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「フィギュアヘッズ」PC版,PS4版それぞれで「WOCT 2018 Season1」覇者が決定! 激戦の模様をパブリックビューイングの会場からお届け
フィギュアヘッズの公式大会「WOCT 2018 Season1」は,大会用に用意されたパーツを自由に組み合わせて戦うという,e-Sportsを強く意識した大会だ。今年1月にPC版とPS4版のそれぞれでオンライン予選が行われ,そこで勝ち上がったチームが今回のオフライン決勝戦を行う運びとなった。本稿では,大勢のフィギュアヘッズファンが駆けつけたパブリックビューイングの会場から,イベントの模様をお伝えしよう。
イベントの司会進行を務めた声優の近村望実さん。音声が途切れてしまうトラブルにもアドリブで対処して笑いに変えるなど,プロの仕事を見せてくれた |
試合の解説も行ったフィギュアヘッズ運営スタッフの小澤 亮氏。朝に食べたという“バナナ”の話題で会場を盛り上げ,実際に食す姿も披露したのだが…… |
試合の実況担当はフリーアナウンサーの西 達彦氏。フィギュアヘッズの知識もかなりのもので,解説の小澤氏と共に試合を的確に分析してくれた |
巧みなカメラワークでお馴染みの一条さん♪氏。その職人芸は,フィギュアヘッズの大会になくてはならない存在に |
連覇を目指すPS4部門初代王者の「チームとらおれ」と優勝候補筆頭「Of4」の戦いは最終戦までもつれ込む熱戦に
今大会は,試合時間15分。試合の勝敗を決めるポストチャージ(※両軍が持つエネルギー。プレイヤーが操作する自機が破壊されたり,コアが攻撃されると減少)が2000で,決められた5つのマップを戦い,先に3本取ったほうが勝利となる“ベスト オブ ファイブ”のルールで行われた。そして,優勝したクランには,賞金50万円,準優勝のクランに賞金30万円が贈られる。
PS4部門で決勝に駒を進めたクランは,「Of4」と「チームとらおれ」。「Of4」は前回大会で優勝候補の筆頭と言われながら,予選の最後で敗れて3位になったクランで,小澤氏によるとチームとして洗練された動きが強みとのこと。「チームとらおれ」はPS4部門の初代王者であり,そのときの4試合目のマップ「The 1st Yard」において,開幕から電光石火のコア突(関連記事)を見せた衝撃的な試合を思い出す人も多いはずだ。そんな「チームとらおれ」について,本番に強く状況に応じて作戦を変える対応力があると小澤氏は解説する。
試合前に,別会場で準備している両チームの様子が中継され,「Of4」のリーダー,むうもん選手は「自分についてきてくれたチームメンバーのためにも優勝したい」と意気込みを語った。対する「チームとらおれ」のリーダー,わおばねマン選手は「Of4が強いことは分かっているので,自分達のできることを精一杯やりたい」と前回王者のチームとは思えない謙虚なコメントだ。
第1試合が行われるマップ「Underground」は,縦横に走る通路での攻防が重要となり,“ラインの抜け”を作らないよう連携を取って戦う必要がある。
試合開始と同時にマップ東側のポストトリガー(※破壊目標のコアを守るシールドを制御する施設)へと進む両チーム。最初にポストトリガーを取った「チームとらおれ」に対し,「Of4」は無理せず有利な状況を作ってから攻めようという構えだ。
マップ内には,コアを守るタレットを起動するタレットトリガーや機体の耐久値の回復するリペアポイントといった施設があり,それぞれ制圧することで有利に試合を進められる。しかし,施設を制圧しただけではポストチャージには影響がない。敵機を撃破する,もしくは相手のコアを攻撃することが大事だ。
開始から1分ほど経過したところで,早くも試合が動く。「Of4」の隙を突いて,「チームとらおれ」がコアへの攻撃を成功させたのだ。すぐに「Of4」も対処して大事には至らなかったが,試合は「チームとらおれ」有利で進むことになる。
その後も「チームとらおれ」は攻め手を緩めず,着実に撃破を重ねていく。さらに,4分が経過したあたりで「Of4」のアウトポスト以外すべての施設を押さえてしまう。「Of4」もまとまってポストトリガーへのアタックを仕掛けるが,逆に反撃を許してしまい,「チームとらおれ」が開始から6分ほどでコアを削りきり勝利した。
第2試合が行われる「DAMSITE」は,両軍のアウトポストが左右,中央上にポストトリガー,下側にタレットトリガーが配置されたマップだ。上下のラインで激しい攻防が行われることが予想される。
開始早々,両軍ともに下側のタレットトリガー周りへ人数を割いて戦う布陣を選択。周辺の通路上にはストライカーのキャノン砲が降り注ぎ,後ろからはスナイパーによる長距離射撃が行われるなど,激しい撃ち合いが続く。そんななか,「Of4」が先に敵機の撃破に成功。その後,撃破を取り合う形となるが,全体的には「Of4」有利なまま中盤戦へと突入していく。
序盤から続くマップ下側のタレットトリガーをめぐる戦いは,「Of4」に軍配が上がり,前線は少しずつマップ上側のポストトリガー周辺へとシフトしていく。勢いに乗る「Of4」はそのままポストトリガーを奪取し,「チームとらおれ」を押し込む形で追い詰めていく。
正面と上下の通路から攻撃され,完全に包囲されてしまった「チームとらおれ」は必死で反撃を試みる。しかし,「Of4」はリスクを負わないよう僚機を前に出しつつ,磐石の体制で迎え撃つ。最後は引きながら「チームとらおれ」の攻めを受け流すなど,時間をうまく使って勝利をもぎとった。
第1試合で完璧な試合運びをみせた「チームとらおれ」と,最初の試合に負けたことで緊張から開放されたのか,第2試合では僚機使いのうまさを見せて安定した戦いを展開した「Of4」。
1対1で迎えた第3試合は,入り組んだ通路内での遭遇戦が頻発する「Alley」。昨年の7月に実装された比較的新しいマップだが,試合巧者の両クランはどんな戦略を持って試合に臨むのだろうか。
機体は両クランともオーソドックスな編成だが,僚機の選択に大きな差がある。「チームとらおれ」はアサルト主体の機動力を重視したもので,「Of4」はシールドを装備した耐久力のあるタイプだ。戦略としては,僚機を前に出して攻めるきっかけを作りたい「チームとらおれ」と,僚機と共にじわじわと前線を押し上げたい「Of4」といった感じだろうか。
第1,第2試合とは打って変わって膠着した展開となった第3試合は,双方とも相手の僚機をうまく処理しながら進んでいく。
試合が動いたのは開始から8分ほどが経過したあたりだ。1つの撃破によって空いた穴から一気に「Of4」が攻めてマップ下側を制圧し,「チームとらおれ」のアウトポスト周辺へと肉薄する。そのままの勢いでコアへの攻撃を行い,最後はコアを削りきって勝利。「Of4」が優勝に王手を掛けた。
一度掴んだ流れをそのまま勝利に結びつける「Of4」の連携力はさすがといったところで,小澤氏もその強さに関心しきりだった。
後がなくなった「チームとらおれ」だが,実は前回大会も同じような流れで,負けられない状況から連勝して優勝した実績がある。
注目の第4試合のマップは「Twilight Town」。全体的に広く長距離射撃が有効だが,施設周りなどの要所は高い遮蔽物が多く,一度相手に制圧されると取り返すのが難しい。ただ,僚機を使った挟撃を狙えることから,戦略の幅が広く,クランごとの特徴が出やすいマップでもある。
序盤にマップ中央のポストトリガーを制圧した「チームとらおれ」は,マップ上側の高台で有利な状況を作り,そのまま右側の「Of4」領内へと進行していく。「チームとらおれ」は遮蔽物の裏から僚機を流して,防御陣形を繰り崩しにかかるも,「Of4」側はきっちりと対応。試合は膠着したまま中盤戦へ突入する。
中盤戦は「Of4」が下側の高台を越えて,相手のアウトポストへ歩みを進めていく展開になるも,戦線が伸びたところを「チームとらおれ」がカウンターのような形で反撃し,撃破を重ねていく。ここを勝負所とみた「チームとらおれ」はそのままアウトポストまで攻め込み,見事にコアへの攻撃に成功。こうなってしまうと,「Of4」が逆転するためには,相手のコアを攻撃するしかない。しかし,「チームとらおれ」は高台などで「Of4」の猛攻を迎え撃ち,時間切れまで逃げ切って勝利した。
2対2のスコアで迎えた最終戦は,先ほどお伝えしたように「チームとらおれ」が前回大会で印象的な試合を行った「The 1st Yard」だ。ここは,中央のポストトリガーとその周辺の施設へつながる通路での攻防が勝敗を分ける。
最終戦,注目の初動はお互い同じような人数配分で各施設に迫り,中央のポストトリガーを「Of4」,上下のタレットトリガーを「チームとらおれ」がそれぞれ制圧する。初動から激しく撃ち合い,「チームとらおれ」が先に撃破を取ってリードするも,「Of4」は中央から下のタレットトリガーに流れて奪取し,そのまま「チームとらおれ」のコアに一撃を与える。瞬く間に逆転に成功した形だ。
その後,タレットトリガーを奪い合いながら,その最中にもきちんと撃破を積み重ねていく「Of4」のメンバー達。ポストトリガーにプレッシャーを掛けながら,上下のタレットトリガーを狙うという基本戦術は両クランとも同じだが,戦闘では「Of4」が「チームとらおれ」を上回る。
「Of4」は,走ってコア突を行うチャンスもたびたたび作るが,序盤からリードしていることもあってか,無理をせず,確実に撃破を狙う安定した戦いを選択し着実にリードを広げていく。
苦しくなった「チームとらおれ」だが,相手のコアに攻撃を加えての逆転を狙って,自軍のコアを守るタレットトリガーは無視し,前掛かりになって攻め立てる。しかし,「Of4」の防御の壁は厚く,攻め切れないまま時間が経過。結果としては,終始丁寧に相手の攻撃を捌き,序盤のリードを守りきった「Of4」が勝利し,「WOCT 2018 Season1」PS4部門王者の座を奪ってみせた。
試合後,小澤氏は「現在のフィギュアヘッズのお手本になるような試合だった」と感想を述べた。15分という長い試合の中で,いかに攻めるきっかけを作り,そのきっかけをいかに勝利につなげるのか。「Of4」と「チームとらおれ」の試合は,フィギュアヘッズの基本が詰まっていたという。
オールスターチームとも言われる「Nice」と,静かに闘士を燃やす「あすなろ」,気になる試合の結果は?
休憩を挟んで「WOCT 2018 Season1」PC部門の試合が開始された。ルールと試合が行われるマップはPS4部門と同じだ。
PC部門の決勝に残ったクランは「あすなろ」と「Nice」。小澤氏によると,「あすなろ」は,出場した過去の公式大会ですべて優勝を飾っているというPIERROT_LK選手を擁するクランで,ほかのメンバーも高いプレイヤースキルを持っているとのこと。
対する「Nice」も,過去の大会で華々しい成績を上げてきたメンバーが揃っていて,予選では優勝候補と言われていたクランにも圧倒的な強さを見せつけており,優勝にもっとも近いクランであるという。
試合直前のインタビューでは,「あすなろ」のリーダー瑠華選手は「どのチームよりもうちのチームが一番練習してきましたので,その成果を出したいです。相手はそうそうたるメンバーですが,ジャイアントキリングを起こせるよう頑張ります。応援してください」とコメント。「Nice」のリーダーnaki.選手は「応援してくださる人の期待に応えらるような試合にしたいです。お互いNiceな試合をしましょう」と話してくれた。
第1試合の「Underground」。先にポストトリガーを押さえたのは「Nice」だったが,ポストリガーを維持することにはこだわらず,「あすなろ」に明け渡すような形を取り,その間にマップ左側のタレットトリガーを制圧。「あすなろ」はポストトリガーの周りで半包囲されてしまう。「Nice」は有利な陣形で試合を主導していくが,あえて無理はせず,僚機を前に出しつつ戦線を維持する。
立ち上がりから5分はお互い様子見といったところで,序盤から変わらない布陣で撃破を取り合う接戦となる。試合時間が半分を経過したあたりで「あすなろ」は各施設を制圧して,盤面上は有利に見えるのだが,ポストチャージはまだ五分といったところ。
両クランとも粘り腰で最小限の撃破数のまま残り時間は少なくなるが,「Nice」は要所できっちりと撃破数を稼ぐ。「あすなろ」も相手を追い込もうとするが「Nice」の堅い防御陣形を崩せず,試合慣れしたメンバーの多い「Nice」が練度の高さを見せて,第1試合を制した。
続く第2試合の「DAMSITE」は,双方ともストライカーを2機配置する遠距離攻撃重視の構え。試合が始まると,いきなり下側のタレットトリガーをつなぐ通路に激しくキャノン砲が降り注ぎ,前に出れない状況が続く。
激しい弾幕により試合が膠着するかと思われたが,中盤に差し掛かる頃には「Nice」が5撃破を奪って試合をリードする。無理でも攻めなければならなくなった「あすなろ」に対して,「Nice」は引く動きを見せ,それに釣られて前進したところを撃破するという作戦も披露し,終始有利な試合展開を作る。「Nice」は完成された防御陣形で「あすなろ」の反撃を受けきり,完全勝利となった。
安定した強さを発揮して2連勝した「Nice」は,あと1勝すれば優勝となる。後がなくなった「あすなろ」はどう巻き返していくのか。注目の第3試合「Alley」のスタートだ。
初動は「Nice」が僚機を前面に出して中央のポストトリガーを制圧するが,僚機をうまく処理した「あすなろ」は,数的有利を盾に「Nice」を押し返す。序盤は両者一歩も引かずといったところ。
中盤戦は少ないチャンスをものにして「Nice」は2撃破で進軍するが,対する「あすなろ」は冷静にラインを作ってそれを押し返す。しかし,それを引きながら「あすなろ」の機体を確実に撃破していく「Nice」。試合開始から6分ほど経過した時点で,撃破数は「あすなろ」1に対して「Nice」は6と大きくリードしていた。
「Nice」が無理はせず,“行ける”流れのときに少しだけ押すというディフェンシブな動きで「あすなろ」を圧倒。残り4分の時点でコア突を敢行すると,そのまま破壊して完璧な勝利となった。3連勝という圧倒的な強さをみせた「Nice」が「WOCT 2018 Season1」PC部門の王者の栄光を手にした。
小澤氏は「Nice」のディフェンス力の高さを評価し,「フィギュアヘッズの強さとは何か。その完成形を見せてもらった気がします」とコメントしていた。
2周年のお祝いムードを盛り上げる最新アップデートを発表
両部門の試合後,フィギュアヘッズのプロデューサー,織田英治氏が登壇して3月のアップデート情報を公開した。
最初に発表されたのは,新PvPマップの「Colosseum」だ。このマップは真ん中にポストトリガーがあり,それを囲むように高台が配置されているという。四方から狙われることになるので,どうやって守るか,あるいはどうやって崩すのかを考えながら試合を行う必要がありそうだ。織田氏によると,既存のマップ「Alley」と雰囲気は似ているかもしれないとのこと。
続いて,3月9日にPC版の2周年を迎えるということで,3月1日より「2周年記念イベント」を開催することが発表された。
このイベントでは,フィギュアヘッズでは貴重な白を基調とした限定カラーパターンや,2周年にちなんだ2丁拳銃のハイエンドモデルの武器などが手に入るようだ。また,“2”回限定で特定のアイテムが確定で出るガレージロットや,毎日22STAMP,最大で616STAMPが手に入るログインボーナスも実施するとのこと。
そのほか,プレイヤーからの要望も大きかったという「公式サウンドトラック」や「公式LINEスタンプ」の配信も行われる予定だという。ちなみに,ここで公開されたLINEスタンプは一部で,40種のスタンプが配信されるようだ。
アップデート情報のあと,激戦を終えた選手達の表彰式が行われた。
準優勝という好成績を収めたクラン「チームとらおれ」は,笑顔を見せながら登場し,織田氏より記念の品を受け取った。
「チームとらおれ」のリーダー,わおばねマン選手は「二連覇が掛かっていたので絶対優勝したいと思っていたのですが,『Of4』が強すぎて完敗でした」と感想を述べ,「次回があったらリベンジしたい」と付け加えた。
続いて登場したのは,PS4部門の「WOCT 2018 Season1」で優勝を飾った「Of4」。かなり嬉しい様子のメンバー達は,壇上でも大きな声を出して会場を盛り上げた。記念の品を落としてしまうというハプニングもあったが,それすら場を盛り上げる材料に使うあたりはさすがと言うべきか。
「Of4」のリーダー,むうもん選手は「練習相手になってくれたクランに感謝します」とコメント。そのクランはパブリックビューイング会場の一番前で「Of4」の応援をしており,クラン間の交流が優勝の原動力の一つとなっていたことを実感させられた。
続けて登場したのは,PC部門準優勝のクラン「あすなろ」。強敵を相手に健闘したメンバーはどこか晴れやかな表情だ。
「あすなろ」のリーダー,瑠華選手は,「この日に向けて練習してきて,悔しい気持ちもありますが,晴れ晴れとした気持ちです」と心境を語ってくれた。
最後に,圧倒的な強さを見せたPC部門王者の「Nice」のメンバーが登場した。試合直後だからか,クールな表情のまま登壇するメンバー達。織田氏より賞品の目録を受け取ると,ほんのすこしはにかんだ表情を見せてくれた。
「Nice」のリーダー,naki.選手は,一緒に戦ったメンバーを称えつつ「優勝できて良かったです」とコメント。ほかのメンバーも短いコメントながら,優勝できた喜びを表現してくれた。
イベントのプログラムをすべて終えて,織田氏は「選手の皆さん,お疲れ様でした。予選から熱い試合が多く,決勝でも面白い試合をしてくれてありがとうございます。大会は今後もやっていきたいと思っていますので,悔しい思いをしたクランの方も,出れなかった方も,この大会から興味を持った方もぜひ参加してください。」と述べ,大会を締めくくった。
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