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バンダイナムコ×フロム・ソフトウェアによって再構築された最新の宇宙世紀とは。稼働間近の「機動戦士ガンダム U.C.カードビルダー」先行体験会レポート
本作は,2005年に稼働した第1作「機動戦士ガンダム0079カードビルダー」から始まるアーケードTCG「機動戦士ガンダム カードビルダー」シリーズの最新作だ。実物のカードを使用したタクティカルカードバトルゲームとして人気を博し,幾度かのバージョンアップと次製品の稼動を経たのち,前作「機動戦士ガンダム0083カードビルダー -両雄激突-」のネットワークサービスが,2012年7月に惜しまれつつ終了。以来,およそ3年半ぶりの新作というわけで,その内容が気になっている読者も少なくないだろう。
U.C.カードビルダーでは,2015年7月にアルファロケテスト,同11月にクローズドβテストが行われ,その度にブラッシュアップが図られてきている。稼働を目前に控えた本作は,いったいどんなゲームに仕上がったのか。本稿では実際にプレイしてみた感想を交えつつ,そのプレイフィールをお伝えしていこう。
また本作のプロデューサーであるバンダイナムコエンターテインメントの安田直矢氏へのインタビューも掲載しているので,こちらも合わせてご一読を。
「機動戦士ガンダム U.C.カードビルダー」公式サイト
最新バージョンのプレイフィールは? 新要素をまとめて紹介
人気アニメ「機動戦士ガンダム」シリーズの世界観を再現し,美麗かつ多彩なカードでデッキを構築し,フラットパネルリーダーと呼ばれる盤面上で,実際にカードを動かしながらバトルする本シリーズ。その基本的な操作方法は,もちろんU.C.カードビルダーにも引き継がれている。
では,本作の新要素としてはどんなものがあるのだろうか。まずはカードの種類やゲームシステム(戦闘システム)を中心に,本作の概要を紹介していこう。
まずカードについてだが,稼動時点ではスターターパックのカードも合わせて140種であることが明らかとなっている。そのほかのプロモーションカードなどを含めるればかなりの数となりそうだ。
以下,取材時に触ることのできたカードをいくつかピックアップしてみたが,とくに新たに登場した最高レアリティ“SR(スーパーレア)”のカードの高級感は必見だ。残念ながら写真では少々伝わりにくいかもしれないが,レイアリティの高いカードは性能だけでなく,こうした質感にもコダワリが感じられる。もちろんR(レア)やUC(アンコモン),C(コモン)にも,主役級からいぶし銀レベルまで,宇宙世紀に登場する数多くの機体が取り揃えられており,ファンも納得のラインナップと言えるだろう。
戦闘システムで気になるのは,本作の新要素である「ストライクアタック」や「ストライクオペレーション」だろう。これらは,特定の条件を満たしたときに,筐体右側に配置されたストライクボタンを押すことで発動する,特殊な攻撃方法だ。
ストライクアタック
- 通常攻撃を当て続けることで,矢印状のカーソールが相手ユニットに向かって伸び,ゲージが溜まる。
- ゲージが溜まったら,筐体右のストライクボタンを押す。
という流れになる。ちなみに,実際にプレイしてみたところ,ストライクアタックには以下の特徴があるようだった。
- 敵が通常攻撃エリアから外れると,ゲージは0に戻る。
- ロックオン時間には時間制限がある。
- 前作にあったマルチロックおよびリンクロックは,稼働時のバージョンには存在しない。複数のユニットを射程に捉えた場合(前作におけるマルチロック)は,距離の近い敵ユニットが優先。複数機で同じ機体を捉えた場合(前作におけるリンクロック)は,最初にロックオンを完了したユニットが優先。
- ストライクアタックが発動すると,敵味方を問わず,すべてのゲージが0に戻る。
少々ややこしいかもしれないが,「ロックオン→ボタンを叩く」というアクション自体は直感的だ。攻防の中核をなすシステムなので,稼動時にはぜひ自分で操作して確認してほしい。
ストライクオペレーション
一方のストライクオペレーションは,機体ごとの戦術ポイント※を消費して繰り出す特殊攻撃――いわゆる超必殺技のようなものだ。発動には戦術ポイントの残量のみならず,戦術レベル※が規定値を超えている必要があり,このためストライクオペレーションが使用できるようになるのは,ゲーム中盤以降になるはずだ。また発動に必要な戦術ゲージをいかに効率よく溜め,どの場面で発動するか,といった運用も,勝利するためには重要な要素となるだろう。
※戦術レベル,戦術ポイント……いずれも敵を攻撃することで獲得できる。正確には,敵を攻撃することで“経験値”が得られ,経験値が一定に達するごとに戦術レベルが上昇。また自軍の全ユニットに戦術ポイントが付与される。
なお,通常のストライクオペレーションのほかに,特定のメインユニットとアシストユニットの組み合わせで発動可能となる特殊な「連携ストライクオペレーション」も存在する。発動に必要な戦術レベルが通常のストライクオペレーションより高く,かつ消費する戦術ポイントも多いので,通常のものよりさらに発動のハードルが高いが,その威力は折り紙付き。また連携ストライクオペレーションでは,挿入されるカットインもど派手な専用のものが用意されている。さらには原作のBGMが流れるものもあるので,どんな組み合わせが存在するのか想像するだけでも楽しい。
以下,今回のテストプレイで確認できたものを紹介するが,これ以外にも数多くの連携ストライクオペレーションがあるという。ジェットストリームアタックのような原作再現のものから,ファンなら思わずニヤリとしてしまうであろう組み合わせ,ロマン溢れるモビルタンク部隊など,いずれも稼働が待ちきれないものとなっていた。
さらに今回のテストプレイでは体験できなかったが,本作稼動時には連動サイトのオープンも予定されており,各種カスタマイズなどはここでも行えるようになる。一度プレイに使用したカードはデジタルカードとして登録されるので,実カードが手元になくとも連動サイト内でデッキを組むことができ,ゲームセンターだけでなく,自宅や移動中などでも楽しめるようになる。こういった部分も本作の新しい試みと言えるのではないだろうか。
コンセプトは宇宙世紀をベースにした再構築――プロデューサー安田直矢氏インタビュー
4Gamer:
今回遊ばせていただいたU.C.カードビルダーですが,これまでのシリーズとは大きく異なるタイトルだと感じました。まずは,本作の目指したコンセプトなどについてお聞かせ願えますか。
キャッチコピーに「宇宙世紀を、再構築(リビルド)せよ。」とあるように,本作が目指したのは「再構築」という点に尽きると思います。前作までは,どちらかといえばアニメの世界観を再現するような方向性でしたが,今作ではU.C.(宇宙世紀)を包括する世界観の中で,どう面白くしていくかを考えました。
4Gamer:
まったく新しいタイトルを目指したということでしょうか。
安田P:
いえ,そういうことではありません。もちろん継承した部分は多いです。しかし,長期間の運営やバージョンアップを見越して再構築した点が多いのも事実です。そういった部分も含めて新生カードビルダーとして皆さんにプレイしてもらえるとありがたいですね。
4Gamer:
なるほど。本作では昨年にまずアルファロケテストがあり,その後クローズドβテストも行われました。いよいよ稼働が間近となったわけですが,これらのテストからはどんなフィードバックが行われたのでしょうか。
安田P:
大きく変わった部分でいえば,攻撃方法ですね。稼働バージョンでは,大別して3つの攻撃方法が用意されています。小攻撃の通常攻撃と,中攻撃のストライクアタック,そして大攻撃のストライクオペレーションです。
4Gamer:
アルファロケテストでは,中攻撃のストライクアタックは存在していませんでしたね。
安田P:
ええ。このストライクアタックが,まさに皆さんからフィードバックを受けて追加した要素になります。アルファロケテストで,ロックオンし続けなくてはならない時間が長すぎるという声をいただきまして。もう,アルファロケテストの翌日から,開発に着手しましたね。
4Gamer:
やっぱり,“ロックオンをしてボタンを叩く”という流れこそがカードビルダーですし。
安田P:
あと,カットインが入る頻度をもう少し増やしたかったというのも,ストライクアタックを追加した理由の一つです。カードを操作し続けるのは,どうしても疲れてしまいますから。一息つけるタイミングが必要だと思いました。
4Gamer:
先ほど連携ストライクオペレーションを見ましたが,かなりカッコイイですね。原作のテーマソングが流れるのが熱いです。
安田P:
カットイン演出は,開発を担当したフロム・ソフトウェアさんが,かなり気合いを入れて作ってくれました。やはりガンダムを題材にしたタイトルなわけですから,こういう“らしさ”は重要です。ストライクアタックの導入は,そうしたファンの皆さんの声に応える意味でも,またゲームとしての駆け引きを深める意味でも,必要なものだったんです。
4Gamer:
なるほど。ちなみに攻撃方法以外の部分はいかがですか?
安田P:
クローズドβテスト以降の変更点でいうと,チュートリアルやインタフェースの改善が主になります。テスト時に行ったアンケートでは,「難しい」と感じた人が多かったようで,まず入口のところでハードルを下げられるように心がけました。こうした調整は,稼働後も継続していきたいと思っています。
4Gamer:
個人的に気になったのがマップなんですが,今日遊ばせていただいた地上のほかに,宇宙や水中のマップがありますよね。これらは前作のように,日替わりで変わるのでしょうか。
安田P:
現状では宇宙1マップ,地上1マップが選択可能で,その内容が時期によって変化する仕組みです。頻度についてはまだ検討中ですが,日替わりということはないと思います。少なくとも……1週間くらいの単位でしょうか。ここは,稼動後のプレイヤーの動向を見ながら,フレキシブルに対応していこうと思っています。
4Gamer:
しかし,宇宙用のデッキ構成で地上に出るわけにいきませんよね? ボールを地上で戦わせるとか。
安田P:
今回は出撃できないというシチュエーションを作っていないので,地上戦にボールを出すことも可能ですよ。ただ,宇宙用の機体を地上に出すと,ステータスが大きく下がってしまいます。その逆も同じで,だからまぁ,あえて使うメリットはありませんけどね(笑)。せっかく手に入れたカードで遊べないというシチュエーションは,極力作らないように設計しています。
4Gamer:
水中用の機体の場合も同じですか。
安田P:
水中用の機体の場合,地上でのデメリットはありません。その分,水中で戦うときにメリットがつきます。カードの下の部分を見てもらえば分りますが,前作にあった「水中×」というような表記が今回はなく,代わりに「水中○」と書かれています。
4Gamer:
「水中○」があると,具体的にはどうなるんですか?
安田P:
例えばジャブローのような川が流れているマップだと,そこに入ると機動力が能力が向上する,といったイメージです。
フロム・ソフトウェアこだわりの“超難易度ミッション”が登場
4Gamer:
先ほど少し話題にも出ましたが,本作の開発にはフロム・ソフトウェアが参加しています。バンダイナムコスタジオ側とは,どのように作業を分担されているのでしょうか。
安田P:
企画はバンダイナムコスタジオとフロム・ソフトウェアが共同で行い,実装をフロム・ソフトウェアが担当する形です。バンダイナムコスタジオは,その監修と筐体の開発,また運営面を担当しています。
4Gamer:
4Gamer読者にはフロム・ソフトウェアのファンも多いのですが,そうした人から見て,本作を遊んで“フロムらしさ”を感じられる部分ってあったりしますか?
安田P:
あります! これは稼動後の話になりますが,“超難易度ミッション”が配信されます。ミッションモードは1人プレイ用のモードで,稼働時の難易度は大きく分けて3段階。最も難しいミッションは,それでもかなりやり応えがあるのですが……。
4Gamer:
……(ゴクリ)。
安田P:
フロム・ソフトウェアさんからの提案で,さらにその上の難易度のミッションを配信します。
4Gamer:
さらにその上ですか!
安田P:
ちなみに,ウチのスタッフが初見でこれに挑戦したところ,2〜3分で全滅したそうです(笑)。一応,フロム・ソフトェア側ではクリアした人がいるらしいですけど。実装後プレイヤーの皆さんがどう攻略するのか,今から楽しみにしています。
4Gamer:
それはまさしく,“フロムらしさ”という感じです(笑)。ちなみに,それはミッションを順番にクリアしていくと,さらに高難易度のミッションが現れるのですか。
安田P:
高難易度のミッションは,ある程度ミッションを進めたうえで,連動サイトでチケットを使ってもらうなど,何かしらの覚悟をもって挑めるようにしたいと思っています。あまり自由に選べてしまうと,間違えて選んだ初心者が,あっという間に1クレジットを失ってしまいかねないですから。
4Gamer:
ああ,それは確かに。ちなみに,クリアするとなにかいいことがあるのでしょうか。
安田P:
挑戦した人とクリアした人の総数が出ますね。あと,超難易度ミッションをクリアした人だけの専用のランキングがあります。
4Gamer:
なるほど。どんなランキングになるのか,楽しみですね。稼働後の話が出ましたので,運営面についてもお聞きしたいのですが,稼働に合わせて連動サイトがオープンするとのこと。ここではどういったことができるのでしょうか。
安田P:
連動サイトでは,デッキ構築のほかに,各種カスタマイズが可能になる予定です。
プレイヤーネームや通り名,エンブレムの設定などですね。通り名は,上の句と下の句を組み合わせる形。エンブレムもパーツを組み合わせて好みのデザインが作るようになっています。
4Gamer:
通り名やエンブレムのパーツは,どうやって獲得するのでしょうか。
安田P:
プレイすることで獲得できる「GP」というポイントを使って購入する仕組みです。そのほかに,実績に応じて開放されるのものもあります。それと,先ほどお話したマップのローテーションなんかも,連動サイトで確認できるようにする予定です。
4Gamer:
ああ,それはありがたいですね。なんだか,がぜん楽しみになってきました(笑)。最後に本作の稼働を待ちわびているプレイヤーに向けて,メッセージをいただけますか。
安田P:
そうですね……まず今回は宇宙世紀が舞台ということで,前作には登場していなかった機体が続々と登場する予定です。「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」「機動戦士Vガンダム」「機動戦士ガンダムF91」からの参戦も,ぜひ期待していてください。カットイン演出なども,原作ファンに喜んでもらえるものが続々登場しますので,ぜひ好きな切り口でデッキ構築を楽しんで貰えたら嬉しいですね。
5年10年と長く親しんでもらえるタイトルになるよう,我々も頑張って開発していますので,どうか皆さん,末永くお付き合いください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
連動サイトの詳細や,稼動後の展開についてなど,意外な新情報も飛び出した今回のメディア向け体験会。いかがだっただろうか。カードビルダーシリーズの魅力を一言で表すなら,メカニックやキャラクターの組み合わせによる多彩なデッキ構築と,いわゆるリアルタイムストラテジーの楽しさの融合ということになるが,その要素は,本作U.C.カードビルダーにも間違いなく引き継がれていると感じられた。加えて,新たに開発に参加することになったフロム・ソフトウェアの熱意もあって,想像以上に面白く,手強いものになっている予感がする。
またインタビューに含まれていないが,プロデューサーの安田氏からは,前作ではたびたび“物議をかもす”ことが多かったゲームバランスについても,「今作では納得のいく調整を目指す」との言質が得られたことも,ここに付け加えておきたい。
なお2月13日(土)と14日(日)には,2月25日(木)の先行稼働よりもさらに早く本作を体験できる「先行トライアルイベント」が,神奈川と大阪で開催されるとのこと。興味のある読者は,こちらにもぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。
バンダイナムコスタジオとフロム・ソフトウェアの手により,再構築(リビルド)された宇宙世紀が,いったいどんな広がりを見せるのか。今後も目が離せないタイトルとなりそうだ。
「機動戦士ガンダム U.C.カードビルダー」公式サイト
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機動戦士ガンダム U.C.カードビルダー
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