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「Overwatch」を制作するBlizzard本社をじっくりと探索。ゲームデザイナーのキャプラン氏に開発秘話なども聞いてきた
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印刷2016/04/11 11:01

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「Overwatch」を制作するBlizzard本社をじっくりと探索。ゲームデザイナーのキャプラン氏に開発秘話なども聞いてきた

画像集 No.037のサムネイル画像 / 「Overwatch」を制作するBlizzard本社をじっくりと探索。ゲームデザイナーのキャプラン氏に開発秘話なども聞いてきた
 「World of Warcraft」「Diablo」そして「Hearthstone」といった大ヒットタイトルでおなじみのBlizzard Entertainmentが,2016年3月22日に南カリフォルニア州アーバイン市にある本社ビルにてプレスイベントを開催した。今回のイベントは,5月24日の発売が予定されている「Overwatch」に焦点を当てたものだ。

 本作は,21体のヒーローキャラクターからいずれかを操作し,6人ずつに分かれてのチーム対戦が楽しめるオンライン専用のFPSだ。シューティングジャンルには初参入となるBlizzardだが,キャラクターの個性を前面に押し出した同社らしい戦略と,遊びやすいゲームシステムで,現在も開催中のβテストは好評である。

 ストーリーは,“オムニウム”と呼ばれる新型原子炉(フュージョンコア)の開発によって生まれた高性能ロボット“オムニック”と人類が共存しつつ,新たな文明を発展させていた近未来の地球が舞台となる。
 しばらくは平和に共存していた両種族だが,突如として起こったオムニック達の反乱により,人間対ロボットの25年にもわたる戦争“第1次オムニック・クライシス”が世界各地で勃発。そこで各国政府は,選りすぐりのヒーロー,科学者,さらには荒くれ者までを集結させた特殊組織“Overwatch”を編成して,25年という長い戦いを終結させる。

画像集 No.038のサムネイル画像 / 「Overwatch」を制作するBlizzard本社をじっくりと探索。ゲームデザイナーのキャプラン氏に開発秘話なども聞いてきた

 再び平和を取り戻した人類だったが,今度はOverwatchの面々の能力に恐怖した民衆による反対デモ,そしてそうした事態を嫌った国連との軋轢により,Overwatchは解体させられ,メンバーも四散してしまうことになる。
 人々への理解が得られないことを悟った元Overwatch達は,ある者は隠遁し,ある者は犯罪に走り,さらにはオムニックのために働く者まで出る始末。そして再びオムニックがロシアで進軍を開始して“第2次オムニック・クライシス”が勃発してしまう。

 そうして再び表舞台に引きずり出されたOverwatch達は,反目し合いながらも過去の英雄としての自覚を取り戻していくことになる。ゲーム内ではこういった背景の中で,ヒーロー達が戦っているわけだ。

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 さて,今回のメインイベントは,日本でもスクウェア・エニックスから発売されるPlayStation 4版をプレイするというものだったが,ファーストインプレッション自体はすでに掲載済みなので,今回はゲーム内容について重視することはしない。強いて言えば,現在PC向けに行われているクローズドβテストを,コントローラで操作するプレイフィールとさして違いがないように感じたし,グラフィックス面でもほとんど大差がなく,1080p/60fpsでプレイできた

 それよりも今回は,かなり貴重ともいえるBlizzard社内のプレスツアーが行われたので,写真とともにじっくりとご紹介したい。


写真で巡るBlizzard社内ツアー(その1)


Blizzard Entertainmentの正面入り口。2つの大通りと1つのドライクリーク(降雨時のみに水が流れる水路)に囲まれている。セキュリティが常駐している2か所入り口以外は鉄柵で囲われており,門構えは物々しい。筆者は「Warcraft III: Reign of Chaos」(2002年)が開発されていた時期に一度同社のオフィスを訪ねたことがあるが,その時はもっと気軽に入れる普通のオフィスだったと記憶している
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Blizzard Entertainmentのオフィスは3つの建物からなり,その中央部分のテラスに鎮座するのが「Warcraft」シリーズではおなじみのキャラクター,Thrallの銅像だ。周囲には8つの方向を示すポインターがあり,それぞれには「第1にゲームプレイ」「自分の中にあるオタク魂を開放しろ」といった格言が書かれていた
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Thrall銅像の足元にある記念プレートには,Blizzardのモットーである「ちょー凄いゲーム体験を生み出すことに全力を尽くす」(Dedicated to Creating the Most Epic Entertainment Experiences… Ever!)と書かれている
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どれほどのWarcraftファンでも,Thrall銅像の「背後」を見た人はそういないはず。コンパニオンのフロストウルフであるSnowsongの毛並に至るまでの細かさはそんじょそこらの銅像では見られない。Thrallは,人間に育てられながらもオークとしての誇りを感じて反乱を起こしたオークの英雄だが,こうした“悪役”をしっかりと描き上げるゲーム作品は少ない
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ちなみにBlizzardのオフィスは,イヌの同伴が可能という信じられないほどステキな環境。時間が不規則でいつ帰れるかわからないことも多い分,Blizzardで働いている犬好きゲーム開発者にとってはありがたいはずだ。イヌの散歩も気晴らしになるかも知れない
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なんとイヌ専用の社員(社犬?)証となるタグも存在。ただ招待されただけの筆者よりは自由に,キャンパス中を歩き回れるようだ
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イヌが散歩できる芝生の反対側には「Humans Only!」と書かれたセクションがあり,昼間になるとここで剣技の練習に勤しんでいる一団がいた。ヨガなどで裸足になることもあるため,社犬達は立ち入り禁止になっているのだとか。このほか,全米バレーボール代表という経歴を持つ上級メンバーたっての願いで作られたという,ビーチバレーボールのコートも近くにあった
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銅像の背後にある第1オフィスビルの受け付け。正面ドアから向かって右手にあるのが,こちらもまたオークの英雄であるGrommash Hellscream(Grom)の塑像。こちらは,ファイバーグラスや粘土,シリコン,材木,アルミ材などさまざまな素材を用いて作られており,Gromの毛には人間の髪の毛が,その衣服にはホンモノのシカの毛皮が利用されているという作り込み。さらに,その左手にはエピックウェポンGorehowlの超巨大レプリカが!……。Blizzardってどんだけオーク好きなの……
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超巨大レプリカの脇を潜り抜けると,そこにはBlizzardの専用ミュージアムが。数々の受賞トロフィーやアート作品が展示され,さらには自社タイトルのシネマティックムービーも流されている。それほど広くはないが,ここにはBlizzardの過去が詰まっている
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専用ミュージアムで目にとまったのは,10年来のBlizzardファンだという中国人アーティスト,Jian Guo氏による「Heroes of the Storm」のアートワーク。彼の名前で検索をかけると,Blizzard関連のアートが続々と出てくる
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ミュージアムの奥の扉が開くと,そこにはBlizzardのメインシアターがあった。40席ほどのソファは非常に心地良く,ここで「Overwatch」のデザインを総括するジェフリー・キャプラン氏に話しをうかがうことになる
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なぜ,Blizzardは「Overwatch」を作ったのか


フラッシュ禁止だったためかなり暗いが,シアター内でゲームの解説をするジェフリー・キャプラン氏
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 さて,Blizzardのオフィス内にあるメインシアターでは,参加したメディア向けのプレゼンテーションが行われ,「Overwatch」のリード・ゲームデザイナーであるジェフリー・キャプラン(Jeffrey Kaplan)氏が登壇し,本作の概要を説明した。
 2015年11月に開催されたBlizzCon 2015でのインタビューにも登場したキャプラン氏は,これまで15年近くも同社に在籍し,2013年から同社にとっての新しいIPとなる「Overwatch」の開発現場で陣頭指揮を執っている人物だ。

 これまでファンタジーワールドであるアゼロス(Warcraft),ダークゴシック調のサンクチュアリ(Diablo),そして三者三様の文明が描かれた宇宙(Starcraft)といった世界を描いてきたBlizzardだが,「Overwatch」においてはFPSという新しいジャンルに挑戦することもあり,これまでとは異なるカラフルな色使いで近未来の地球を表現することにしたという。
 キャプラン氏が言うには,同社のIPはもっとも古いもので20年近くが経過しており,「もうファンタジーはやり尽くした感がある」という選択からだそうだ。

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 「Overwatch」のクローズドβテストに参加したり,映像やスクリーンショットを見たりした人ならばお分かりのように,本作はアメリカの映画スタジオやショッピング街を模した「Hollywood」や,桜が咲き誇る日本の城と界隈の街並みを描いた「Hanamura」,さらにはビクトリア朝の建物が立ち並ぶイギリスの「King’s Row」といった,いわゆる“ステレオタイプ”なエッセンスを含んだマップが用意されている。
 これについてキャプラン氏は,ストーリーの設定に準じつつも,あまりリアルには寄せないことで,誰でもゲーム世界に集中できるよう工夫しているのだとのこと。

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 Blizzardにとって,1つのタイトルをPCとコンシューマ機に向けて同時にローンチするのは,この「Overwatch」が初めてのことであり,ローンチ後も3つのプラットフォームを並行してサポートしていくとキャプラン氏は言明している。ただ,PC版をリードプラットフォームにするという方針には,今のところ変更はない様子。
 また,同社のゲームタイトルはすべてコミュニティなしでは存在し得ないことを強調しつつ,キャプラン氏は「我々がすべてのアイデアを持っている必要はない。コミュニティのフィードバックを受けながら,Overwatchをさらに良いモノにしていきたい」と話していた。ただ,MODサポートなどについては言及を避けており,FPSというジャンルにおいて,どのようにBlizzardが立ちまわっていくのかには,今後も注目していく必要があるだろう。


写真で巡るBlizzard社内ツアー(その2)


キャンパス内に3つある建物の中で,受付があるのは第1棟のみ。関係者以外が第2,第3棟への立ち入るのは極めて異例であるようだ。もちろん,開発者達が働いている場所での写真撮影は一切禁止であったものの,内部の様子を許される限り撮影してきたので紹介しておこう。

第3棟のロビー部分にあるのが,このガラスケースに収められた特製グッズ。人事雇用はすべて従業員による口利きというBlizzardにおいて,このグッズは高い能力と豊かな経歴のある開発者を連れてきた人に贈呈される「Headhunter」賞であるという
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社員食堂はごく普通の感じ。ここで食べずに,自分のデスクに持って行って,そこで仕事をしたりくつろいだりしながら,ひっそり食べる人も多いようだ
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メニューはこんな感じ。徒歩で行ける範囲には何もない場所にオフィスがあるので,ここで食べたほうが良さそうだ。昼食は無料で,ほかもすべて1ドルという気前の良さ。ただ,「Blizzard Wellness」という健康食運動が展開されているようで,サラダやフルーツ盛り合わせのような食べ物ばかりになってた
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今年で設立25周年を迎えたBlizzardを記念して,従業員1人1人がサインした巨大ロゴが通路脇に掲げられていた。こうした一体感の演出が,成功のカギなのかもしれない
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ここからは撮影禁止。どんな部署があるのかも教えてくれずじまい。通路脇などに,興味深いアートワークも飾ってあったが,“オークのウォーチーフが怒ってしまう”らしいので,カメラのスイッチもオフにせざるを得なかった
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第3棟の裏口(というか,本当はこちらが表のようだ)。ロビーでまず出迎えてくれたのが,「Starcraft」シリーズのケリガン。顔が隠れている方向から撮影してしまったのが悔やまれる。ちなみにケリガンの名称は,1990年代にフィギュアスケート界の女王として君臨したナンシー・ケリガンをイメージしてデザインしたからだとか
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ケリガンの向かいにいるのは,「Warcraft」シリーズにおけるアウトランドの覇者であるIllidan Stormrage。羽根部分はオーガニックな素材で制作されているらしく,1年に1度張り替えないと溶けるように落ちてしまうらしい。――その奥にいるのはひょっとして?
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そう。「Starcraft II」に登場し,「Heroes of the Storm」で復活を遂げたNovaだ。同社初のアクションタイトルとなるはずだった「StarCraft: Ghost」の主役であり,この等身大フィギュアはそのとき制作されたもの。残念ながら2006年に開発の中止が表明されてお蔵入りになった。血色が悪そうなのは,日の目を見ることのなかったキャラクターだからなのか? これをきちんとロビーに展示しているBlizzardは偉い
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ここからは第2棟の裏口へ。その入口の横には,まるで雑貨売り場のような部屋が。なんでも,世界各地で制作されるBlizzardの関連グッズなどを収集したり,その試作品の評価をする部門がここにあるらしい
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第2棟に入ったところにあったのが,「Blizzard Academy」という専用部屋。それほど広くはないものの,照明施設などが用意されており,ここで演劇から粘土細工,絵画教室などが,各界の講師を招いて催される。自分が所属する部門に関係なく自由に参加できるとのこと
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なんと,Blizzardには図書館も存在する。もっとも,ゲームソフトやボードゲームが棚のほとんどを占めて,あまり本はないようだが,ちゃんと専用人員も配置されており,ここで貸出を行うらしい。画面左下にある大きなテーブルでボードゲームを楽しんだり,革張りのソファで本を読んだりできるようだった
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第2棟の表ロビーで出迎えてくれたのは,「Overwatch」のヒーローキャラクターの1人で,明るく元気なトレイサーことレナ・オクストンさん。時間をコントロールする能力を持ち,高速移動しながら二丁のパルスピストルで攻撃する
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階段を上がると「Overwatch」の巨大ロゴが。ここが開発部隊の本拠地となる。撮影禁止のオフィススペースでは,すでに公開済みのマップをアーティストが細かくチェックしたりしていた
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「Overwatch」の仕掛け人キャプラン氏へのインタビュー


 最後に,「Overwatch」の仕掛け人であるキャプラン氏へのインタビューを掲載して,本稿を締めたい。

4Gamer:
 メインシアターのカンファレンスでは,「Overwatch」の開発チームが,FPSを開発するにあたって十分な経験があることを強調しているように思えました。

画像集 No.032のサムネイル画像 / 「Overwatch」を制作するBlizzard本社をじっくりと探索。ゲームデザイナーのキャプラン氏に開発秘話なども聞いてきた
ジェフリー・キャプラン(以下,キャプラン)氏:
 「Overwatch」の開発チームは,多様な経験を持つプログラマー,デザイナー,プロデューサー,アーティスト,そしてオーディオのスペシャリスト達で構成されています。Blizzardでほかのプロジェクトに関わったベテラン勢が多いのですが,「Dark Force」シリーズのリードデザイナーなど,もともと他社でFPSジャンルに関わっていたメンバーもいます。
 こうしてBlizzardのカルチャーを持つ開発陣と,FPSの開発経験者がうまく融合されることこそが,本作を開発していくうえで重要になるであろうと,チームを編成する当初から意識していました。

4Gamer:
 先ほど開発チームの人とも話したのですが,なんでも「Overwatch」の開発チームは,ほかのプロジェクトチームと比べても結束力が強いとか。リーダーであるキャプランさんも,そう感じていらっしゃいますか?

キャプラン氏:
 これまで「Overwatch」の開発チームは,1つのグループとして天国と地獄を見てきました。クリエイティビティという面では,我々はこれまでになかった世界を共に創り出し,そこに我々の持てる愛と情熱を注ぎ込んできたのです。チーム1人1人の個性というものが,1つの世界で融合しているとでも言いましょうか。皆,開発者として尊敬し合っていますし,「Overwatch」のような作品を協力して作り合えることを幸運に思っております。だから強いと思えるんでしょう。

4Gamer:
 2015年のBlizzConでは,もっとも人気のキャラクターがファラー(Pharrah),不人気なのがシメトラ(Symmetra)だと話していました。今はどうでしょうか。

キャプラン氏:
 現時点では,ソルジャー76(Soldier: 76)が,もっとも「Overwatch」の中でプレイされているヒーローキャラクターですね。チュートリアルで使用できるキャラクターであり,より多くのプレイヤーにアピールできる使い勝手の良さを目指してデザインしたヒーローなので,そうなることはある程度予想していました。
 そして,今のところもっとも不人気なのがザリア(Zarya)で,これも想定範囲内でした。非常にパワフルなキャラクターですが,性能をフルに活かすためにはその性能をしっかりと理解する必要があったからです。

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ソルジャー76
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ザリア

4Gamer:
 なるほど。それは,変わっていくのでしょうか。

キャプラン氏:
 よほどの理由がない限り,ヒーローキャラクターの人気・不人気を受けてバランスを変更しようとは思っていません。もちろん,あまりにも強過ぎたり,弱過ぎたりでゲームプレイに支障が出てくるのなら,その限りではありませんが。

4Gamer:
 ヒーローの必殺技を発動させる“アルティメット・メーター”は,どのようにして溜まっていきますか?

キャプラン氏:
 アルティメット・メーターは,時間経過や相手にダメージを与えることで徐々に溜まります。また,タンク系ならダメージを受けることで,ヒーラー系なら仲間を治癒することで,そのスピードが加速されていきます。

4Gamer:
 クローズドβが公開されているPC,そして今回公開されたPlayStation 4やXbox One版では,グラフィックスやフレームレートにほぼ違いがないように思えます。それを達成するために,どういった苦労をされたのでしょうか。

キャプラン氏:
 具体的にはお話しできませんが,すべてのプラットフォームにおいて,グラフィックスのパフォーマンスを最大限に引き上げるというのは我々が力を注いでいる部分です。それぞれのプラットフォームの性能は異なりますから,ゲーム体験という意味では完全に同じにはならないかもしれません。ただ,皆さんがそれぞれのプラットフォームで満足できる体験をするということは,これからも重視していきます。

4Gamer:
 「Overwatch」でサポートされているカスタムゲーム()についても教えてください。

※プレイヤーが作成できるマッチングのこと。

キャプラン氏:
 カスタムゲームの機能は非常に作り込まれている部分です。プレイヤーがフレンドをマッチに招待するといったことはもちろん,ランクにあったAIボットを参加させることも可能です。また,プレイヤーが実験できる楽しい機能もいくつか盛り込まれていて,クールダウンタイムやダメージ,ヘルス,アルティメット・アビリティなど,さまざまな部分を細かく調整できます。

4Gamer:
 e-Sportsの計画については?

キャプラン氏:
 BlizzConなどのイベントを見ていただければお分かりのように,我々はe-Sportsのファンであり,常に真剣に向き合っています。もちろん「Overwatch」についても,いろいろと計画中ですが,こちらについては後日の正式発表をお待ちください。

4Gamer:
 最後になりますが,すでにウィンストンを主人公にした「Recall」,そしてウィドウメーカーを主人公にした「Alive」など,ボリューム感のあるCGアニメがリリースされ始めていますね。今後も,こうしたキャラクターの紹介を行っていく予定なのでしょうか。

キャプラン氏:
 ええ。ようやくヒーロー達やその世界観を紹介する短編アニメを皆さんにお届けできるようになり,非常に興奮しております。最初にウィンストンを紹介したのは,Orverwatchの物語を説明するうえで,彼がもっとも重要な役割を持っていたからです。これからも,短編アニメによるヒーロー紹介には期待しておいてください。

4Gamer:
 公開を楽しみにしております。ありがとうございました。

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