このところ毎月多数のPCブラウザゲームを投入して注目を集めるDMM.comと,「
ソニコミ」や「村正」「といった作品で広い層から人気を博するニトロプラス。旬の両社がタッグを組んだ注目作が「
刀剣乱舞-ONLINE-」(以下,刀剣乱舞)だ。
日本刀を擬人化した「刀剣男士(とうけんだんし)」とともに戦う本作のプレイフィールをお伝えしていこう。
凛々しく美しい,日本刀系男士とともに戦おう
刀剣乱舞の主役は,日本の名刀を擬人化した刀剣男士達だ。プレイヤーは,モノに宿った想いを具現化できる「審神者(さにわ)」となり,日本刀から生み出した付喪神(つくもがみ)である刀剣男士達とともにさまざまな時代へと飛び,歴史を歪めようとする者達と戦うのだ。
刀剣男士は「男士」というだけあり,男性ばかり。こう聞くと乙女ゲームのように思えるのだが,刀剣男士のキャラクター立ちがしっかりしているうえ,激しいバトルがあるため,男性プレイヤーでもしっかり楽しめる内容になっていると感じられた。
刀剣男士とともに合戦場へ赴き,謎の敵を撃退し,戦闘が終われば,刀剣男士達の傷を癒したり,新たな刀剣男士達を生み出して戦力を強化していく……というのが本作の主な流れだ。
ブラウザゲームの基本に忠実だが,「施設作り」や「街作り」といった要素がないため,プレイヤーは刀剣男士達のコンディション維持や強化だけに集中できる仕組みになっている。ブラウザゲームは初めてという人でも分かりやすいだろう。同じDMM.comがサービスする「
艦隊これくしょん -艦これ-」とも似ている部分が見られるため,提督諸兄もコツを掴みやすいのではないだろうか。
オープニングムービーから。この世界には,さまざまなタイプの刀剣男士達が存在しているようだ
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刀剣男士を「鍛刀」し,戦力を充実させる
審神者であるプレイヤーには,ゲームスタート時に刀剣男士が一人(一振り?)与えられるのだが,これだけでは戦力としてはとうてい足りない。
ゲームスタート時には「打刀」から一人(一振り?)を選ぶことができる
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よって,「鍛刀」コマンドで新たな刀剣男士を生み出していく必要がある。「木炭」「玉鋼」「冷却材」「砥石」という四つの資源を投入する量を決定すれば,一定時間後に新たな刀剣男士が誕生するのだ。
「鍛刀」コマンドでは,「木炭」「玉鋼」「冷却材」「砥石」を使い,刀剣男士を生み出す
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刀剣男士は,クリティカル攻撃の出やすい「短刀」「脇差」,連撃ができる「打刀」(うちがたな),バランスがよい「太刀」,攻撃範囲が広い「大太刀」,敵の刀剣にダメージを与えやすい「槍」,敵部隊すべてに攻撃できる「薙刀」の7カテゴリが存在する。
刀部門はちょっと違いが分かりにくいと思うが,だいたい以下のような分類だと思っておけばよいだろう。
- 短刀
刃渡り30cm以下の直刀
- 脇差
二本差し時の小刀
- 打刀
一般的な日本刀
- 太刀
騎乗戦用の大きな刀
- 大太刀
とくに大きな太刀
レアリティが高いとされる大太刀,槍,薙刀が欲しくなるところだが,刀剣男士を指名して鍛刀するようなことはできない。どのカテゴリの刀剣男士が出てくるかは,資源の量だけでなく確率も絡んでいるようで,同じ資源を投入しても異なる刀剣男士が鍛刀されてくることがあった。
とはいえ,本作では刀剣男士の数が多いほど戦闘が有利になるうえ,「錬結」コマンドで刀剣男士を強化する素材にできるので,今の時点ではどんどん鍛刀してしまってかまわないだろう。
「鍛刀」で登場した刀剣男士達。「短刀」「脇差」「打刀」「太刀」「大太刀」「槍」「薙刀」の7カテゴリが存在するが,どのカテゴリの刀剣男士にするかは自分では決められない
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錬結は,育成したい刀剣男士に,素材の刀剣男士を合成することでパワーアップさせることができる要素だ。ほかのブラウザゲームでいうところの合成コマンドのようなものだが,素材となる刀剣男士によって上昇するパラメータが異なるため,試行錯誤が必要になるだろう。できるだけいろいろなカテゴリの刀剣男士達を揃えておきたいところだ。
こうして刀剣男士を揃えれば戦場へ出ることができるのだが,「刀装」コマンドを使えばより安心だ。鍛刀コマンドと同様,木炭,玉鋼,冷却材,砥石といった資源を投入すれば,「投石兵」「槍兵」「軽歩兵」「重歩兵」「軽騎兵」「重騎兵」「盾兵」「精鋭兵」「弓兵」「銃兵」のいずれかの力を宿した宝珠を作り出せる。これを刀剣男士に装備させることにより,パワーアップさせることができるのだ。
鍛刀と同様,作り出す宝珠の種類を指定することは不可能で,こちらも資源の投入量と確率で決められている模様。装備できる宝珠のカテゴリは刀剣男士ごとに異なっているため,出撃したいのに欲しい宝珠が手に入らずにやきもきさせられることもあった。ただ,資源自体は時間とともに増えていくため,投入量を変えつつ,いろいろと試していくといいだろう。
刀帳では,集めた刀剣コレクションを確認できる
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フルオートかつテンポのよい戦闘シーン
本作の華となるのが「出陣」コマンドだ。刀剣男士達とともに合戦場へと打って出て,歴史を修正しようとする敵と戦うのだ。
合戦場は,いくつかのマスを結んだ双六のようなマップとなっており,自軍の部隊はゴールへと向けて自動で行軍していく。分かれ道があった場合でも,賽子で進行方向が決められるため,別段難しい操作は必要ない。
合戦場はいくつかのマスを結んだマップとなっている。分かれ道では賽子で進行方向が決められるため,とくに操作する必要はない
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止まったマスによっては,敵部隊と出会うことがある。戦闘時には「魚鱗陣」「鶴翼陣」「横隊陣」「方陣」「雁行陣」「逆行陣」という6つの陣形を使いこなす必要がある。例えば,雁行陣なら刀剣男士の「打撃力」と「衝力」が上がって「統率力」が減少し,敵の逆行陣に強いなど,それぞれにパラメータ補正と相性が設定されている。
一見ややこしそうだが,陣形の相性を暗記したりする必要はない。戦闘前の偵察に成功すれば敵の陣形が判明し,どの陣形を選べば有利になるかも表示されるからだ。
敵部隊と遭遇した際,偵察が成功すれば陣形が分かるため,有利な陣形で挑むことができる
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戦闘はフルオートだ。「機動力」の高い順番で攻撃を行い,HPに相当する「生存力」にダメージを与えていく。敵味方が2回行動したところで戦闘は終了,形勢が有利なほうが勝利となる。敵味方の数が多くなっても,いたずらに戦闘が長引くようなことはないというわけだ。戦闘に勝利すれば,刀剣男士は経験値を手に入れる。これが一定値に達するとレベルが上がってより強くなるが,無理は禁物だ。
戦闘はフルオートで,「機動力」の高い順番で攻撃を行う
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特定の条件を満たすと「真剣必殺」が発動することも
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戦闘シーンは敵味方のカットインが行き交い,とにかくテンポがよい
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生存力が減っていくと刀剣男士のステータスが「軽傷」「中傷」「重傷」と悪化する。生存力がゼロになると「破壊」となり,刀剣男士はいなくなってしまう。ダメージが深いときなどは無理せず帰還するような判断も必要だろう。
刀剣男士がダメージを受けると,グラフィックスも変化する
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鍛刀や装刀といったコマンドに運の要素は絡むものの,やるべきことが刀剣男士のパワーアップに集約されており,忙しい人やブラウザゲームの初心者であっても,手軽に遊べる作品であると感じられた。世界観や用語は独特だが,UIが整理されているため,少し遊べばすぐに慣れることができるだろう。戦闘もフルオートな上に2ターンで終了するなど,とにかく分かりやすく親切な作りになっている。
その一方で,元となった刀剣の歴史が刀剣男士のキャラ立ちに反映されていたり,ゲームのいたるところで刀剣男士が声優のボイスで喋るなど,作り込みもしっかりしているのが印象的だった。
サービス開始直後からアクセスが殺到し,1月20日には新規受付を一時停止するなど,大きな反響を呼んでおり,今後が楽しみなタイトルと言えるのではないだろうか。