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「セガ3D復刻アーカイブス2」開発スタッフが集結したトークライブをレポート。セガ・マスターシステムで動く「FM音源版ファンタジーゾーン」も披露
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印刷2016/01/06 10:00

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「セガ3D復刻アーカイブス2」開発スタッフが集結したトークライブをレポート。セガ・マスターシステムで動く「FM音源版ファンタジーゾーン」も披露

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 2015年12月23日,ビデオゲームバー「16SHOTS」が主催するライブイベント「DONDONBOCCHI MATTEMASU2015」が東京・御苑サウンドにて開催された。そのスペシャルプログラムとして,同日にセガゲームスから発売されたニンテンドー3DS用ソフト「セガ3D復刻アーカイブス2」の開発スタッフによるトークライブが行われたので,その模様をレポートしよう。

「セガ3D復刻アーカイブス2」公式サイト


 トークライブに登場したゲストは,シリーズプロデューサーを務めるセガゲームスの奥成洋輔氏,開発元であるエムツーの堀井直樹氏並木 学氏の3名。進行役は16SHOTSの安部理一郎氏が担当した。

(左から)奥成洋輔氏,堀井直樹氏,並木 学氏,安部理一郎氏
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 まずは奥成氏から,「セガ3D復刻プロジェクト」が発足した経緯が語られた。それによると,ニンテンドー3DSが発売される前年の2010年,E3に参考出展された「3Dクラシックス ゼビウス」にインスパイアされた奥成氏が,当時,SEGA of Americaの社長を務め,ダウンロードソフトなどのネットワーク関連事業を統括していた里見治紀氏(現セガゲームス代表取締役社長CEO)に話を持ちかけたことが発端だったそうだ。
 ただ,画面のスプライト表示が全盛だった頃に制作されたメガドライブ用タイトルを,ポリゴン表示に特化したニンテンドー3DSへと移植するには,表示のセクションを丸ごと作り直す必要があったという。かなり困難な企画だったものの,開発を担当したエムツーの技術力と努力によって,現在までにダウンロード作品が16タイトル,それらを収録したパッケージ作品が2タイトルがリリースされている。

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 最新作の「セガ3D復刻アーカイブス2」は,前作(「セガ3D復刻アーカイブス」)と同じく,これまでにダウンロード作品としてリリースされたタイトルに加え,新規の移植タイトルや“オマケ”のタイトルが収録されている。
 また,リリース済みのタイトルも,たとえば「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」ならば,サウンドドライバが更新されたことで音の再現度が向上していたり,「ギャラクシーフォースII」ではクオリティはそのままに容量を大幅に圧縮していたりと,それぞれにかなり手が入れられているそうだ。
 奥成氏いわく「再収録したタイトルは,細かいところで微妙に作り直しています」とのことで,ダウンロード版を買った人に対しても「パッケージ版を買ってよかった」と思えるものになっていることをアピールしていた。

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「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」
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「ギャラクシーフォースII」

 「セガ3D復刻アーカイブス2」の収録作品「パワードリフト」については,クリエイターの鈴木 裕氏(現YS NET代表取締役社長)の逸話が明かされた。
 1988年にアーケード作品として登場した「パワードリフト」は,スプライトとサウンドともに非常に優れたスペックを持つモンスターハードでリリースされていた。奥成氏によると,鈴木氏は企画マン兼プログラマーでもあるので,「スペースハリアー」の頃からハードウェアの開発部署に対して「どんなスペックでハードウェアを作ればゲームが面白くなるか」を具体的に説明できる人物だったという。そして,実際に鈴木氏の説明どおりにするとゲームが売れたため,セガの体感ゲームがハイスペックなハードでリリースし続けることができた背景には,氏の存在が非常に大きかったそうだ。

 ちなみに,並木氏はパワードリフトについて「2Dの板状のスプライトを多重にすることで3Dを表現している。それをゲームとして正しく成立させるために,技術的な“とんち”をもって解決している」とコメント。現実と非現実のトレードオフを“とんち”で解決できるセンスがある人なら,きっとゲームクリエイターになれるとまとめていた。

「パワードリフト」
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 「セガ3D復刻アーカイブス2」のリリースによって,一息ついた感のある「セガ3D復刻プロジェクト」。その次回作について尋ねられた奥成氏は「初四日速報次第です(笑)」と回答した。「初四日速報」とは,発売日の翌月曜に集計されるセールス結果のことで,それによって今後の展開が検討されるというわけだ。
 進行役の安部氏が「『ぷよぷよ通』の完成度を見ると,(自分が大ファンの)『コラムスII』もプレイしたい」と,個人的な期待を開発陣に伝えたのをきっかけに,「もし次回作があるなら,どのタイトルを収録するか」というテーマでトークが展開した。

 ニンテンドー3DSではまだ制作されていない「ハングオン」「エンデューロレーサー」「G-LOC」といった体感ゲームが挙がる中,「バーチャファイター」などがリリースされたシステム基板「MODEL1」に触れられると,堀井氏は「(MODEL1は)以前から一生懸命調べている」とコメント。もし何かの機会でMODEL1をニンテンドー3DS向けに再現することがあれば,何をやればいいかが見えている段階と続けており,今後の展開に期待を膨らませた来場者も多かったことだろう。ちなみに,MODEL1の基板は非常に壊れやすいため,ゲームの保存という観点でも移植タイトルの発売に期待したいところだ。

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 来場者へのプレゼントとして,会場に設置されたセガ・マスターシステムでデモンストレーションも披露された。それは,「セガ3D復刻アーカイブス2」の“10本目の収録タイトル”であるセガ・マークIII版「ファンタジーゾーン」のために新規収録されたFM音源サウンドだ。

※前作「セガ3D復刻アーカイブス」のプレイ履歴があるニンテンドー3DSで,「セガ3D復刻アーカイブス2」を起動するとセガ・マークIII版「ファンタジーゾーン」が出現する(関連記事)。

デモにはFM音源が標準搭載されたセガ・マスターシステムが使われた。ちなみにトーク中も,このハードによって「スペースハリアー」のデモ曲がBGMとして流されていた
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 堀井氏が「皆さんが想像するFM音源版ファンタジーゾーン」として,マークIII版「オパオパ」(ファンタジーゾーンのFM音源版BGMを収録した作品)のBGMを載せたバージョンを動かし,その後に「セガ3D復刻アーカイブス2」に収録されたものと同等のFM音源サウンドが鳴るマークIII版「ファンタジーゾーン」を披露すると,来場者からは驚きの声と拍手が挙がっていた。
 なお,これらのバージョンはエムツーが資料として独自に開発したものであり,当然ながら発売の予定はないそうなのであしからず。

画面はマークIII版ファンタジーゾーンだが,サウンドはハイクオリティなFM音源となっている。会場にいた人だけが,その現実を目の当たりにできた
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 奥成氏は最後に「現在,エムツーさんに開発をつきあっていただけるのはうちだけです。エムツーさんが伸び伸びと開発ができるよう,『セガ3D復刻アーカイブス2』ともども,これからもよろしくお願いします」と述べて,トークイベントを締めくくった。
 ちなみに,本作の電子マニュアル最終ページにはアンケートページのURLが掲載されている。ここから送信された次回作への要望や収録してほしいタイトルは,スタッフ一同で目を通しているとのこと。購入した人は,ぜひ次回作への想いを伝えてほしい。

「セガ3D復刻アーカイブス2」公式サイト

  • 関連タイトル:

    セガ3D復刻アーカイブス2

  • 関連タイトル:

    セガ3D復刻アーカイブス1&2 ダブルパック

  • 関連タイトル:

    セガ3D復刻アーカイブス

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