プレイレポート
データに埋もれて遊ぶ“ドラクエ”はやっぱり楽しい。「ドラゴンクエスト モンスターズ WANTED!」でモンスターの配合に明け暮れてみよう
グラフィックスを売りにするもの,ストーリーで引っ張るもの,溢れるリアリティで引き付けるもの,違う人生を垣間見せてくれるもの,ファンタジーの世界にひたらせてくれるもの……。そんなさまざまなゲームの中のジャンルの一つとして――4Gamerを含むどこのゲームメディアでもそういう分類はほとんど見かけないが――「データマネージメント系」とでも呼ぶべきものがあると筆者は勝手に思っている。
例えが偏っていて申し訳ないが,有名どころでは「SimCity」や「Hearts of Iron」などがそれで(実はやったことないのだけれど「ダービースタリオン」なんかもそうなのかな。あとは「ポケットモンスター」なども,ある種この部類かもしれない),全体を見渡し,データを管理/チェックし,自ら小さなマイルストーンを設定しながらそこに向かってゲームを進め,一つ達成したらまた次のマイルストーンを設定する,そういうタイプの作品だ。この手の作品は,たいがいの場合,明確なゴールやゲームの切れ目は存在しない。
単に“シミュレーション”とか“ストラテジー”とかの言葉が示す範疇には収まらない,ひたすらにデータと格闘していくタイプのそれら作品は,たいがいの場合地味な見かけで,度肝を抜くグラフィックスも,フルオーケストラのBGMも,豪華声優陣も泣けるストーリーもなんにもない。それゆえ“楽しめる人を選ぶ”という欠点はあれど,好きな人にはたまらない,唯一無二の作品となりうるものなのだ。
……と,よく分からない前口上で始めたが,個人的には,この「ドラゴンクエスト モンスターズ」(DQM)のシリーズも,(ずいぶんにぎやかな見かけではあるが)その手の作品として分類できるんじゃないかと思っている。
噛めば噛むほど味の出るDQMシリーズ
4Gamerの読者でDQMを「本当にまったく知らない」人がいるのかどうか分からないが,軽く説明しておこう。DQMは,ドラクエシリーズのモンスターにフォーカスした育成系のRPGで,その名のとおり,ドラクエシリーズの外伝的な作品群にあたる。
本シリーズでは,プレイヤー自らは原則として戦闘に参加しない。代わりに,仲間のモンスター達が戦ってくれる。ダンジョンに繰り出し,モンスターを仲間にし,彼らを引き連れてダンジョンに繰り出して成長させて,配合し,新たなモンスターを作り出し,またそれらを引き連れてダンジョンに繰り出して……という作品だ。ローグ系(“シレン系”とか“トルネコ系”と呼ぶべきか)や古き良きWizardryにも似て,ゲームシステムは「繰り返し」の要素が大半を占め,やればやるほど,噛めば噛むほど,楽しさが増してくる名作シリーズだ。
ドラゴンクエストVIの登場キャラクター「テリー」にフォーカスした初代ゲームボーイ版が1998年に登場し,その後,プレイステーション,ゲームボーイアドバンス,ニンテンドーDS,フィーチャーフォン,ニンテンドー3DSなど主に携帯機を総なめにして,システムを大きく変更しつつもエッセンスをキレイに残したAndroid版の「ドラゴンクエスト モンスターズ WANTED!」(Wanted)が登場したのが,2年ほど前。わざわざAndroidを調達してずいぶんやり込んだが,メイン機種をiPhoneに固定したタイミングで脱落,今回ついにiOSにも登場したので再びゼロから始めてみた次第だ(Android版からもデータ引き継ぎさせてください……)。
2年前の4Gamerはスマホゲームを紹介する機会をなかなか作れなかったので,いまこのタイミングで,改めて紹介させてほしい。
DQMは,ドラクエ特有の可愛らしい(?)モンスターを集めて図鑑を埋めていく感じもたまらないし(本作では500種以上いるらしい),「AとBを配合してαを作って,CとDを配合してβを作って,αとβを配合してγを作って……」と,膨大な配合ツリーを下から地道に1つ1つ埋めていって,最後に究極のモンスターを作り上げるチマチマした感じなど,もうたまらない。これをやってると,自分がいかに地道な作業が好きなのかを思い知らされる。オルゴ・デミーラに至るまでの,100回を超える配合をツリー構造で書いているときなんか,もう幸せ。
なので,喜び勇んでスマホ版の「ドラゴンクエスト モンスターズ スーパーライト」に飛びついた。たぶんDQMのファンであれば,みなそうだろう。
飛びついた……のだけど,なんかこれ,違う。確かに面白くて雰囲気もあってよく出来ているが,これは「DQM」ではない。そもそも,モンスターの捕獲と,誰もがいつか必ず強いモンスターを作れるというシステムと,ランダム性が皆無の配合と,制約の厳しい特技の習得,そしてそれらのマネージメントがDQMの“真骨頂”なわけで,その要素の多くをガチャとランダム性に依存してしまった以上,やはりDQMの本筋から離れてしまうことは避けられない。なるほど,わざわざ“スーパーライト”と付けた意味がようやく理解できた。かけたお金は“スーパーライト”じゃなかったけど!
個人的にはちょっとだけ残念だけど,きっとこのあといろいろ追加されるだろうし,雰囲気は十分に出てるし続けようかなーと思っていた矢先に,iOSでまさかのWanted登場だ。Wantedのモンスターの種類や配合ルールなどはDQMの1と2がベースになっているので,当時熱中したけどDS版はちょっとやってないなぁ……という人でも安心。
しかし昨今のスクウェア・エニックスのスマホへのやる気を見る限り,きっといずれ,本編のDQMもスマホ版として出してくれるんじゃないかなー,と期待している。ホントお願いします。
スマホの文脈に沿ってリファインされたDQM
さて本作のプレイヤーは,賞金稼ぎだ。ふとした理由で生活することになった街で,悪者モンスター(って書くとなぜか可愛い)の退治と捕獲を請け負う,言うならばバウンティハンター。モンスターの悪行に困り果てている人達の頼みをクエストという形で受け,それを遂行していくことで,賞金を稼いで経験値を積み上げ,モンスターを育てていく。
クエスト遂行はいまどきのスマホアプリっぽく,派遣するモンスターを決めてあとは待つだけ。自らダンジョンにせっせと潜って,いまだにうまく使えない(筆者だけなのかな)バーチャルパッドであたふたと操作する必要はない。
送り出して一定時間が経つと,派遣したモンスターのステータスと相手のステータス,および天候など(雨に弱いとか強風に強いとか)が考慮され,自動的に勝敗が決まる。勝つと,その派遣した土地に関するアイテム(錬金の素材だったり装備品だったり)と賞金,経験値が入り,それが捕獲クエストであれば,対象モンスターを捕獲できる。
クエストの対象モンスターの強さは直接教えてはくれないが,クエスト画面の星の数で“なんとなく”想像が付くようになっている。星がいくつだとステータスは数値的にこれくらいだな,という基本ルールが理解できれば,あとはつまづくことは何もないだろう。
なおそれ以外に,オリジナル版(1&2)のDQMに比べて,
・ハンターランク
・闘技場
・錬金
などの要素が追加されている(闘技場などは要素としてDS版などにもあるが)。
ハンターランクは,単にプレイヤーのレベルのようなものだと思ってよい。このランクによって,受けられるクエストのレベル(=星の数)が違う。とはいえ制限がかかるようなものでもなく,普通にプレイしていれば,たぶんハンターランクがモンスターの強さを遥かに抜いて,受けられるんだけど手持ちのモンスターではとうてい達成できない状況になる。なのであまり気にしなくてもよいだろう。
闘技場は,いわゆるPvP(対人戦)だ。自分が育てたモンスターを,ほかのプレイヤーのモンスターと戦わせて,勝てばメダルを入手することができる。ドラクエシリーズお約束の“さくせん”以外の指示はまったくできないので,特技の組み合わせが非常に重要になる。またここにも“バトルランク”というランクがあるのだが,自分のバトルランクよりも低いレベルで戦わせても,バトルランクを上げるためのポイントは入手できない。
ポイントは得られないがメダルは入手できるわけで,それなら低いレベルで戦ってればいいんじゃない? と思うかもしれないが,このメダルにも種類(ブロンズ,シルバー,ゴールド,ピンク)があって,それぞれのバトルランクで入手できるメダルが決まっている。そしてそれぞれのメダルは,交換できるモンスターが決まっていて,上位のメダルほど重要な(≒強い)モンスターと交換できるというわけだ。
別にメダルなんていらないから闘技場は行かなくていいや,と思うかもしれないが,持てるエサの数の上限値が上がったり(=長時間放置してもエサが無駄になりづらくなる),クエストのボス戦で出せるモンスターの数が増えたり,モンスターに装備させられるアイテムの数が増えたりと,バトルランクが上がるにつれ,ゲームを進めていくうえで重要なファクターが次々と解放される。また,メダル交換でしか入手できないモンスターもいるので(これがまた重要な配合素材だったりもする),なににせよ進めておいて損はない。
しかし中でもとりわけ重要なのは,「ボス戦で出せるモンスターの数の増加」だ。それぞれのエリアでクエストを遂行していくと,そのうち“ボス”が登場するのだが,このボスを倒すと「だいくどうぐ」が入手できる,場合もある。ここでしか入手できない,とも言えるが。
ボスモンスターが持っているアイテムにしては生活感あふれる名前だが,これがないと,牧舎の増築(=連れていけるモンスターの数に影響する),魔物預かり所の広さ(=モンスターを捕まえてキープしておける枠の数に影響する),素材倉庫の大きさ(=保管しておける素材の種類数に影響する)など,さまざまなところに影響が出る。事実上,ゲームを快適に進めるための必須アイテムだ。
当然ながらボス戦というだけあって,それなりに強いモンスターが登場する。しかも相手は割と頻繁に3体で登場するので,最初の状態で出せる「1体」だけでは,1,2戦勝てればいいところだろう。というわけで,バトルランクは絶対に上げておいたほうがよい。ランクを8まで上げれば3体出せるようになるので,まずはここが目標だ。
錬金は,道中で拾ったアイテムを組み合わせてモンスターの装備品を作るフィーチャーだ。別に錬金をがんばらなくてもゲームの進行に支障はないが,本作には装備制限がないので,モンスターをLv1から育てるときのドーピング用として最適だ。装備品があれば,Lv1のモンスターをいきなり☆3や☆4のクエストに出すこともできる。
Lv1のモンスターを☆3に出すと,入る経験値量が多いのでLvアップも早い。クエスト一回の勝利でLv10を越すことなどザラだ。つまりそれは,ステータスも10レベル分上がるということで,Lv1のモンスターがほかのモンスターと同様のレベル域のクエストを出来るようになるのが早くなるということだ。
序盤はとくに,錬金の材料が供給過多になりがちなので面倒になってつい放置してしまうが,手が空いたときに進めておくといいだろう。あとの戦闘がラクになる。
DQMといえば配合。配合を知らずしてこのゲームは語れない
さて,ここまでWantedについて説明してきたが,さほど難しい要素はない。ゲームの進め方そのものは,非常にシンプルなのだ。むしろ文章だけ読むと「なんだポチポチゲーか」と思われてしまうんじゃないかと思って,いらぬ心配もしてしまう。
むしろつまづくのは「配合」なのだ。DQMシリーズの最重要パートにして,メインフィーチャー。そしてもっとも面白い部分。この配合さえ理解できれば,このゲームは楽しく順調に進められる。
釈迦に説法かもしれないが,配合とは,2匹のモンスターから違うモンスターを生み出すアクションのことだ。獣系モンスターに“アンクルホーン”を掛け合わせると「ボストロール」が生まれたり,“しりょうのきし”と“さまようよろい”から「がいこつけんし」が生まれたりする。モンスターのLvが10になったら配合できるようになるのだが,手当たり次第に10になったら配合してればいいというものでもない(まぁそれでも楽しいだろうけれど)。
自分が作り上げたい最終形ーーオルゴ・デミーラなのか,オリハルゴンなのか,デスタムーアなのかーーを決め,そこに向けてひたすらに邁進していくのが,純然たるマネージメントゲームとして楽しい。お気に入りのモンスターをひたすら強くしたり,鳥系だけでパーティを作ってみたり,いろいろな楽しみ方があるとは思うが,やはりやるからには長く楽しみたいし,闘技場でも勝ち抜いていきたい。図鑑だって埋めてみたいじゃないですか。なににせよ,ベースとなる強いモンスターは必要だろう。
配合の基本ルールは以下の3つ。
・Lv10以上で配合できるようになる
・特技は,配合する2匹のモンスターが持っているものを2つまで引き継げる
・配合するとLvは1に戻るが,Lvの上限値が上がって基礎ステータスも底上げされる
何も配合していない素のモンスターでも,Lvの上限値は40くらいあるので(系統によって違う。一番低いのは虫系とスライム系),Lv10で配合してしまうと,基礎ステータスの底上げ分があまりおいしくないし,そもそも元のモンスターが持つ特技をまだ覚えていない可能性がある。
じゃあLv上限値まで育ててから配合すればいいんだよね,という話になるが,それはそれであまりにも時間がかかりすぎる。前述のように,ちょいとばかり強いモンスターを作ろうとすると,数十回,場合によっては100回以上の配合が必要になるため,まぁなんというか,がんばるにも限度があるというか。しかも後述するが,Lv最大まで育てても,特技を覚えられない可能性だって,ある。
そんなこんなで個人的に採用している手法は「基本的にLv20まで育ててから配合」という方法だ。配合済みのモンスターなどは,プラスの数ぶんだけレベルを引き上げる(星二つならLv22まで)。そのあたりまでいけば多くの特技は覚えられるし,ステータスもそこそこ育っている。むろん最大値ではないので“おいしさ”は減るが,そのぶん配合は早く進むわけで,まぁどちらを採るのかという話である。
しかしその場合でも,要となるモンスター(最終段階とかその2段階手前くらい)の配合のときは,Lvキャップ近くまで上げておいたほうがいいだろう。配合後のステータスは「2匹分を足して4で割った数値」が設定される……はずなので,目標に近ければ近いほど,そこは上げておく必要がある。
「特技」の管理が,この作品の隠れた肝
……しかし,途中でサクサク進めるにせよ,最大値まで上げてから配合するにせよ,そうやってみんなが強いモンスターを作ると,最後は全員同じパーティになるんじゃないの? という疑問も出てくるだろう。ごもっとも。しかしDQMシリーズには「特技の継承」があり,これで十二分に差別化は図られるのだ。
特技とは,一般的に言うところのスキルのことで,モンスターそれぞれが2種類ずつ持っている。ホイミやハッスルダンス,ベホマラー,バイキルトなど,名前はもちろんドラクエシリーズの用語そのものなので,本作に興味を引かれたような人なら,わざわざ新しい用語を覚える必要はないだろう。そして特技は,自分が持つ2つ以外にも,配合のときに継承するための2枠が用意されており,合計4つの特技を覚えられるようになっている。
しかしちょっと待ってほしい。つまり,配合を重ねたモンスター同士をさらに配合すると,合計8つのスキルから,継承する2つを選ばねばならないわけだ。一度配合すると,Lvの横に「+数字」という形で(Lv21+3,など)配合回数が記録されていくのだが,順当にゲームを進めていくと,+3同士の配合とかはザラで,+3ともなると,そこに至るまでに選び抜いて残した特技を持っている。その8つの中からさらに2つを絞らねばならないという,楽しくも厳しい選択を迫られるわけで,残す特技と,それを覚えさせるモンスターの選択(MPが少ないモンスターに,大量にMPを使う特技を覚えさせても事実上意味がない,とか)というマネージメントまでを含めた楽しさがあって,DQMというゲームは成立しているのだ。
ドラクエファンであれば,パッと思いつく「持たせたい特技」はいくつもあるだろう。バイキルト,ベホマズン,めいそう,マヌーサ,スクルト,いてつくはどう,ひかりのはどう,せいれいのうた,ザオリク……。それらをどのタイミングで手に入れて,誰に覚えさせるのか。それを考えるのもまた,この作品を面白くしている。
しかもこの特技,モンスターが持ってさえいれば容易に手に入る……ようなものではない。
例えば攻略サイトなどを見て「ほうほう,トーテムキラーは“せいれいのうた”を持ってるのか。すげえいいじゃん!」と思ったとしよう(せいれいのうた=唱えた次のターンに全回復/全復活)。しかもトーテムキラーは,割と序盤で容易に捕まえられるモンスターなので,そこで“せいれいのうた“を入手してずっと残し続ければかなり強くね? みたいなことを考えるはず。もちろん筆者も,かつてそう考えた。
しかしそれは叶わぬ夢だ。普通のRPGでレベルが上がると新しい呪文を覚えるように,特技にはそれぞれ「覚えるタイミング」が設定されているのだが,この“せいれいのうた”は,
Lv27必須 HP198必須 MP94必須 素早さ145必須 賢さ162必須
という割とキツい条件が設定されている。ありていに言って,普通にレベルアップしたトーテムキラーが上記の条件を満たすことは,おそらく結構厳しい。捕獲した個体によって微妙にステータスは違うので,100%ありえないとまでは言えないが,ステータスを満たす前に,たぶんレベルの成長上限に引っかかる。つまり,“(当初は)事実上入手できない可能性が高い特技”なのだ。
それでも“せいれいのうた”はむちゃくちゃ強力な特技なので,どうしても欲しい。闘技場で勝ち抜いていくためにも,ぜひに欲しい。レベル上限とステータスのベース値を上げるために,トーテムキラーに物質系を配合し続けて(同系統を配合する場合は,主となるモンスターは変化しない),強力なステータスと高い成長上限を持ったトーテムキラーを作るのか,それとも,配合して作るだけでも莫大な時間がかかる,キングアズライルやワンダーエッグなどの強力なモンスター(=強力なステータス&成長上限が高い)を作ってそこで入手するのか,選択はプレイヤーに委ねられている。それもまた,ゲーム内の楽しい“選択とマネージメント”なのだ。
……こういうことをゲームの紹介で書くのはどうかと思うが,ことDQMに関して言うならば,攻略情報がないと確実に厳しい。前述のとおりガチャのシステム自体が存在せず,文字どおり(時間さえかければ)「まったくお金がかからずに遊べる」作品であることは断言できるが,いざ真剣に遊ぼうとしたり,闘技場でズンズン勝ち抜いていこうとしたりするならば,攻略情報は確実に必要となる。
本作に関しては,攻略情報を見たからといってゲームプレイの最重要な部分がスポイルされるわけではないので個人的にはまったく気にならないが,そういうのが嫌いな硬派な人は,ココロしてかかったほうがいいだろう。
合間にチマチマ進めるのに最適な作品が,このWanted
DQMの面白さのエッセンスをそのままに,スマホにキレイに移植できている本作は,ドラクエシリーズが好きな人,慌ただしいゲームが苦手な人,データマネージメントが好きな人などにとくにオススメだ。ゲームがどんどん進んで後半に差し掛かると,だいたい一回のクエストで1〜3時間かかるようになるので(半分に短縮できるアイテムをリアルマネーで買えるが),文字どおり“空き時間”にやることになり,連続した時間をゲームに使えないような人にもオススメできる。というか,そういう人にこそオススメしたい。
なんかスタミナ消費制のゲームって,寝る前とかにスタミナが残ってると損した気になって,眠いのについ一生懸命減らしちゃったりして,しかも迂闊にも自分の経験値を見てなくて減らしてる最中にレベルアップしてスタミナがまたフルになっちゃって,オレなにやってるんだろう,と言いたくなることってありませんか(筆者だけですか)。Wantedには,そういうことはまず起こらない。メンタルストレスがないのは素敵なことだ。
そしてなにより素晴らしいのは,本当にまったくお金をかけなくても楽しめること。どんなに強力なモンスターでも,時間さえかければ必ず入手できる。強いモンスター入手のためにガチャを引く必要はないのだ(というかガチャそのものがない)。確かに,日替わりで強力なモンスターを売ってはいるが,何度も配合を重ねて強化された個体のほうが圧倒的に強いので,むしろ時間をかけて配合によって入手するべきだろう。
まぁエサ(=クエストに出すための必要アイテム)の回復にはそれなりに時間がかかり,しかもそれが結構な時間(1時間でエサ1つ=クエスト1回分)必要なので,リアルマネーで解決しないとかなりの時間がかかることは否定しない。なので,いくら紹介記事とはいえさすがに“気軽に楽しめる”とまでは書けないが,そんなにガツガツとプレイしなければ満足できるはずだ。
期間限定のガチャとか,期間限定のコラボモンスターとか,“本当にそこでしか入手できない”ものが量産されて,あとから始める人を置いてきぼりにする要素もない。少なくとも,Android版ではなかったと記憶しているし,のんびりやったところで取り返しのつかないことになることもないだろう。一般的なRPGなどと違って,「どこまで進めたか分からなくなった><」ということも起きないし。
また,仮にエサ代でお金を遣ったとしても,ガチャのように“数千円”,“数万円”という単位でお金を遣う羽目になることはまずないだろう。500円でクエスト90回分が買えるのだ。いつもはチマチマと空き時間にクエストに繰り出しながら,ちょっと時間が取れる日に500円払ってエサを大量に仕入れてガツガツ進める,という楽しみ方が,本作には合うと思う。
とくに序盤は,クエスト1回の時間が1分とか5分とかで,クエストに出しても一瞬で戻ってくるのでエサが決定的に足りず,「結局エサ代かかるじゃんか!」と思うかもしれないが,そこをちょっとだけ我慢すれば,あとは比較的順調だ。ゲームの進み方とエサの回復時間がシンクロし始める(でも1000円くらい払ってエサを大量入手して,クエストに連続投下するのも結構楽しい)。
なおここでは触れていないが,水やり(木からステータスアップの木の実が入手できる)などの要素のほか,ゲームが進むにつれて,ピンクメダルや卵,闇クエスト,指名手配など,さまざまなフィーチャーが解放される。まったりとやり込む要素が満載で,ゲームの時間を連続して取れない社会人プレイヤーなどは,これ一本で半永久的に遊べるんじゃないかとさえ思える。
むろんどのゲームでもそうだが「こんな人に勝てるわけない」とまでやり込んでいる人も見られるが,大丈夫,気にしなくてよい。大半の人は,まったりのんびり遊んでいるだけだ。
最後に,初めてDQMシリーズを遊ぶ人は勝手が分からないだろうから,最初に目指すべきオススメモンスターとその配合リストを記しておこう。「これが最強だ」などと言うつもりはないし実際に最強ではないが,比較的少ない配合回数で作れる“強くて序盤に便利なオススメモンスター”を選んだつもりなので,ぜひこのあたりを参考にしつつ始めてみてほしい。これらがある程度育てば,闘技場のランク8くらいまでは容易に進めるので,ゲームも一気に序盤を脱却できる。
それではみなさん,闘技場でお会いしましょう。お手柔らかに。
・キラーマシン2
(序盤の戦闘要員として。強力なモンスターの素材にもなる)
├キラーマシン
│├物質系
│└グリズリー
│ ├獣系
│ └悪魔系
└キラーマシン
├物質系
└グリズリー
├獣系
└悪魔系
・しんりゅう
(序盤の戦闘要員として。強力なモンスターの素材にもなる)
├スカイドラゴン
│├ドラゴン系
│└ホークブリザード
│ ├鳥系
│ └がいこつけんし
│ ├しりょうのきし
│ │├ゾンビ系
│ │└悪魔系
│ └さまようよろい
│ ├物質系
│ └スライムナイト
└バトルレックス
├ドラゴン系
└ギガンテス
├悪魔系
└ビックアイ
├獣系
└おおめだま
・にじくじゃく
(戦闘要員としてそこそこ。鳥系はレベルアップが早いので作りやすい)
├ひくいどり
│├鳥系
│└かりゅうそう
│ ├植物系
│ └ドラゴン系
└ホークブリザード
├鳥系
└がいこつけんし
├しりょうのきし
│├ゾンビ系
│└悪魔系
└さまようよろい
├物質系
└スライムナイト
・ローズバトラー
(そこそこ強く,上位モンスターの配合素材にもなる)
├デビルパイン
│├オニオーン
│└悪魔系
└しにがみきぞく
├がいこつけんし
│├しりょうのきし
││├ゾンビ系
││└悪魔系
│└さまようよろい
│ ├物質系
│ └ゾンビ系
└キラーマシン
├物質系
└グリズリー
├獣系
└悪魔系
・アンドレアル
(そこまで強力ではないが,比較的作りやすく,上位の配合素材としても適役)
├フーセンドラゴン
└きりさきピエロ
├ひとつめピエロ
│├おおめだま
│└スライム系
└ひとつめピエロ
├おおめだま
└スライム系
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