ニュース
AMD,Radeon Rx 300世代GPU計5製品のスペックを公開。すべてリブランド品ゆえ,評価は価格次第か
Radeon R9 300シリーズ
公開された各製品のスペックを見ていこう。まずは,Radeon R9 300シリーズと,リブランド前と思われるGPUのスペックを表1にまとめてみた。地に色を敷いてあるのがラインナップに加わった新型GPUである。
見てのとおり,演算ユニット数やテクスチャユニット数などは,リブランド前とまったく同一。目に付く違いといえば,Radeon R9 300シリーズでKhronos Groupによる新しいグラフィックスAPI「Vulkan」と「OpenGL 4.5」に対応している点くらいだろう。
細かく見ていくと,「Radeon R9 390X」は「Radeon R9 290X」と比べて,GPUコア最大ブーストクロックが1000MHzから1050MHzに,メモリクロックが5500MHz相当から6000MHz相当へと向上しているのが分かる。事実上は,Radeon R9 290Xの高クロック版といったところだろうか。Radeon R9 290Xの場合,発表当初のグラフィックスメモリ容量は4GBだったので,それと比べると倍増しているのもポイントだ。
メーカー想定売価は429ドル(税別,6月18日時点のドル円相場換算で約5万2600円)となっている。
「Radeon R9 390」も同様に,「Radeon R9 290」と比べてGPUコアやメモリのクロックが向上し,また,グラフィックスメモリ容量が8GBになっている。Radeon R9 390搭載カードの想定価格は,329ドル(税別,約4万300円)とされているので,この価格帯の製品で8GBのグラフィックスメモリを搭載する点は,訴求力のある特徴となるかもしれない。
Radeon R7 300シリーズ
Radeon R7 300シリーズは,2製品のスペックが明らかになった。リブランド前と思われるGPUのスペックと並べたのが表2だ。VulkanとOpenGL 4.5を正式にサポートしているのはRadeon R9 300シリーズと共通である。
搭載グラフィックスカードのメーカー想定売価は149ドル(税別,約1万8300円)とされている。
一方の「Radeon R7 360」は,「Radeon R7 260」のリブランド品で,GPUコアとグラフィックスメモリの動作クロックを向上させたうえで,グラフィックスメモリを標準で2GBにした製品となっている。価格は未公開。
なお,製品情報ページにおけるRadeon R7 360のスペックでは,メモリバス帯域幅が112.0GB/sとなっており,計算するとメモリクロックは7000MHz相当になるのだが,エントリー市場向けの製品で,そこまで高クロックのグラフィックスメモリを使うのか,いささか疑問が残る。編集部が入手した別の資料では,それぞれ6500MHz相当の104.0GB/sと書かれていたので,別資料のほうが正しいかもしれない。
以上のように,Radeon R9 300シリーズは,OEM向けと合わせて,すべての製品が前世代のリブランド品ということになるようで,いささか新鮮味に欠けるラインナップとなってしまったことは否めない。厳しいことをいえば,Radeon R9 Furyシリーズのオマケ的な印象も受ける。
とはいえ,Radeon R9 390やRadeon R9 380などは,実勢価格次第で価格性能比に優れた製品となる可能性もあるので,国内ではいくらくらいで販売されるのか,その価格に注目していきたいところだ。
AMDのRadeon R9シリーズ製品情報ページ(英語)
AMDのRadeon R7シリーズ製品情報ページ(英語)
- 関連タイトル:
Radeon R9 300
- 関連タイトル:
Radeon R7 300
- この記事のURL: