連載
ミュージック フロム ゲームワールド:Track 37
世間はそろそろクリスマス一色。今年もセガサターンで「クリスマスナイツ」をプレイする時期がやってきたことを実感します。ゲーマーなら誰もがやる当然の儀式なので(?),毎年これをやらないとクリスマスを越すことはできません。
テレビに映るデモ画面を眺めながらコンビニの半額ケーキを食べ,落ち着いたところでゲームをプレイ。セガサターンの中で,年に1度の大仕事とはりきってキュルキュルと回る「クリスマスナイツ」のゲームディスクを見つめていると,充実感に満たされます。あれ,目から汗が……。
というわけで,今週も「ミュージック フロム ゲームワールド」へジングルベル!
これぞ現代風“ザナドゥサウンド”の集大成
「東亰ザナドゥ オリジナルサウンドトラック」
タイトル | 東亰ザナドゥ オリジナルサウンドトラック | |
発売日 | 2015年10月30日 | |
価格 | 2980円(税抜) | |
発売元 | 日本ファルコム | |
コピーライト | (C)Nihon Falcom corporation. |
「東亰ザナドゥ」というタイトルを初めて聞いたときは,異様なトキメキを感じました。「ザナドゥ」というタイトルは,当時,小学生だった私にとっては大人の雰囲気がするゲームとして,憧れの存在だったのです。
そのタイトルを冠した「東亰ザナドゥ」は現代を舞台にした世界観となり,音楽面もオリジナルの「ザナドゥ」に見られたファンタジー要素はほとんどなく,現代風の打ち込みシティポップサウンドでまとめられています。今週の1枚めは,そんな「東亰ザナドゥ オリジナルサウンドトラック」を紹介します!
1曲めは,ゲームに登場するアイドルグループSPiKAによる主題歌「Seize the day Opening Size」。リアルSPiKAの5人が歌う疾走アイドルチューンで,波乱に満ちたストーリー展開を予感させるメロディが秀逸。BGMには,高音ピアノメロと低音ギターリフが交互に繰り出される「Beyond the Day-to-Day」,不穏な出だしから不安や寂しさを訴えてくる「Strayed Into Passage」,無機質なハウス風リズムにアコースティック系楽器が奏でる美麗なメロを乗せた「Hazy Moon」,歌詞を付けて歌にしたくなるほど可愛いメロディが耳に残る「プリズム・マイ・ハート」等,印象的な曲が並びます。
また,SPiKAによるボーカル曲はほかにも,若干’90年代渋谷系の香りを感じさせる王道アイドルポップ「恋のシューティングスター」と,しっとりしたバラードナンバーの「Wish☆Wing」のショートバージョンが収録。これらの曲はSPiKA名義のミニアルバム「Seize the day」でフルバージョンが聴けるので,SPiKAの元気あふれるキュートな楽曲をじっくりと堪能したいなら,こちらもしっかり押さえておきたいところです。
現代を舞台に,新たな展開を迎えた「東亰ザナドゥ」。音楽面でも,日本ファルコムの新しい一面が垣間見られる点が新鮮です。このサントラを聴きながら,さらなる未来へ突き進んでいく日本ファルコムに遅れず付いて行きたいと思います!
「東亰ザナドゥ」公式サイト
「チュウニズム」の世界へと誘う招待状
「Invitation from CHUNITHM」
タイトル | Invitation from CHUNITHM | |
発売日 | 2015年10月5日 | |
価格 | 1000円(税抜) | |
発売元 | ウェーブマスター | |
コピーライト | (C)SEGA |
2015年7月より全国で稼動中のセガの音楽ゲーム「CHUNITHM(チュウニズム)」。スライダーをタッチする仕様や,空中に手をかざす斬新なアクションが特徴で,ゲーム音楽作曲家やインディーズ出身ミュージシャンなど,多数のアーティストの参加により音楽面でも充実しています。その「チュウニズム」のサントラ第1弾が早くも登場したので,今週2枚めはこの「Invitation from CHUNITHM」を紹介します!
1曲めの「Invitation」は,れるりり feat.ろんによる,勢いよく飛び出してくるガールズポップ。デジタルビートに乗って文字どおり“チュウニズム”の世界に飛び込んでしまいます。その勢いを引き継ぐように,片霧烈火オンザみんマンションの「GO!GO!ラブリズム」へ。賑やかなコーラスや掛け声を重ねてテンションを上げていく萌えポップが炸裂します。
3曲めの「Theme of SeelischTact」は,植松伸夫氏による独特のメロディが次々と展開される構築系インストロック。何度も聴いて流れを確認してみたくなる,奥の深さはさすがのひと言。サンプリングボイスとキュートな音使いで,さまざまなテクノの要素を詰め込んだt+pazoliteによる4曲め「Infantoon Fantasy」も,このテイストの曲をもっと聴きたいと思える仕上がりです。
5曲めからは後半戦。まずは得意のハードロックをベースにしたMintJamの「Guilty」でスタートです。a2c氏によるディストーションギターのリフとTERRA氏の力強いボーカルの絡みにアドレナリンが沸騰! 続くM.S.S Projectの「幾四音-Ixion-」は,8bitサウンドにハードロックアレンジを交えた異色の1曲。情熱的なギター&ピアノのメロが交錯するAiko Oiによる7曲め「Memories of Sun and Moon」はインストながら,ハードなギターサウンドで奏でるメロに歌を感じる印象的な曲です。
そしてラストは,Godspeed氏の「Gate of Fate」。氏が弾きまくるハイスピードかつメロディアスなギタープレイをとことん堪能できます。
前半4曲がデジポップ,後半4曲が生ギターをフィーチャーしたハードロックというコンセプトで,全8曲を駆け抜けるこのアルバム。収録時間が短いこともあって,ついつい2周3周と聴いてしまいます。もう今から,サントラ第2弾の登場が楽しみです。
「CHUNITHM」公式サイト
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(C)SEGA