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[TGS 2015]板垣伴信氏らがゲーム開発の真髄を語ったトークイベントをレポート
Valhalla Game Studios 代表取締役 CTO 板垣伴信氏 |
Valhalla Game Studios 執行役員 岡本好古氏 |
ソフトギアはオンラインゲームの開発やデバッグ業務を専門に行うメーカーで,ゲーマーにとって必ずしも知名度は高くないかもしれない。しかし,同社は商号を変更しており,それ以前は「ファンタジーアース ゼロ」を手がけたフェニックスソフトという名前だったと聞けば,知っている読者も少なくないかもしれない。
現在のゲーム開発には多くのスタッフが関わっており,先日発売された「Devil's Third」の場合は,日本が約100名,海外が約600名だったという。その中で,ネットワーク要素の開発をソフトギアが行っており,そういう縁で今回のトークイベントが実現したそうだ。
トークは,ゲーム開発の本質という,いきなり核心めいた話題で始まった。板垣氏はあらゆるギャンブルに手を出しているそうだが,なぜそこまでのめり込むのかといえば,ギャンブルの勝ち負けは実は平等ではなく,ルールにのっとった知性と知性のぶつけ合いをして,最終的に知性が上回ったほうが勝つからだという持論を展開した。そして,その本質はゲーム開発にも通じると板垣氏は続けた。
そのため,板垣氏が若手スタッフにゲーム開発のノウハウを教えるときは,「まず雀荘に連れていく。麻雀が弱いヤツに,面白いゲームは作れない」と語った。
続いてステージには,ソフトギア 取締役の北尾剛三氏と,コンテンツ開発部 副部長 の金子章典氏が登場して板垣氏と岡本氏に加わった。北尾氏と金子氏も,多くの有名タイトルの開発に関わった経験を持っており,続いて「俺の方がもっとオモシロいゲームをつくれる。」と題されたトークが繰り広げられた。
さまざまなエピソードが語られると同時に脱線も激しく,聞いているぶんにはとても面白いが,レポートとしてまとめるのは苦労するというライター泣かせのトークだったのだが,あえてキーフレーズを挙げれば,「ゲームはオンライン要素が当たり前」「クリエイターが作って終わりではなく,プレイヤーと共に作り上げていく」というのが登壇者全員の共通認識だった。
今回のイベントでは,この問題に対する結論は出なかったが,オンライン化がさらに進んでいくと,こうした議論が増えていくのかもしれない。
歯に衣を着せない板垣氏の話は本質をズバズバと突き,岡本氏らの話も興味深いものばかりだった。板垣氏らの動きには,今後も注目していきたい。
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Devil's Third
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