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東京レトロゲームショウ2016:第42回 「Iron Warriors: T-72 Tank Command」で,リアル戦車に乗りたいという欲求を充足してみたい
女子高生が戦車に乗って戦うアニメを見て感動したので,筆者も戦車に乗りたくなった。というわけで,今週の「東京レトロゲームショウ2016」に選んだタイトルは「Iron Warriors: T-72 Tank Command」(以下,「Iron Warriors」)だ。Crazy Houseというメーカーが2004年に発売した作品で,タイトルのT-72戦車のほか,T-34/85とT-55Aが操作できる。
Steam「Iron Warriors: T-72 Tank Command」紹介ページ
フライトシミュレータやレースシミュレータは多いが,リアルな戦車シミュレータは少ない。これは,もともと戦車が複数の乗員の共同作業で運用されるからだ。飛行機や車はパイロット/ドライバーが1人で操るのでゲームにしやすいが,戦車の場合,通常は車長,砲手,装填手,操縦手の4人乗りのうえ,昔の戦車の中には通信手や機関銃手が搭乗するものさえあった。こうした戦車の特徴をシミュレートするにはどうすればいいのか? Crazy Houseは,好きなポジションが選べるというシステムを採用した。幸い,T-72は自動装填装置が装備されており装填手が不要なので,プレイヤーは車長,砲手,そして操縦手と立場を切り替えつつ(切り替えなくてもよいが),ゲームを進めていく。まさに,一粒で三度おいしい,というやつだ。たぶん。
目の前に広がるロシアの大平原と,手前の計器類。“Made in USSR”という英文が気になってしょうがないが,グラフィックスについては「DOOM 3」や「Half-Life 2」と同じ年にリリースされたタイトルとしては,正直,物足りないものがある。
ともあれ,さあ出発だ。T-72を前進させるには,[B]キーでブレーキを外し,[E]キーの長押しでエンジン始動。[A]キーと[Z]キーでギアを調整し,[X]キーで燃料を増減するというアンバイだ。一発で覚えたあなたは天才。まさかのマニュアル操作で,筆者はすぐに混乱してエンストする。ギアアップはどうするんだっけ?
ちなみに本作の砲撃には,重力や風の要素なども影響を与えるので,敵に弾を当てるのはなかなか難しい。砲撃アシスト用のコンピュータもあるっぽいのだが,使い方がよく分からない。きゃは☆。
昔から「習うより慣れろ」というので,半端に操作を覚えたところで戦場に出てみよう。
現代戦車の有効射的距離はだいたい3000mぐらいなので,戦闘もそれくらいの距離で行われる。一応,敵の位置などは表示されるのだが,距離が遠すぎて,当たっているのか当たっていないのかよく分からない。仕方がないのでエンジンをふかして接近したところ,どこからともなく飛んできた砲弾が命中してわが戦車はキレイに吹き飛んだ。
というわけで,筆者は現在,戦車道をきわめるために訓練中だ。実は2004年にも本作を購入して挫折していたのだが,今回,再チャレンジした次第だ。戦車ゲームといえば,W/A/S/Dで移動,マウスで砲塔を回してボン,というタイトルが多い中,ここまでこだわりまくった作品は少ないはず。戦車を愛するうえに根性もある人は,セールを待って,「Iron Warriors」をぜひ試してみよう。
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