プレイレポート
Wright Flyer Studiosの新作スマホRPG「アナザーエデン 時空を超える猫」CBTプレイレポート。壮大な展開を予感させる王道のストーリーに注目
本作は,壮大かつ王道のストーリーを軸に,豊富なやり込み要素を用意したシングルプレイ重視のRPGである。シナリオ・演出に加藤正人氏,オープニングテーマに光田康典氏と,日本のコンシューマRPG全盛期を支え,今なお活躍中のクリエイター陣を起用しているのが特徴だ。本稿では,そんな本作のCBTでプレイできた序盤部分のインプレッションをお届けする。
さらわれた妹と“殺された未来”を救うため
時空を超える旅に出た主人公・アルド
本作の主人公・アルドは,物心つかぬ頃に妹のフィーネとともに森の中にいるところを発見され,以来16年間,バルオキーの村長のもとで家族として暮らしていた。しかしAD300年,彼らの平穏な日々は,村に突如現れた魔獣王によって終焉を迎える。魔獣王は,人間を世界から一掃するためにフィーネの力が必要だとして,彼女を連れ去ってしまうのだ。
魔獣王とフィーネを追う道中,アルドは「次元の渦」に呑み込まれ,AD1100年の曙光都市エルジオンへと飛ばされる。アルドはそこで出会った少女・エイミとともに,人間に反旗を翻す合成人間達の司令官・ガリアードと戦うこととなってしまう。
見事ガリアードを打ち破り,歓喜に包まれたるのもつかの間,エイミを含めたエルジオンの人達は次々に光に包まれ姿を消し,エルジオン自体も一瞬で廃墟と化してしまう。状況が飲み込めずに呆然とするアルド。そんな彼の目の前に,突如現れた謎の存在「ファントム」は,過去の歴史が書き換えられたために未来が大きく変わり,人々が消えてしまったこと,そして“殺された未来”を救えるのは,時空を超える能力を持つアルドだけだと説明する。……というのが,CBTで公開されたアナデン序盤のストーリーである。
今回のCBTは,総プレイ時間3時間弱,全5章分の物語を楽しめたのだが,アルドがなぜ時空を超えられるのか,魔獣王に見出されたフィーネの力とは何なのか,ファントムが示唆した「歴史改変」は誰が行ったのかなど,まだまだ分からない部分が多く,続きが気になる内容となっていた。
また,ストーリーの中には,世界の構成に必要なエネルギー「プリズマ」,その枯渇を補填するべく作り出された「ゼノ・プリズマ」,そして「時の迷い子」「アナザーフォース」「時の闇」「時震」など,世界観のキーとなりそうな単語がほとんど説明のないまま登場している。
これらのキーワードは,本作にて繰り広げられるであろう物語にどのように関わるのかなど,本作を遊んだ人の期待と想像を膨らませ,ストーリーに引き込むことに一役買っているといえるだろう。
バトルやキャラクター育成などのシステムはコンシューマRPG風
アナデンの大きな特徴の一つとして,プレイヤーキャラクターが移動可能なマップの存在が挙げられる。今どきのコンシューマRPGのように縦横無尽に,というわけわけではないのだが,街もフィールドもマップ上に設置された道に沿って任意に移動できる仕様だ。たとえば街中であれば,道沿いに配置されたNPCと会話したり,あるいは家の中や店内に入ったりすることもできる。
バトルはオーソドックスなターン制のコマンド式を採用しており,ターンごとにパーティメンバーのコマンドを入力していく。なおバトルの発生は,基本的にランダムエンカウントである。またフィールドからバトルに移る際は,(ちょっとした演出があるものの)シームレスとなっており,ローディングで待たされることがないのも本作の特徴だ。
プレイヤーキャラクターは,バトルに勝利すると経験値を獲得し,それが一定に達するとレベルアップしてAP(アビリティポイント)を得る。なお,APは「アビリティボード」で,キャラクターのステータスを上昇させたり,新たなスキルを習得させたりする際に消費するものだ。
強敵「FEAR」や武具生産,サブクエストなど豊富なやり込み要素を用意
アナデンにはプレイヤーを惹きつけるメインストーリーと,それに沿ったクエストに加え,その脇を固めるさまざまなコンテンツが存在する。
たとえばフィールド上にシンボルが表示されている敵「FEAR」は,同じマップに登場する通常の敵よりもレベルが高く,プレイヤーキャラクターを発見すると追いかけてくるという厄介な存在だ。
しかしその一方で,FEARがいる場所の先には優れたアイテムなどが配置されていることも多い。つまり,首尾よくFEARを倒せればそれだけの見返りがあるというわけだ。
また鍛冶屋では,ゲーム内通貨を消費して武器や防具を購入できるのだが,街中やフィールドで発見した素材を売却すると,品揃えが良くなっていく。より強力な武具を入手しようと考えるならば,マップ上を隅々まで探索し,さまざまな素材を収集することが必須となるだろう。
そしてストーリーや世界観に厚みをもたらしているのが,サブクエストと「仲間クエスト」の存在である。サブクエストは,一般的なオンラインRPGやオープンワールドRPGのように,「!」アイコンの付いたNPCや酒場のカウンターから受託するもの。プレイするかどうかはプレイヤー次第だが,クリアすれば相応の報酬が手に入り,物語の理解度も深まっていく。
一方,仲間クエストでは,ストーリー上で仲間となったキャラクター固有のエピソードが展開される。CBTでは,メインストーリーを追っていく中でエイミの仲間クエストが発生した。
そして最後が,CBTにてストーリークリア後のチャレンジコンテンツとして用意されていた「アナザーダンジョン」である。おそらく本作がリリースされた暁には,ストーリーを一通り読んだだけでは満足できないプレイヤーに向けた,腕試し的なコンテンツとして提供されるのではないだろうか。
多くの世代にとって期待が高まるスマホRPGが誕生。配信は2017年春を予定
以上をまとめると,アナデンは伝統的なコンシューマRPGの特徴と魅力を継承しつつ,現代的なスマホゲームの要素を融合させたものと表現できる。筆者のように往年のコンシューマRPGに親しんできた世代なら,「こういうスマホRPGを待っていた」という人も多いと思う。その一方で,スマホで当たり前のようにRPGを遊んできた世代にとっても,壮大な展開を予感させる本作の物語は大きな魅力となるだろう。
そんな本作は2017年春に配信予定なので,間もなくすべての人が遊べる機会が訪れるはずだ。RPGは1人でじっくりプレイしたい,という人にはかなり刺さる作品となっているので,本作が気になる人はその動向に注目しておこう。
「アナザーエデン 時空を超える猫」公式サイト
- 関連タイトル:
アナザーエデン 時空を超える猫
- 関連タイトル:
アナザーエデン 時空を超える猫
- この記事のURL:
キーワード
(C)WFS Developed by WRIGHT FLYER STUDIOS
(C)WFS Developed by WRIGHT FLYER STUDIOS