レビュー
モータースポーツのすべてを集約したシリーズ最新作
GRID Autosport
※PC版はCodemasters(海外法人)から6月24日に発売
思い起こせば2008年,イギリスに本社を置くCodemastersが日本進出第1弾タイトルとして発表したのが「RACE DRIVER GRID」(PC/PS3/Xbox 360)だった。筆者は日本語版の発売を待ちきれず,海外版を購入して遊びまくったことを覚えている。
それから4年半後となる2013年に登場したのが,続編にあたる「RACE DRIVER GRID 2」(PC/PS3/Xbox 360)。新たにストーリーの要素が追加され,草レースを楽しむ新米ドライバーがトップレーサーへと成り上がっていくサクセスストーリーを体験することができた。
そして,今回発売されたシリーズ最新作「GRID Autosport」では,プレイヤーはプロドライバーとしてチームやスポンサーからのオファーをこなしながら,チャンピオンシップの頂点を目指すことになる。
「モータースポーツをすべてを詰め込む」というシリーズのコンセプトはそのままに,イギリスの老舗モータースポーツ誌「AUTOSPORT」が完全監修したという本作。さらに有名レースドライバーやジャーナリストのアドバイスも取り入れることで,かつてない完成度のレースゲームに仕上がっている。
「GRID Autosport」公式サイト
市販車や高級スポーツカー,フォーミュラカーで
世界中のサーキットや市街地を駆け抜ける!
もちろん国産車も収録されており,Subaru BRZ,Honda Integria Type R DC5,Honda NSX R,Nissan 2004(Z34)350 Nismo Drift Tuned,Honda 5zigen Civic,Mazda RX-7 Type RZ,Nissan 2008(R35)GT-R Nismo GT500,Honda HSV-010 GTなど,多彩な顔触れだ。収録リストを眺めるだけでも楽しめるのではないだろうか。
収録車種は,市販車ベースのマシンでサーキットを走る「ツーリングカー」,究極のレースカーであるフォーミュラカーで戦う「オープンホイール」,タイヤの摩耗などを気にしながら長時間のレースを走り抜く「耐久レース」,専用チューニングを施したマシンでタイムアタックやドリフトなどに挑む「チューン」,市街地コースを走る「ストリートレース」という,5つのカテゴリのいずれかに属している。
カテゴリによって選択可能なマシンが限定されるため,自由度は低いが,それでも各カテゴリの収録車種は相当なもので,すべてのマシンを試走するだけでも膨大な時間が必要となるだろう。
なお,カメラ視点にはドライバー視点でプレイできるコクピットビューと,車載カメラを意識したダッシュボードビューが追加され,7種類となっている。とくに前者は,意外にもプレイしやすいので,一度試してみることをオススメする。
カメラ視点はコクピットビュー(左)とダッシュボードビュー(右)が追加された |
レースタイプは,一般的な順位を競い合う「レース」,規定の周回内で最速ラップを目指す「タイムアタック」,規定時間内に走行した距離を競う「耐久レース」,そしてドリフト走行の技術に応じた獲得ポイントで争われる「ドリフト」が用意されている。さまざまなレースを体験できるのが嬉しいところだ。
気になる収録コースは,市街地コースや実在のサーキットなどを含む27のロケーション,159のコースが収録されており,シリーズ最大のボリュームとなっている。セパン・インターナショナル・サーキット,スパ・フランコルシャンといった有名サーキットをはじめ,前作にも登場した日本の奥多摩のような市街地コースも健在だ。
ちなみに逆走コースも用意されているため,スパ・フランコルシャンの有名なコーナー,オー・ルージュを猛スピードで駆け下りるといった“未知の走り”も体験できる。かなりのスピード感があるので,ぜひお試しを。
チームメイトに指示を出しながら
チャンピオンを目指す「キャリア」が熱い
本作のゲームモードは,「キャリア」「カスタムカップ」「オンライン」「スプリットスクリーン」の4つ。このうちメインとなるのが,1人のプロドライバーとして自分をサポートしてくれるスポンサーと契約し,チームやスポンサーからのオファーをこなしながらチャンピオンシップの頂点を目指す「キャリア」だ。
このモードでは,25の節目で構成された「シーズン」が設定されており,シーズンの開始時点で5つのカテゴリ(ツーリングカー,オープンホイール,耐久レース,チューン,ストリートレース)の中から挑戦するものを選択する。最初は下位レベルのレースイベントしか参加できないが,それぞれのマシンカテゴリでレースに挑み,経験値(XP)を稼ぐことで上位レベルのレースイベントが選べるようになる仕組みだ。
新しいシーズンを迎える際に,どのカテゴリに挑戦するのかはプレイヤーが自由に選択できるので,1つのカテゴリに絞ってもいいし,得意な分野から順番に挑戦してもいい。ただし,すべてのカテゴリのレベルが3,6,9に達すると,「GRIDシリーズ」と呼ばれる高難度のシリーズに挑めるようになる。できるだけまんべんなく,5つのカテゴリを攻略していくのがオススメだ。
「キャリア」で何よりもまず大事なことは,経験値を獲得してレースを終えること。上位を目指すのはもちろんだが,「ファステストラップを出す」「ノーダメージで完走する」「合計2000mドリフトする」「特定のライバルに勝利する」といった契約スポンサーのオファーに応えて,ボーナス経験値を取りこぼさないようにしたい。
とはいえ,チームメイトの能力が低ければ,いくら作戦が的確でもどうにもならないこともある。スポンサーと契約するときには,チームメイトの情報もしっかりチェックしておかないと痛い目を見るかもしれない。このあたりは,従来のレースゲームにはなかった要素と言えるだろう。
レベルが上がるにつれて,1つのシーズンに実施されるレースイベントが増え,さらにライバル達も強くなるため,優勝するのは一筋縄ではいかない。それでもチームメイトと連携して,個人とチームを頂点に導くのがエースドライバーの仕事なのだ。
「カスタムカップ」は,レースモードやマシン,コース,ルールなどを自由に設定して楽しめるモードだ。ちなみに,前述の「パーティーモード」はこのモード限定である。
世界中のプレイヤーと対戦したり,課題に挑戦したりできる「オンライン」は,「キャリア」とは異なる進行データになっている。最初に選べるマシンはVOLKSWAGEN GOLF Rのみで,オンラインレースや「RACE NETチャレンジ」の課題に挑んで獲得した資金を使って,マシンを購入していかなければならない。しかも,マシンはレースに参戦すると徐々に劣化していくため,メンテナンスの資金も必要になるところが面白い。
マシンを購入する際は新車か中古車を選べるのだが,もちろん中古車のほうが低価格だ。その代わり,頻繁にメンテナンスが必要になるため,頭を悩ませることになる。“劣化”の要素はオンラインのみとなっているが,個人的には「キャリア」にも採用してほしかったと思う。
最後の「スプリットスクリーン」は,分割画面で2人対戦が楽しめるモード。たまには友達と肩を並べて,レースバトルなんてのもいいかもしれない。
リアルに再現された挙動,ライバルとのバトル
熱いモータースポーツの世界を楽しもう!
レースゲームのタイプは大きく分けると,マシンの挙動を忠実に再現したシミュレーション系,または遊びやすさを追究したアーケード系に分類される。前作「RACE DRIVER GRID 2」はアーケード系という印象だったが,「GRID Autosport」ではシミュレーション系の挙動特性となっている。
実際にプレイしてみると,タイヤのグリップ感まで伝わってくるようで,多少オーバースピードでコーナーに突入すると,アウト側に押し出されるアンダーステアを感じられる。そこでアクセルを抜いてハンドルを切り直せば,フロントはスッとコーナーの内側を向き,ハンドリングとアクセルワークで強引にコーナーを走り抜けることも可能だ。
コーナー中にタイヤのグリップの限界を見極めながら攻めるのは,レースゲームの醍醐味であるが,さらにマシンの動きが理にかなった挙動を見せてくれると面白さは一段とアップする。本作は,マシンの挙動にリアリティを求めるプレイヤーにも満足できるはずだ。
また,マシンのチューニングはブレーキバイアス,ディファレンシャル,ギア比,ライドハイト,サスペンション(前後)といった項目を,スライドバーによって細かく調整できる。レースタイプやコース特性に応じて,最適なセッティングを探ってほしい。
さらに,ライバルカーの速さやマシンの挙動に関するアシスタント機能などは,細かく調整できるので,自分の腕前に合わせたゲーム設定にすれば,レースゲーム初心者からコテコテの熟練者まで幅広い層が楽しめる。
もちろん,腕に自信のある人には難度ベリーハードでプレイしてほしいところだ。これまでのレースゲームでは味わったことのない,抜きつ抜かれつのレースバトルを楽しめるはず。ぜひとも挑戦してみてほしい。
「GRID Autosport」公式サイト
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