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かわいい蒼葉に脳内クラッシュ! 五感をフル稼働させて楽しむ脳内クラッシュ演劇「DRAMAtical Murder」フラッシュバック,ゲネプロ公演レポート
ニトロキラルのBLアドベンチャーゲーム「DRAMAtical Murder」(以下,「ドラマダ」)を原作とした脳内クラッシュ演劇「DRAMAtical Murder」フラッシュバック(以下,「ドマステ」)が,2023年5月7日まで品川プリンスホテル ステラボールにて上演されている。本公演は,2019年12月に上演された脳内クラッシュ演劇「DRAMAtical Murder」の再演だ。初演では「紅雀」「ノイズ」「ミンク」「クリア」「蓮」の5ルートだったが,再演では新要素として「ウイルス&トリップ」ルートが追加され,全6ルートとなっている。
本稿では,4月28日の開幕前に行われた関係者・メディア向けゲネプロ公演での「紅雀」ルートの模様をお届けしよう。あわせて,開幕キャストコメントも掲載する。
※本稿には舞台のネタバレとなる写真や文章が含まれています。今後,観劇予定の人はご注意ください。
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BLアドベンチャーゲーム「DRAMAtical Murder」を原作とした,脳内クラッシュ演劇「DRAMAtical Murder」フラッシュバックが,東京・品川プリンスホテル ステラボールにて,2023年4月28日に幕を開ける。本稿では,演出の中屋敷法仁さん,蓮&セイ役を演じる山﨑晶吾さんへのインタビューをお届けする。
かわいい蒼葉に脳内クラッシュ!
ゲネプロ公演レポート
舞台は,原作ゲームと同様,レトロな謎のメッセージがモニターに映し出されたところから始まる。巧みなダンスや演技で「ドラマダ」の世界の再現を手助けするアンサンブルの,クールなパフォーマンスに誘われて,蒼葉ら登場人物たちが続々と登場する。
物語の舞台は,今よりずっと先の未来,日本の南西に位置する“碧島”。かつては自然と人々が共存する豊かな島であったが,日本有数の財閥「東江財閥」が有する会員制娯楽施設「プラチナ・ジェイル」と,この強引な開発の犠牲となった島民たちが暮らす「旧住民区」に二分されていた。
その旧住民区にあるジャンクショップ「平凡」で,働きながら祖母・タエと暮らす主人公の蒼葉。この旧住民区には,2つの勢力が存在する。チームを作り,肉弾戦での縄張り争いを繰り広げる「リブスティーズ」と,仮想世界を舞台にした電脳オンラインゲーム「ライム」に熱狂する「ライマー」だ。平穏を望む蒼葉はどちらにも属していないが,なんの前触れもなく謎の人物の手で「ライム」に参加させられてしまったことをきっかけに,彼の日常に異変が起き始める……というのが大まかなあらすじとなる。
本公演は,作品のサイバー感を表現した装飾がステージの周囲を囲っており,中央の大きなモニター以外にも何個か小さいサイズのモニターが設置されているのが特徴的だった。そこにゲームの映像を映し出すなど,光を注いで独特な世界観を見事に再現していた。
物語を盛り上げる音楽には,主題歌「AI CATCH」を含む原作ゲームのBGMを使用していたり,舞台版としての配役はない蒼葉の祖母であるタエさんや竜峰がモニターにちらっと登場したりと,原作ファンにもうれしいポイントが盛りだくさん。
物語の展開は,基本的に原作ゲーム通りで,紅雀ルートでの絡みのシーンのとあるくだりを含め(後述),「ここは欲しいよね!」というシーンは,すべて入っていたかのように見受けられた。観るだけで帰ったらまた,ゲームをプレイしたくなる……!
再演の大きな見どころといえば,「ウイルス&トリップ」ルートの追加,初演から続投となる役者たちの進化した演技,そして新キャストとなる土屋直武さんが演じる蒼葉だろう。
事前に公開された蒼葉のビジュアルからきりっとした印象を受けたが,動く姿を観て「え,待って! カ,カワイイ!!」と,目一杯ときめいてしまった……! ころころ変わる表情は子犬っぽく,かわいいとは言えどもちゃんと男の子らしさが残っている蒼葉である。そこから,謎の頭痛に襲われて出てくる,荒々しい印象のもう1人の人格に切り替わる様は「すごい!」のひと言(切り替わる速さがスピーディすぎる)!!
休憩を挟んで始まる2幕目では,紅雀との物語が展開していく。想いを深めるからこそ明らかになる,幼いころから抱いていた紅雀の蒼葉への想い,普段の様子からは想像できない荒々しい一面と辛い過去の数々。苦難を乗り越えた先にある紅雀とのドキドキの絡みのシーンは,蒼葉がガッ! と紅雀の頭を引き寄せてからのキスシーンで始まって……。
はにかみながらも紅雀を受け入れる蒼葉,たくましく彼を包み込む紅雀。そして原作プレイ済みならば絶対に外せない(?)鼻血シーンも見事に入っており,ふふっとさせられた。甘酸っぱいシーンにときめきとドキドキ,メモをとる手が止まらない!!
終演後にはゲネプロながらもカーテンコールが実施され,原作ゲームの主題歌「AI CATCH」にのせてキャラクターたちがダンスパフォーマンスで魅せてくれる。曲が流れている間は撮影が可能で,SNSでの投稿も可能な楽しくも特別な時間であった。
綿密な設定と世界観で,ただの恋愛モノにとどまらないディープな「ドラマダ」の世界を描いた本舞台。キャストの迫真の演技,さまざまな演出,ギミック,音楽で原作のスタイリッシュな雰囲気を感じつつ,キスシーンありの刺激的ながらも甘々なシーンも堪能できる,満足度の高い舞台であった。1公演観ると,他のルートの公演も見たくなる気持ちがさらに強まる!
本公演は現在チケットが発売中(当日券の情報は公式Twitterをチェック)で,ライブ配信+見逃し配信もあるので,気になっている人は今すぐ確認してもらいたい。
「脳内クラッシュ演劇「DRAMAtical Murder」フラッシュバック公式Twitter
「脳内クラッシュ演劇「DRAMAtical Murder」フラッシュバック配信視聴チケット購入ページ
開幕キャストコメントをお届け!
演出:中屋敷法仁さん
五感をフル稼働させて楽しむ舞台,脳内クラッシュ演劇「DRAMAtical Murder」が,フラッシュバックの名の下に,皆さまの目の前に帰ってきました。ストーリーが分岐する「ルート」も新たなものが追加され,ボリューム満点な全6ルート。初演でお馴染みのキャストに加え,魅力的な新キャストも参戦です。俳優たちの熱演と映像とダンスを融合させたパフォーマンス,過激で刺激的な脳内クラッシュの世界をたっぷりとご堪能くださいませ!
蒼葉 役:土屋直武さん
今回,公演毎にルートが違うという,初めての経験をさせていただきます。メインとなるキャラクターとの関係性がすべて違うぶん,全て攻略したくなるような,原作に触れているような,楽しい公演となっています。3年半前に皆さまが見た景色が,タイトルの通りにフラッシュバックすると思います。さらに,今回は新ルートが追加され,前回を超える衝撃をお届けします! 舞台を観てますます原作が愛され,再びさまざまなコンテンツに皆さまが触れた時に,この舞台もフラッシュバックしていただけたら嬉しいです。
紅雀 役:小波津亜廉さん
本作は再演ですが,変わらない面白さと,新しいルートや新しいメンバーが追加されたことで,より深く,濃く,面白いストーリーがどのルートでも楽しめると思います。僕自身,紅雀として全力を尽くして役を演じ切りますので,皆さまもそれを楽しんで,明日への活力にしていただけましたら幸いです。
ノイズ 役:富園力也さん
帰ってきたドマステ!! 楽しみで仕方がないです! 僕の初舞台で演じた“ノイズ”。続投できることに感謝して,新たに進化した姿を皆さまにお見せします。ノイズルートでは,人としての当たり前とは何か,を考えさせられます。ぶつかってぶつかって感じ合う。もう恋愛漫画のケンカのような……でもないような(笑)。ノイズとして全力でぶつかり,皆さまの目に焼きつけます。ぜひ応援の程よろしくお願いします!!
ミンク 役:八巻貴紀さん
あのドマステがパワーアップして今回帰ってきたということで,僕自身楽しみです。ルートも1つ増え,全6ルート……もう何が何だかわからないと思いますが大丈夫です。僕もよく分かりません。ただ1つ言えるのはどのルートも見どころ満載ということです。特にミンクルートがオススメです(笑)。脳内クラッシュ演劇ということで,みんなで脳内クラッシュしましょー!!
クリア 役:山縣悠己さん
3年半前のドマステでは,ファンの方々の熱い声援などたくさんの反響をいただけたことを強く覚えています。それを1つの正解と考えつつも,今回は「再演」ということだけではなく「フラッシュバック」というキーワードを掲げ,ルートの追加はもちろん,さまざまな要素やキャストも初演とは変わってるので,ドマステにまた新しい風が吹くことになると確信しています。原作のクリア,3年半前に演じたクリア,そして今回演じるクリア。それぞれを愛してもらえるよう「フラッシュバック」に挑みます!
ウイルス 役:富永勇也さん
初演のドマステ時,カーテンコールでウイルス&トリップルートをやりたいと言いました。それからおよそ3年半の月日が経ち,ウイトリルートができることになりました。ずっと待っていてくださった皆さま,誠にありがとうございます。SNSなどを通して声を上げてくれていた事を知っています。そんな方達にも,今回初めてドマステをご観劇くださる皆さまに対しても,そして配信で遠くから観てくださる方たちにも,報いることができますように。どうぞよろしくお願いいたします。
トリップ 役:磯野 大さん
たくさんの皆さまに愛された作品が,長い時を経て帰って参りました。ルートが分岐すると,まったく違ったストーリーが展開されていき,稽古場では感情がジェットコースター状態でした。どのルートも見逃せません! そして今回は,新たにウイルス&トリップのルートも追加されました。ウイトリルート果たして結末やいかに……。ご覧くださるすべての皆さまへ,毎公演大切にお届けさせていただきます。劇場でお待ちしております!
ミズキ 役:岩城直弥さん
約3年半の時を経て,さらに新たなルートもある再演です。前回よりパワーアップした続投キャストと,そこに新しい風を吹き込む新キャスト。新しいドマステの化学反応をぜひお楽しみください!! ちなみに岩城の個人的推しポイントは,山﨑晶吾くん演じる蓮の完成されたBODYです! 乞うご期待ください!!
悪島 役:牧田哲也さん
劇場に入ってこの作品の世界がグッと色濃くなって来ました。“脳内クラッシュ”させる世界観の作り方はとても丁寧で,初演は幕が開けてからうなぎのぼりでチケットが売れたと聞いて,その意味が稽古を重ねて,劇場に入ってどんどん分かってきました。それぞれの関係性から見えてくる想いが,いろんな角度から見られて何度観ても楽しめる舞台です。僕はその世界を良い意味でぶち壊していきたいです。ぜひ生で,劇場でご覧ください。
蓮 役/セイ 役:山﨑晶吾さん
今回から1ルート追加となり,さらに刺激的なドラマダを体感していただきたいなと思っております。いろいろな恋愛の形があり,どのように皆さまに受け取っていただけるのかが楽しみです。僕自身,さまざまな役をさせていただいており,どのルートもサポートしつつ乱していきたいなと思っております。最後まで応援よろしくお願いします。劇場でお待ちしております。
脳内クラッシュ演劇「DRAMAtical Murder」フラッシュバック
公演情報
【期間・劇場】
2023年4月28日(金)〜5月7日(日)
品川プリンスホテル ステラボール
【原作】ニトロキラル
【演出】中屋敷法仁
【脚本】内田裕基
【出演】※敬称略
蒼葉役 土屋直武
紅雀役 小波津亜廉
ノイズ役 富園力也
ミンク役 八巻貴紀
クリア役 山縣悠己
ウイルス役 富永勇也
トリップ役 磯野 大
ミズキ役 岩城直弥
悪島役 牧田哲也
蓮/セイ役 山﨑晶吾
大石 樹
岡村 樹
神田初音ファレル
山中啓伍
【スタッフ】※敬称略
音楽 GOATBED
振付 スズキ拓朗
美術 中西紀恵
照明 吉枝康幸
音響 山本能久
映像 荒川ヒロキ
衣裳 山下和美
ヘアメイク 小竹珠代
特殊造型 林屋陽二
演出助手 千代麻央/溝端理恵子
舞台監督 小林広道(DDR)
技術監督 堀 吉行(DDR)
宣伝美術 TRMN
宣伝写真 須田卓馬
【主催】
脳内クラッシュ演劇「DRAMAtical Murder」製作委員会
脳内クラッシュ演劇「DRAMAtical Murder」フラッシュバック紹介ページ
(C)2012 NITRO ORIGIN (C)脳内クラッシュ演劇「DRAMAtical Murder」製作委員会