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[TGS 2015]懐かしのセガタイトルをアレンジ収録した「セガ 3D復刻アーカイブス2」のステージイベントをレポート
セガの懐かしいタイトルを,単純な移植ではなく3D立体視化や追加要素などを加えて“復刻”しているのが大きな特徴で,それにより,当時のプレイ経験者はもちろん,初めて遊ぶという人でも楽しめるという。
「セガ3D復刻アーカイブス2」公式サイト
ステージイベントには,本作のリードプロデューサーを務める下村一誠氏,シリーズプロデューサーの奥成洋輔氏,エムツー代表取締役の堀井直樹氏,そしてゲームフリーク取締役の杉森 建氏が登場。このプロジェクトの経緯や,収録タイトルへのこだわりなどが語られた。
奥成氏によると,前作にあたる「セガ3D復刻アーカイブス」が2014年12月に発売されたあと,開発チームは解散しかけた。そんな中で,下村氏があらためてフィードバックを読んでみたところ,オールドゲームをこよなく愛する数多くのファンの思いに胸を打たれたという。「楽しみにしてくれる人がいる限り,シリーズを続けていかねばならない」,下村氏はそう決意し,まさにプロジェクトを“復刻”させたのだ。
下村氏と奥成氏は,先にリサーチした際に最も要望が多かった「パワードリフト」の収録を最初に決定し,続いてそれ以外のタイトルの選定をしていった。
パワードリフトといえば,コンシューマ機のグラフィックスが2Dから3Dへと移り変わる時期に作られた過渡期のタイトルだ。2Dグラフィックスで3D的な表現を追求しているところが特徴の一つだが,本作に収録されたバージョンは3D立体視に新たに対応しているとのことだ。
下村氏は,見たらきっと驚くだろうと太鼓判を押しており,パワドリファンは期待していよう。
堀井氏の話によると,タイトルの選定にあたってはスタッフそれぞれのゲームに対する思いが異なるため,なかなか自分の遊びたいゲームを収録するのが難しかったという。
例えば,「ぷよぷよ」シリーズから1本収録しようという話になったとき,堀井氏は「メガドライブ版かな?」と思っていたが,奥成氏は「いや,対戦を遊びたいなら,アーケード版の一択でしょう!」と食い下がったという。こうして,それぞれの熱い気持ちをぶつけ合いながら,最終的に以下のラインナップが決定した。
「パワードリフト」 |
「ぷよぷよ通」 |
「ファンタジーゾーン2ダブル」 |
「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」 |
「サンダーブレード」 |
「ギャラクシーフォースII」 |
「獣王記」 |
「ファンタジーゾーンII(オリジナル版)」 |
「ポケットモンスター」シリーズなども手掛ける著名デザイナーである杉森氏によると,セガのゲームとは昔から公私共に接してきたという。クリエイターとして,メガドライブ時代に2本のタイトル制作に携わったそうだ。
そんな杉森氏がTwitterで「スペースハリアーのイラストって,これだ! という決定版がないよね……」とつぶやいたところ,それが奥成氏の目にとまった。奥成氏が杉森氏に“決定版”をお願いしたところ,ドンピシャのデキだった。こうした経緯で,本シリーズのパッケージイラストを杉森氏が担当することになったのだが,多忙を極める同氏だけに,本作のパッケージイラストは夏休みを返上して制作したとのこと。
このパッケージイラストを見た下村氏は,「ちょっとセガらしくないけど,やっぱりセガらしいようでもあって,杉森さんならではのテイストですね」と嬉しそうに述べた。奥成氏が「パワドリのイラストは,女の子でお願いしたかったのですが……」と切り出したところ,杉森氏は「いや,パワドリといえばモヒカンでしょう」とバッサリ。このやりとりも,見ていて面白かった。
最後に,ステージで杉森氏に即興イラストを描いてもらうことになった。4タイトルが候補として挙げられており,どれを描くかニコニコ生放送の視聴者に選んでもらうという趣向だ。
ラインナップを見た下村氏は「忍者プリンセスかな?」と渋いところをチョイスしたが,視聴者が選んだのは,1987年に発売された初代「ファンタシースター」。杉森氏はスラスラとネイのイラストを描いてしまったが,その仕上がりは,多数の視聴者が驚きのコメントを投稿するほどだった。
今回のステージイベントは,東京ゲームショウ2015一般公開日の初日,オープン直後の10:00に行われている。それだけに,ステージに集まった人々の多くが熱心なセガファンだったはずだ。下村氏は「このプロジェクトは“2“で終わらせたくない。これからもぜひ,ご意見,ご要望をお願いします」と述べ,来場者の大きな歓声に包まれた。
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