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Tegra X1搭載の開発キット「Jetson TX1」が3月中旬に国内販売を開始。開発キットの個人向け価格は約9万4000円前後
国内での法人向け販売は菱洋エレクトロ,個人向け販売はオリオスペックが担当するとのこと。オリオスペックでは,開発キットの予約受け付けを開始しており,価格は9万3798円(税込)となっている。
Jetson TX1 製品情報ページ
オリオスペックのJetson製品情報ページ
菱洋エレクトロのJetson TX1 製品情報ページ
およびドローンに人工知能をもたらす
Jetson TX1 なら低消費電力でディープ・ニューラル・ネットワークを実行し、コンピュータビジョンや機械学習、ナビゲーションが実現可能に
2016年3月1日 − NVIDIA(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ、社長兼CEO: ジェンスン・フアン(Jen-Hsun Huang)、Nasdaq:NVDA)は本日、機械学習の力で、自ら学び、自律稼働できるスマートな新世代のマシンを作ることができるNVIDIA Jetson TX1を日本国内でも提供開始することを発表しました。
NVIDIA Jetson TX1は、スマートな機器を次々に生みだすための製品です。たとえば、ドローンではリモコンで飛ぶだけでなく、自ら経路を考えて飛行し、探索や救助が行うことが可能になります。また周りの人々を写すだけでなく、不審者を見つけだすことができる小型セキュリティ・システムにもなります。命じられたタスクをこなすだけでなく、個人の習慣に合わせて作業内容を調整できるロボットの実現が可能になります。これらは、機械学習、コンピュータビジョン、ナビゲーションなどの機能を組み込むことで作りあげられるのです。
Jetson TX1は、オブジェクトの認識や情報の解釈を学習できるコンピュータ・ソフトウェア、そしてディープ・ニューラル・ネットワークに対応した世界初の組み込みコンピュータです。このコンピュータ・プログラミングの新しいアプローチは機械学習と呼ばれ、画像を認識したり、会話を解釈したり、家具が点在する部屋をどう通ればいいのか解釈するといった複雑なタスクを行うことができます。機械学習というのは、自律機器の能力を飛躍的に高められる画期的なテクノロジなのです。
Jetsonは、15年前なら世界最速のスーパーコンピュータに匹敵する1テラフロップスもの処理能力を持ち、ごくわずかな消費電力で、機械学習、コンピュータビジョン、GPUコンピューティング、グラフィックスなどに極めて優れたパフォーマンスを発揮します。
NVIDIAの副社長兼Tegra事業ジェネラルマネジャー、ディープゥ・タッラ(Deepu Talla)は、次のように述べています。「Jetson TX1の登場で、今後は、高機能な自律機器が次々に生まれてくるものと思われます。周囲の状況を判断して進むコースを決めたり、物体や顔を認識したり、機械学習によって増々インテリジェントになる機器です。業界を根底から変える画期的な製品が開発されていくことでしょう」
Jetson TX1はモジュールだけでなく、開発キットという形でも販売され、ホビーストもプロフェッショナルも、きわめて高度な自律機器を開発・検証することが可能です。その結果、開発から生産への移行もスムーズになります。
業界のサポート
株式会社エンルート、代表取締役、伊豆 智幸氏は、次のように述べています。「Jetson TX1は低消費電力かつ高性能なGPUなので、複数のカメラからの画像処理や、ディープラーニングが可能となり、ドローン上でリアルタイムに分析、判断ができます。そのため、画像のための大容量通信を必要とせず、様々なターゲットの探査を可能にします。更に、ドローンをはじめとする、小型無人機に頭脳を持たせることで、自律制御に必要な判断能力を高めていくことができると期待しています」
株式会社三次元メディア、取締役代表執行役社長、立命館大学教授、徐 剛氏は、次のように述べています。「Jetson TX1と三次元ロボットビジョンが融合することで、『目』と『脳』を持った知能ロボットシステムの高速性・高信頼性が加速されます。また、ディープラーニングの高度な組込により、知能ロボットシステムはより柔軟化し、更なる高操作性・高保守性を得ることが出来るでしょう」
佐賀大学大学院工学系研究科、機械システム工学専攻、教授、佐藤 和也氏が次のように述べています。「Jetson TK1にて外部カメラからの映像をもとにマルチコプターの自律飛行制御を行ってきましたが、Jetson TX1のリリースにより、Jetson TX1とカメラをマルチコプターに搭載して高度な自律飛行制御が実現できると予想しています。様々なインフラ点検、災害現場での調査、森林の探索などへのマルチコプターの適用が現実のものとなる予感がします」
また、NVIDIAはアカデミックの分野において、NVIDIA社員がつくばチャレンジの実行委員会に加わりました。つくばチャレンジ実施に協力することで、新たな次元のロボット開発の一助となることを願っています。
つくばチャレンジの実行委員長を務める芝浦工業大学特任教授の油田信一氏は次のように述べています。「リアルワールドで環境の状況に適応して働くべき移動ロボットにとって、大量のセンサデータを機械的時定数の範囲内でリアルタイムで処理することが必要です。また複雑な世界に対応するロボットの行動を効率よくプログラミングするには、更に大きなコンピューティングパワーが求められます。Jetsonには、人々の生活空間で働くロボットのための小型省電力で使いやすい実世界指向のコントローラとして、大いに期待しています」
システムの仕様とソフトウェア
Jetson TX1の主な機能は、以下のとおりです。
- GPU:クラス最高のパフォーマンスを提供する1テラフロップス、256コアのMaxwellアーキテクチャ採用
- CPU:64ビットARM A57 CPU
- ビデオ:4Kビデオのエンコードおよびデコード
- カメラ:1400メガピクセル/秒をサポート
- メモリ:4GB LPDDR4、25.6ギガビット/秒
- ストレージ:16GB eMMC
- Wi-Fi/Bluetooth:802.11ac 2x2 Bluetooth対応
- ネットワーク:1GB Ethernet
- 対応OS:Linux for Tegra
- サイズ:50mm x 87mm(クレジットカードより少し小型)
Jetson TX1には、極めて包括的な組み込みビジュアル・コンピューティングSDKが用意されています。
- cuDNN:CUDAで高速処理ができる機械学習のライブラリです。トレーニング用としても推論用としても利用可能で、Caffe、Theano、Torch、Chainerなど、業界で標準となっているフレームワーク各種と互換性があります。
- VisionWorks:CUDAで高速処理ができるコンピュータビジョン用のライブラリとフレームワークです。OpenVX 1.1仕様にNVIDIA独自の拡張を加えた実装となっています。
- API:OpenGL 4.5、OpenGL ES 3.1、Vulkanなど、最新のグラフィックス・ドライバやAPIをサポートしています。
- CUDA:NVIDIA CUDA 7.0をサポートしています。CUDAを使ってGPUを汎用プロセッサとして使え、並列処理によるすさまじいばかりのパフォーマンスと電力効率を活用することが可能になります。
Jetson TX1の詳細について:www.nvidia.co.jp/embedded
供給状況:
日本国内では、NVIDIA Jetson TX1開発キットは3月中旬から、オープン価格で提供開始いたします。
NVIDIA Jetson TX1に関するお問い合わせ:
個人のお客様:有限会社オリオスペック http://www.oliospec.com/
法人のお客様:菱洋エレクトロ株式会社 http://www.ryoyo.co.jp/product/solution/it/p73-07.html