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AMD,「FreeSync 2 HDR」の効果を体験できるデモアプリ「Oasis」公開
原稿執筆時点では「どこで,どのように,いつ」公開になるのか,AMDから情報が得られていないのだが,ともあれ,そもそもFreeSync 2 HDRとは何なのかという点も含め,現在判明している範囲の情報を紹介したい。
FreeSync 2 HDRはFreeSync 2の仕様を含むのか含まないのか
AMDのディスプレイ関連技術にはそもそも「FreeSync」と「FreeSync 2」があった。これらの違いは西川善司氏が詳しくレポートしているとおりで,以下のように,まったく異なる技術である。
- FreeSync:可変フレームレートの映像,とくに60fps(=60Hz)を大きく超えた映像の表示を美しく滑らかに表示するための技術。GPU側の描画タイミングに合わせてディスプレイのリフレッシュ(表示更新)を行うことで,GPUとディスプレイの表示情報更新タイミングが異なるに起因する「テアリング」(Tearing,日本では誤読の「ティアリング」読みが主流)や「スタッター」(Stutter,映像のカクつき)のないスムーズな表示を実現する
- FreeSync 2:ディスプレイのHDR表示機能に関する情報をGPU側から取得できるようにして,HDR対応ディスプレイの能力や色域をゲームから正しく活用させる技術
では,今回のOasisデモがサポートするFreeSync 2 HDRとは何かだが,AMDは,「FreeSync 2と同じ」だとしている。つまり「HDR」をアピールするためのリブランドということだ。
ただ,実際には下の表にあるとおりFreeSyncの機能も内包している。加えて,ゲームのフレームレートがディスプレイの対応可能な最低リフレッシュレートを下回ったときに,リフレッシュレートをフレームレートの整数倍にするなどしてスムーズな表示を行う技術である「Low Framerate Compensation」(以下,LFC)機能も,FreeSyncでは「Optional」(追加仕様)扱いだったが,FreeSync 2で必須仕様となり,FreeSync 2 HDRでも同様である。
OasisはFreeSync環境があれば実行可能
本稿の冒頭で紹介したとおり,OasisはFreeSync 2 HDRの効果を体感できるデモアプリという位置づけだが,アプリの実行自体は,FreeSync対応の環境があれば可能だという。AMDによると,Oasisの動作要件は以下のとおりだ。CPUは相当する性能があるならIntel製のものでも構わないが,Ryzenが望ましいとのことである。
- CPU:Ryzen R3 1300X以上
- GPU:Radeon RX 560以上
- グラフィックスメモリ容量:2GB以上
- メインメモリ:DDR4-3200 容量16GB以上
- ディスプレイ:解像度1920×1080ドット以上のFreeSyncまたはFreeSync 2 HDR対応ディスプレイ
GPUやディスプレイは,要件を満たしていないと実行できない。筆者の手元にある「Radeon RX 480」で試してみたところ,「Unsupported GPU」というメッセージが表示された後にOasisが終了してしまった。
対応ディスプレイのリストは,AMDが公表しているFreeSync対応ディスプレイ情報(関連リンク)から検索可能だ。確認したところ,表で示した11製品がFreeSync 2およびHDR表示に対応していると出たので,これらがFreeSync 2 HDR対応ディスプレイという理解でいいだろう。
メーカーまたはブランド名 | 製品名 |
Acer | EI491CR |
ASUSTeK Computer | XG32VQR |
BenQ | EX3203R |
LG Electronics | 34GK950F |
32GK850F | |
Royal Philips |
328M6FJRMB |
Samsung |
C49HG90 |
C32HG70 | |
C27HG70 | |
TPV Tcechnology | AGON AG322QC4 |
AGON AG273QCX |
FreeSync対応ディスプレイとRadeon RX 560以上のRadeon搭載カードを持っているのであれば,公開ページが判明し次第,試してみるといいのではなかろうか。
AMD公式WebサイトのFreeSyncに関する情報ページ
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FreeSync
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