は光るものがある。

 現状で見えているカードプールでは6コストという重めの数字は他のドラゴンのカードとややくっつきが悪く,既存のどの軸ともシナジーを生み出さない点は懸念要素だが,単体のスペックはかなり高いので,他の追加カード次第では大化けする可能性を秘めていそうだ。


GRAND FINALSの対戦を準決勝からプレイバック


準決勝第1試合:小田選手 vs iDeal|TBT選手

 
 準決勝第1試合は小田選手iDeal|TBT選手(以下,TBT選手)の対戦。1セット目は小田選手がロイヤルを,TBT選手がヴァンパイアをそれぞれ選択。お互いに立ち上がりが強いデッキ同士の激突となり,先攻を引いたTBT選手が盤面処理力の差を突いて有利に展開する。

 小田選手は4ターン目に「ブレイズフレア・マーズ」に進化を切って巻き返しを図りたいが,守護裏に隠れ続ける「憤激の副総長」に触れず大量に打点を稼がれてしまい,そのまま「羅刹の咎人・ガロダート」に押し切られてノックアウト。まずはTBT選手が先取する。

盤面展開が得意なロイヤルだが,自分以上の展開力を持つ相手には脆い一面を持つ
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 続く2セット目,小田選手はドラゴン,TBT選手はネクロマンサーを選択。小田選手は早々にリュミオールを使いきり,TBT選手は猛攻を捌く代償に手札を失い泥仕合に突入してしまう。こうなると小田選手のノール&ブランや「禁牙の執行者・ドラズエル」の処理がTBT選手に重くのしかかり,最終的に処理不能に陥らせて小田選手が勝利。すぐさまセットを取り返す。

コンボクラスのネクロマンサーは手札枯渇が天敵。序盤にリュミオールを捨てた段階でリソースを吐き出させるプランを想定していたのであれば,見事と言うしかないだろう
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 3セット目はネクロマンサーのミラーマッチ。後攻を引いたTBT選手が4ターン目にメタトロンを進化させ,5ターン目にミロエルのプレイに成功。続くターンでバーンダメージを押し込み勝利。決勝戦への王手をかける。

お手本のようなネクロの勝ちパターン
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 4セット目,追い込まれた小田選手はロイヤルを選択。TBT選手は自動的にドラゴンの選択となる。マーズの進化を起点に攻めたい小田選手だったが,ここでTBT選手の手札に舞い込んだのはリュミオール。これを小田選手は温存していた「ブレイブヴァンガード」で返しつつ7ターン目につなぐ構えを見せるが,ここでTBT選手は盤面ロックを仕掛ける。
 冷静に小田選手が出せる最大打点を見極め,ヴァリアントフェンサーを出されても続く疾走フォロワーを出すスペースを与えないことで,一発逆転の可能性を封じ込めてしまう。

 この妙手で1ターンの猶予を得たTBT選手は,続くターンにリュミオールをプレイし,確実に小田選手の体力を削り切って勝利。その実力を見せつけて決勝に歩みを進めた。

残り1面に何を出されても倒されないと見極めてロックを選択。この大舞台でも冷静さを保っている
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TBT選手の紹介画像
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準決勝第2試合:Thx|津島の塩選手 vs SGA|Q-Vism選手


 準決勝第2試合はThx|津島の塩選手(以下,津島の塩選手)とSGA|Q-Vism選手(以下,Q-Vism選手)の対戦。奇しくも津島の塩選手が1回戦で打ち破ったとり選手は,Q-Vism選手のチームメイトであり,Q-Vism選手にとっては絶対に負けたくない相手だ。

 1セット目は津島の塩選手がウィッチ,Q-Vism選手がビショップをチョイス。基本的にはビショップが大きく有利と目されるマッチアップだが,7ターン目にワンショットを叩き込むための手札を完成させたQ-Vism選手は6ターン目に盤面放置を選択。

 ダメージを耐え切れる算段だったが,これを受けた津島の塩選手はデッキを掘りまくって倒し切れるだけの打点を揃えることに成功,そのままガラ空きの盤面を駆け抜けて勝利する。

ここからのドローで足りない火力を引き込んで勝利。Q-Vism選手にとっては手痛い敗戦になってしまった
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 2セット目は津島の塩選手がビショップ,Q-Vism選手がドラゴンの組み合わせ。津島の塩選手はキーカードのスカルフェインをなかなか引き込めず,厳しい時間が続く。その間にもQ-Vism選手のディスカード回数は伸びていく。5ターン目には2枚目の0コスト竜の創造を用意することにも成功し,手札に次ターンの20点を揃えたQ-Vism選手がそのまま6ターン目にリュミオールからの特大打点を叩きつけて勝利。

リリウムのコストダウンはすでにコストが下がっている竜の創造も抽選対象になってしまうが,0コストのディスカード札を2枚抱えられたときのリターンは莫大だ
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 3セット目はネクロマンサーのミラーマッチ。本大会では何度も見た組み合わせだ。例によって葬送を重ねながら手札と墓地を整えていき,6PPのミロエル着地を目指していくことになるが,ここで津島の塩選手が葬送カードもドローカードも引き込めない不運に見舞われる。

 テンポよく葬送を重ね,ドローも潤沢なQ-Vism選手の動きに思わず手がリタイアボタンに伸びかける津島の塩選手。何もかもが下振れる展開では手も足も出せず,対照的に綺麗に動いたQ-Vism選手が何事もなくそのまま勝利し先にリーチをかける。

なかなか無いレベルの下振れ。欲しいカードがまったく手に入ってこない……
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 4セット目に津島の塩選手はネクロマンサー継投を選択。対するQ-Vism選手は自動的にビショップとなる。3セット目の負け方が尾を引かないかが懸念される津島の塩選手だが,今度はしっかりマリガン時点で葬送カードの確保に成功。対するQ-Vism選手もスカルフェインを引き込み,両者ともにスタートハンドは盤石といったところ。

 Q-Vism選手は3ターン目の時点で6ターン目のワンショットが可能な手札を揃えるが,それを目指すには盤面の処理がままならない難しい状況。津島の塩選手も盤面に圧力をかけ続け,安易に手札回しに集中することを許さない。

 Q-Vism選手は6ターン目のリーサルを手放し,盤面に付き合うことを選択。しかし,4ターン目にプレイされた「不浄の古霊」を処理できず,5ターン目に津島の塩選手が引き込んだメタトロンの1点でピッタリ体力を削り切られてしまう。わずか5ターンの早期決着でこのセットを津島の塩選手がものにして,決着は最終戦に委ねられる。

手札次第ではフォロワーが出せず,盤面が完全放置状態になってしまうのがビショップの泣きどころ
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 5セット目に待っているのはビショップミラー。先攻を引き当てたのは津島の塩選手。Q-Vism選手は後攻となってしまうが,1ターン目のファーストドローでスカルフェインを引き込むことに成功。着々とカウントを進めていく。

 対する津島の塩選手も4ターン目にスカルフェインをドロー。紙一重のところで7ターン目までのコストダウン準備が間に合った形だ。さらに5ターン目にもスカルフェインを引き込むと,そこからスカルフェインのコストが下がりはじめる。

 先に7PPに到達するのは津島の塩選手。スカルフェインも見えており,苦しい展開となったQ-Vism選手は,6ターン目に体力を20まで回復し,自分の7ターン目が回ってくる希望に賭ける。しかし,津島の塩選手の7ターン目に待っていたのはタウラス2枚とスカルフェイン2枚による20点のワンショットだった……。

 決勝戦への切符を手にしたのはミラーマッチを制した津島の塩選手。長かったRAGE Shadowverse 2023 Summerもいよいよ大詰めを迎える。

勝利の瞬間カメラに向かってビシ! 津島の塩選手,パフォーマンスもキレキレである
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津島の塩選手の紹介画像
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決勝戦:TBT選手 vs 津島の塩選手


対戦前の両選手。泣いても笑ってもこれが最後の闘いだ
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 長い長い道のりを勝ち進み,決勝戦までたどり着いたのはTBT選手津島の塩選手。1セット目はTBT選手がネクロマンサーを,津島の塩選手がウィッチを選択。両者ともにスレスレのところで手札がつながっていき,着々とそれぞれのカウントを進めていく。

 4ターン目,TBT選手がケリドウェンの結晶を利用し,2体の古霊を並べて盤面形成とバーンダメージを押し付ける。返す津島の塩選手は,キーカードの1枚「始まりの魔術・マナリア」を進化させ,処理しきれない2体目の古霊はチャームマジックで拘束。バーンダメージの3点はもらうものの,リーダーへの直接攻撃は防いでいく。

 そして6ターン目,ミロエルの返しに1面埋まった状態から双姫の大魔術+マナリアパーティーで仕掛けることもできた津島の塩選手だが,すでにケリドウェンが2枚出ていて大幽霊のロックを受ける可能性が低いことと,体力を18まで回復しておけば1ターンは凌げることからここは安全策を選択。

 しかし,7ターン目のドローでTBT選手が引き込んだのは3枚目のケリドウェン。当然大幽霊をリアニメイトし,双姫の大魔術に対する妨害を仕掛ける。実はこの返しに津島の塩選手の手札には詰めきれるだけの火力リソースがあったのだが,焦りからか守りのプレイをしてしまう。
 こうなるとTBT選手の思うつぼ。きっちりと守護を剥がしつつ,大幽霊+死竜の暴食による22点パンチを叩き込んで,まずはTBT選手が1セット先取。

大魔術からアン&グレアを進化させると全体に合計10ダメージが飛ぶので,大幽霊を進化置きして落とされないようにしている
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 続く2セット目,TBT選手はドラゴンを,津島の塩選手はウィッチの継投を選択。徹底して盤面にフォロワーを残さず,スペルの当て先を残さないTBT選手のプレイングが光り,津島の塩選手の手は中盤で止まってしまう。
 にらみ合いのような状況が続くなか,先に動いたのはTBT選手。しかし,リュミオールで足りない打点のリリウムを探しにいくが,たどり着けずに盤面を形成してしまったことで一転してピンチに。

 こうなると嬉しい津島の塩選手。降ってわいたチャンスを逃さず手札に溜まっていたスペルを一気に吐き出し,双姫の大魔術のコストをものすごい勢いで下げ,相手の守りを貫通する大ダメージでフィニッシュ。取られたセットを即座に取り返して3セット目に臨む。

大魔術のプレッシャーで動いてしまったが,痛すぎるカウンターが待っていた
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 3セット目,TBT選手はドラゴンを継投。津島の塩選手はビショップで挑む。津島の塩選手は3ターン目にスカルフェインを引き,対するTBT選手もワンショットに向けて手札を整え,引き込んだ3枚のノール&ブランで守りを固め,津島の塩選手のリソースを吐き出させていく。
 TBT選手は津島の塩選手がリソースを使ったのを見てリュミオールを投げて盤面を形勢するが,これを前ターンに引き込んでいたスカルフェインが破壊! こじ開けた道を雷導の神鳥が疾走で駆け抜け,津島の塩選手が勝利。優勝へ王手をかける。

ここから盤面を返し,なおかつ次のターンに攻めるためのリソースを温存できたのが勝負の決め手となった
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 4セット目,TBT選手は今回もドラゴンを継投して津島の塩選手が残したネクロマンサーを仕留めにかかる。序盤,津島の塩選手はケルべロスの葬送先にニュートラルのミカエルを選んだことで3ターン目の大腕の沙汰が撃ちにくくなってしまうが,引いてきたフギン&ムニンがその隙をカバー。
 TBT選手は2ターン目にプレイしたリリウムでケルベロスを処理するが,これによって津島の塩選手は大腕の沙汰で捨てたネクロマンサーフォロワーと墓地にあるケルベロスの回収が確定する。先の先を見越したプレイでアドバンテージを稼いでいく。

 ターンが進み,津島の塩選手が横並びで執拗に体力を削っていくなか,追撃をかけるかのようにミロエルが登場し,体力を残り6まで削りつつ,盤面のプレッシャーをより強固なものにしていく。
 追い込まれたTBT選手はリュミオールで盤面を解決しつつノール&ブランを立て,回復カードを総動員して守りを固めるが,ミロエルのリーダー付与能力の前に体力がもたない。津島の塩選手がバーンダメージで2点ずつ,ゆっくりと勝利への道を踏みしめるように体力を削り取って勝利。

この瞬間,RAGE Shadowverse 2023 Summerの長い長い闘いを乗り越えて,津島の塩選手が頂点に立った。

観覧席も優勝の瞬間に湧きたっていた
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優勝カップを掲げる津島の塩選手
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 表彰式にはShadowverseのプロデューサーを務めるCygamesの木村唯人氏が登壇。優勝者の津島の塩選手に賞金の1000万円を授与し,本日の闘いを振り返って選手たちに労いの言葉をかけた。

木村唯人氏も津島の塩選手のルーティーンである“感謝”のポーズ
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 予選大会からの取材を通してRAGE Shadowverse 2023 Summerを振り返ると,「競技チームの席巻」という印象を強く受けた。
 当然,競技志向のチームに所属するにはスキルや熱意など多くの素養が必要になるだろうが,RSPL(RAGE Shadowverse Pro League)に参加するプロチームより門戸が広く,所属プレイヤーの多さやいい意味でのカジュアルさがもたらす研究深度は,如実に結果として表れていることがファイナリストの面々からも読み取れる。

 ゲームを攻略するうえで人数の多さが重要なファクターになることは,格闘ゲームなどの全体レベルが,SNSの発達によって大幅に底上げされていることからも明らかだろう。
 今後も競技チーム所属プレイヤーが台頭する流れは続きそうだが,だからこそ,本大会のデスティニー選手のような,個人志向を貫く骨太な“突然変異”にも期待したいところだ。

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大会終了後の津島の塩選手合同インタビュー


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――本日は優勝おめでとうございます。まずは今の率直な気持ちをお聞かせください。

津島の塩選手:
 奇跡みたいで未だに実感が湧かないですが,応援してくれた方々や調整を手伝ってくれた方々に感謝を伝えたいです。

――GRAND FINALSに持ち込んだ3つのデッキはどのようにして決めたのですか。

津島の塩選手:
 最初に決めたのはウィッチでした。自分が扱う上で最も勝率が高く,柔軟にプレイすれば幅広いデッキ,クラスと渡り合える点が魅力で,噛み合えば誰が相手でも勝てると判断しました。
 2つ目はビショップです。このデッキは初動の手札が良ければすべてに勝てます。その上,キーカードのスカルフェインを引かずとも有利なタイミングが訪れれば勝ち切れるパワーがある。実際に使ってみた感触でも勝率が高く,このデッキを選びました。

 最後にネクロマンサーですが,現環境で最もパワーのあるデッキなのは疑いようがないです。持ち込みに多少悩みましたが,かといって持たない選択肢もないと思い,最終的にウィッチ,ビショップ,ネクロマンサーの3クラスを持ち込みました。じつはネクロマンサーとヴァンパイアで悩んだ時期もあったのですが,直近のJCG大会などで狂乱ヴァンパイア再流行の兆しがあり,メタを被せられることを危惧して今回は持ち込みを断念しました。

――準決勝でネクロマンサーが大事故を起こしてしまいましたが,メンタルへのダメージは後のゲームに影響がありましたか。

津島の塩選手:
 あれはヤバかったです(笑)でも,もうあそこまで酷いと笑うしかないですね。逆におもしろくなったくらいだし,プレイミスなどに起因するものではないので,マイナスの影響はなかったと思います。

――決勝戦で印象に残っているシーンを教えてください。

津島の塩選手:
 1戦目のウィッチ対ネクロマンサーですね。相手のTBT選手の回し方が上手くて,ちょっと気持ちが負けに引っ張られて,「アン&グレアを出した次のターンは回復!」というルートを思考放棄でなぞってしまいました。対戦後に裏に引っ込んだタイミングで「あそこリーサルあったよ」って他の選手に指摘されて,得意なはずのデッキだったのに恥ずかしい思いをしました……。
 この試合は後で見返して反省しないとダメですね。恥ずかしいから本当は一生見返したくないですが……。

――チームメイトも会場で応援してくれていたと聞きましたが,やはり仲間の存在は頼もしかったですか。

津島の塩選手:
 そうですね。皆応援しにきてくれて本当にありがたかったです。

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――プロシーンに対するモチベーションはありますか。

津島の塩選手:
 RAGE優勝を糧に色々挑戦したいと思っているので,当然プロシーンにも興味はあります。プロチームに入るならここしかないと思っているチームがあるんです。

――差し支えなければ伺ってもよろしいでしょうか。

津島の塩選手:
 じつは,RAGEの優勝賞金の一部でよしもとの養成所に入りたいと思っていて。もともとお笑いが好きで,なかでもよしもとの笑いが大好きなんです。
 よしもとゲーミングにもShadowverseのチームがあるので,そこに入れたら夢みたいですよね。もちろん入れなくてもよしもとの養成所には入所するつもりですが。

――RAGEへの高校生の出場が解禁された頃,当時高校生のhasu選手が優勝を飾ったことがありました。おそらくhasu選手と近い年代とお見受けしますが,当時,近い年代の若いプレイヤーが活躍したことにモチベーションを感じましたか。

津島の塩選手:
 それはもう。彼の活躍があったからこそ,今の自分があるレベルです。自分は少し変わった構築のデッキや,メタ寄りのデッキが好きなんですが,当時hasu選手が持ち込んだマンモス超越ドロシーというデッキはドンピシャで,ものすごい衝撃を受けました。
 自分が影響を受けたプロプレイヤーはデッキビルドに長けた方が多いのですが,自分もそう在りたいと常々思っています。

――最後に,今後の抱負をお願いします。

津島の塩選手:
 未だにRAGEを2連覇したプレイヤーはいないので,自分がその1人目になってやろうと思います。今後も頑張ってshadowverseをプレイしていきますので,ぜひ応援よろしくお願いします。

――ありがとうございます。

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