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  • 発売日:2015/04/23
  • 価格:1480円(Steam)
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「Crypt of the NecroDancer」開発者インタビュー。ダンジョン探索要素とリズムゲームをミックスさせたアイデアの源泉とは
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印刷2015/07/14 16:02

インタビュー

「Crypt of the NecroDancer」開発者インタビュー。ダンジョン探索要素とリズムゲームをミックスさせたアイデアの源泉とは

BitSummit 2015の会場では「Dance Dance Revolution」のコントローラでプレイできるようになっていた
画像集 No.002のサムネイル画像 / 「Crypt of the NecroDancer」開発者インタビュー。ダンジョン探索要素とリズムゲームをミックスさせたアイデアの源泉とは
 ビートに合わせてダンジョンを攻略していくローグライク・リズムゲームとして知られる「Crypt of the NecroDancer」PC / Mac / PS4 / PS Vita)。2015年4月にPC版が発売されたが,そのPlayStation 4,PlayStation Vita版の開発が進められている。海外では開発元であるBrace Yourself Gamesがセルフパブリッシングするが,日本ではPlayStation 4,とPlayStation Vita版をスパイク・チュンソフトが発売する予定だ(関連記事)。

 Crypt of the NecroDancerは,ダンジョン探索要素とリズムゲームを組み合わせたタイトルで,“ネクロダンサー”に魂を抜き取られて,踊らされてしまうようになった主人公が,その復讐のためにダンジョンに潜っていく。
 そんな本作の開発者であるRyan Clark氏に,7月11日と12日に京都・みやこめっせで開催された「BitSummit 2015」の会場で話を聞くことができたので,その内容をお伝えしよう。

画像集 No.004のサムネイル画像 / 「Crypt of the NecroDancer」開発者インタビュー。ダンジョン探索要素とリズムゲームをミックスさせたアイデアの源泉とは

4Gamer:
 よろしくお願いします。最初にBitSummitの感想を聞かせてください。

Clark氏:
 BitSummitの知名度は年々上がっています。日本のインディーズゲームへの注目が高まりつつあるのは,とても嬉しいことですね。未来のゲーム業界において,ゲームに新たな革新性をもたらすのは,日本のインディーズゲームだと感じていますので,BitSummitの成功が,日本のインディーズデベロッパの後押しをするといいですね。

4Gamer:
 本作は,「プレイヤーにとって,より“フェア”なローグライクを作ろう」と思ったことがきっかけで開発されたとのことですが,リズムゲームとローグライクをミックスするという斬新なアイデアはどこから生まれたのでしょうか。

Clark氏:
 「Spelunky」というローグライクなプレイ要素を備えたインディーズゲームにインスパイアされました。Spelunkyは,プレイヤーの死ぬ理由が明確なゲームで,ミスをおかすと死んでしまいます。運が悪かったからというケースは稀でした。
 昔ながらのローグライクゲームは運に左右されることが多く,それは時にストレスの原因となります。そのため,私はSpelunkyのように,“フェアに”遊べるローグライクゲームを作ろうと思ったのです。

4Gamer:
 フェアな部分はSpelunkyの影響が大きいということですね。

Clark氏:
 ええ,Spelunkyを“フェア”なゲームとして遊べる所以は,リアルタイム性の高いゲームプレイにあると思いました。そのリアルタイム性を自分のゲームにも取り込みたかったのと同時に,ローグライクのターンベース要素も失いたくなかったのです。
 ですから,私は各ターンの時間が短い,クイックな思考が必要とされるゲームを作ろうとしました。これも楽しかったのですが,プレイしているうちに,自分がリズムにのってゲームをプレイしていることに気付いたのです。試しにマイケル・ジャクソンの「スリラー」のビートに合わせてプレイしたら,最高におもしろかったんですよ!


4Gamer:
 そんな秘話が。では,実際の開発にあたって,最も苦労した部分を教えてください。

Clark氏:
 一番大変だったのは,世界中を旅することでした(笑)。 幸運にもいろいろなイベントに招待してもらい,東京やニューヨークなど,7か月間で8つのショーに参加しました。

4Gamer:
 かなりの強行スケジュールですね。

Clark氏:
 インディーズのスタジオとしてこれだけのショーに出て回るというのは,ゲームの開発スピードにも影響がありました。ですが,最高の経験でしたね。

画像集 No.001のサムネイル画像 / 「Crypt of the NecroDancer」開発者インタビュー。ダンジョン探索要素とリズムゲームをミックスさせたアイデアの源泉とは

4Gamer:
 2013年のPAX Primeで本作が出展されたとき,出来上がっているように見えたので,2014年内には発売されると思ったのですが,実際には,Steamにアーリーアクセス版が2014年7月,完成版のリリースは2015年4月でした。どの部分の調整に,これだけ長い時間がかかったのでしょうか。

Clark氏:
 ゲームをアーリーアクセス版として公開したときに,多くのゲーマーが“スピードラン”形式で遊んでいました。ですから,開発にもう少し時間をかけ,ファンのフィードバックや,スピードランがもっと楽しくなるような要素をゲームに取り入れていたんです。まあ,先ほどいったように,いろいろなイベントに参加していた影響も否めないですが(笑)。

4Gamer:
 アーリーアクセス版のリリース以来,プレイヤーからの反応はほとんどがポジティブなものでした。開発する側としてはそれをどのように感じましたか。

画像集 No.005のサムネイル画像 / 「Crypt of the NecroDancer」開発者インタビュー。ダンジョン探索要素とリズムゲームをミックスさせたアイデアの源泉とは

Clark氏:
 もちろん,うれしかったです! ローグライクとリズムアクションを融合させた風変わりなゲームを作るというのは,我々にとって大きなリスクでしたが,ファンが楽しんでくれているのが分かり,安心しましたね。
 アーリーアクセス期間中,可能なかぎりバグの数を減らすよう努め,新しいバグが見つかったら,すぐにゲームをアップデートして修正しました。その結果,アーリーアクセス期間の評価は99%がPositive(良い)となり,Steamで配信されたアーリーアクセスタイトルの中で,一番高い評価を獲得できたのです。

4Gamer:
 思わず体が動いてしまう,ノリのいいBGMも本作の特徴ですが,ゲーム中には何曲ぐらい収録されているのでしょうか。

Clark氏:
 A_RivalとFamilyJules7Xによって作られた別サウンドトラックも含めると,トータルでは50曲以上になります。音楽というのはこのゲームの核となる要素ですから,非常に力を注いだ点ですね。

4Gamer:
 PCのストレージにある曲をゲームに使用できるという要素がありますが,PS4版にそういった機能は実装されますか。

Clark氏: 
 PS4ですとハードウェア的な制限がありますので,現状では難しいと思っています。ですが,打開策のようなものがあれば,実装したいですね。

画像集 No.006のサムネイル画像 / 「Crypt of the NecroDancer」開発者インタビュー。ダンジョン探索要素とリズムゲームをミックスさせたアイデアの源泉とは

4Gamer:
 ちなみに,Brace Yourself Gamesは何名のメンバーでゲームを開発しているのですか。

Clark氏:
 フルタイムで働いているのは3人ですが,多くの外部協力者と提携を結んでおり,本作の開発にかかわったコアなメンバーは,8人ですね。

4Gamer:
 では最後に,日本のプレイヤーへのメッセージをお願いします。

Clark氏:
 Steamでゲームを購入した人の10%は日本からで,それは驚くべき数字です。私が日本の人達に受け入れてもらえたゲームを作れたことは本当に嬉しいですね。私は日本の文化や,日本そのものが大好きですから。
 私の新婚旅行は東京でしたし,日本のアニメやゲーム,食べ物,文化を愛しています。そんな日本に対して,ゲームを通じて幸せやエンターテインメントを提供できたので,本当にうれしく思っています。日本のゲーマーのみなさん,本当にありがとうございます!

スパイク・チュンソフト 海外事業グループプロデューサーの本間 覚氏(左),Brace Yourself GamesのRyan Clark氏(中央)
画像集 No.003のサムネイル画像 / 「Crypt of the NecroDancer」開発者インタビュー。ダンジョン探索要素とリズムゲームをミックスさせたアイデアの源泉とは

 なお,PS4/PS Vita版のローカライズを担当するスパイク・チュンソフト 海外事業グループプロデューサーの本間 覚氏によると,日本でのリリースにあたり,オリジナルの追加要素などを考えているそうだ。詳細は未定と前置きをしつつも,“スパイク・チュンソフトのIPを使用したなにか”も構想にあるということなので,続報に期待したい。

「Crypt of the NecroDancer」公式サイト


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