「ストIII 3rd」の祭典「第17回クーペレーションカップ」フォトレポート。レジェンドプレイヤー達の競演に白熱した現地の模様をお届け

　2019年1月6日，東京・台東区の浅草橋ヒューリックホールにて，対戦格闘ゲーム「ストリートファイターIII 3rd STRIKE -Fight for the Future-」（以下，3rd STRIKE）の大会イベント「第17回クーペレーションカップ」が開催された。

会場となった浅草橋ヒューリックホール

　1999年の稼働開始ということで，今年で20周年を迎える「3rd STRIKE」は，プレイヤーコミュニティの結束力が非常に高いのが特徴だ。本大会もまた，コミュニティ主導によって2001年からほぼ毎年開催されており，今回で17回目を迎えることとなった。レギュレーションは5on5の勝ち抜きチーム戦を採用し，本戦には102チーム510名が参加。前日に行われたプレイベント（チーム内で同キャラを使うという縛りのプレ大会）も合わせれば，174チーム870名がしのぎを削ることとなった。
　今となってはレトロと言っていいタイトルでありながら，参加者数や配信視聴者数も年々増え続けており，「3rd STRIKE」ファンの息の長さがうかがえるこのイベント。いわば，コミュニティの底力を象徴するような戦いの模様を，本稿ではフォトレポートでお伝えしていこう。

「クーペレーションカップ」公式サイト

Twitch内，配信アーカイブ

年に一度の「3rd STRIKE」祭

会場の入口付近では，大会パンフレットや記念Tシャツの販売の販売が行われていた。そのほか大会スポンサーによる物販ブースも

アーケード版の野試合台に加え，Attasaブースには先日発売されたばかりのコンシューマ版「ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション」の試遊台も

GAME NEWTON代表・松田泰明氏の挨拶で大会はスタートした。まずは１次予選リーグが進行していく

白熱する試合に，悲喜こもごもの選手達。コミュニティイベントならでは熱量の高さで，皆楽しそうだ

本大会の見所の一つといえるプレーオフマッチ。１次予選で惜しくも敗退したチームから代表者１名のみが選出され，敗者復活トーナメントに挑む。結果，決勝トーナメントへの最後の切符を掴んだのはチーム「カプセルd永山」。ヨモダ選手の活躍により，たった1チームのみの狭き門をくぐり抜けた

強豪vs.強豪。スター選手が集った決勝トーナメント

そして始まった決勝トーナメント。その注目は，トッププレイヤー5人による優勝候補筆頭チーム「Dream」を，いったいどのチームが倒すのかに集まった。加えて北米＋関東の混合チーム「Los Vatos Locos」の躍進も目立った。海外選手の決勝トーナメント進出は，クーペレーションカップで初とのこと

激闘の結果，決勝戦に駒を進めたのは，下馬評通りの優勝候補「Dream」と，こちらも強豪5人を集めた「西日暮里バーサス」の2チームとなった。ちなみに後者は，「Dream」を倒すために集まったチームとの噂だ

決勝戦に臨む両チーム。番狂わせで盛り上がることの多いクーペレーションカップでは，双方ともに強豪ばかりというのは，やや珍しい展開ではある

反則級の面々が集った「Dream」。左から弟子犬選手（ケン），ヌキ選手（春麗），いっせー選手（ユン），けんぞー選手（ヤン），FUDOH｜ハイタニ選手（まこと）

こちらは「西日暮里バーサス」の面々。左からMOV選手（春麗），マッチ選手（豪鬼），ヴァナヲ選手（リュウ），かし選手（ケン），トミナガ選手（まこと）

まずは先鋒戦。「西日暮里バーサス」からは，この日，圧倒的なまで暴力で相手をなぎ倒してきたトミナガ選手（まこと）がエントリー。対する「Dream」は，3rd勢の中でも一線を画すセンスで知られるけんぞー選手（ヤン）に白羽の矢を立てる。ノリにノッたまことを相手に，ヤンがどう立ち回るのかが注目されたが，結果はなんとけんぞー選手の完封勝利という劇的な展開となった

ここからはまさに激闘続きの展開に。「西日暮里バーサス」次鋒のMOV選手が，けんぞー選手，いっせー選手，そしてハイタニ選手までをごぼう抜き。劣勢に立たされた「Dream」だったが，副将のヌキ選手がMOV選手＆かし選手を撃破して五分へと戻す

ここで「西日暮里バーサス」は，最強豪鬼との呼び名が高いマッチ選手を副将として投入。ヌキ選手に対し苦手意識があるというマッチ選手だが，それを跳ね除ける立ち回りで見事撃破。大金星を上げた

いよいよ後がない「Dream」の大将は，現在の3rd STRIKE界でカリスマ的な存在の弟子犬選手。背水の陣にもかかわらず，マッチ選手を何もさせずに完封し，最強ケンの名にふさわしい立ち回りを見せた

「西日暮里バーサス」大将はウェルプレイド所属のプロゲーマー，ヴァナヲ選手。決勝の大トリがリュウvs.ケンという，ストリートファイターシリーズの原点とも言える展開に会場もヒートアップ

そして迎えた大将戦。ヴァナヲ選手が電刃波動拳を決めて先制するも，弟子犬選手がそこから巻き返して第1ラウンドを奪取する。流れはそこから弟子犬選手に傾き，一気に攻め立ての勝利。見事「Dream」が優勝を遂げた

数々の強豪選手が集い，内容的にも最高峰の戦いが展開された第17回クーペレーションカップ。来年もまた，こうした場が途切れることなく続いていくことに期待したい

「クーペレーションカップ」公式サイト