インタビュー
「FFXIV:蒼天のイシュガルド」アーリーアクセスは明日から。サーバーやコンテンツの混雑,AFK放置対策はどうなるのか,吉田直樹氏にインタビュー
マウントに乗ったままテレポが可能に。3.0で遊びやすさも向上
4Gamer:
討伐手帳のほかにも,フライングマウントに乗ったままテレポができるようになっていてびっくりしました。これは,バディに乗ったままでも可能なんですか? 地味にというか,かなり嬉しかったのですが。
吉田氏:
ええ,そのようにしました。
4Gamer:
騎乗中にテレポが可能になったのは,以前のままであればフライング中に下りる場所を探さないといけないわけで,行動に時間がかかることを考慮したということでしょうか。
吉田氏:
それが最大の理由です。が,そろそろ単純に面倒くさいというリクエストも多かったので(笑)。
4Gamer:
ああ,なるほど(笑)。3.0では,そういった細かな変更も多いのでしょうか?
吉田氏:
はい,山ほどあります。パッチノートの分量はそこが一番多いかもしれません。ほかにも,オプションの数もかなり増えています。たとえば,フライングマウント周りでも,先ほどプレイしてもらった状態はデフォルトの設定のままだったと思いますが,ジャンプ中に,さらにジャンプボタンを押すとフライングモードになるというスイッチもあります。
4Gamer:
通常はジャンプするだけで,そのまま飛びますよね。そのオプションはどういった意図で用意したものなのでしょうか。
吉田氏:
グラウンドマウントとして走っているときに,新生時のクセで,ただジャンプしたいだけなのに,勝手にフライングしちゃうので選べた方がいいだろうと(笑)。
4Gamer:
ああ,とくに意味なく飛び跳ねたいときがありますよね!
吉田氏:
そのとおりです(笑)。もちろん,操作に慣れると,ジャンプ1回で飛べたほうが良いので,それを標準のオプションにしていますが,飛び跳ねたいというプレイヤーさんは,そちらのオプションを選んでください。
4Gamer:
あとフライングマウントで言うと,3.0からマップの高低差がかなり大きくなりますよね。そうすると,プレイヤーが座標を誰かに伝えるとき,X軸,Y軸に加えて,Z軸も伝えたくなると思います。ですが,先ほど触った感じ,自身の座標の確認や,チャットでテキストコマンドを使って伝えられる座標はX/Y軸だけでした。Z軸の表示は付けないのでしょうか?
吉田氏:
いまのところは表示していません。
4Gamer:
それはなぜでしょう。
吉田氏:
第一に味気ないというのがありますね。せっかく空を飛べるようになったのに,全部座標で示されて,座標の数値を一直線に追いかけるゲームになってしまうのはどうかなと……。それよりも,「上?」「下?」というのをプレイヤー同士でやり取りしてもらったほうが,冒険している感が出ると思うのです。
4Gamer:
最初はしっかりと迷子――冒険できたほうが,楽しいのかもしれません。
吉田氏:
もしかしたら,プレイヤーの皆さんが慣れたころに入れるかもしれませんが,Z軸を伝えることで分かりやすくなるとは限らない場所もあるので……。
4Gamer:
それは,地形の構造だったり,その地点までの経路といったことが要因でしょうか。どんな場所なのか気になりますね。ところで,フライングマウントは,何種類ぐらい実装されるのでしょうか。
吉田氏:
初期は7〜8種類だったはずです。アーリマンだったり,いま既存のマウントで飛べそうで飛べないやつは早めにアップデートして,フライング化したいと考えています。
4Gamer:
亀(アダマンタス)は飛ばないのかという声も。
吉田氏:
亀が飛ぶときには……ぐるぐる回らないといけないので,酔うんじゃないかなと(笑)。
4Gamer:
亀だけ回って,その上の敷きものは(甲羅の上を滑って?)そのままになっているとか。
吉田氏:
いやあ,どうせなら本人も回ったほうが,絵的には面白いかも……。それで降りるとしばらくスタン状態になって歩けなかったり,操作がぐちゃぐちゃになったりとか……使いづらくて誰も使わないか(笑)。
4Gamer:
意地で使う人はいそうですけれど(笑)。
ハウジングの新コンテンツ「飛空艇クラフト」が登場。エリアの拡張は“引っ越し”から
4Gamer:
もうひとつ,「飛空艇クラフト」ですが,パーツごとにランクがあって,それぞれデザインも異なっていますよね。それで思ったのですが,パーツのランクに関係なくデザインだけ変更することはできないのでしょうか。要は,ミラージュプリズムのようなものとか。
いまは想定していません。そこは,見た目にこだわるなら性能を犠牲にという初期のFFXIVのポリシーに近いですね。逆に,どのパーツがどの船にどう組み合わさっても,デザイン的には破綻しないようなモデルの作り方をしています。
4Gamer:
ちなみに飛空艇クラフトは,どのように進めていくのでしょうか。
吉田氏:
まずランクの低いパーツで飛空艇を作り,探索でレシピの元になるアイテムを見つけて,「製図台」でレシピを製図します。レシピが揃ったら,さらにグレードの高いパーツを作って,船のランクをどんどん上げていくという感じですね。
4Gamer:
最初に飛空艇を作るための難度は,どれくらいになるのでしょうか?
吉田氏:
そんなに難しくはないと思います。新米クラフターがレベリングにも使えるくらいで。3.0に入ってからのアイテムも,そこまで難しい素材はリクエストされません。ただ,ある程度まとまった素材量が必要なので,時間はかかりますね。
4Gamer:
素材集めが大変なわけですね。
吉田氏:
また,グレードの高いパーツを追加するときは,難度が高くなっていくと思います。飛空艇の完成後は,どういうルートで船を飛ばすのか,たとえば一拠点だけ探索して戻ってきてもらうのか,複数の島を回らせるのか,どの島を回ってくるのかなどを決めてもらいます。
4Gamer:
ルートをプレイヤーが設定できるんですね。
吉田氏:
はい。そうして,どの島で何が取れたかを,プレイヤーの皆さんで記録しながら回ってもらえればいいかなと思います。
4Gamer:
どんなアイテムが得られるのか,楽しみですね。もうひとつ,ハウジングエリアに関してですが,イシュガルド地方のハウジングエリア実装は,まだまだ先になりそうだというコメントをされていましたよね。では現状の,ハウジングエリアの拡張についてはどうなるのでしょうか。
吉田氏:
次にハウジングでやらなければならないと思っているのは,“引っ越し”ができるようにすることです。せっかく,Lサイズのハウスが買えるお金が貯まったのに,いまのハウスを売却してLサイズに引っ越すということができないのでそれを計画しています。
4Gamer:
家具の移動も大変ですし,FCハウスの場合は,個室やチョコボ厩舎の撤去で手間取りますよね。
はい。また,アカウントがクローズされているのに家だけ残っているという部分も,所有者に補填をしながら,土地を開放する仕組みを考えています。そして,サーバーの再効率化を図ったうえで,次に土地の追加という流れを考えています。イシュガルドのハウジングエリアを追加するのは,それからなので,まだだいぶ先になりますね。
4Gamer:
ちなみに,引っ越しが可能になるのは,いつごろを予定していますか?
吉田氏:
パッチ3.1以降になりますが,サーバーチームタスクが結構詰まっているので,もう少しかかるかもしれません。ただ, 3.0の尋常じゃない物量がようやく終わったところなので,いま言うとさすがにスタッフが怒るかな(笑)。タスクとしてはすでに積んでいて,仕様も切られていますが,ゴーサインを出すのは発売してからになる予定ですので,もう少々お時間をください。
4Gamer:
FC同盟の話もこれまでに出ていたと思うのですが,どのような仕様になるのでしょうか?
吉田氏:
FC同盟は3.0からではなく,飛空艇探索でプレイヤー自身が「空島」に乗り込めるようになってからですね。この段階では,プレイヤー自身が島を探索して,直接島でお宝を手に入れるという遊びになるのですが,自分のFCの戦力だけでは辛いことが出てくると思います。
4Gamer:
少人数のFCも多いですからね。
吉田氏:
そのときに,ほかのFCと同盟して,そのFCの人とはいつでも自分のFCのメンバーとして一緒に探索にいけたり,傭兵として数時間だけFCに所属してもらったりという設定ができる,というものを計画しています。永続的にFCに入りたくはないけど,傭兵のように報酬がもらえるのであれば手伝うというロールプレイができたらと思っています。
4Gamer:
ほかにもいろいろな場面で使えそうなシステムですね。ちなみに,同盟専用のチャットも用意されるのでしょうか。
吉田氏:
複数同盟の際に,際限なくチャットが増えてしまうのは困るので,その場合はリンクシェルを用意していただくか,システム的なサポートを行うかは協議中です。
一人歩きする噂話。ゾディアックウェポンの「レプリカ」と「メリット」は違うもの
4Gamer:
そういえば先日,某テレビ番組で吉田さんが登場して,新ジョブ暗黒騎士の専用マウントが,ほかタンクロールと同様に高難度コンテンツ200回クリアで出る……といった話をされてましたよね。新情報と言って良いのか分かりませんが。
あれは,別にあそこで情報を出そうとしたわけじゃないです(苦笑)。
4Gamer:
そうなんですか?
吉田氏:
日野さん(※レベルファイブ代表取締役社長 日野晃博氏)から連絡がきて,テレビの収録でプライベートシーンがまったくなくて困っていると。親しい人とリラックスしたところを撮りたいということで,出演を頼まれたんです。普段も月に1回くらいは日野さんと食事をしているので,では,いつも通りで,という感じだったのです。
4Gamer:
そのリラックスしたときの会話がFFXIVの新ジョブの話というのが,らしいというか(笑)。
吉田氏:
日野さんを特集する番組だから,できるだけ日野さんの良さが分かる話を引き出そうと思って,業界だったり,発想だったり,ゲームデザインだったり,コンテンツデザインだったり,そっちの話を振っていたんですよ……でも,日野さんがずっとXIVの話をしてくるので(笑)。
4Gamer:
FFXIVの用語ばっかり流れてましたよね。
吉田氏:
右下に「ファイナルファンタジーXIVの話です」という注釈が出ていて,見ててすごくジワジワきましたね(笑)。意外なんですけど,日野さんはそこまで細かく情報を追いきれていないらしくて。
4Gamer:
ふつうに相当お忙しいでしょうから,情報をすべて追うのはさすがに大変でしょうね。
吉田氏:
それで,「暗黒にマウントはあるの?」と聞かれたので,「あるよ」と返事して。「200回?」と聞かれたので,暗黒だけ回数が少ないというのはないですから,「それはそうでしょう」と答えたんですよ。そうしたら,ネットで「さすが吉田! あんなときにも新情報!」と。いや,新情報というほどでもないし,そもそも,あのシーンを選んだのは,僕じゃないですからね(笑)。
4Gamer:
そうですよね(笑)。
吉田氏:
あのあと,会う人,会う人に「見ましたよ」と言われて……。
4Gamer:
その一人がここに(笑)。ネット上の噂というところだと,ゾディアックウェポンを最後まで完成させたときの「メリットがレプリカだけ?」という噂が流れているとか。
吉田氏:
それについて,はっきりとお話ししておきますが,以前から話しているのは,ゼータまで完成させておけば,“パッチ3.1以降”に新しく武器を強くしていくコンテンツを実装したとき,何かしらのアドバンテージを考えていますよ,というものです。
4Gamer:
ええ。そうでしたよね。
吉田氏:
それが,なぜかネット上で,「3.0で,レリックのレプリカがもらえることがボーナスだ」という話になっていて……。たしかに「何かボーナスがある」といった感じで,ぼんやりと情報を覚えている人もいて,混同されている可能性はあるのかもしれません。
4Gamer:
ゾディアックウェポンを完成させると(パッチ3.1以降に)何かボーナスがあるらしい。(3.0で)ゾディアックウェポンのレプリカがもらえるらしい。これが混ざって,“ゾディアックウェポン”を完成させると“ボーナス”で“レプリカ”がもらえるらしい……と。
吉田氏:
レプリカを出す理由は,レリックのデザインが好きで(見た目を変えたくないから),ゾディアックウェポンに進めずにいるプレイヤーさんがいることです。それでは本末転倒ですし,あれだけレリックをハンマーで叩いてきたゲロルトですから,レプリカくらい作れるようになってもいいだろうということで,良かれと思って発表したのですが,そうしたらメリットはこれだけみたいな話が出てきて。もちろん,パッチ3.1からだと正しく把握してくださっている方もいます。
ただ,それくらいに,ネットの上に出てきた“なんとなくの噂”をソースにしてしまうということには,今後も気をつけなければいけないなあ,と。
4Gamer:
FFXIV関連は情報も多く,直近から将来まで多岐にわたっていますし,一次ソースを事細かに正しく把握するのも大変になっているのかもしれません。
吉田氏:
結局,そのなかで印象の強い断片的な情報が残ってしまうんでしょうね。
4Gamer:
プレイヤーにとって“いま重要でない情報”の場合,たとえば,ゾディアックウェポンの完成はまだまだ先だからと,興味の優先度が低くなることはあると思います。そこに,ネット上で見た噂が混ざって,間違った認識に……ということもあるかもしれません
吉田氏:
そういうことなのかなとは思います。ただ,だからといって我々がこの件を強調しすぎて,過大なアドバンテージがあるみたいな期待をされても困るので……。本当に,ステップが一つ飛ぶみたいなことはないですからね(笑)。
4Gamer:
ああ,今度はアドバンテージの噂話に尾ひれが付いて広がると……。
吉田氏:
ですから,現状でお伝えするのは,ほどほどにということで。
4Gamer:
ともあれ,ゾディアックウェポン・ゼータのメリットと,レプリカの話が別物ということは分かりました。
最後に,アーリーアクセスを楽しみにしているプレイヤーや,蒼天のイシュガルドを期に遊んでみようと考えている新規プレイヤーに向けて,コメントをお願いします。
吉田氏:
いま,まさに明日有休を取ったという人や,クライアントの事前ダウンロードはばっちりで,あとはもうサーバーに入るだけで「分かってるよな,吉田?」という方もたくさんいらっしゃると思います。当日は,E3のためロサンゼルスにいるのですが,皆さんが少しでも安定してプレイできるように,夜を徹してアメリカから最善を尽くそうと思います。
4Gamer:
アーリーアクセスが始まる日本時間の6月19日(18:00開始予定)はE3の最終日で,吉田さんは真夜中(現地時間2:00)に状況を見ることになるわけですね。
吉田氏:
はい。その中で,順番待ちやサーバーが落ちることがあるかもしれませんが……人気なんだな,安泰だなと思って……生暖かくご声援いただけると嬉しいです。もちろん,きちんと遊べるように全力は尽くします。ご迷惑をかけるシチュエーションが発生するかもしれませんが,ゲームを楽しんでいただけるように尽くしますので,楽しんでいただけるとありがたいです。
4Gamer:
私もプレイヤーとして期待しています。
吉田氏:
ありがとうございます。一方,これから(新規で)遊ぶという方は,「蒼天のイシュガルド」発売日(6月23日)のタイミングからになると思いますが,FFXIVはスタートが遅れたからといって追いつけないということは絶対にないゲームです。新生編に関しては,ドラマのコンプリートボックスを買ってきて,一気見しているような状態で進んでいくので,ストーリーはあっという間に追いつけると思います。
4Gamer:
もともと1クラスめは,メインストーリーを進めていると,レベリングはあまり意識しなくても良かったですからね。獲得経験値2倍なら,あっさりレベル50まで行けるでしょう。
吉田氏:
ええ。そこから,いろいろなジョブの育成を進めたり,アイテムを手に入れたりということも容易なゲームになっています。MMORPGだから難しい,追いつけないということもありません,恐ろしくボリュームのある新作RPGだと思って買っていただけると,その分だけのコストパフォーマンスは絶対保証します。こんなに安く,こんなに遊べるゲームはないと思うので,あらためてFFシリーズの最新作に飛び込んでいただけると嬉しいです。
4Gamer:
本日は,ありがとうございました。
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