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    Intel,新型SSD「SSD 670p」とOptane Memory付きSSD「Optane H20」を発表
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    印刷2020/12/16 23:00

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    Intel,新型SSD「SSD 670p」とOptane Memory付きSSD「Optane H20」を発表

     北米時間2020年12月16日,Intelは,一般消費者向けのM.2接続型SSD「Intel SSD 670p」(以下,SSD 670p)と,独自のメモリ技術「Optane Technology」を用いたM.2接続型ストレージ製品「Optane Memory H20 with Solid State Storage」(以下,Optane H20)を発表した。

    SSD 670p
    画像集#002のサムネイル/Intel,新型SSD「SSD 670p」とOptane Memory付きSSD「Optane H20」を発表

    Optane H20
    画像集#003のサムネイル/Intel,新型SSD「SSD 670p」とOptane Memory付きSSD「Optane H20」を発表

     同社は,北米時間2020年12月15日~16日の2日間,Optane Memoryに関するオンラインイベント「Intel Memory and Storage Moment 2020」(関連リンク)を開催しており,両製品はこれに合わせて発表となったものだ。本稿では,両製品について簡単に説明しよう。


    SSD 670p


     製品名から想像が付くとおり,SSD 670pは,現行製品である「Intel SSD 665p」(以下,SSD 665p)の後継製品で,Optane H20は,現行の「Intel Optane Memory H10 with Solid State Storage」(以下,Optane H10)の後継製品である。

     SSD 670pは,現行のSSD 665pと同様に,PCI Express(以下,PCIe) 3.0×4接続で,論理インタフェース「NVM Express」(以下,NVMe)に対応するM.2フォームファクタのSSDだ。2TB,1TB,512GBの3モデルが予定されており,2021年第1四半期に発売の予定であるという。なお,価格は明らかになっていない。

     SSD 670pの特徴は,Intelでは第4世代となる144層QLC 3D NANDフラッシュメモリを採用する点にある。SSD 665pは,第3世代の96層QLC 3D NANDフラッシュメモリを使っていたので,フラッシュメモリの世代が新しくなったわけだ。
     144層QLC 3D NANDメモリは,3D構造のNANDフラッシュメモリを144層重ねた不揮発性メモリだ。これにより記憶密度が前世代の1.5倍に向上したのに加えて,信頼性や性能も向上しており,QLCでありながらもTLCに匹敵するレベルになっているとIntelは主張している。

    Intel製3D NANDフラッシュメモリの世代を示したスライド。SSD 670pが採用する第4世代では,層数が144になり記憶密度が前世代の1.5倍に増えた
    画像集#004のサムネイル/Intel,新型SSD「SSD 670p」とOptane Memory付きSSD「Optane H20」を発表

     また,SSDコントローラも新世代品に変更したそうだ。Intelによると,新しいコントローラでは,フラッシュメモリの一部をSLCとして使い,その部分をキャッシュにして高性能化を図る「Dynamic SLC Cache」を改良しているという。
     Dynamic SLC Cacheは,使用中の容量に応じてSLC領域を動的に増減するのが特徴だが,改良によって,2世代前の「Intel SSD 660p」(以下,SSD 660p)と比べて,SLC領域の容量が11%ほど増加しているそうだ。キャッシュとして使うSLC領域の容量が大きいほど性能が高くなるので,その分だけ高性能化しているという理解でいいだろう。

    Dynamic SLC Cacheは,使用中の領域が大きくなるとSLCの領域(青)を動的に減らし,使用中の領域が小さくなるとSLCの領域を動的に増やして対応する
    画像集#005のサムネイル/Intel,新型SSD「SSD 670p」とOptane Memory付きSSD「Optane H20」を発表

    スライド中のグラフは,縦軸がSLC領域を最大に確保した状態を1としたときの割合で,横軸がストレージの使用量を示す。SSD 660pでは,ストレージ使用量が75%になるとSLC領域は最小値(Static SLC)まで下がるが,SSD 670pでは85%までストレージを使うと,ようやく最小値になる。これにより,SLC領域サイズは約11%の拡大したという理屈だ
    画像集#006のサムネイル/Intel,新型SSD「SSD 670p」とOptane Memory付きSSD「Optane H20」を発表


    Optane H20


     Optane H20は,現行製品であるOptane H10と同様に,3D QLC NANDフラッシュメモリとIntel独自の高性能不揮発メモリ「3D XPoint Memory」を組み合わせたSSD製品だ。高速な3D XPoint Memoryをストレージキャッシュとして使うことで,3D QLC NANDフラッシュメモリの読み書き速度を補おうというOptane Technologyを利用したSSD製品である。1TBと512GBの2モデル展開で,どちらもOptane Memoryの容量は32GBだ。

    Optane H20の製品概要
    画像集#008のサムネイル/Intel,新型SSD「SSD 670p」とOptane Memory付きSSD「Optane H20」を発表

    Optane H20は,M.2フォームファクタの基板上にOptane Memoryと3D QLC NANDフラッシュメモリを使ったSSDを搭載した製品だ
    画像集#007のサムネイル/Intel,新型SSD「SSD 670p」とOptane Memory付きSSD「Optane H20」を発表

     Optane H20と前世代の違いは,SSD部分に第4世代144層3D QLC NANDを採用した点にある。それ以外は現行のOptane H10との違いはあまりないようだ。3D XPoint MemoryもアップグレードされたとIntelは説明していたが,大幅な高性能化といったことも謳われていない。ただ,先述したとおり144層3D QLC NANDフラッシュメモリは,従来製品よりも信頼性や性能が上がっているとIntelは述べているので,その恩恵は受けられるだろう。

     ところでIntelには,SSD製品としてミドルクラス市場からハイエンド市場をカバーする「Intel SSD 760p」(以下,SSD 760p)という製品があることはご存知だろう。SSD 760pは2018年に登場したが,それ以後はこの市場を狙うSSDの新製品は途絶えている。
     Intelはこの点について,「ミドル~ハイエンド市場向けはOptane H20が担う」と明言していた。つまりSSD 760pの直接の後継製品は,少なくとも今の時点では予定していないわけで,同製品の後継を期待していた人には残念な話かもしれない。

     Intelのフラッシュメモリ関連ではもうひとつ,2020年10月にIntelのNANDフラッシュメモリ事業を,韓国の半導体大手であるSK hynixが買収するという非常に大きなニュースがあった。買収分野にはSSD技術も含まれているので,Optane Technologyなどが今後どうなるのかは,気になるところだ。
     ただ,各国の政府機関による買収の承認は,本稿執筆時点で得られておらず,買収が完了するのも2025年の予定となっている。そのためIntelとしては,現時点でコメントできることはなく,はっきりしたことが決まるのは2021年第2半期以降になるとのことだった。

    Intel公式WebサイトのSSD製品情報ページ

    • 関連タイトル:

      Intel Solid-State Drive

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