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  • Firaxis Games
  • 発売日:2015/10/09
  • 価格:3650円(税込)※Steam価格
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Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth Rising Tide

Sid Meier’s Civilization: Beyond Earth Rising Tide
公式サイト http://www.civilization.com/en/home/
発売元 2K
開発元 Firaxis Games
発売日 2015/10/09
価格 3650円(税込)※Steam価格
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85
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  • 新しいCivilizationをさらに新しくした拡張 85
    • 投稿者:nodoka(男性/20代)
    • 投稿日:2015/10/19
    良い点
    ゲームシステムの調整によって、内政・外交・探索のいずれもがより分かりやすく、かつ重要なファクターとなった点。
    3種類のアフィニティ(文明の思想)を複合的に取りやすくなったことで、プレイごとの違った経験が得やすくなった点。
    悪い点
    交易システムの調整により、最も重要な首都の生産力にブーストをかけづらくなった点。
    海上都市のエリア獲得システム。
    総評
     「Civilization 后廚能蕕瓩篤吋轡蝓璽困某┐譴辛者としては、「Civilization: Beyond Earth」の時点でかなりの好感触を得ていたのだが、その拡張版である「The Rising Tide」によって、さらに良作へと押し上げられたと感じた。

     まずは新しいシステムである、海上都市の建設とそれに伴うシステム変更に関してである。
     無印の時点では、異星へと入植ができるほどの科学発展をしていながら、その惑星の海に出ていくためには専用の技術が必要であり、陸地にもうようよと(ゲーム開始時点では)凶悪なエイリアンがいて移動が制限されているのに海にも出ていけないということで探索が非常にやりづらかった。別の文明とも惑星降下の時点で大まかな位置が分かるうえに外交チャネルが開いている状態だったため、探索のメリットは従来ほどではなかったのだが、海上都市をはじめから建設することができるようになったことで、陸地がエイリアンの巣に囲まれていたとしても逃げ道ができるし、探索の際にも危ないところを避けていけるようになった。
    また、海上都市それそのものも、陸上都市とはまた違った特色を持っており、特に健康度(従来シリーズでいうところの幸福度)のデメリットが軽く設定されていることで、「領土を拡張していきたいけれども健康度が厳しい」という時に海へ出ていくという選択肢が取れるようになった。
    また、海への進出を見越して海上資源の量が増えており、かつ陸上都市を沿岸に建てておけば道路を引くことなく都市接続ができるため、その点でもメリットがある。
     ただし、この海上都市は領土の獲得システムが陸上都市と異なっており、「都市自体を移動させることによって領土を拡張していく」という方式になっている。都市を移動させるためにも生産力を必要とするので、都市自体の発展や軍備拡張の機会を一回減らして領土を取る必要がある。それだけでなく、二方向に獲得したいタイルがあった場合に、片方を取ってもう片方もあとで、というのを移動だけでしようとすると複数回の移動が必要になってしまう。その点ではあまりよくないとも感じた。

     次に内政/外交面での変化だが、この拡張では「外交資本」と、「文明の性格」、「畏敬と畏怖」というシステムの追加によって非常にやりやすく、また多様性を持つようになった。
     「外交資本」の獲得に関しては建造物や遺産を建てたり、他文明と協定を結ぶことによって毎ターン得られるのだが、この資本を用いて内政や軍事にボーナスを得られる文明特色を取ることができるようになった。これは後から変更することも、現在選択している特色をアップグレードすることもでき、それの組み合わせによって文明の性格が方向づけられるようになった。
    そしてこの文明の性格は他文明にも影響を与え、自分が選択している特色によって相手が結ぶことのできる協定も変わり、他文明の性格はそのまま「何をすると他文明が喜ぶか/警戒するか」という指針となる。相手の喜ぶことを自分がしていれば相手の敬意が上昇し、この敬意が高まることで友好を結べるようになり、外交上のアドバンテージを得ることができるし、逆に相手が警戒するようなことをし続けていると取引に応じなくなったり、最悪の場合戦争をしかけてきたりする。
    この外交上の振る舞いによって上下する「畏敬」と、彼我の戦力バランスによって上下する「畏怖」によって文明間の関係が変化するというシステムは、以前のシリーズにあった「親しみ宣戦」――それまで友好的な関係(外交ステータスが「親しみを感じている」)を結んでいると思っていたAI文明がある日急に宣戦布告してくること――を避けるとともに、相手の出方をある程度推測できるようになったという点で、新しいと共にゲームを遊びやすくしている。
    また、文明の性格を後になって選択できるというこの新要素は、「Beyond Earth」でゲーム開始時のカスタマイズを豊富にした結果生じた「文明ごとの差異のなさ」を解消し、自分の文明、また他の文明の多様性を増やし、ゲームプレイごとに違った経験を与えてくれるようになった。

     次に研究とアフィニティの変更に関してであるが、これも多様性と遊びやすさを兼ね備える調整となったと思う。
     無印の時点でも、メインとして一つアフィニティを育てた上で他のアフィニティを少し育てるということはできたのだが、ある程度進んだ一部の研究によって、特定の一つのアフィニティに経験値が入るという方式だったため、他の文明との研究競争、また軍事のことを考えると一つの分野に傾注して研究を進めていく方がずっと得であったのだが、拡張によって一つの研究で複数のアフィニティに経験値が入るようになり、また序盤の研究から経験値が得られるようになったことで、逆に一つのアフィニティだけ育てることが難しくなるほどに、三つあるアフィニティを伸ばしていけるようになった。
    また、アフィニティ間のシナジーの存在や、複合アフィニティの深化によって解禁されるユニットの存在、大幅に追加された複合アフィニティのユニットアップグレードなどによって、ゲームプレイ時の状況に応じて柔軟に研究を進める/ユニットを強化していくということができるようになった。これも毎回新鮮なゲーム体験を与える仕組みとなりうるだろう。

     最後に探索その他フィールドに関してであるが、この拡張ではエイリアンが追加され、また既存のエイリアンも若干の調整を受けたことにより、平均としては弱体化した。これによって、無印であったような、「都市防衛に兵士を置いていても再序盤ではエイリアンを排除できない」という状況が大幅に減った。また、無印ではエイリアンの巣(蛮族の野営地のようなもの)はゼノマスという、エイリアンとの共生を目指す調和アフィニティが必要とする戦略資源の上にのみスポーンしていたために、「エイリアンと共生しつつこの惑星で生きていくためにエイリアンの巣を破壊しなければならない」という矛盾した事態になりがちだったが、今作では他のアフィニティの戦略資源の上にもスポーンするようになったので、どのアフィニティでもエイリアンの巣を破壊していくことに都市防衛だけでない意味が生まれてきた。また、エイリアンの巣を破壊したり、資源ポッド(分かりやすく言えば「お菓子の小屋」)や、発掘地点を調査することによって得られる「アーティファクト」を使うことで生産力や文化などにブーストをかけたり、パッシブ効果を得たり、新たな建造物がアンロックされたりするようになった。
    他の文明との接触タイミングが惑星降下時でなく従来までのような初遭遇時に戻ったことと合わせて、惑星を探索していくことも従来作と同様に重要になった。

     総評としては、この「The Rising Tide」は、番外編「アルファ・ケンタウリ」以来の「未来」を舞台とした革新的な「Beyond Earth」の拡張版としてふさわしい、「新しいCivilization体験」を与えてくれるものであった。「検廚鮑埜紊Civilizationシリーズを追わなくなってしまった人や、異星開発ということでこれまで敬遠していたCivilizationプレイヤー達にも、私は自信を持って今作を推していきたいと思うし、そういう人々や、勿論今までCivilizationシリーズをプレイしたことのない人にもこのゲームの魅力が伝わればと思い、こうしてレビューを書かせていただいた。自分の想定以上に文量が増えてしまい、このレビューで果たしてどこまで自分の感じた魅力を伝えられたかというところは不安であるが、ここはいったん筆を置かせていただくとする。
    プレイ時間
    40〜60時間
    グラフィックス サウンド 快適さ/運営 熱中度/ストーリー ボリューム
    4 4 5 4 5
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