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シリーズ初の格闘ゲームとなった「BLADE ARCUS from Shining」ロケテストレポート。総合プロデューサー・澤田氏への合同インタビューも合せて掲載
2月に開催された「ジャパン アミューズメント エキスポ 2014」でサプライズ発表されて話題を呼んだ本作だが,プレイアブルな形でのお披露目は今回が初。本稿ではロケテストバージョンのプレイフィールなどにも触れつつ,レポートをお届けしていこう。また「シャイニング」シリーズの総合プロデューサー・澤田 剛氏への合同インタビューの模様も合わせて掲載しているので,本作に期待する人はそちらも要チェックだ。
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「BLADE ARCUS from Shining」公式サイト
初お披露目となった「BLADE ARCUS from Shining」。そのプレイフィールは?
先に掲載した最新プロモーションビデオの紹介記事でもお伝えしたように,今回のロケテストバージョンでは,リュウガ,パイロン,レイジ,サクヤ,シャオメイ,アルティナの6キャラクターがプレイアブルとなっていた。
そのキャラクター特性を大雑把に紹介すると,リュウガ,レイジ,サクヤは武器のリーチを活かした中距離戦タイプ,パイロンとシャオメイは素手で戦う近接ファイター,そして弓矢を使うアルティナが,飛び道具扱いの通常技を持つ遠距離型キャラクターということになるだろうか。
本作を何より特徴づけているのは,ゲームシステムにパートナー制を採用している点だ。プレイヤーはまず2キャラクターを選択し,先に選んだキャラクターで戦い,あとに選んだキャラクターはサポートとなる。
この辺りは,同じセガの「電撃文庫 FIGHTING CLIMAX」(以下,電撃FC)などでも採用されている,いわゆる“ストライカー制”に近い印象を受けるが,ラウンドが切り替わるたびに,メインキャラクターとサポートキャラクターを入れ替えられる点が,独自要素となっている。
本作の操作系は標準的な8方向レバーと,横一列に並んだ[A](弱攻撃),[B](中攻撃),[C](強攻撃)の各攻撃ボタン,そして[A]の下に配置された[D](サポートリンク)ボタンの計4ボタン構成となっている。[D]はパートナーキャラクターを呼び出すもので,ボタン配置を含め,電撃FCと似た操作感覚といえば,アーケードゲーマーには伝わるだろうか。
ゲームシステムは,いわゆるチェーンコンボこそ用意されているものの,2段ジャンプや空中ダッシュ,また空中ガードはなく,どちらかといえば地上戦を重視するタイプに思える。また投げ技はあるものの“投げ抜け”が(今のところ)なく,筆者としてはクラシカルなタイプのゲームと感じられた。
強力な攻撃を繰り出すために必要な「フォースゲージ」と,パートナーを呼び出すのに使う「サポートリンクゲージ」という2本のゲージが用意されており,実戦ではこれらのゲージ管理が焦点となりそうな予感する。
肝心のプレイフィールだが,個人的にはゲームスピードがかなり遅いことや,ガード硬直が長過ぎる点が気になってしまった。
とはいえ,地上での立ち合いにフォーカスしつつ,リンクアタックのタイミングや使い分け※で戦術を組み立てていく作りは,なかなかに新鮮でもある。現地に訪れていたスタッフに話を聞いたところ,開発進行度は現時点で50%程度とのことなので,これからのブラッシュアップに期待したいところだ。
※レバーと[D]ボタンの組み合わせで,サポートキャラクターは4種類の攻撃を繰り出せる。
アーケードファンも納得する,骨太の格闘ゲームを目指して――総合プロデューサー・澤田 剛氏 メディア合同インタビュー
――JAEPO2014でのサプライズ発表から,いよいよロケテストを迎えることになりました。今のお気持ちを聞かせてください。
発表時は,「あのシャイニングシリーズが対戦格闘ゲームになるなんて!」と,我々も驚くぐらいの反響をファンの皆さんからいただきました。シリーズとしては,これまでもアーケード用タイトルがあったのですが,私自身が関わるのはこれが初めてです。なので,かなりドキドキしているというか……新鮮な気分ですね。
――シャイニングシリーズを格闘ゲームとして出すことになった理由,あるいは経緯について教えてください。
澤田氏:
ALL.Net P-ras MULTIを盛り上げるための企画として,セガ社内で企画が持ち上がったのが直接のきっかけですが,実はもうひとつ経緯がありまして。
今作の開発を担当しているスタジオ最前線は,「シャイニング・ハーツ」を手がけた会社でもあるのですが,その中に格闘ゲーム好きが多かったんです。「ガーディアンヒーローズ」や「CODE OF PRINCESS」といったタイトルを手がけてきたスタッフ達ということもあり,格闘ゲームを作りたいという話は,実は何度もあがっていました。RPGとしてのシャイニングを分かっていて,さらには格闘アクションの経験もあるスタッフですから,これなら行けるだろうと。
――ちょうど良いタイミングだった?
澤田氏:
彼らがアーケードタイトルを手がけるのは初めてですが,それも含めて,挑戦の機会を作ってあげたいと思ったんです。さらに言えば,私自身ストII世代でもありますし,やっぱり自分達が作ってきたキャラクターを動かして戦ってみたいじゃないですか。
――そのキャラクターについてですが,本作にはリュウガとパイロンという新キャラクターが登場します。どういったキャラクターなのでしょうか。
澤田氏:
リュウガはシリーズ初となるダークヒーロー風主人公です。パイロンは格闘ゲームらしい中華風でありつつ,キャラクターデザインのTONYさんが得意な,セクシーなデザインを目指しました。共に本作の主人公ポジションなので,性能的にも対空に飛び道具に突進技と,格闘ゲームファンに馴染みやすい技が揃っています。
リュウガ |
パイロン |
――最終的な登場キャラクターは,どのぐらいを想定されていますか。
澤田氏:
正確な数はまだ言えませんが,10体以上は登場する予定です。
すべてTONYさんの手によるキャラクターで,今回は「シャイニング・ブレイド」のキャラクターが中心ですが,もちろんほかのタイトルからも参戦します。……ええと,プレイヤーの皆さんに人気のキャラクターは,まず出てくると思っていただければと(笑)。
――従来の格闘ゲームと比較して,本作のキャラクターは全体的に細身な印象を受けました。TONYキャラを格闘ゲームに落とし込むうえでの苦労などはあるのでしょうか。
澤田氏:
TONYさんのキャラクターは,皆モデル体型というか,全体的に等身が高めなので,ゲームに落としたときのボディバランスは,かなり悩んだポイントですね。細身のキャラクターが多い分,2D格闘ゲームとしてはキャラクターを大きく描いて,ダイナミックな動きを楽しんでもらえるよう,心がけています。
――バトルシステムについて,パートナー制を導入した意図は?
澤田氏:
RPGのシャイニングにも,パートナーと一緒に技を繰り出すコンビネーション攻撃があったので,本作でも好きなキャラクターを2人選べる点をコンセプトにしています。パートナーもただの助っ人ではなく,いろいろな動作を選べるようになっているので,その使い方が重要になると思います。
――「シャイニング」シリーズを題材とした本作ですが,ターゲットとしてはどんなプレイヤー層を想定されているのでしょうか。
澤田氏:
本作は,実はシリーズファンに向けてというより,骨太の格闘ゲームを目指して制作しています。コンボより差し合いを重視したシステムになっているのもそのためで,現在主流のものと比べるとゲームスピードも遅めです。プレイ中に考える時間が持てるようにしたかったんです。
――なるほど。そう言われてみると,本作はコマンドなども普通の格闘ゲームと変わりませんし,電撃FCなどと比べると,初心者向けの配慮という点は薄めな気がします。
澤田氏:
実は電撃FCを作っているのもセガの同じ部署だったりしますが,いわゆる昇竜拳コマンドを入れるかどうかは,日夜議論しましたね。本作の場合は,いわゆるガチ向けのタイトルを目指して制作していることもあって,その辺りはそのまま残してあるんですよ。
――最後に,稼働を楽しみにしているプレイヤーにメッセージをお願いします。
澤田氏:
本作は「シャイニング」シリーズのキャラクターが登場する格闘ゲームではありますが,格闘ゲームファンに満足してもらえるものを目指して制作しています。なので,興味がある人はぜひロケテスト会場まで足を運んでいただいて,ガンガン意見を言ってもらえると嬉しいですね。もちろん,今までのシャイニングファンの皆さんにも,きっと楽しんでもらえるものになると思うので,応援をよろしくお願いします。
――ありがとうございました。
「BLADE ARCUS from Shining」公式サイト
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