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ボリューム満点の朗読劇や25年分の想いがこもったトークが披露された「アンジェリーク メモワール2019」をレポート
2019年9月15日,コーエーテクモゲームスの「アンジェリーク」シリーズ単独イベントとなる「アンジェリーク メモワール2019」が,ファンから“聖地”と呼ばれ親しまれている神奈川県・パシフィコ横浜 国立大ホールにて開催された。本イベントはドラマを中心にした昼の部と,ライブを中心にした夜の部の二公演がおこなわれた。本稿では,前後編のボリューム満点な朗読劇が楽しめた昼の部の様子を紹介しよう。
「アンジェリーク メモワール2019」(昼の部)
■出演
速水 奨(ジュリアス役)
田中秀幸(クラヴィス役)
神奈延年(ランディ役)
堀内賢雄(オスカー役)
岩田光央(ゼフェル役)
小山力也(レオナード役)
真殿光昭(チャーリー役)
岩永哲哉(セイラン役)
立木文彦(ヴィクトール役)
成田 剣(アリオス役)
■アシスタント
アンフィニ(ユーキ,Kan)
(敬称略)
オープニングでは出演者紹介のあとに,キャストが手を差し出して客席の女王候補&エトワールをエスコート。「アンジェリーク」世界へと橋渡しするステキな演出に,うっとりとしてしまう。
まずは,前後編からなるメインドラマ「パラダイス聖地?リゾートへようこそ」からだ。
「アンジェリーク」には歴史ある神鳥と,生まれたばかりの聖獣という2つの宇宙が存在する。それぞれの宇宙は女王陛下とその補佐官によって正しく導かれており,彼女たちをサポートするのが9人の守護聖の役目だ。
しかし,前編「〜パラダイスはどこだ?〜」では,積み重ねてきた歴史や考え方の違いから守護聖たちが対立することになってしまう。
本来一定の気候にコントロールされていて過ごしやすいはずなのに,何故か真夏の日差しにさらされている聖地。女王陛下たちが神鳥の聖地でお茶会をしていることをいいことに,聖獣の宇宙の守護聖であるレオナード(小山さん),セイラン(岩永さん),チャーリー(真殿さん)は,夏を満喫しつつ羽根を伸ばしていた。
一方,神鳥の宇宙の守護聖・ゼフェル(岩田さん)と彼を心配で聖獣の聖地について来たランディ(神奈さん),そこに暑くて出てきたアリオス(成田さん)も登場。自由な聖獣の宇宙にゼフェルが関心を持っていると,女王陛下即位の式典の相談をするためにジュリアス(速水さん),クラヴィス(田中さん),オスカー(堀内さん)が現れる。
厳格なジュリアスは,大事な儀式に対して適当に見えるレオナードたちの態度に怒り,彼らに理解を示すクラヴィスとも対立してしまう。そこに真面目なヴィクトール(立木さん)が帰還してレオナードをいさめたことで,事態はますます混迷していく。
怒って神鳥の聖地に帰ろうとするジュリアス,オスカー,なだめるヴィクトール,ジュリアスの売り言葉に買い言葉で聖獣の宇宙に留まろうとするクラヴィス,そしてチャーリーを連れて有名なリゾート惑星に向かうゼフェル。ヒビが入ってしまった守護聖たちの関係が,どうなるのか気になるところで前編は終了した。
後編「〜とにかくここがパラダイス〜」では,聖獣の宇宙の守護聖たちが,女王陛下に夏のバカンスを楽しんでほしくて密かに準備していたことが明らかに。即位の式典をないがしろにしていたわけではなく,大事な人たちに心から楽しんでもらえるものを準備したいというレオナードたちの心意気がステキだ。事情を知ったジュリアスたちも理解を示し,彼らと協力することになる。
一方リゾート惑星に行ったゼフェルとチャーリーは客席前方の扉から登場し,そのまま近くセットされたスタンドマイクを使用。魚(ファンのライト)としばし戯れたのち,2人も聖地へと戻っていった。
本公演に登場しなかった守護聖たちも女王たちのお茶の相手をしていたり,バカンスのために川や薔薇園,ピクニックの下見に行っていたり,その光景が頭に浮かぶような台詞が用意されていてニヤっとしてしまった。
続く企画は岩田さんと神奈さん司会による,トークバラエティコーナー「パネルトーク アンジェリーク 25th Anniversary」。スクリーンに表示される「偽守護聖」や「キャラソン」など25枚のパネルから好きなお題を選んで,それにまつわるトークをするという内容だ。
神奈さんは「ラジオ」を選択し,堀内さんがパーソナリティを務めたラジオ番組の収録の思い出などをキャスト全員で振り返った。堀内さんは,リスナーの誕生日のときにおめでとうのメッセージと名前を呼んだのが印象深いという。
成田さんに話題が振られると,ラジオに一緒にゲスト出演したことがある真殿さんが大慌て。コーナー終盤に岩永さんが「真殿さんは,過去のイベントで成田さんに重要な情報を言われそうになった」とその理由を明かし,会場から納得の声があがっていた。
岩田さんはイベントの会場でもある「聖地パシフィコ」をチョイス。田中さんは「声援の圧で倒れそうになった」と,初出演の思い出を話す。
小山さんは「(客席に)ダイブした人がいる」と,ネオロマンスイベントでは伝説になっている成田さんのエピソードを披露。成田さんは「初ネオロマンスイベントで何かしなければと思った。後悔はしていない」と当時の想いを明かし,拍手喝采を浴びていた。
立木さんは「今でもイベントの前日は遠足に行く前のように眠れない」,速水さんも「初めて立ったときは床が柔らかく感じるほど浮き足だっていた」と,聖地パシフィコには特別な想いがあると言う。
トークが盛り上がりすぎて,なんとパネル2枚だけでコーナーは終了に。どれも興味深い内容ばかりだったので,夜公演でも語られなかったものなど,何かの機会でまた話してくれることを切実に願っている。
「愛のメッセージ」コーナーでは,エトワールへの甘い囁きが堪能できた。デートの朝から始まり,キャラクターが交替するごとに少しずつ時間が進んでいく演出がおもしろい。ランディと待ち合わせをしたり,ヴィクトールと昼食を摂ったり,ジュリアスに見送られたり,1日を彼らと過ごしたような体験となった。
「ライブコーナー」のオープニングは,ランディ(神奈さん)とゼフェル(岩田さん)から。神奈さんと岩田さんは拍手を煽ったり,肩を組んだり,とても楽しそうに歌っていた。
真殿さんは曲の歌詞に合わせて客席を指さすなど手の振りが印象的で,岩永さんはステージの両サイドに行ってファンに挨拶する場面も。
「180° 〜Force of Passion〜」のメロディーが流れると,会場には歓喜の悲鳴が起こっていた。
ライブコーナー
I don't know how 〜世界で一番大切な君に〜
歌:ランディ(神奈延年)&ゼフェル(岩田光央)
オプティミストは奇跡を起こす
歌:チャーリー(真殿光昭)
白昼夢 〜Secret Dream〜
歌:セイラン(岩永哲哉)
180° 〜Force of Passion〜
歌:オスカー(堀内賢雄)&アリオス(成田 剣)
会場のロビーでは,大きな白布にファンが25th記念メッセージを書き込むことができた。ステージで紹介されたのは1枚のみだったが,実際には1枚に収まりきらなかったようだ。
このメッセージとキャスト&客席で記念写真を撮るという25周年らしい試みも。撮影中にキャストから,フラッシュとかけて「ラブラブフラッシュ(ゲーム内のおまじないで使用されるおなじみのフレーズ)」と声が上がっていて,本当に作品を大事にしているんだなとほっこりした気持ちになる。
25周年の感謝と今後の意気込みを語るキャスト陣の挨拶に続き,アンコール曲「君は独りじゃない〜ALWAYS〜」を会場の全員で熱唱し,公演は幕を閉じた。
四半世紀続く「アンジェリーク」は,2020年にまた新たな1歩をスタートする。この歴史あるシリーズに,新たな宇宙の守護聖たちが加わることでどんな化学反応が起こるのか,これからの展開がますます楽しみだ。
キャラクターデザイン/ハチロクハチコ
オリジナルキャラクターデザイン/由羅カイリ
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