イベント
ベルサール秋葉原にて「5pb.祭り2016」が開催。「ANONYMOUS;CODE」ほか,主要ステージと会場の模様をレポート
当日は気温35度を超える猛暑日となったが,会場には多くのファンが駆けつけ,イベントを楽しんでいた。本稿では会場で開催された注目作品のステージイベント2つと,会場全体の様子をお届けする。
「ANONYMOUS;CODE」公式サイト
「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」公式サイト
20年前のオリジナル版が初回特典となることが発表された
「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」ステージ
続いて登場したのは,本作のプロデューサー浅田 誠氏と,ゲストの林 勇さん(有馬たくや役),江口拓也さん(豊富秀夫役),そしてMCのアメリカザリガニ柳原哲也さんだ。このステージでは,檀上に用意されたジオ・テクニクス社オフィス(という名目の事務机)に隠されたカードをゲストが探し出して,そこにあるキーワードから,本作の情報を浅田氏が解説するという流れで進行した。
最初のカードのキーワードは「ゲーム音楽」。本作には,リメイク作品として新たに制作されたBGMのほかに,20年前にPC-9801で発売されたオリジナル版YU-NOのFM音源によるBGMを,デジタルで吸い出したものが収録されるという。ゲーム中はコンフィグ画面で「リメイク」と「オリジナル」をいつでも切り替えられるので,気分によってBGMを変更する遊び方もできるようになっている。
また本作の限定版に付属するハイレゾ音源サウンドトラックDVDにも,このFM音源版BGMが収録されることが決定している。
2つめのキーワード「豊富秀夫」では,江口さん演じる豊富秀夫のほか,島津 澪と朝倉香織の登場シーンも披露されている。本作のゲーム画面は,実はこれが初公開だ。
次のキーワードは「宝玉」。これは「A.D.M.S(アダムス)」という,本作のゲームシステムに関わる重要なキーワードで,その仕組みについて浅田氏が解説した。ゲームのストーリーの筋道はマップで構成されていて,特定の重要な分岐ではこの宝玉を使うことでセーブを行えるようになっている。ステージでは宝玉セーブを行ったマップの画面なども公開された。
最後にステージでは,YU-NOの20周年を記念するPVが流されると共に,その初回購入特典として,PC-9801で発売されたオリジナル版「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」がデジタルコンテンツとして封入されることがサプライズ発表された。この特典は,PS4版とPS Vita版の両方に用意され,本編の発売後となるが,20周年の2016年12月26日までには配信したいと浅田氏は話していた。今年9月にはニコニコ生放送での特別番組「この世の果て調査団 YOU KNOW?」の配信も決定しているので,この特典の詳細も含め,最新情報はそちらも忘れずチェックしてほしい。
特徴的な「ハッキングトリガー」を志倉千代丸氏が解説
「ANONYMOUS;CODE」ステージ
志倉千代丸氏の最新プロジェクト「ANONYMOUS;CODE」(PS4/PS Vita)のトークステージでは,檀上に本作プロデューサーの松原達也氏,ゲストの千葉翔也さん(高岡歩論/ポロン役),夏川椎菜さん(愛咲もも/モモ役),司会の吉田尚記さん(ニッポン放送アナウンサー)が登場。さらにスクリーンでは,今回イベントに来られなかった(本人は「今日が誕生日で,『おめでとう』と言われるのが嫌で行かなかった」と発言),本作の企画・原作の志倉千代丸氏が,ツイキャスにてトークに参加した。
「STEINS;GATE」など「科学アドベンチャー」シリーズを生み出してきた開発陣が「CHIYOMARU STUDIO」として放つ,最新のアドベンチャーゲームがこの「ANONYMOUS;CODE」である。
実は本作は,科学アドベンチャーシリーズとは別の位置づけの作品で,同じ志倉氏のプロジェクトである「Occultic;Nine -オカルティック・ナイン-」と共に,「サイエンス・ビジュアル・ノベル」と呼称しているという。これはナンバリングが増えていくことで,新規ユーザーのハードルが上がることを危惧しての配慮で,本作は完全新作として誰もが楽しめるようになっている。ちなみに,本作に登場する主人公のポロンは「STEINS;GATE」を過去に発売されたゲームとして認識しているという設定もあるそうだ。
デジタルに浸食された世界において,2036年に発生した災害「サッドモーニング」によって新宿を始めとする各国の首都が崩壊。その翌年の2037年,被害を免れた中野を舞台とした物語が描かれている。主人公のポロンを始めとする主要人物のほとんどがハッカーであり,このデジタル化が進んだ世界では,彼らは現実世界に大きな影響を与える魔法使いのような存在として活躍するという。
志倉氏は本作の登場人物についても解説した。
劇中で千葉さんが演じる主人公のポロンは,近未来バイク「グレイパー」を駆るチームに所属する少年で,レースではグレイパーのプログラムを走行中に書き換えるというスゴ腕のハッカーだ。彼のことを松原氏は「マイルドヤンキー」,志倉氏は「ドンキの駐車場にたまっているタイプ」とたとえている。
一方,夏川さんが演じるモモは,ポロンが借金のために狂言で演じた駆け落ちの相手になってしまうという不思議な出会いをする少女で,のちにポロンにべた惚れするヒロインになるとのこと。志倉氏は「何か知っていそうだけど,何もない」と,本当か嘘か分からない発言で,来場者を混乱させていた。
本作の世界には,未来を予測するための「GAIA」という非常に高度な地球シミュレーターがある。それが地球の気候変動だけでなく,そこに住む人間の生活までもシミュレートしているとすれば,そのデジタル世界の人間もまた同じように地球シミュレーターを生み出すのではないか。この概念――志倉氏はこれを「世界層」と呼んでいる――が,この世界におけるセーブ&ロードのギミックに密接に関わっていると,志倉氏は解説する。この世界でのセーブ&ロードは,ファンタジーな出来事ではなく,科学的な裏付けのもとに行われる正当な行為なのだ。
ポロンはセーブ&ロードの能力を持っていて,例えばゲーム中にポロンがピンチになったとき,その選択肢として,プレイヤーは過去にオートセーブしたデータをロードするかどうかをポロンに促すことができるのだ。ポロンがその選択をすると,物語がセーブポイントまで戻り,物語に新たな展開が発生するという。
これまでのアドベンチャーゲームでは,セーブ&ロードはあくまでプレイヤーが行う「機能」でしかなかったが,本作ではそれがゲームの登場人物にも強い影響を与える。
例えば,プレイヤーがポロンに対してロードを選ばせても,彼がそれを拒否することがあったり,プレイヤーがそれまでロードした回数をポロンが認識していて,それがゲームの仕掛けにつながっていたり,物語の展開によってセーブデータが何者かにハッキングされてしまったりなど,セーブ&ロードがゲームの「ギミック」の一つになっているのだ。本作ではこのセーブ&ロード能力のシステムを「ハッキングトリガー」と称している。
最後に本作について,志倉氏は「科学アドベンチャーシリーズが好きな人なら,誰もが納得できる料理方法で作った作品なので,今後の発表にも注目してほしい」とメッセージを残し,ステージを締めくくった。
会場には「STEINS;GATE」の人工衛星や,YU-NOの氷彫刻なども展示
ここからは当日の会場の様子を写真にて紹介していこう。
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