プレイレポート
ダウンロード版の販売がついにスタートした「XCOM2」を紹介。地球を救うため,エイリアンと戦え
「XCOM 2」の開発者にインタビュー。エイリアンに負けたことの共通体験と,マップの自動生成が「スペシャルでマッシブ」なプレイ体験を生み出す
「XCOM2」は,ドラマチックで心揺さぶるストラテジー。プレビュー版のプレイレポートをお届け
前作「XCOM: Enemy Unknown」のエンディングから約20年,各国政府はエイリアンに無条件降伏し,侵略してきたエイリアンどもは各地に“理想の都市”と称するアドヴェントシティを築き,人々を呼び集めている。だがこれは表向きの顔に過ぎず,その裏では卑劣な陰謀を進めているのだ。
そんな中,地下に潜伏していたXCOMのメンバー達は,とある目的のため,エイリアンの主催する式典に潜入した。XCOMを指揮し,「アヴァター計画」の謎を暴くのだ……というのが本作のざっくりとしたストーリーだ。その魅力を5つのポイントにまとめてみよう。
「XCOM 2」公式サイト(要年齢認証)
1:バトルがシビアでやり応えがある
XCOM2は,銃器などを持っての戦いをメインとしたターン制ストラテジーだ。プレイヤーは,自分のターンで配下の兵士を動かし,攻撃することになる。兵士にはさまざまな兵科があるが,ファンタジーRPGのように「被害覚悟の壁役を用意して敵を引きつけ,後ろから攻撃役が撃ちまくる」というようなことはできない。回復手段は限られており,死んだメンバーは二度と生き返らないからだ。
そのため建物の壁,植え込み,車,倒木など,周囲にあるさまざまな遮蔽物に身を隠して進んでいく必要がある。同じことを敵もしてくるので,その場合は防御の薄い側面へ回り込んだり,高い位置に陣取ったりして命中率を上げなければならないという戦略性が要求されるデザインだ。
テーマはSFだが,チームベースの銃撃戦のセオリーが再現されており,お互いが必殺の武器を持つ中,守りを崩し合うような,スリリングな戦いが展開される。
勝敗はいつもギリギリで決まり,ミッションによってはシビアなターン制限があったり,絶妙な位置に敵の援軍が来たりと全般に難度はとても高い。きちんと勝つためには,個々の兵士の能力を把握し,それぞれの個性をうまく組み合わせることが重要になる,というバランスが絶妙だ。
ゲームが進めば,周囲を偵察する「バトルスキャナー」や,敵を引きつける「模倣ビーコン」などの特殊アイテムが使用できるようになり,さらに高度な戦術が楽しめる。マップは自動生成されるため,戦うたびにさまざまな展開が楽しめるところも面白い。ちなみに自動生成されるマップはかなり自然で,どのような技術が使われているのかは分からないが,すごいと思う。
2:展開がドラマチック
ドラマチックな展開も,本作の特徴だ。戦闘場面では,白熱したところで映画的なカメラワークになったりなどの演出が入り,気持ちを盛り上げてくれるし,窓を突き破って建物に飛び込むときは高揚する。物陰から突然現れたエイリアンに撃たれたときは,声が出そうになった。
ミッションの内容も,敵を殲滅したり,重要アイテムを確保したり,敵のVIPを捕獲したりと多彩だ。例えば,XCOMの空中母艦「アヴェンジャー」に対するエイリアンの襲撃を防ぐというミッションでは,敵UFOの妨害で飛べなくなったアヴェンジャーを守るため,エイリアンが次々に襲ってくる中,入り口を死守し,同時に敵の妨害装置を破壊しなければならなくなる。
通常なら出撃が免除される負傷兵も駆り出され,ターンが過ぎるごとにどんどん増援がやってくるが,敵も大兵力で襲いかかってくるという,まさに総力戦だ。なんとか妨害装置を破壊したあとは,アヴェンジャーへ帰還しなければならないのだが,敵の増援が到着する中,母艦を目指して兵士達が走る姿は,まるで映画のようにドラマチックだ。
兵士達もまた単なるユニットではなく,キャラクターとしての存在感を発揮している。レジスタンス本部で雇用できる者もいれば,隠れ住んでいる地域をアヴェンジャーで探索すると仲間に加わってくれたりする者もおり,出会い方はさまざま。それぞれに短いバックストーリーが設定されており,感情移入できるし,兵士が殉職すると「慰霊碑」にその記録が刻まれるため,喪失の哀しみもひとしおだ。
アヴェンジャーのクルー達が織りなすドラマも見どころの1つで,それぞれに過去を背負った人々が集まり,互いに協力し合っていく様子は,まるで海外ドラマ。アヴェンジャー内部にさまざまな施設を作っていくパートでは,彼らの会話が聞こえてくる。操作の手を少し止めて,聞き入ってみるのもいいだろう。
3:キャラクターカスタマイズが充実
XCOM2には,充実したキャラクターカスタマイズ機能が用意されている。名前や顔だけでなく性別,国籍,口調,顔,髪型,肌の色など,数多くの項目を自由に変更できるので,仲間にした兵士をいろいろといじくってみたくなるはずだ。ボイスも英語,フランス語,ドイツ語など多彩な言語のものがそれぞれ数パターン用意されているので,こだわりまくれば,かなり雰囲気のあるキャラクターが作れるだろう(日本語がないのが残念だ)。
自分で作ったキャラクターをゲームに登場させることも可能だ。バックストーリーを自分で入力できるし,敵側のVIPとして出現させるという面白い設定も存在している。
公式サイトの発表によれば,開発メンバーをベースにしたキャラクターの配信も決定しており,中には,上記の記事でインタビューに応じてくれたアートディレクター,グレッグ・フォートッシュ氏の姿も見える。
自分や友達を作ってゲームに登場させたり,作ったキャラクターを見せ合ったりするのも面白いだろう。
4:兵士の育成が楽しい
現時点で確認できている兵科は5種類で,「遊撃兵」「グレネード兵」「スナイパー」「技術兵」に加え,ゲームが進むと「サイキック兵」が養成できるようになる。
刀を持った遊撃兵は攻撃の要となり,グレネード兵はミニガンやグレネードランチャーで重装甲の敵に対して高い効果を発揮する。スナイパーは狙撃ライフルと拳銃で仲間を援護し,技術兵はドローンでハッキングや治療を行うという感じだ。そして,サイキック兵は敵を超能力で支配して仲間同士で戦わせたり,味方を守るシールドを張ったりできる。
それぞれの兵科には2系統のアビリティがあり,戦いを重ねて昇進(レベルアップ)するたびに,どちらか1つを選べる。例えば,スナイパーならスナイパーライフルと拳銃のアビリティが存在するので,ライフルの一撃の威力を高めるか,あるいは連射の利く拳銃で手数を稼ぐか,といった具合だ。アヴェンジャーの中に「先進戦闘センター」を作ってあれば,ほかの兵科のアビリティを覚えらることがあるため,早めに設置しておこう。
兵士を育成することで戦いは次第に楽になっていくので,自分のプレイスタイルに合った兵士を作っていきたい。ただし,上記のように一度戦場で殺されると二度と帰ってこないので,手塩にかけて育てた兵士ほど,失ったときのショックは大きい。
ちなみに,倒したエイリアンの「亡骸」を解剖すれば新兵器を開発できるようになるし,敵を倒して手に入れたパーツで銃器をカスタマイズすることもできる。後者はパーツの数が限られているうえ,武器の持ち主が死んでしまった場合は,回収しないとそれっきりになってしまうため,慎重に使いたい。
5:MODサポートが充実
XCOM2には「公式MOD」が存在しており,前作で大型MODを作成した実績のあるLong War Studiosが3つの無料MODを提供する予定であることがすでに発表されている。
順に紹介すると,「SMG-series Weapon Mod」ではサブマシンガン系の銃器が追加される。サブマシンガンは,近距離での命中率に優れるものの,ダメージと遠距離の正確さに劣るという性質がある。
「Muton Centurion Mod」は,敵として新たに「Muton Centurion」が登場するというもの。通常のミュートンよりも強力で,エイリアン側に何らかのボーナスを付与する能力を持っているとのこと。
「XCOM Leader Mod」を導入すると,XCOMの兵士を「ゲリラ戦訓練施設」に入れて「Leader」にすることができる。Leaderは10種類用意されたアビリティのうち5つを習得でき,周囲にいる仲間にボーナスを与えるといった能力を持つようだ。Leaderは1人しか出撃できないという制限があるとはいえ,育成の楽しみがまた広がった。
というわけで,以上,XCOM2の魅力を5つにまとめてみたが,いかがだっだたろうか。頭を使う難度の高いゲームであることは間違いないが,遊び応えのある作品でもある。シビアなゲームやストラテジーが好きだという人は,この機会にぜひXCOM2にチャレンジしてほしい。
「XCOM 2」公式サイト(要年齢認証)
- 関連タイトル:
XCOM 2
- この記事のURL:
(C)2015 Take-Two Interactive Software and its subsidiaries. Take-Two Interactive Software, Inc., 2K, Firaxis Games, XCOM, and their respective logos are trademarks of Take-Two Interactive Software, Inc. All rights reserved. All other marks are property of their respective owners.