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ハロー!Steam広場 第346回:絶海の孤島でゆったりと農場を作るクリッカー系農業シム「Farmtale」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,「俺は魚だよ」と叫びながら鮮魚売り場をじわじわ進む上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
絶海の孤島でゆったりと農場を作るクリッカー系農業シム「Farmtale」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回はデンマークのデベロッパ,Titanforged Entertainmentが手掛ける「Farmtale」を紹介しよう。
本作は,ほぼ無人に等しい孤島で農場を発展させていくゲームだ。ジャンルとしてはいわゆる「クリッカー系」にあたり,序盤は主にクリックで,それ以降は放置するだけで資源がどんどん貯まっていく。そうして貯めた資源を使ってより効率がよく,より高価な施設を購入し,農場の規模をどんどん広げていくわけだ。
そんな本作の大きな特徴は,ゲームの世界が3Dで表現されているところにある。本連載でもいろいろなクリッカーゲームを取り上げてきたが,どの作品も1つの画面にすべての情報を詰め込むようなUIデザインになっており,基本的に動きが少ない。なかには情報が文字だけしかない作品も存在する。
そんな中で本作は,ゲームの舞台そのものが3D空間として用意され,施設も好きな場所を選んで建設できる。施設や労働者にもしっかりとアニメーションが付いており,世界が生き生きとしているのだ。
クリッカーゲームは自動化が進むとあまり画面を見なくなるのが常だが,本作は動物や労働者が働く姿や,施設が稼働している様子を見ているだけでも楽しめる。海面から飛び跳ねる魚をタイミングよくクリックして捕まえたり,不期的に現れるサンタをクリックして資源をもらったりといった,プレイヤーにちょっとしたアクションを要求するミニイベントもあり,こうしたところにも飽きさせない工夫が見られる。
一般的なクリッカーゲームでは,1秒間に稼げるお金や資源の“数値”を見ることで,自分の成長を実感できる。1秒間に100枚しか焼けなかったクッキーが,気づけば秒間何兆枚というスケールになっていくのが醍醐味だ。
本作では数値だけでなく,実際に農場が,労働者や作物や家畜で賑わっていくので,より成長を実感しやすいだろう。
農業をテーマにした作品として全体的にまとまりは良く,グラフィックスも上々で,やることも充実しており,取っつきは悪くない。キャラクターもかわいい感じで癒やされるし,時間に急かされる要素もないので,マイペースなプレイができるのはもちろん,クリッカー系らしく,「アップグレードでリソースの生産量が一気に増大!」といった感じのインフレの気持ちよさもしっかりと味わえる作品なので,興味のある人はぜひ遊んでみてほしい。
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