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[GDC 2016]コロプラ,「Rift」のローンチタイトルとなる「Fly to KUMA」「VR Tennis Online」をプレイアブル出展
2015年9月の東京ゲームショウでも出展されていた「Fly to KUMA」は,8頭のクマ達をスタート地点からゴールまで導いてあげるパズルゲームだ。ステージにある青いブロックをうまく動かして,「レミングス」のように前進しかできないクマ達の進路と安全を確保しつつ,1匹でも多くゴールに到達させることがプレイヤーの目的となっている。
ゲームの舞台となるのは,古めかしいロケット状の研究施設だ。この中に全100ステージ(ボーナスを含めると120ステージ)が用意されているのだが,ブロックの置き場や角度を間違えれば,クマ達は可愛らしくニコニコしながらも落下して昇天してしまう。
ただ,プレイヤーはとくにペナルティを受けることもなく再挑戦できるので,トライ&エラーを重ねながら,徐々に難しくなっていくステージに挑めるというわけだ。Riftのローンチタイトルの中でも,とりわけじっくりと楽しめるタイプのゲームと言えるだろう。
ステージのレイアウトは,一方向だけの視点では状況を把握しづらい。そこでRiftを装着した頭を動かしたり,カメラ視点を切り替えたりして,それまではオブジェクトの裏に隠れて見えなかったブロックを利用する,といったことも必要になってくる。ブロックは,ゲームパッドのアナログスティックで向きを微調整することが可能で,その移動や設置はかなりスムーズに操作できるようだ。
コロプラのディレクター,猪俣 篤氏によると,最終ステージは8個ほどのブロックを使った複雑なパズルになっており,平均で3時間程度のトライ&エラーを続けることで,ようやく回答を見つけ出せるという。かなり難度の高い,手応えのあるパズルゲームになっているようだ。
もう1本の「VR Tennis Online」は,三人称視点でプレイするテニスゲームだ。プレイヤー自身が体を動かす必要はそれほどなく,「Fly to KUMA」と同様に頭を動かすと広大なスタジアムをしっかりと見回せる。
相手のプレイヤーがボールを打ち込んでくると,落下地点が白く表示される。そして,ボールの周囲にあるリングが,レシーブのベストタイミングに合わせて赤→黄→緑へと変化する仕組みで,慣れてくればラリーを続けることは難しくない。ゲームパッドの4つのボタンには異なるショットがアサインされており,さらにレシーブのスイングに合わせてアナログスティックを左右に動かすことで,カーブを自在に操れるようになっていた。
プレイアブルキャラクターは,日本やアメリカ,イギリスなどの出身者という設定になっていて,敏捷性やスタミナなどにおいて特徴が異なる8人が用意されている。試合で獲得したポイントによって,キャラクタースキン(衣装カラー)のアンロックも可能だ。また,各キャラクターは,それぞれに異なるスーパーショットを10パターンほど持っており,試合開始前に2つを選択する仕組みになっている。
クマ達に顔を近づけると手を振ってくれるといった細かい演出もバッチリな「Fly to KUMA」は14.99ドル,白熱したオンラインモードが楽しめる「VR Tennis Online」は24.99ドルで,それぞれRiftのローンチ(2016年3月28日)に合わせてリリースされる予定だ。もちろん,どちらも日本語化されている。
なお,コロプラのエンジニア,吉岡孝展氏曰く,「VR Tennis Online」を日本国内でプレイする際は北米サーバーにアクセスすることになるため,相応のレイテンシ(遅延)は発生するだろう,とのことだ。
2015年12月,コロプラは世界最大級のVR専門ファンド「Colopl VR Fund」を設立し,最大5000万ドル(約60億円)の出資を発表しており(プレスリリース),今後,世界市場での存在感を高めていくことだろう。今回出展していたRiftのローンチタイトルは,「プレゼンス」(VR体験において“没入感を超えた別の世界にいる”という感覚のこと)という観点で,それほど冒険しているゲームではないが,どちらも遊びやすさは格別。大人から子供まで,身体に負担をかけることなく楽しめるVRゲームとして重宝しそうだ。
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