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AMD,Vega世代のGPUを統合した「Ryzen PRO」APUを発表。ゲーム性能の高さも謳う
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印刷2018/05/16 00:00

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AMD,Vega世代のGPUを統合した「Ryzen PRO」APUを発表。ゲーム性能の高さも謳う

画像集 No.002のサムネイル画像 / AMD,Vega世代のGPUを統合した「Ryzen PRO」APUを発表。ゲーム性能の高さも謳う
 北米時間2018年5月14日,AMDは,ビジネスPC向けプロセッサ「Ryzen PRO」初のAPU製品を発表した。ラインナップはデスクトップPC向けの「Ryzen PRO desktop processors with Radeon Vega Graphics」(以下,Ryzen PRO desktop APU)が4製品と,ノートPC向けの「Ryzen PRO mobile processors with Radeon Vega Graphics」(以下,Ryzen PRO mobile APU)が3製品。計7製品の主なスペックは表1,2のとおりとなる。

表1 Ryzen PRO desktop APUの主なスペック
Ryzen 5 PRO 2400G with Vega 11 Graphics Ryzen 5 PRO 2400GE with Vega 11 Graphics Ryzen 3 PRO 2200G with Vega 8 Graphics Ryzen 3 PRO 2200GE with Vega 8 Graphics
製造
プロセス
14nm 14nm 14nm 14nm
コア数,
スレッド数
4C8T 4C8T 4C4T 4C4T
ベースクロック 3.6GHz 3.2GHz 3.5GHz 3.2GHz
ブースト最大クロック 3.9GHz 3.8GHz 3.7GHz 3.6GHz
L2+L3キャッシュ容量 6MB 6MB 6MB 6MB
Compute Unit数 11 11 8 8
GPU最大クロック 1250MHz 1250MHz 1100MHz 1100MHz
TDP 65W 35W 65W 35W

表2 Ryzen PRO mobile APUの主なスペック
Ryzen 7 PRO 2700U with Vega 10 Graphics Ryzen 5 PRO 2500U with Vega 8 Graphics Ryzen 3 PRO 2300U with Vega 6 Graphics
製造
プロセス
14nm 14nm 14nm
コア数,
スレッド数
4C8T 4C8T 4C4T
ベースクロック 2.2GHz 2.0GHz 2.0GHz
ブースト最大クロック 3.8GHz 3.6GHz 3.4GHz
L2+L3キャッシュ容量 6MB 6MB 6MB
Compute Unit数 10 8 6
GPU最大クロック 1300MHz 1100MHz 1100MHz
cTDP 15W 15W 15W

 今回発表となったRyzen PRO desktop APUとRyzen PRO mobile APUはいずれも,開発コードネーム「Raven Ridge」と呼ばれていたAPUをベースに,ハードウェアベースのセキュリティ機能「GuardMI」を統合した製品だ。AMDによると,新世代ビジネスAPUを搭載するPCは,DellとHP,Lenovoから登場予定とのことである。

Lenovoは超小型デスクトップPC「ThinkCentre M715q Tiny」の新モデルでRyzen PRO desktop APUを採用(左)。Dellはビジネス向けノートPC「Latitude 5495F」でRyzen PRO mobile APUを採用している(右)
画像集 No.010のサムネイル画像 / AMD,Vega世代のGPUを統合した「Ryzen PRO」APUを発表。ゲーム性能の高さも謳う 画像集 No.009のサムネイル画像 / AMD,Vega世代のGPUを統合した「Ryzen PRO」APUを発表。ゲーム性能の高さも謳う

 AMDの示した資料によると,Ryzen PRO desktop APUの場合,Ryzen PRO 55は「Core i5-8400」に対して画像編集ソフトで最大37%,レイトレーシングソフトウェアによる3Dレンダリングで最大54%,3D CADソフトを想定したベンチマークでは最大180%(※2.8倍)高いスコアを記録したそうだ。Ryzen PRO 3も「Core i3-8100」に対して順に最大24%,36%,100%高いスコアを記録したという。

Ryzen PRO desktop APUとCoffee Lake世代のデスクトップPC向けCPUとで性能をベンチマークスコアを比較したスライド。GPUアクセラレーションの有効なところでスコア差を広げているのが分かる
画像集 No.003のサムネイル画像 / AMD,Vega世代のGPUを統合した「Ryzen PRO」APUを発表。ゲーム性能の高さも謳う

 同様にRyzen PRO mobile APUの場合,Ryzen PRO 7は「Core i7-8550U」に対して画像編集ソフトで最大6%,レイトレーシングソフトウェアによる3Dレンダリングで最大22%,3D CADソフトを想定したベンチマークでは最大170%(※2.7倍)高いスコアを記録したそうだ。Ryzen PRO 5も「Core i5-8250U」に対して順に最大12%,6%,55%高いスコアを記録したとのことである。

Ryzen PRO mobile APUはCoffee Lake世代の競合CPUを圧倒するというスライド。GPUアクセラレーションの有効なテストでスコア差を広げているのが分かる
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こちらは,IntelのビジネスPC向けセキュリティおよび管理機能「Intel vPro Technology」対応のノートPC向けCPUとの性能比較グラフ。古いベンチマークソフトである「3DMark 11」での比較だが,競合に対して76〜85%程度の性能差を付けている
画像集 No.005のサムネイル画像 / AMD,Vega世代のGPUを統合した「Ryzen PRO」APUを発表。ゲーム性能の高さも謳う

「秘密ですけど,ゲームも動くんですよ」というスライド
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 ちょっと面白いのは,AMDが今回のRyzen PRO APUで「ゲームもできますよ」というアピールをしているところだ。「Coffee Lake世代のノートPC向けCPUにエントリー〜ミドルクラスのノートPC向けGeForceを組み合わせるよりも,Ryzen PRO mobile APU単独のほうが高性能である」という,デスクトップPC向けPinnacle Ridge発表時のアピールとほぼ同じ謳い文句を繰り返していたりする。仕事に疲れたらゲームでもどうぞ,といったところか。

3DMarkの「Time Spy」による性能比較。Ryzen 7 PRO 2700Uは,Core i7-8550Uに「GeForce GTX 950M」を組み合わせた環境と同等以上のスコアを記録するとのことだ
画像集 No.007のサムネイル画像 / AMD,Vega世代のGPUを統合した「Ryzen PRO」APUを発表。ゲーム性能の高さも謳う

こちらは実際のゲームにおけるフレームレートを比較したグラフ。Ryzen PRO 2500UとCore i7-8550U+「GeForce 940MX」の環境を比較したもので,いずれも競合を上回るとしている。ただ,「Dota 2」はともかく,「Overwatch」と「Rocket League」は,Ryzen PRO側も快適と言えるほどのスコアではないように思う
画像集 No.008のサムネイル画像 / AMD,Vega世代のGPUを統合した「Ryzen PRO」APUを発表。ゲーム性能の高さも謳う

 Ryzen PRO APUを搭載するビジネス向けPCが日本でも出てくるか否かは何とも言えないが,「ゲームも動いてしまうビジネス向けプロセッサ」というのは,存外にニーズがあるのではないかという気がしている。今後の展開に期待したい。

画像集 No.004のサムネイル画像 / AMD,Vega世代のGPUを統合した「Ryzen PRO」APUを発表。ゲーム性能の高さも謳う

AMDによる当該プレスリリース(英語)

  • 関連タイトル:

    Ryzen(Zen,Zen+)

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