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ハロー!Steam広場 第338回:自由な発想で芸術が楽しめるアーティストシム「SuchArt: Genius Artist Simulator」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,ユナイトにハマってるDOTA仲間を見て「裏切り者め!」と言いつつ,自分もちゃっかりエリート帯にいる上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
自由な発想で芸術が楽しめるアーティストシム「SuchArt: Genius Artist Simulator」
地球連邦局が行った職業適性検査によると,私のDNAには類稀な芸術の才能が秘められているという。昔から「個性的な絵を描くね」「ある意味すごいかも」と,その才能を高く評価されてきた者としては「やっぱりそうだったか」と,自信が確信に変わった瞬間であった。そんな私の才能に目を付けた地球連邦は,国際宇宙都市に用意したアトリエで,私に芸術家として活動してもらいたいそうだ。
これを受け入れた私は,さっそく宇宙に飛び出し,アトリエで最初の仕事をこなす。芸術家として活動することを聞いた妹から「ユニコーン」の絵を書いてほしいと頼まれたのだ。どれ,DNAに刻まれた芸術的才能というやつを,キャンバスにぶちまけてやろうじゃないか。
今回紹介するのは,HypeTrain Digitalが手掛ける「SuchArt: Genius Artist Simulator」だ。プレイヤーは,地球連邦局と呼ばれる機関にその芸術性を見出され,宇宙にあるアトリエでさまざまな作品を生み出していくことになる。
ゲームの流れは,絵を描いて売り,お金を稼いで道具やアトリエの設備を充実させていくという感じだ。売り物になるような絵を描けるかどうか心配になるかもしれないが,そこは安心してほしい。本作の世界ではロボットが完璧な絵を描いてしまうので,逆に「人の手で描かれたもの」というだけで,どんな絵でも価値が付くのだ。
このゲームの面白いところは,自由な発想でアートが楽しめるという部分にある。例えば,スプーンですくった絵の具をキャンパスに投げつければ飛沫(しぶき)を表現できるし,絵をスポンジでこすれば“かすれ”させることもできる。バケツに入った絵の具をぶちまけてダイナミックさを表現してもいいし,部分的に水をかけてにじませてもいい。アーティストシムと言うだけあって,やりたいと思ったことは,だいたいできてしまう。
そして,なにも木の板に張られた帆布だけがキャンバスではない。プレイヤーはアトリエを自由に歩き回ることができ,壁,床,天井など,好きな場所にアートを残せる。アトリエ自体が無機質な雰囲気なので,ローラーを使って壁に床に色を塗ったり,筆で絵を描いたりして,自分好みの雰囲気にしていくのも,また違った楽しみ方の1つといえるだろう。
基本的にはプレイヤーが好きな絵を描いて,それをマーケットに流してお金を稼いでいくが,本作のメインモードである「ストーリー」では,メールで「依頼」が来ることもある。依頼には,なぜプレイヤーに頼むのか,何を描いてほしいのかといったことが描かれており,引き受けるかどうかはプレイヤー次第。マーケットで絵を売る場合は時間がかかるが,依頼の場合は完成次第すぐに入金されるので,ストーリーモードで遊ぶ場合は依頼を優先するとサクサク進むかもしれない。
前述した世界観どおり,本作では何を描いても高く評価してくれる。それは素直に嬉しいことだし,次の絵を描くモチベーションにもつながる。なにより道具がたくさん用意されているので,いろいろな方法で自分のインスピレーションを形にできるのが面白い。
アーリーアクセスが始まったばかりの作品だが,メインである描絵のシステムが充実しているので,しっかりアート創作を楽しみたい人もアートは爆発だぁという人も,ともに十分満足できるはずだ。ぜひ,本作でいろいろなアートを作り出してみてほしい。
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