連載
和の絵本を旅する不思議な作品。iOS向けアドベンチャーゲーム「Tengami」を紹介する「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」第481回
スマートフォンには相当な数のゲームが存在しているが,「じゃあ,どれが面白いの?」「そもそも,数が多すぎて好みのタイトルが探せない!」と思っている人も少なくないはず。 そんな問題を解決すべく,スタートした連載が「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」だ。話題の新作タイトルからネタ要素多めのオモシロ系まで,スマートフォンのゲームを片っ端からプレイして(ほぼ)毎日お届けする。
誰もが幼いころに触れたことがあるだろう「絵本」。中でも,ページを開くと建物や人物たちが飛び出てくる「飛び出す絵本」に心奪われたという人は多いのではないだろうか。本日の「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」では,そんな飛び出す絵本風の仕掛けが光る,純和風な雰囲気の「Tengami」を紹介する。
「Tengami」公式サイト
「Tengami」ダウンロードページ(App Store)
本作は主人公を操作して,世界に隠されたさまざまな謎を解き明かしていくアドベンチャーゲーム。本作の舞台となる3つの世界の最奥部には,サクラの花が設置されており,これをすべて集めるのが目的だ。
基本的な操作はダブルタップによる移動と,スワイプによる仕掛けの動作のみ。ストーリーが語られることはなく,インタフェースも存在しないので最初は戸惑うかもしれないが,仕掛けのある場所からは波紋のようなエフェクトが放たれているので,慣れれば直感的に進めていけるだろう。
さて,冒頭で触れたように,本作には飛び出す絵本風の仕掛けが随所に組み込まれている。たとえば,マップ上で光が放たれているポイントに到達したとき,画面端から中央に向かってスワイプすることで,元いたマップが折り畳まれ,移動先のマップが地面から沸き立つかのように出現するのだ。これ以外にも,何もない場所に階段が折りたたまれているなど,飛び出す絵本がそのままゲームになったというイメージだ。
前述したように,ストーリーや解説が一切なく,ヒントも少ないので,本作の謎解きは少し難しい部類に入るかもしれない。行き詰ってしまったときは,マップを戻ってみるのもひとつの手だろう。また,動かせるものがあるときは,きっとそれが謎を解く鍵になっているはずなので,注意深く観察してほしい。
主人公の移動速度はかなりスローペースなので,少しもどかしさを感じる場面もあるかもしれないが,本作は世界観を楽しむことに重点が置かれているので,落ち着きのある背景やBGMなど,和の雰囲気を感じながら,のんびりプレイすることをおすすめする。
ゲームとはいえ,ひとつの美術品を鑑賞しているような気分にさせてくれる本作。万人にオススメできるゲーム性を持っているわけではないが,少しでも琴線に触れる部分があったのならば,ぜひこの感覚を味わってみてほしい。
著者紹介:トリスター/目代将規
ゲームやアニメの書籍企画,編集,シナリオライティングや広告制作なども手がける編集プロダクション「トリスター」所属。スマートフォンならではのゲームや,一瞬で遊べてしまうゆるいゲームが大好物。好きなゲームのジャンルはRPGとアドベンチャー。“モンハン”好き。
「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」記事一覧
- 関連タイトル:
Tengami
- この記事のURL:
(C) 2014 Nyamyam Ltd.