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[TGS 2015]クローン労働者となって“溶けた世界”を取り戻せ。「The Tomorrow Children」メディアセッションレポート
The Tomorrow Childrenは,PixelJunkシリーズなどを手がけるキュー・ゲームスの最新作だ。ゲームの舞台となるのは,冷戦時代のソビエト連邦が行った研究により,あらゆる存在が“溶けて”しまった世界。プレイヤーは,人類文明を再興するために作られたクローン労働者を操り,オンラインでつながった同士達とともに,世界を発展させていくことになる。
今回の説明会では,キュー・ゲームスの代表取締役にして,本作のディレクターを務めるDylan Cuthbert(ディラン・カスバート)氏と,SCEジャパンスタジオのプロデューサーである田中和治氏より,本作の概要が説明されたので,早速レポートしたい。
なお,多くのスクリーンショットを交えたクローズドαテストのプレイレポートを掲載済みなので,興味のある人は,そちらもチェックしてほしい。
若者よ,人間の未来を担う労働者となれ。独特の世界観とオンラインプレイが特徴的な「The Tomorrow Children」クローズドαテストをレポート
まずは登壇した両氏から,The Tomorrow Childrenの基本的なゲームシステムが紹介された。Cuthbert氏によると,本作には,町の外で資材を採掘する「労働」,町の拡充を行う「繁栄」,町を襲う外敵と戦う「闘争」の3種類の要素を備えているという。
そうして収集した資源は,町に保管され,新たな施設を作るための資材として活用される。これらの資材を使って,町の機能を向上させていく部分が第二の要素である「繁栄」にあたる。
これだけならば,ちょっと変わった都市建設シミュレーションといったところだが,戦闘要素があるというのが本作のポイントだ。町の周辺にはときどき,「イズベルグ」と呼ばれる謎の怪物が出現し,放置していると町を破壊してしまう。これを阻止するために,ロケットランチャーなどの武器を駆使して戦うのが,第三の要素である「闘争」。町が広がれば防衛も難しくなるので,拡充に合わせて戦力も用意せねばならない,というわけだ。
街の発展状況などは,同じ町にログインしているプレイヤー全員に共有されるが,各プレイヤーには「何らかのアクションを行った時に姿が見える」程度の薄いつながりしか存在せず,他プレイヤーに対する直接的な介入は行えない。
とはいえ,プレイヤー同士が役割分担すれば,スムーズに町を発展させることが可能となる。姿が見えた他プレイヤーの働きに「GOOD」か「BAD」の評価と報奨を与えることもでき,評価される働きをすれば,労働効率も上がるという仕組みだ。明確な意思統一はできないので,日本人的なの空気読み能力を活かして,自らの役目を見出そう。
実機を用いたゲームの解説も行われた。ログインした町は,TGS会場の試遊台でプレイできるのと同じところで,チラホラと他のプレイヤーの影も見える。
実際のプレイを見て驚かされたのは,自由度の高さだ。先の説明を聞いて,堅苦しいゲームという印象を持つかもしれないが,実際にはかなり自由にゲーム世界を動き回れる。本作の要素である労働・繁栄・闘争の3点は,あくまでも“できること”であって,“やらなければならないこと”ではないのだ。
田中氏いわく「極論すれば,何もしなくてもいいんです。町を攻撃して破壊することだって可能ですよ」とのこと。ただ,町の破壊を続けると,他プレイヤーの画面に「クリミナル」(罪人)として表示されるようになり,BAD評価を受けやすくなってしまうとのこと。BAD評価が累積すると,他プレイヤーが仕かける「罠」による拘束の対象になるので,やり過ぎには気をつけよう。
正式版のゲームでは,クローズドαテスト版からさまざまな部分に変更が加えられるそうだ。クローズドαテスト版では,1つの町の人口が200人に到達すると完成だったが,正式版では人口が無制限となる。人口の増大に合わせた新要素も用意されているようなので,将来のコンテンツ追加にも期待しておこう。
また,機能面にも追加要素があり,アイテムをダンボール箱に入れてわざと落とすことで,他プレイヤーへ受け渡すことが可能になったという。数少ないコミュニケーション手段なので,上手に活用したい。
両氏もまだまだ説明したりない様子だったが,ここで説明会は終了。独特なゲームシステムを持つ作品だけに,今後の出てくる情報も楽しみだ。いち速くThe Tomorrow Childrenを体験して,人類の復興に貢献したい同士諸兄は,TGS 2015で試遊に挑戦してほしい。
The Tomorrow Children 公式Webサイト
4Gamer「東京ゲームショウ2015」特設サイト
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