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生演奏でゲームの世界が再現された「金色のコルダ ステラ・コンサート 2016」をレポート
コーエーテクモゲームスは2016年5月22日,PS Vita用ソフト「金色のコルダ4」の発売を記念したイベント「金色のコルダ ステラ・コンサート 2016」を神奈川県民ホールで開催した。2009年に開催された「金色のコルダ ステラ・コンサート2」から,およそ7年ぶりの開催となる本公演では,スペシャルアンサンブル「週末合奏団」が,シリーズ歴代タイトルのBGMやキャラクターソングなどを演奏した。
本稿では,昼夜2回のうち,昼公演の模様をレポートしよう。
金色のコルダ ステラ・コンサート 2016出演者(敬称略)
【演奏】
指揮:平林 龍
コンサートマスター:ビルマン聡平
ゲスト奏者:室屋光一郎
演奏:週末合奏団
【出演】
〈キャスト〉
谷山紀章(月森 蓮/東金千秋 役)
伊藤健太郎(土浦梁太郎/八木沢雪広 役)
アンフィニ(ユーキ/Kan)
〈ナレーション〉
福山 潤(如月響也 役)
小西克幸(如月 律 役)
日野 聡(冥加玲士 役)
オープニングでは「金色のコルダ4」から,メインテーマやオープニング曲「JOYFUL」が演奏された。心地よいフルートや,冴えわたるトランペット,繊細なヴァイオリンなど,たくさんの美しい音色に心が洗われていく。
生演奏の迫力にいきなり圧倒されたところで,谷山紀章さんと伊藤健太郎さんが登場。
八木沢雪広(伊藤さん)
「いよいよコンサートが始まりました。心をあわせて,素敵なハーモニーを奏でましょうね」
東金千秋(谷山さん)
「とびきりの音で魅了してやる。観客も,お前もな。用意はいいか?」
と,それぞれのキャラクターで開幕を告げた。楽器だけでなく,声優のイケボ(イケメンボイス)まで加わって,どこまでも耳に優しいイベントだ……。
続いての演奏は「ゲームBGMメドレー 金色のコルダ&金色のコルダ2」。ステージのスクリーンには,ゲームのイベントスチルが演奏とともに流された。
筆者の個人的な話になるが,初代「金色のコルダ」をリリース当時に幾度となくプレイした経験があるので,その攻略の苦労や,キャラクターとのやり取りなどが昨日のことのように思い出された。おそらく,ほかの観客も同じ気持ちだったに違いない。
目頭が熱くなるのを感じているところに,再び谷山さんと伊藤さんが登場し,ドラマパートへ。ここではコンサート本番中,舞台袖にいる2人の様子が描かれた。オープニングでのアピールが足りないと,東金(谷山さん)に言われてしまった八木沢(伊藤さん)は,東金に言われたとおりのセリフを披露することに。僭越ながら……と控えめに入る八木沢だが,
「木漏れ日よりも甘いこの音に……今はただ,酔いしれろ」
とクールなイケボで会場を沸かせた。これには東金も「完ぺきじゃねーか!」と絶賛。
また,コンサート開催の三週間ほど前に起こった如月響也と冥加玲士らの騒動などの物語も繰り広げられた。
ドラマパートが終わると,「金色のコルダ3」各校セレクションのコーナーへ。昼公演では,至誠館高校と天音学園による演奏が行われた。使用される楽器も,ゲーム中と同じなので,至誠館は管楽器のみ(曲の後半ではヴァイオリンと合奏する箇所も)だ。
コンサート中盤では,「週末合奏団セレクション」として,クラシックの名曲が演奏された。このコンサートのために編曲されたもので,聴きやすい長さと飽きのこない構成に会場はうっとりと聴き入っていた。
続いては「函館天音学園セレクション」。ソラとトーノによるキャラクターソング「ホシユメメグリ 〜星夢循環〜」が演奏された。聴き慣れたキャラクターソングも,オーケストラになるとまた違った印象を受ける。もともと切ない曲調ではあるが,それが一層心に響くのだ。
重厚感ある演奏に酔いしれたところで,ほんわかとしたバラエティーコーナー「おしえて! 滝川先生」が始まった。ステージには,今回の指揮者であり,「金色のコルダ4」の教師・滝川 麗を演じている平林 龍さん,谷山さん,伊藤さん,ゲスト演奏家の室屋光一郎さんが登場。平林さんが出すクラシックにまつわる3択クイズに谷山さんと伊藤さんが答え,正解した方には室屋さんによる明るく楽し気な演奏が,不正解の方には重〜い鈍〜い演奏が贈られるという内容だ。
問題は「『コルダ4』の主人公たちが住む寮の名前と同じ「菩提樹」はシューベルト作曲ですが,どの歌曲集に収録されているか」などの超難問ばかりで,谷山さんと伊藤さんもさっぱりわからない様子だったが,谷山さんが勘の良さでなんと全問正解するという快挙を成し遂げた。
クラシックの豆知識を得たところで,「キャラソンコーナー」へ。スクリーンに流れる思い出の名場面を観ながら,生演奏で聴くキャラソンほど豪華なものはない……。
あっという間にコンサートも終盤。ゲームのエンディングにも流れる「愛のあいさつ」などの曲が演奏された後,キャラクターから愛のメッセージが贈られた。おなじみとなった愛のメッセージだが,ピアノの生演奏が入ることで,さらに心に響いてくる。
そして「金色のコルダ3」のイメージソング「BLUE SKY BLUE」が演奏されて,本編が終了。会場から大きな拍手が起こった。
鳴りやまない拍手を受け,再び出演者がステージへ登場。最後のあいさつを述べた後,アンコールが始まった。
「ラデツキー行進曲」では,観客も一緒に手拍子。平林さんの合図により,小さくしたり大きくしたりして曲を演出していく。まるで会場全員で合奏しているような気分だ。
そして最後は,「JOYFUL」を観客を含めた全員で合唱。盛大な拍手の中,コンサートは幕を閉じた。
たくさんの乙女に感動を与えた本公演。ステラ・コンサートとしては7年ぶりだったが,次回はそれほど時間が経たないうちの開催に期待したいところだ。
「金色のコルダ ステラ・コンサート 2016」セットリスト
オープニング〜ゲームBGMメドレー
「金色のコルダ4」
作曲:三澤康弘/コンサート編曲:大塚正子
「JOYFUL」
作曲:吉松洋二郎/コンサート編曲:大塚正子
「ゲームBGMメドレー 金色のコルダ&金色のコルダ2」
作曲:三澤康弘、中村新一郎、吉田真利、五十嵐一歩/コンサート編曲:大塚正子
金色のコルダ4 ドラマ 「合奏団のメソッド」
八木沢雪広(伊藤健太郎)、東金千秋(谷山紀章)
[ナレーション] 如月響也(福山 潤)、如月 律(小西克幸)、冥加玲士(日野 聡)
金色のコルダ3 各校セレクション
至誠館セレクション
「ムーアサイド組曲〜マーチ」
作曲:ホルスト/コンサート編曲:野見祐二
「組曲『惑星』〜『木星』」
作曲:ホルスト/コンサート編曲:多ヶ谷 樹
天音学園セレクション
「悲しみの三重奏曲 第1番」
作曲:ラフマニノフ/コンサート編曲:多ヶ谷 樹
「スケルツォ・タランテラ」
作曲:ヴィエニアフスキ/コンサート編曲:野見祐二
週末合奏団セレクション
「歌劇『リナルド』〜私を泣かせてください」
作曲:ヘンデル/コンサート編曲:小林紗代
「歌劇『セビリアの理髪師』〜序曲」
作曲:ロッシーニ/コンサート編曲:平林 龍
「歌劇『美しきパースの娘』〜セレナード」
作曲:ビゼー/コンサート編曲:平林 龍
函館天音学園セレクション
「ホシユメメグリ 〜星夢循環〜」
作曲:保科 潤/コンサート編曲:松村佑樹
バラエティコーナー 「おしえて! 滝川先生」
滝川 麗(平林 龍)
谷山紀章、伊藤健太郎
[演奏] 室屋光一郎
[MC] アンフィニ(ユーキ、Kan)
キャラソンコーナー
「TEAR」 歌:月森 蓮(谷山紀章)
作詞:石川絵理/作曲:増田武史/コンサート編曲:松村佑樹
収録:<ラブバラード集>金色のコルダ 〜secondo passo〜 Tears
「BELIEVE」 歌:土浦梁太郎(伊藤健太郎)
作詞:石川絵理/作曲:田村信二/コンサート編曲:松村佑樹
収録:ネオロマンス Honey〜リフレッシュしたいときに〜
「愛の夢」
作曲:リスト
「愛のあいさつ」
作曲:エルガー/コンサート編曲:松村佑樹
愛のメッセージ
(1)東金千秋(谷山紀章)
(2)八木沢雪広(伊藤健太郎)
エンディング
「BLUE SKY BLUE」
作曲:増田武史/コンサート編曲:松村佑樹
収録:<ヴォーカル集 >金色のコルダ3 〜熱き心の調べよ〜
アンコール
「ラデツキー行進曲」
作曲:J.シュトラウス1世/コンサート編曲:松村佑樹
「JOYFUL」 歌:八木沢雪広(伊藤健太郎)、東金千秋(谷山紀章)
作詞:石川絵理/作曲:吉松洋二郎/コンサート編曲:大塚正子
収録:バラエティCD 金色のコルダ4 JOYFUL
「金色のコルダ4」公式サイト
キャラクターデザイン/呉由姫 (C)コーエーテクモゲームス All rights reserved.