プレイレポート
約3年ぶりのシリーズ最新作「デジモンワールド -next 0rder-」のプレイレポート。パートナーの2体同時育成で熱く進化した本作の魅力をお届け
「デジモン」(正式名称:デジタルモンスター)は,1997年に携帯型の液晶ゲームとしてその歴史が始まり,その後はアニメ,コンシューマゲーム,漫画など多方面に展開し幅広い層の支持を獲得しているコンテンツだ。
昨年には,液晶ゲーム機「D-3」の復刻や,劇場版アニメ「デジモンアドベンチャー tri.」の第1章が公開されるなど新たな動きを見せている。
「デジモンワールド -next 0rder-」公式サイト
ムゲンドラモンの襲撃で荒れ果てた街を復興せよ
本作のストーリーは,携帯デバイス「デジヴァイス」を起動させた主人公がデジモンが住む異世界“デジタルワールド”に迷い込んでしまうところから始まる。そこで主人公は,ムゲンドラモンと戦うウォーグレイモン,メタルガルルモンに突如遭遇。主人公は2体と協力してムゲンドラモンと戦うことになる。
何とか撃退に成功した主人公達だったが,デジモン達の街“フローティア”で,デジタルワールドがたびたびムゲンドラモンの脅威にさらされていることを聞く。事件の影響で散り散りになったデジモン達を街に集め,ムゲンドラモンに立ち向かうべく,主人公はパートナーデジモンと旅に出ることになるのだ。
プレイヤーの目的は,先ほども述べたとおり街を復興させることだ。プレイヤーはデジモン達が暮らす“フローティア”を拠点に,パートナーとデジタルワールドの各所を巡り,デジモン達を勧誘していく。デジモンの勧誘に成功すると上昇する「繁栄度」を高めることでメインストーリーも進むようになっている。
“荒れ果てた街を復興させていく”という目的は,シリーズファンにとってお馴染みの内容だ。何もない状態から未開の地へ踏み込み,パートナーと共に冒険していく楽しさや自らの努力で街を大きくしていく楽しさは本作でも健在だ。
シリーズ初のパートナー2体同時育成で喜びも2倍に
さて,デジタルワールドを冒険すると言っても,街から出るとそこには敵のデジモン達が多数存在している。街の周囲には弱い敵しかいないが,遠くに向かうほど敵は強くなっていくので,パートナーデジモンの初期状態では苦戦を強いられる。そこで,重要になるのが,デジモンの育成である。シリーズの大きな根幹を成す育成要素だが,「-next 0rder-」では,パートナーの2体同時育成が可能となっている。それを踏まえたうえで,本作の育成要素を紹介していこう。
街の中に存在するトレーニング施設では,パートナーのパラメータを強化することが可能だ。敵が強い土地を冒険する場合は,ここで十分に能力を上げた後に挑むとよいだろう。トレーニングでは2体のパートナーの仲や,選んだトレーニングメニューの組み合わせに応じて,ボーナスがつくので,色々な組み合わせを試してみよう。
特定のボーナスには,疲労の蓄積をおさえるものも |
スペシャルルーレットを成功させるとトレーニング効果が上がる |
また,パートナーデジモンはデジタルワールドで“生きて”いるため,時間が経過すると,お腹を空かせたり,トイレに行きたくなったりする。プレイヤーはこれらの要求に答え,しっかりとお世話をしてあげる必要がある。さらに,今回のパートナーは自分の感情を言葉に出してしゃべるのも特徴で,トイレに行きたくなると「トイレー!」と訴えてきたり,機嫌がいいと「ワーイ!」と喜びを表現する。
トイレが我慢できなくなると激しく訴えてくる |
パートナー同士のじゃれ合いも見られる。かわいい |
パートナーをしばらく育てていくとお待ちかねの“進化”が始まる。どんなデジモンに進化するかは,能力値やパートナーのお世話をどのように行ったかなど,さまざまな条件によって決まる。
進化の瞬間は「どんなデジモンになるのかな」「こんなデジモンになったらいいな」という期待と不安でドキドキなのだが,今回はパートナーが2体になっているのでその瞬間も2度やってくる。筆者はゲームの冒頭から「メタルグレイモンとエンジェウーモンで冒険するぞ!」と息巻いていたので,お目当ての2体に進化できたときはつい声を上げそうになった。
また本作では,デジモンとコミュニケーションを取れるのもポイントだ。コミュニケーションはトレーニングや戦闘の後などに発生し,パートナーがプレイヤーに対して自分の評価を求めてくるというものだ。これに対しプレイヤーは「ほめる」「しかる」「ほっとく」の3つから評価を選択することで,プレイヤーとの「キズナ」やパートナー同士の友情「デジ仲」などが高まる。「キズナ」や「デジ仲」の数値は高ければ高いほど,パートナーが強くなるので,戦闘の時に有利になる。さらに,「デジ仲」が深まるとパートナーがお互いに励まし合ったりする姿が見られるのもほほえましい。
「ほめる」「しかる」「ほっとく」。どれを選ぶかはあなた次第 |
コミュニケーション後には,デジモンの進化情報が得られる |
励まし合うパートナー達。コミュニケーションの効果も上昇する |
「キズナ」はデジモンの進化にも影響する |
「声援」を力にする0rderバトル。パートナー2体の合体必殺技も登場
育成システムの説明の最初でも少し触れたが,街の外には敵となるデジモンが徘徊している。シンボルエンカウントで敵に接触すると,いよいよ戦闘が始まる。冒険のパートナーが2体になっていることで育成要素だけでなく,戦闘も大幅に進化している。
本作の戦闘はリアルタイムで進行し,基本的には2体のパートナー自らが考えて動くAI方式の戦闘システムを採用している。とはいえ,プレイヤーもただ見ているだけではなく,直接指示を出したり,アイテムを使いパートナーを支援することができる。
パートナーに直接指示を出すにはオーダーリングという画面を開き,取ってほしい行動を決定する。オーダーリングを開いている最中は,戦闘が停止するので落ち着いて選択できる。プレイヤーが攻撃の指示を出すと,パートナーが自発的に出す技よりも威力が上がるだけでなく,本来は攻撃技の発動に必要なMPも消費しないといったメリットがある。
LボタンとRボタンでそれぞれのパートナーのオーダーリングを開くことができる |
オーダーリングが開いている時間は5秒。閉じた後には5秒のクールダウンがある |
これだと「だったら,プレイヤーが直接指示だけしてればいいじゃん」と思われるかもしれないが,そうは問屋が卸さない。命令を出すにはオーダーポイントが必要で,何度も指示を出しているとすぐにポイントが尽きてしまう。バトル中にオーダーポイントを増やすには,パートナーに「声援」を送る必要があるのだ。
「声援」を送りながら,オーダーポイントをためていくと,各デジモンの強力な必殺技が使えるようになる。必殺技はオーダーポイントを大量に消費するが,通常技よりはるかに大きなダメージを与えられる。また,今回はパートナー2体での合体必殺技も新しく登場しており,迫力の必殺技シーンが見られる。
そのほか,今回のプレイでは確認できなかったが,パートナー同士が特定条件で合体し,戦闘中別のデジモンになる「“ExE”-volution」といった要素もある。この辺りは実際にプレイして確かめてほしい。
新システム“ExE”-volution、略して「ExE」を公開!
パートナーがとのキズナのチカラが起こす、奇跡の進化!
3年ぶりの最新作はまさにデジモンワールドの正統進化
さて,今回筆者は序盤しかプレイできなかったが,その短い時間の中でも本作がデジモンらしさを十分に堪能できる作品だと感じた。まだ見ぬ土地への冒険や,進化させてパートナーを強くしていく育成といった,デジモンお約束の要素はしっかりと押さえつつ,パートナーとの関わりはより深く描かれている。
パートナーは,お腹がすいたら「オナカスイター!」,フィールドを歩いていて何か発見すると「ナニカアルヨ!」と声をかけてくるので,一緒に冒険しているという感覚は前作に比べてはるかに増している。
本作の特徴ともいえるパートナーの2体同時育成も,最初は育成の手間が増えるのではないかと思っていたが,ほとんどの世話はまとめて行えてしまうので,手間が増えたようには感じられなかった。むしろお気に入りのデジモンを2体連れていける嬉しさの方が印象的だ。
シリーズファンはもちろんのこと,かつてデジモンの液晶ゲームにはまった人,デジモンのアニメが大好きな人といった,すべてのデジモンファンや,育成型RPGが好きな人にもおすすめしたい作品だ。
「デジモンワールド -next 0rder-」公式サイト
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デジモンワールド -next 0rder-
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(C)本郷あきよし・東映アニメーション
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