インタビュー
いよいよ竜詩戦争がフィナーレへ。「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド」吉田直樹氏にパッチ3.3実装直前インタビュー
今回のパッチでは,パッチ3.0「蒼天のイシュガルド」のメインストーリーで語られてきた“竜詩戦争”がいよいよフィナーレを迎える。新たに追加される新インスタンスダンジョン「天竜宮殿 ソール・カイ」と「ニーズヘッグ征竜戦」はメインストーリーに絡んでいるので,大いに注目だろう。
また,この他にも新24人レイドやトレジャーハントダンジョン,そして約1か月後にはディープダンジョンなど新ジャンルのコンテンツが登場する。本作のプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏(以下,吉田氏)にパッチ3.3についてインタビューで色々と聞いてきたのでお届けしよう。
「ファイナルファンタジーXIV」公式サイト
今回は竜を征する戦い。メインストーリーで“竜詩戦争”がフィナーレへ
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。今回のパッチ3.3では,かなり幅広いコンテンツが追加されますね。プレイヤーはまず何から手を付けようか迷いそうですが,ここから遊んで欲しいといった,導線などはありますか?
2.xシリーズ,とくにパッチ2.3ぐらいまでは,やはり「FFシリーズ」ということでメインストーリーを中心に遊んでほしいというものがありました。しかし,今はプレイヤーによって遊び方が全然違います。レイド攻略をする人,ストーリー中心に遊ぶ人,クラフト中心に遊ぶ人,あとは明確に決めていなくて周りの動きを見て動く人などですね。またMMORPGの本質は自分に合った遊び方を見つけるものでもあるので,今ではむしろどこからでも遊べるように,導線を縛らないことに注意しています。
4Gamer:
たしかに,前回のパッチ3.2ではメインストーリーを進めなくても,いきなり蛮神セフィロトに挑めたのが印象的でした。
吉田氏:
3.0以降は蛮神もできるだけメインと切り離して,先に蛮神のストーリーから進められるようなルートを作りました。FFシリーズではあるので,メインストーリーからやってもらうのが王道かなとは思っていますが,それ一本に全部をぶら下げるのはやめようという考え方になっています。
4Gamer:
わかりました。ではそのメインストーリーからお話を伺っていきたいと思います。今回のパッチ3.3で,いよいよ竜詩戦争がクライマックスを迎えますね。
吉田氏:
はい。それもあって今回はクエスト数をちょっと少なくして,その分だけカットシーンのボリュームを多くしてあります。カットシーンのほとんどにボイスが入っているんです。メインストーリーのクエスト数が少ない分,終わった後に蒼天編を振り返るサブクエストを用意しましたので,それを含めるといつものクエスト数ぐらいかなと思います。
4Gamer:
3.0からのメインストーリーは,プレイヤーからかなり好評でしたし,思わずグッと来そうですね。
吉田氏:
蒼天編を振り返るというこのサブクエストは,メインストーリークリア後ではありますが,コンテンツに紐づいているものではないので,一通り遊び終わった後にでもゆっくり旅を振り返ってもらえればと思います。
4Gamer:
ちなみに,今回は新IDと,新しい討滅戦もメインストーリーに絡んでいるんですか?
吉田氏:
はい。今回は新IDの「天竜宮殿 ソール・カイ」と「ニーズヘッグ征竜戦」が,大きくメインに絡んでいます。メインストーリーのクエスト数が少ないのは,この征竜戦も理由の1つなんです。あまりステップ数を多くしてしまうと,極ニーズヘッグ征竜戦に行きたい人がどんどんストーリーを飛ばしちゃうと思うので,それをしなくて済むようにという配慮でもあります。
4Gamer:
そういえば,今回は「討滅戦」ではないんですね?
吉田氏:
今回は竜を征する戦いなので,名前も変更しています。ですが,中身は蛮神戦だと思っていただいて構いません(笑)
4Gamer:
なるほど。ちなみに今回はフィールドから落ちますか……?
吉田氏:
今回は残念ながら(?)落ちないです。僕も「マップ的に落ちそうな感じだけど?」と聞いたのですが,コンテンツ担当者が「クライマックスだし,すっきり勝ってクリアしてもらいたい」と。
4Gamer:
たしかに,盛り上がってるクライマックスで,落ちてクリア…… はさびしいですね。
吉田氏:
征竜戦のテストプレイをしていたプロジェクトマネージャーも「落ちると思ったのに落ちない!」ってチャットで言ってましたね(笑)。
4Gamer:
落ちるかどうか勘ぐるのがお約束になってきましたね(笑)。ハードモードである極の難度はどのぐらいになるのでしょうか。
吉田氏:
タイプがほかのレイドボスとちょっと違うので難しいのですが,極シヴァと極セフィロトの中間ぐらいの難度を目指していますが……ってちょっと範囲が広すぎですかね(苦笑)。
4Gamer:
では,最近のレイドボスの中では簡単なほうなのでしょうか。極シヴァというと,誰かがミスをしても持ち直しやすいイメージがあります。
吉田氏:
うーん,極シヴァよりは上ですが,立て直しのイメージは確かにシヴァっぽいと思います。ニーズヘッグはパーティコンテンツですが個人の裁量が大きいコンテンツです。誰かがミスってトリガーを引くと全員ワイプみたいなことではなく,個人で判断して,個人で避けるような場面が多いです。もちろん,ミスをして誰かが倒れ戦力が削られていくと,DPS不足だったり,ギミックを処理しきれなくなってワイプするようなことはあるかもしれませんが,今のところはミスしても立て直しがある程度できるコンテンツを目指しています。
4Gamer:
非常に楽しみにしています。ちなみに,極の報酬は武器でしょうか?
吉田氏:
武器です。見た目がかっこ良く,アイテムレベルも実用性がありますので,ぜひ取ってもらいたいですね。
4Gamer:
メインストーリーに絡まない,もう1つのID「黒渦伝説 ハルブレーカー・アイル(Hard)」についても少し教えてください。トレイラーでは,黒渦団のNPC達も登場していましたが,どのようなダンジョンなのでしょうか。
吉田氏:
ハルブレーカー・アイルはもともと,海賊霧髭の隠し財宝があると噂された島で,前回のクエスト「財宝伝説ハルブレーカー・アイル」では冒険者が霧髭の財宝を守りに行きました。あれ以降黒渦団が島を管轄下に収めて,訓練施設を作っていたんです。その訓練施設の落成式に,光の戦士が呼ばれた……というイメージです。そうしたら,普段は訓練などすっぽかすガラディオン同盟の名だたる海賊たちも参戦してきて……みたいな展開ですね。
今回はリムサ・ロミンサの主要NPCがけっこう出てくるので,黒渦団に所属している方にはちょっと楽しみなダンジョンになってるかなと思います。
ギルや素材,そしてレアミニオン入手のチャンスも? トレジャーハントダンジョン“アクアポリス”
4Gamer:
新しいコンテンツとして,トレジャーハントダンジョン“宝物庫アクアポリス”も登場しますね。前回のプロデューサーレターライブ(以下,PLL)で発表された後,マーケットのG8の地図が高騰したようですが,今から地図を集めても大丈夫でしょうか?パッチ後に取得した地図からしか,アクアポリスに行けないなどの問題はありませんか?
吉田氏:
それはないので大丈夫です。地図は今から集めておいて損はありません。自分で解読済みの地図と,未解読の地図を持って,リテイナーにも1本ずつ持たせて,あとサブキャラがいる人はサブキャラにも持たせたりとか(笑)。
4Gamer:
トレイラーでは,かなり多数の敵に囲まれていましたが,けっこう難しいのでしょうか?
吉田氏:
いえいえ,敵の数が多いだけで,そんなに難しくないです。特殊なギミックとかもないですし,G8のトレハンで出てくるモンスター達が3ウェーブぐらい出現するだけです。
4Gamer:
では,突然一掃されたりする心配はないですか?
ないですね。トレイラーでは途中レアPOPでサイクロプスが降ってきましたが……アイツは棍棒振り回すので,詠唱を見たらいったん離れたほうが良いと思います。ただ,それでも即死するようなダメージはないです。テストプレイをしてる感覚では,1タンク1ヒーラーいれば4人でも十分かなという難度です。8人だと殲滅速度が上がって,回数をこなしやすくなるという感じですね。
4Gamer:
それはちょっと安心です。ちなみに,事前の情報では進むのにも運が必要とおっしゃっていましたが,結構深くまでダンジョンは続いているのですか?
吉田氏:
最深部は7部屋目ですね。
4Gamer:
おお,それは結構ありますね。では,“アクアポリス”の流れを教えて下さい。G8が終わったら,いきなりダンジョンに突入するのでしょうか?
吉田氏:
いえ。G8の宝箱を開けると転送魔紋というポータルのようなものが現われ,アクアポリスに突入できますが,転送魔紋は10分開いています。ですので,もし少人数でG8を回っていたら心もとないので,転送魔紋が開いた場合には,シャウトやフリーカンパニー(以下,FC)に声をかけてパーティ(以下,PT)を組んでもらったほうが良いと思います。
4Gamer:
なるほど。G8を開けた時のメンバーに限らず,アクアポリス突入前にPTメンバーを補充できるんですね。
吉田氏:
はい。ただ,10分だとPT募集を出してる余裕はないかもしれませんので,シャウトが一番早いかもしれませんね。
転送魔紋には宝の地図の持ち主しかアクセスできないので,持ち主が突入したら周りのPTメンバーも強制突入になります。
4Gamer:
ちなみに,アクアポリス内はどのような構成になっているのでしょう?
吉田氏:
通路とか迷い道は一切ありません。部屋が連なっているだけで,入るとすぐに最初の部屋の宝箱があります。宝箱にアクセスすると,トラップが発動してランダムでモンスターが登場するので,それらのウェーブをさばいたら,1つ目の宝箱が確定で入手できます。
宝箱を入手すると同時に,次の部屋への鍵も入手できるので,地図の持ち主が複数ある扉の中からどれかを選びます。
4Gamer:
そこで運が必要になるわけですね。
吉田氏:
そういうことです。正解の扉を選べば,派手な演出と同時に次の部屋へ進み,ハズレだと強制退出です。でも,最初の宝箱はモンスターを殲滅すれば確定なので,基本損することはありません。もちろん,奥の部屋に進めば進むほど,宝箱に入ってるものはデカいですし,レアPOPモンスターが途中で降ってくる確率も高くなります。
4Gamer:
アクアポリスで手に入る物はどんなものでしょうか?
吉田氏:
基本的にはギルと,素材が多いです。新しい製作素材や,FFXIVの中でなかなか入手する機会が少ない価値の高いアイテムをけっこう入れてあります。例えば,ダンジョンドロップで確率1桁台のミニオンとか,総まとめで入っていたりもします。
4Gamer:
おお,それは嬉しいですし,挑戦したくなりますね。やはり,アクアポリス限定の素材もありますか?
吉田氏:
あります!
オズマと噂されたアイツは,本当に“オズマ”だった。新24人レイドダンジョン「禁忌都市 マハ」
4Gamer:
ヴォイドアークに続く24人のアライアンスレイドダンジョン「禁忌都市 マハ」が登場しますね。ヴォイドアークとシナリオはつながっているのでしょうか?
吉田氏:
つながっています。ヴォイドアークにいたディアボロスら妖魔を追跡している中で,滅んでしまった古代都市マハ自体へ行くことになるというのが話の流れです。マハに何を探しに行くかは,ストーリーをご自身で見ていただきたいので内緒ですが,マハにある何かをめぐって妖異達と空族,光の戦士達が激戦するという内容ですね。妖異のボスもいれば,マハの防御機構と闘わなければいけないシチュエーションがあります。「オズマ」なんかも,マハの防御機構ですね。
4Gamer:
前々からオズマ(FFIXの隠しボス)っぽいと言われていたあの敵は,本当に“オズマ”なんですか?
吉田氏:
オズマです。名前もそうなっています。MMORPGであそこまで球体変形をするボスはいないと思いますので,グラフィックスにもご注目ください(笑)。
4Gamer:
あれ,すごいですよね。表面がちゃんと鏡面反射で映ってますし,エフェクトがド派手ですし。
吉田氏:
実はあれ,単純な鏡面反射じゃないんです。PS3での処理を考えて,うまくローテクとハイテクを組み合わせて作っているんです。
4Gamer:
なるほど。ちなみに,ドロップするアイテムレベル(以下,ILv)は……?
吉田氏:
もう言わなくても大体予想できるんじゃないかと思います(笑)。今回も週1回の報酬として伝承強化素材がドロップします。
4Gamer:
今回も伝承強化素材がもらえるんですね。防具とアクセサリの強化素材がドロップするのでしょうか?
吉田氏:
そうです。いずれか好きなほうを選んで取ってもらう形にしています。武器の強化素材はまだですが,サブジョブ用の装備をマハで集めてもらえれば良いなと思います。
4Gamer:
ちなみに,宝箱からドロップする装備の部位は,今回もランダムなのでしょうか?
吉田氏:
はい。今回もランダムになっています。ドロップする装備が被ったりもするんですが,PT内でも同じジョブが複数人いたりすることもありますし。特定の宝箱に決まった装備を入れて,それ目当てで途中抜けされると辛いので,今回もある程度のランダムにしました。
4Gamer:
ヴォイドアークは,今までのアライアンスレイドダンジョンと比べると,あまりPT単位で動くギミックなどがありませんでしたが,今回のマハはどんな作りになっていますか?
吉田氏:
前回のヴォイドアークは,あまりに緊張感が無さ過ぎてちょっと眠くなってしまうぐらいだったので……(笑)。今回は難しくしたわけではないのですが,ボスとの戦闘中にAアライアンスはこのギミックをとか,PTごとに役割を明確化したり,マップ全体を使用したギミックを入れました。
あとは,途中のボスだと個人が柱を踏み続けたりとか,それぞれ状況を見ながらやらなきゃいけないことがあります。
4Gamer:
ワイワイやれるギミックが多いですね。例えばその柱を踏んでいないとワイプしたりとかは?
吉田氏:
いえ。あくまで難しくはしていないので,踏んでいる人数が多いほどダメージ軽減をするといったギミックです。
それに,オズマにも大仕掛けがありますし,今回は3チームに分かれて戦うシチュエーションを増やしました。難度は極端に上げずに,楽しめるという内容にしたつもりです。
4Gamer:
戦っていて楽しそうな感じですね。古代の民の迷宮や,闇の世界のような感じでしょうか。
吉田氏:
そうですね。闇の世界に近いイメージだと思います。
- 関連タイトル:
ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド
- 関連タイトル:
ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド
- 関連タイトル:
ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド
- 関連タイトル:
ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド
- 関連タイトル:
ファイナルファンタジーXIV
- この記事のURL:
キーワード
(C)2010-2017 SQUARE ENIX CO.,LTD. All Rights Reserved.
(C)2010-2017 SQUARE ENIX CO.,LTD. All Rights Reserved.
(C)2010-2017 SQUARE ENIX CO.,LTD. All Rights Reserved.
(C)2010-2017 SQUARE ENIX CO.,LTD. All Rights Reserved.
© SQUARE ENIX
LOGO & IMAGE ILLUSTRATION:© YOSHITAKA AMANO
- ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド 早期予約特典アーリーアクセス+インゲームアイテム3種(アーリーアクセス+インゲームアイテム3種:2015年6月16日注文分まで、インゲームアイテム3種のみ:2015年6月22日注文分まで)
- Software
- 発売日:2015/06/23
- 価格:¥216円(Amazon) / 1979円(Yahoo)