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「ハースストーン」でカードバックが“感染”するパンデミックが発生中。MMORPG史に残る珍事件がいま再び
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印刷2019/02/06 10:10

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「ハースストーン」でカードバックが“感染”するパンデミックが発生中。MMORPG史に残る珍事件がいま再び

カードバック「ハッカーの烙印」
画像集 No.003のサムネイル画像 / 「ハースストーン」でカードバックが“感染”するパンデミックが発生中。MMORPG史に残る珍事件がいま再び
 Blizzard Entertainmentの「ハースストーン」iOS / Android / PC)で,一風変わったゲーム内イベントが本日(2019年2月6日)スタートした。

 このイベントに参加したプレイヤーは,新たなカードバック(カードの裏面デザイン)の「ハッカーの烙印」を獲得できる。入手方法は独特で,ハッカーの烙印を装着しているプレイヤーと対戦を行うと,自分も獲得できるという仕組みだ。
 このときのゲームモードは問われず,また勝っても負けても獲得できるが,対戦は最後まで行う必要がある。どちらかがコンシード(降参)した場合は無効となる点には注意してほしい。

 日本国内では,インフルエンサーやゲームメディア関係者など,合計10名程度が最初の感染源として指定されているとのこと(※筆者もです)。ここからアクティブプレイヤーへ,じわじわと行き渡りそうだ。

画像集 No.010のサムネイル画像 / 「ハースストーン」でカードバックが“感染”するパンデミックが発生中。MMORPG史に残る珍事件がいま再び


 ところで,このイベントは,WarcraftシリーズのMMORPG「World of Warcraft」で2005年9月に発生した,“Corrupted Blood事件”をモチーフとしている。WoWの経験者でなくとも興味深いエピソードだと思われるので,順を追って説明しよう。

画像集 No.008のサムネイル画像 / 「ハースストーン」でカードバックが“感染”するパンデミックが発生中。MMORPG史に残る珍事件がいま再び
 Corrupted Bloodは,WoWのとあるダンジョンのボスモンスターが発するDoT(継続ダメージ)の一種である。このDoTは近くにいるPC/NPCへと次々に感染するが,短時間で消失することもあり,ボスを討伐するようなベテランにとっては“ちょっとウザいデバフ”程度の扱いであった。

 ところが,このDoTがイレギュラーな方法で屋外に持ち出され,拠点エリアのNPCが感染してしまったのである。人口が密集している大都市などではあっという間に感染が拡がり,駆け出し冒険者など多くのPCはDoTのダメージに耐えられずバタバタと倒れてゆく。一方でNPCはHPが高いため死ぬことはなく,周囲にDoTを撒き続けた。その結果,仮想世界のMMORPGでパンデミックが起こったのである。

 この感染経路や,絶望に直面したときのプレイヤーの行動などが現実世界の伝染病に類似していたことから,当時は(リアルの)パンデミックの研究材料としても取り上げられ,論文なども発表された。「Corrupted Blood事件」でgoogle検索を行うと,関連サイトが多数ヒットするので,興味を持った人は調べてみるとよいだろう。

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見てのとおり拠点エリアは死屍累々となった。サーバーメンテナンスで強制的にリセットされるまでの1週間,この状況が続いたという(※写真はGDC 2017講演記事より)
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[GDC 2017]「Hearthstone」のリードデザイナーが明かす,プレイヤーが「語りたくなる」ゲームデザインとは(※4Gamer関連記事)



 このDoTを発するボスモンスターの名前は,「Hakkar the Soulflayer」。つまり今回配布されるカードバック「ハッカーの烙印」(Mark of Hakkar)の由来というわけである。もっとも,仮にハースストーンで感染してもデスナイトになったりランクが落ちたりはせず,かっこいいカードバックがもらえるだけなので,その点はご安心を。



 ちなみに,WoWでパンデミックを引き起こした元凶のHakkar the Soulflayerは,ハースストーンにも登場している。天下一ヴドゥ祭で追加された,レジェンドのミニオンカード「魂剥ぐロア・ハッカー」だ。こちらもいかにもな能力を持ち合わせているので,合わせて紹介しよう。

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「魂剥ぐロア・ハッカー」
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「ケガレた血」

 魂剥ぐロア・ハッカーは,断末魔で「両プレイヤーの山札に「ケガレた血」(Corrupted Blood)を1枚ずつ混ぜる」という効果を持つ。このケガレた血が曲者で,山札から引いてしまうと3ダメージを受け,同じカード2枚が再び山札に混ぜられる。さらに“自動詠唱”扱いなので,直ちに次のカードが引かれる。
 分かりやすく言うと,ターンが進行するにつれケガレた血を引く確率が跳ね上がり,下手をすると3ダメージを何度も食らってしまうのだ。お互いの山札がパンデミックに侵されるかのような,非常にリスクの高いカードである。

画像集 No.009のサムネイル画像 / 「ハースストーン」でカードバックが“感染”するパンデミックが発生中。MMORPG史に残る珍事件がいま再び
 しかし,このときに自分のリスクを減らす戦術が存在する。一例としては,ドローカードを駆使して自分の山札を積極的に減らしつつ,ロア・ハッカーの断末魔を発動させたあと,「キング・トグワグル」で相手と山札を丸ごと交換。すると対戦相手は,ほとんどケガレた血しかない山札を延々と引き続けるはめに陥り,まさに即死級のコンボとなるのだ。

 ここではハースストーンの有名プレイヤーが製作した,魂剥ぐロア・ハッカーを用いたコンボデッキの動画2本を引用させていただこう。かなりの高難度かつユニークな戦術で,初見で食らった人は呆然となること請け合いである。


「Tansoku」さんの動画
【超難解】CN鯖レジェンド1位デッキ!ハッカートグワグルドルイド【ハースストーン/Hearthstone】
https://youtu.be/6utzHArLhac

「しょーいん」さんの動画
【面白デッキの季節】ロア・ハッカープリーストで埋め尽した【ハースストーン】
https://youtu.be/2YIX3lGgc4A
 

 WoWのCorrupted Blood事件は,いまもMMORPGプレイヤーのあいだで語り草となっている。他方,多くのオンラインゲーム運営会社にとって,こういった珍事件は蒸し返したくはないと考えてもおかしくはなさそうだが,Blizzardは自らネタにしており,個人的には同社の懐の深さのようなものを感じた。ハッカーの能力をデジタルカードゲームで再現したセンスの良さや,連綿と続くWarcraftシリーズの奥深さも同様である。

 ハースストーンを継続的にプレイしていれば,遅かれ早かれこのカードバックを入手できると思われるので,当面は対戦相手の手札にも注目してみよう。そして見事獲得したときは,Corrupted Blood事件のことを思い出してもらえれば幸いだ。

カードバックのデザインはハッカーをモチーフとしている。赤い骨格に乗った青い羽が揺れ動くという鮮やかなデザインだ
画像集 No.007のサムネイル画像 / 「ハースストーン」でカードバックが“感染”するパンデミックが発生中。MMORPG史に残る珍事件がいま再び

「ハッカーの呪いが降り注ぐ!」(公式サイト内)


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