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ハロー!Steam広場 第336回:幻影と協力して罠だらけの神殿に挑む,非同期型アクションゲーム「Phantom Abyss」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,ゴーストフェイスのお面をかぶって,コージコーナーに5周年ケーキを買いに行く上級キラーにジョブチェンジできるかも。
幻影と協力して罠だらけの神殿に挑む,非同期型アクションゲーム「Phantom Abyss」
今回は,6月22日にアーリーアクセスがスタートした「Phantom Abyss」を紹介しよう。開発を手掛けるのは,オーストラリアのインディーズ系デベロッパTeam WIBYで,Devolver Digitalが販売を行う。
本作は,謎の遺跡から脱出するために,その鍵となる「レリック」を集めていく,一人称視点のアクションゲームだ。レリックは,罠と守護神によって守られている「神殿」の深部にあり,無事にレリックを拠点に持ち帰ることができれば,さまざまな報酬がもらえる。逆に道中で死亡すると,そこまでに手に入れたものをすべて失って,拠点からやり直すハメになる。
神殿に入ると,プレイヤーには3つのハートが与えられる。ハートは,罠や守護神の攻撃によってダメージを受けると1つ減り,すべてなくなるとゲームオーバーだ。神殿の内部は,アスレチックコースのようになっており,床から飛び出す槍や消失する足場など,さまざまな罠があちこちに仕掛けられている。
また,神殿に入るときにランダムで決められた守護神が,プレイヤーの邪魔をしてくる。筆者が確認できたのは,毒ガス弾をばら撒いてくる「ポイズンマスク」,一定の速度で追いかけてくる「デボアーレイジ」,熱光線で攻撃してくる「アゴニーアイ」の3体で,深部に行くほど攻撃が激しくなる。
罠や守護神の妨害を回避しながら先に進むには,ダッシュ,ジャンプ,スライディングといったアクションや,グラップリングフックのように使える「ムチ」を駆使していく必要がある。
高所から着地する瞬間に[Ctrl]キーで前転してダメージを避けたり,スライディングの勢いを乗せたジャンプで長距離を飛躍したりといった小技もあるので,こうしテクニックも活用して,神殿のチェックポイントを目指そう。
チェックポイントには「加護の祠」があり,宝箱や壷から手に入るコインを渡すと,ランダムで選ばれた2つの加護から1つを選択して受けられる。ムチの距離が延びる「ロングウィップ」や,空中でもう一度ジャンプできる「ダブルジャンプ」,時々落下ダメージを受ける代わりにハートが回復する「運任せの着地」など,加護はどれも強力なので,宝箱や壷を見つけたら忘れずにコインを回収しておきたい。
このゲームの最大の特徴となるのが「幻影」の存在だ。神殿に入ると,プレイヤーの近くに青く光る複数の人影が現れる。これは,神殿で命を落としたほかのプレイヤー達の幻影であり,そのプレイヤーが死ぬまでの行動を再現してくれる。なので,幻影達の少し後ろを走るようにすれば,危険な罠を事前に察知できるわけだ。
もしコースから外れる幻影がいた場合は,その幻影の行き先に宝箱がある可能性が高いので,後を追うのが吉だ。
また面白いことに,幻影はオブジェクトに干渉できるので,先に宝箱を開けておいてくれたり,壷を壊しておいてくれたりする。ただし,罠を作動させてしまうこともある。例えば,乗ると一定時間消えてしまう足場を幻影が先に渡ってしまうと,その後ろにいたプレイヤーが落ちてしまう。なので,幻影にピッタリとくっついて移動するのは避けたほうがよい。
神殿の深部にあるレリックを入手できれば,その神殿はクリアとなり,自動で拠点に戻される。報酬として特殊なポイントがもらえ,そのポイントを使うことで新しいムチをアンロックできる。デフォルト以外のムチにはメリットとデメリットがある。例えば「アブストラクトウィップ」であれば,加護のコストが30%安くなる代わりに,ハートの最大値が1つ減るといった具合だ。宝箱から得られる金貨が50%アップする代わりに,幻影が宝箱から金貨を回収できるようになる,といったものある。
入手したムチは神殿の入り口前の祭壇に飾られているので,そこから好きなものを選んで,新たな神殿に挑もう。
「Phantom Abyss」は,よくあるパルクール系アクションゲームの1つだが,幻影による非同期のマルチプレイによって,複数のプレイヤーと擬似的な協力プレイが楽しめるのが,一番の魅力だと感じた。また,幻影はあくまでも“失敗例”であり,最後はプレイヤーの力で乗り越えなければならないというのも,よく考えられている。もちろん,道中で自分が倒れれば,それも幻影となり,ほかのプレイヤーの導き手となる。
非同期のマルチプレイといえばソウル系がまず挙がるはずだが,それらとはまた一味違った体験ができるので,興味の湧いた人はぜひ遊んでみてほしい。
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