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植松伸夫氏が元気な姿を見せたニューイヤーコンサート,「THE UEMATSU WORKS 〜ノビヨ、カンレキ〜」の模様をレポート
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印刷2019/01/23 17:00

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植松伸夫氏が元気な姿を見せたニューイヤーコンサート,「THE UEMATSU WORKS 〜ノビヨ、カンレキ〜」の模様をレポート

 2019年が明けて早々の1月5日,東京・池袋の東京芸術劇場コンサートホールにて,「植松伸夫×東京交響楽団 ニューイヤースペシャル THE UEMATSU WORKS 〜ノビヨ、カンレキ〜」が行われた。
 タイトルにあるように,2019年に還暦を迎える作曲家・植松伸夫氏が手がけてきたゲームの楽曲,そしてルーツとなるクラシック音楽を,東京交響楽団が演奏するという趣旨のコンサートだ。

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 植松氏といえば,「ファイナルファンタジー」シリーズをはじめとした多数の名曲を生み出してきた。さらに,コンサートへのゲスト出演や,自身が率いるバンドのライブ活動を積極的に繰り広げてきた人物だ。
 しかし2018年9月,自身の公式ブログにて「年内を目処の活動休止」をアナウンス。そして本公演は活動再開後,最初の仕事となることもあって,ファンの注目を集めていた。

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 「FF」シリーズの楽曲などで知られる作曲家の植松伸夫氏が,2019年1月5日に東京芸術劇場コンサートホールで開催される「植松伸夫×東京交響楽団 ニューイヤー・スペシャル THE UEMATSU WORKS 〜ノビヨ、カンレキ!〜」休養から復帰することが,当日演奏される楽曲とともに発表された。植松氏からのコメントも届いている。

[2018/12/04 21:09]

 結論から言うと,植松氏はとても元気な姿でステージに登場。休養前と変わらぬウィットに富んだおしゃべりで,会場を埋め尽くしたファンを楽しませた。ここでは,素敵な演奏と,植松氏のトークで大いに湧いたコンサートも模様のレポートする。


 コンサートは,演奏する楽曲のテーマごと,4部に分けて構成されていた。最初のテーマは,植松さんの盟友,坂口博信氏が代表を務めるミストウォーカーで制作されたタイトルから,大地を踏みしめて進むような力強さを感じさせる「ブルードラゴン」の「メインテーマ」,悲物しげメロディが胸を打つ「ロスト オデッセイ」の「メインテーマ」,多彩な展開がドラマチックな「ラストストーリー」の「メインテーマ」という3曲が演奏された。

本公演の主催者にして演奏を担当した東京交響楽団。実は「ファイナルファンタジー」シリーズで初のオーケストラコンサートとして開催された,「交響組曲 ファイナルファンタジー」(1989年)でも演奏を担当するなど,植松氏と縁がある
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 演奏の合間にステージに姿を見せた植松氏が,開口一番「あけましておめでとうございます!」と元気にあいさつすると,客席からは万雷の拍手が。「還暦コンサートです」と来場者を笑わせるなど,以前と変わらぬ軽妙なトークを,指揮を担当した竹本泰蔵氏と繰り広げていた。

スペシャルゲストとしてトークで楽しませた植松伸夫氏(左)と,今回の指揮者の竹本泰蔵氏(右)
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 第2部で演奏されたのは,ご存じ「ファイナルファンタジー」シリーズから厳選された4曲。静かにリフレインするメロディが生命の強さを感じさせる「ファイナルファンタジーVII」の「メインテーマ」,オープニングやフィールドなどで使われているメロディが印象的な「ファイナルファンタジーVI」の「ティナのテーマ」,重厚感が溢れ出る「ファイナルファンタジーIV」のボス曲「ゴルベーザ四天王とのバトル」,そしてファンには説明不要の「ファイナルファンタジーVII」の「エアリスのテーマ」と,選りすぐりの名曲が奏でられるのを,来場者はしっかりと耳と心に刻みつけていた。

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 合間のMCコーナーで植松氏は,指揮者の竹本氏との交流を振り返った。2人の出会いは,植松氏が自身で企画した「20020220 ミュージック・フロム・ファイナルファンタジー」からで,その後も幾度となくタクトを振ってもらい,オーケストラのことを教わったと縁の深さを説明。
 竹本氏から「植松さんも(タクトを)振ってみれば?」と言われた出来事をほじくり返す植松氏に,竹本氏も「気付いたらマイ指揮棒を持っていた(笑)」とやり返すなど,息の合ったトークで来場者達を楽しませていた。


 休憩を挟んでの第3部では,「ノビヨの聴いてきたクラシックより」と題して,植松氏が少年時代に聴いたクラシックの名曲の中から,ラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」より「第18変奏」,チャイコフスキー「くるみ割り人形」より「花のワルツ」,ラヴェル「亡き女王のためのパヴァーヌ」の3曲が演奏された。

 植松氏は,自身が音楽に目覚めたのは「小学4年生のときに出会ったウィーン少年合唱団だった」と振り返る。ピアノを習っていた姉に連れられて聴きに行った合唱に,「音楽で人の心が震えるんだ」と感銘を受け,そこからのめり込んでいったのだという。以降,自宅にあったクラシック全集のレコードを片っ端から聴きまくってクラシック音楽に慣れ親しんでいったのだそうだ。
 多くの人に愛される植松サウンドのポピュラーさの源流の一つに,こうしたクラシック音楽は間違いなく存在しているのだろう。

「パガニーニの主題による狂詩曲」は,「ある日どこかで」という映画の中で使われたことで好きになったそうだ
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MCの最中で植松氏は昨年末に,吉本新喜劇を観劇したことを例えに「生(ライブ)で見ると面白い!」と,コンサートやライブ会場で音楽を楽しんでほしい願いを語っていた。まだまだ氏の楽曲を楽しむコンサートの機会に期待できそうだ
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 最後となる第4部では,「ノビヨのお気に入り」として,植松氏の楽曲の中からお気に入りの3曲が選ばれた。空を駆けるような雄大さを感じさせる「グランブルーファンタジー」メインテーマ,植松氏いわく「イントロで3割の人が涙を流す」というフィンランド生まれのアクションRPG「オーシャンホーン」のメインテーマ,NHK BS2で放送されたファンタジーアニメ「グイン・サーガ」から,大河ドラマもかくやと言わんばかりの壮大な調べとなるグランドオープニングが演奏され,本編は終了となった。

 演奏後も鳴り止まぬ拍手に応えてのアンコールでは,フルートがリードする物悲しい音色が涙を誘う癒やしの一曲「ファイナルファンタジーX」の「ザナルカンドにて」。そしてこれぞボスバトル曲と評するにピッタリな「ロスト オデッセイ」の「中ボスバトル1(強敵出現)」を披露。最後を飾るにふさわしい,両曲の演奏に観客達も胸を熱くしていた。

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 最後にマイクをもった植松氏は「還暦コンサートを催していただけてありがたいです。一つの区切りとして,次のステージを迎えることができました。これからも精進します!」とコメント。
 なお,4Gamerではコンサート後の植松氏にインタビューを実施している。“これまで”と“これから”の気持ちを克明に語っていただいた。近日中に公開予定なので,お楽しみに。

※2019年1月28日にインタビュー記事を公開しました
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 1月5日に開催された「植松伸夫×東京交響楽団 ニューイヤースペシャル THE UEMATSU WORKS 〜ノビヨ、カンレキ〜」の模様は,すでにお伝え済みだが,ここでは公演直後に植松伸夫氏に行ったインタビューをお届けする。植松氏が今後取り組もうとしていることへの言及もあるので,最後までお読みいただきたい。

[2019/01/28 17:30]

「植松伸夫x東京交響楽団 ニューイヤースペシャル THE UEMATSU WAORKS 〜ノビヨ、カンレキ〜」演奏曲目一覧

●ミストウォーカー作品より
「ブルードラゴン」より「メインテーマ」
「ロストオデッセイ」より「メインテーマ」
「ラストストーリー」より「メインテーマ」

●「ファイナルファンタジー」シリーズより
「ファイナルファンタジーVII」より「メインテーマ」
「ファイナルファンタジーVI」より「ティナのテーマ」
「ファイナルファンタジーIV」より「ゴルベーザ四天王とのバトル」
「ファイナルファンタジーVII」より「エアリスのテーマ」

●ノビヨの聴いてきたクラシックより
ラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」より「第18変奏」
チャイコフスキー「くるみ割り人形」より「花のワルツ」
ラヴェル「亡き女王のためのパヴァーヌ」

●ノビヨのお気に入り
「グランブルーファンタジー」より「メインテーマ」
「オーシャンホーン」より「メインテーマ」
「グイン・サーガ」より「グランドオープンニング」

●アンコール
「ファイナルファンタジーX」より「ザナルカンドにて」
「ロストオデッセイ」より「中ボスバトル1(強敵出現)」

「植松伸夫×東京交響楽団 ニューイヤー・スペシャル THE UEMATSU WORKS 〜ノビヨ,カンレキ!〜」告知ページ

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