プレイレポート
「ヒットマン」日本語版プレビュー。緻密に作り込まれたステージの中に隠された「暗殺の美学」を見つけ出そう
※PC版とXbox One版はダウンロード販売のみ。
※PC版(海外版)を購入済みの人は,無料の「日本語音声パック」をダウンロード可能。
※PlayStation 4版のパッケージ版で日本語音声へ切り替えるには,無料の「日本語音声パック」をダウンロードする必要があります。
今回,そんな本作のPlayStation 4版をプレイする機会に恵まれた。緻密に作り込まれたステージの中で,「完璧な暗殺」への正解を探し出すステルスアクションの魅力,そして全編吹き替えによる日本語版の完成度をお伝えしたい。
なお,本稿には序盤にあたるミッションのネタバレが多少含まれている。その点はご注意を。
「ヒットマン ザ・コンプリート ファーストシーズン」公式サイト
プレイヤーに課せられた目的はミッションに設定されたターゲットを暗殺して,その場から無事に脱出すること。たったこれだけではあるが,目的を達成するまでのお膳立てはプレイヤーに委ねられている。
今回プレイしたのは,パリのファッションショーを舞台としたミッション。華やかなファッションビジネスの裏で暗躍するヴィクター・ノビコフとダリア・マーゴリスがターゲットとなる。ターゲットが男女2人であること,ファッションショーという衆人環視の中で暗殺を遂行することがポイントだ。
ターゲットがステージの中でどう動くかは分からないうえ,屈強なボディーガードに守られているので,彼らに近づくことさえも容易ではない。そのため,初めのうちは暗殺に至るまでの筋道を調査しつつ,機会を窺うことになる。
タキシード姿の招待客として正面から堂々と潜入した47だが,前述のとおり,まずは右も左も分からない状態だ。そこで,暗殺に至るまでのヒントとなる「アプローチ」を参考にしていくのが基本だろう。
パリのミッションに用意されていたアプローチの一つが,ショーに出演する男性モデルに変装するというもの。スーパーモデルのヘルムート・クルーガーは,実に都合のいいことに背格好やスキンヘッドが47と似ていて,しかもターゲットのダリアとつながりがあることが分かった。何らかの手段を用いて彼と入れ替われば,ダリアに接近できるというわけである。
47は暗殺者としてのスキルや身体能力を持ち,どこからでもターゲットの現在位置を把握できる特殊能力「インスティンクト」を備えている。しかし,超人というわけではないので,銃撃を受ければそこでゲームオーバーになる可能性が高い。
ターゲットの暗殺を確実に成功させるためには,周囲に自分がヒットマンだと気づかれないことが絶対条件となる。誰かに怪しまれない手段としては,その場の関係者に変装することで自然に溶け込むのが有効だ。
もちろん,服装を着替えただけでは同僚や上司に気づかれる可能性がある。こうした人物に対しては,なるべく近づかないようにしたり,変装中の関係者になりすます「ブレンディング」を行ったりしなければならない。
このときに味わう緊張感は,いわゆる自分の気配を消して隠れながら潜入を図る「スニーキングアクション」とはまた違ったものがある。
ターゲットを目の前にしたときの殺害方法にも複数のパターンがあり,どれを選ぶかで状況は大きく変わってくる。例えば飲み物に毒を混ぜる場合,致死性の毒ならその場でターゲットが死んでしまうが,致死性のない毒なら飲んだものを吐き出すため,トイレに駆け込むといった具合だ。
前者の場合,毒を盛ったことに気づかれなければいいが,対象が死んだときにその場にいれば,周囲の人間に怪しまれてしまう。後者の場合は対象がトイレに駆け込むので,人気がなくなり,絶好のチャンスが訪れる。少々手間はかかるが,後者のほうが安全に目的を遂げられるのだ。
ターゲットの暗殺という目的を達するまでの道のりには,さまざまな選択肢が用意されているようだが,47が直接手を下すだけでなく,照明を落下させたり,ガスヒーターを爆発させたりして事故に見せかける方法も存在する。こうした間接的な暗殺を成功させるための準備はさらに複雑で,緻密なパズルを組み立てているような感覚もある。
前述したアプローチのなかには,結果(暗殺)まで至らないものもあり,その先をプレイヤー自身が考える余地が残されている。ステージのギミックを応用して,イレギュラーな暗殺方法を見つける楽しさもあるので,同じステージを繰り返し遊びたくなるゲームデザインになっている。
今回,筆者はヴィクターの暗殺手段を3とおり確認しており,そのうちの2とおりで目的を達成した。クリア後には獲得した報酬と引き換えに,ミッションのスタート地点やステージに配置する武器,47の変装といったシチュエーションを変えて挑めるので,製品版がリリースされた暁にはいろいろと試したいと考えている。
さらに日本語版はローカライズが,かなり細かな部分まで施されている。多数登場するモブキャラ同士の雑談にも重要なヒントが隠されているため,あらゆる音声が日本語に吹き替えられているが,そのボリュームは相当なもの。遊びやすさという点でも,個人的に高く評価したいところだ。
海外版の発売から半年近く遅れることになったものの,それに見合う国内向けのフォローは感じられた。筆者は序盤のミッションをプレイしただけだが,シリーズ作品をプレイしたことがなくてもとくに支障がなかった点も付け加えておく。これを機に「ヒットマン」ならではの暗殺の美学にふけってみたいと思う。
「ヒットマン ザ・コンプリート ファーストシーズン」公式サイト
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