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インディーズゲームの苦労と魅力をNIGORO楢村氏,ArtPlay五十嵐氏,PLAYISM水谷氏,そしてSCE吉田氏が語った「黒川塾(二十参)」をレポート
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印刷2015/01/27 00:00

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インディーズゲームの苦労と魅力をNIGORO楢村氏,ArtPlay五十嵐氏,PLAYISM水谷氏,そしてSCE吉田氏が語った「黒川塾(二十参)」をレポート

 2015年1月23日,デジタルハリウッド大阪校でトークイベント「エンタテインメントの未来を考える会 黒川塾(二十参)」が開催された。このイベントは,メディアコンテンツ研究家である黒川文雄氏がゲストを招いてトークセッションを行い,ゲームはもちろん,すべてのエンターテイメントの原点を見つめ直し,まだ見ぬ方向性,あるべきエンターテイメントの形を創造していこうというものだ。

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 東京都内以外で初の開催となった今回のイベントでは,PLAYISMのディレクターを務めるアクティブゲーミングメディアの水谷俊次氏「La-Mulana」で海外において高い評価を受けたインディーズゲーム開発チームNIGOROのディレクター楢村 匠氏,「悪魔城ドラキュラ」シリーズのプロデューサーとしても知られ,現在はArtPlay代表取締役プロデューサーを務める五十嵐孝司氏,そしてSCEワールドワイド・スタジオ プレジデントの吉田修平氏がゲストに招かれ,「ゲーム作りは大変じゃない!?」をテーマに,日本のインディーズゲーム事情についてトークが繰り広げられた。

メディアコンテンツ研究家 黒川文雄氏
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アクティブゲーミングメディア 水谷俊次氏(以下,紹介順)
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インディーズゲーム開発チームNIGOROディレクター 楢村 匠氏
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ArtPlay代表取締役プロデューサー 五十嵐孝司氏
SCEワールドワイド・スタジオ プレジデント 吉田修平氏
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コミュニティサービス「INDIE STREAM」発足の意外な理由


 冒頭で黒川氏は,今回のテーマを考えたキッカケになったのが,2013年9月にSCEの社員食堂で行われた交流会「INDIE STREAM()」だったと話す。氏は,交流会の発起人の一人である楢村氏や,協力者の水谷氏との出会いから,「インディーズゲーム」をテーマにしたセッションを考え始めていたのだという。また,吉田氏に黒川塾へのゲスト出演を最初に持ちかけたのも,その席でだったそうだ。

※この交流会で発表されたのが,インディーズゲーム開発者や協力企業,メディアなどによる連携をサポートするためのコミュニティサービス「INDIE STREAM」だ(関連記事
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 そんなキッカケ話から,話題は交流会「INDIE STREAM」の成り立ちへ。楢村氏は,INDIE STREAMを開く半年前,京都で初めて行われた「BitSummit 2013」の飲み会に来たのが外国人記者ばかりで,日本のインディーズ開発者がいなかったことに危機感を覚えたという。そこで,日本人同士の横のつながりを作るために,インディーズゲームの出展が決まった「東京ゲームショウ 2013」に合わせて意識の高い人達を集め,一緒に飲むことから始めようとINDIE STREAMを企画する。その開催にあたって,PLAYISMやSCEに相談を持ちかけたところ,最終的に500人以上が来場したほどの,大きな話になってしまったのだそうだ。

 一方で楢村氏には,開発者としてKickstarter()を始めるにあたり,インディーズゲームというものを宣伝し,世間に広めたいという目的もあったそうだ。それはもう一人の発起人で,イギリスを拠点に「Tengami」を開発していたNyamyamの東江 亮氏も同じで,日本でどのようにインディーズゲームを売れば良いのか分からず,INDIE STREAMをキッカケにしたかったのだという。

※資金提供をゲームファンに募るもの。最終的な提供額で実装する要素や対応するプラットフォームを定めたり,提供者にアーリーアクセス権など,特別な権利を特典として付与することもある
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 ただ,この交流会が行われ,その後に「BitSummit 2014」が開催されたころには,すでにインディーズゲームを扱っていこうという流れが,世間に生まれており,コミュニティサービスの「INDIE STREAM」を立ち上げたときには,どちらも目的を達したあとになっていたのだという。楢村氏は,それであればこの勢いのまま,インディーズゲームシーンを盛り上げていこうというスタンスで,「INDIE STREAM」を続けているのだそうだ。

欧米で盛り上がっているインディーズゲームを日本でも出すべきだと,ずっとSCEJAで話していたという吉田氏。プレッシャーをかけた甲斐もあってか,インディーズゲーム好きのスタッフが集められてサポート体制ができ,日本でも公式サイトにインディーズゲーム用のページが完成。SCEAから見ると,5年も遅れていると話す吉田氏だが,「better late than never(遅くてもやったほうがいい)」という言葉を挙げ,これから頑張っていくと語った
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Steamへの登録も大変だった,道を切り開くことの苦労


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 インディーズゲームに流れが生まれ始めたとき,大手メーカーにいた五十嵐氏は,モバイルゲームが主流になりつつある時期だったこともあり,確実にインディーズゲームの時代が来るだろうと考えていたそうだ。

 大手のメーカーと言えば,規模の大きなタイトルを制作して,そのコストを回収するため,堅実にお金を稼ぐ方法,つまりナンバリングタイトルの制作がどうしてもメインになってしまう。そんな中で五十嵐氏は,自分が作りたいものを作れる環境ではなくなり,モバイルタイトルなどを含めて新しい作品も出せないままだったため,誘いを受ける形で「GDC 2014」直前での退社を決断する。ちなみにこのタイミングは,GDCが開催されるアメリカで商談ができるという判断からで,どうせ行くならとGDCでのセッションも決めたという(関連記事)。

 ただ,それからの資金調達などは,必ずしも順調というわけではなかったようだ。その後,何もしないまま(五十嵐氏はニート状態だったと表現していた)というわけにもいかず,モバイルの会社から開発を一緒にやりましょうと言われたことをキッカケに,「モバイルでもできることはある」と,ArtPlayの立ち上げに関わることになったという。そのような言い方になったのは,そもそも五十嵐氏が大手を退社した理由の一つに,ゲームパッドを使ったゲームが作りたかったこともあったからだそうだ。

 そんな氏は,デバイスとしてゲームパッドが最強だと考えているという。もちろん,モバイルにはモバイルの強みがあるものの,その弱点が何かというと,感触がないことだとしている。モバイルでは,ゲームパッドと同じ操作をさせるにはバーチャルスティックが必要で(※Bluetoothなどでゲームパッドを接続するという方法もあるが,誰もが簡単に環境を構築できるわけではない),その場合,画面上のスティックの位置から指がずれないように,ゲームと同時にその場所にも注意しなくてはならず,それではゲームの面白さが半減してしまうと話す。だからこそ,手元を見なくても直感的に操作できるゲームパッドが最強だと表現するわけだ。
 ただこれは,“今は”ゲームパッドが最強だということで,それこそ頭にジャックを刺して思考で操作でき,ゲームそのものに注力できるのであれば,それでも良いとも話していた。

 さて,五十嵐氏の“ニート”発言を受けて黒川氏は,自宅でゲームを制作することの大変さについて楢村氏に問いかける。氏は,ボーナスも保険もない生活上の身近なものから,資金繰りにしても,広報にしても,何もかもを自分でやっていかなければならないという大変さを挙げた。ただ,それでも続けるのは,“いけるだろう”という確信があるからだという。
 楢村氏は,もともとデザイナーの仕事をしていて,仕事の合間にゲームを制作していたそうだ。しかし,本職よりもゲームを作りたいというパワーのほうが強くなった。このままゲーム制作をサブにするのはもったいないと感じた楢村氏は,最初こそ苦しいかもしれないが,インターネット環境も発達し始めていたころで,ゲームをネットで売れる時代が来ると考えて少人数の開発チーム「NIGORO」を始めたのだそうだ。ただ,実際にその時代が来たのは5〜6年後だったということで,その点は氏の誤算だったのかもしれない。

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 そうして,Flashゲームの制作から始まり,WiiWareでの開発を経て楢村氏は,海外の一番大きなPCゲームプラットフォームとなった「Steam」に,PLAYISMと組んで作品を出そうと考えた。しかし,当時は海外パブリッシャが権利を買い取って日本のゲームをリリースしていたくらいで,日本から直接挑戦するというところはなく,審査を通過させる方法も分からないまま,結局,リリースまでに半年ほどかかったという。

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 そのとき協力した水谷氏によれば,Steamの窓口にゲームを出したいとメールを送ってもすぐには返事が来ず,その返事も「メールを見た」という内容だけで,そこからどうすればいいのだろう? という状態だったそうだ。しかし,増え続けるゲームタイトルの審査が捌ききれないからか,Steamで「Greenlight」というゲームファンが遊んでみたい作品を投票するという取り組みが始まる。それをキッカケにして,「La-Mulana」の公開にこぎ着けるのだが,そのとき何票集めればSteamでリリースできるのかは分からず,半年が経ったときに諦めかけたこともあったそうだ。ちなみにPLAYISMでは,この1〜2年のあいだに,スムーズにSteamでタイトルをリリースできるようになっているとのこと。

 そんなPLAYISMについて水谷氏は,5〜6年前に海外で流行っていたインディーズゲームの波が,日本にもやがてくるだろうと考えて,まずは日本で誰も知らないような海外の良い作品を日本語化し,日本のプレイヤーに買ってもらおうとしたのが始まりだったと話す。そして,日本で生まれてくるインディーズゲームを世界に持っていきたかったのだそうだ。だからこそ,NIGOROがPCで展開すると発表したその日のうちに,楢村氏に連絡することになる。

 そのとき楢村氏からは,「本当に日本でインディーズシーンを盛り上げたいなら,うちと心中する覚悟がありますか」と言われたそうだ。一方でPLAYISMも,日本のPCゲーム市場が小さく,インディーズシーンもないに等しかったため,もうあとがないといった状況だった。だからこそ,自分達で切り開くため,「心中しましょう」と,お互いが死ぬ覚悟で海外展開をスタートさせたのだという。

 そんな苦労を指して,「どんな仕事でも,10年はやらないと芽が出ないというじゃないですか」と話す楢村氏だが,その言葉には「苦労をしてきたからこそ,そのあとも生き残れる」といった含みがあるという。自身では,なぜ先陣を切って誰も通っていない道を切り開かなければいけないんだ? と思いつつも,これが経験則となり,のちのちに良くなっていくだろうと考えていたそうだ。


Kickstarterの楽しさとインディーズゲームの魅力。ネット時代におけるゲーム制作/運営の変化とは


 その後,トークは「Kickstarter」の話題になる。開発者が資金を集めるKickstarterの存在は,いまやインディーズゲームの制作で重要な要素の一つとなっている。実際にNIGOROが開発する「La-Mulana 2」も,Kickstarterで開発資金が集められていた。実は吉田氏も,楢村氏のことを知る以前に,個人で「La-Mulana 2」のKickstarterに参加していたのだという。
 そもそも,リリースされた作品にお金を出すのではなく,本当にそのゲームが完成するかどうかは分からないものに対してお金を出すというまさに先行投資になるわけだが,吉田氏は,Kickstarterに参加することで,そのゲームの開発状況が分かる(メールで送られてくる)といったことも楽しいと述べた。

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 また吉田氏は,こうして作られるインディーズゲームの魅力は,少人数で作ることで,ゲームのディレクションなどで細かなところまで作り込まれ,そこから作り手の感じが伝わってくるところだと話す。
 SCEを始め,大手のゲームメーカーのように,お金や人を多く使った作品もゲーム業界として大事なものだが,同じくらいに,流行りではなく「自分がこうだと思うからこれで良い」と思う物を取り入れた,尖った部分も大事だというわけだ。そうした作品は失敗も多いが,たとえば「Minecraft」のように,ゲーム業界に新しい流れを作り出すような,ダイナミズムを持った作品がゲーム業界には絶対に必要だと述べた。

 ちなみに,ファンにKickstarterへ参加してもらうため,どんなゲームなのか,どんな開発者なのかを見極めるための材料として,ページ内にゲームトレイラーを公開したり,クリエイターがビデオでアピールしたりすることが多い。楢村氏は「La-Mulana 2」のKickstarterにおいて,成功しやすいと言われているクリエイターが熱く語るビデオを公開しようと考えていたが,先に「Mighty No.9」稲船敬二氏が熱く語るビデオが公開されてしまったのだとか。これには勝てない……ということで,笑いを取る内容にしたそうだ。ともあれ,そうした発信もまた,ゲームファンがKickstarterを楽しめる部分になるのだろう。

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 黒川氏は,そうした資金調達方法やソーシャルメディアを利用するといった,ゲームの作り方や,売り方の変化から,それまではパッケージで出して終わりだったものが,追加DLCなどのオンラインゲーム的な運営が必要になってきたのではと分析する。そしてNIGOROは,そうした売り方,運営の仕方を実践しているのではという問いに対して楢村氏は,NIGOROに業界経験者がいないため,一つ一つを経験してようやく分かったことだと述べた。
 パッケージの場合であれば,作品をリリースしたときにどこまで売り上げを伸ばすかで,あとはその勢いがストンと落ちていくが,ダウンロード販売の場合は,ストンと落ちるまでは同じものの,それがゼロにはならないのだという。だからこそ,(リリース後にも)活動を見せていくことで,ある日ふとどこかで話題に上がったときに,リリースから数か月後でも売り上げが伸びることがあるそうだ。

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ゲームの面白さと“悪ふざけ”の関係


 現在モバイルタイトルを制作中の五十嵐氏だが,自身についてはインディーズゲーム開発者ではないと考えているそうだ。というのも,インディーズに近いと氏が考える「同人作品」は,自分の好きなものだったり,表現したいものだったりを作り出すもので,一方の五十嵐氏のクリエイティブは,ビジネスであることが前提にあるからだ。
 ビジネスだからこそ,市場で売り上げが期待でき,ある程度信頼できる“何か”をベースにした作品で,投資家/経営陣に対して納得感を持たせる必要があるという。そのため,挑戦するところとは分けて考えなければならないというのだ。ただ,このように何かをベースにすることは,そのゲームを触れれば誰でもゲームのことが分かる利点もあるという。五十嵐氏は,その分かりやすいゲームで,どれだけ“悪ふざけ”するかが,ゲームの面白さにも関わると考えていると話す。

 たとえば,将棋で駒を指したときに,そこから火が噴き出す演出があったとしたら……想像してみるとシュールだが,ゲームらしい遊び心といったところだろうか。そうした,将棋のルールとはまったく関係がなく必要のない部分ではあるものの,ゲームとして面白くなる部分が“悪ふざけ”ということなのだろう。そして,そうした遊び心がない作品は,面白くない確率も高くなると述べた。

五十嵐氏は某恋愛シミュレーションの制作時に,本当はシューティングが作りたかったそうだ。そこで,ミニゲームとして作品内に入れることにしたのだが,あくまでメインは恋愛シミュレーションなので,シューティング部分は昼休みの時間を利用していたという
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 こうした“悪ふざけ”について,ユーザーに楽しんでもらおうというスピリッツが楢村氏の作品にはあるのではとする黒川氏の問いに対して,楢村氏は,あまりユーザーのためという感覚はなく,自分が楽しんでいるだけだと返答した。五十嵐氏も同様に,自身が面白いかどうかが判断基準だと話す。
 海外で高く評価を受けている氏だが,実は海外を意識して作ったことは一度もなかったという。とくに実感が湧きづらい海外よりも,日本でちやほやされたいから,日本に向けてゲームを作っていたそうだ。それでも海外で売れたのは,自身が面白いと思っているものを,海外のファンがそのまま体験できたからだろうと分析している。

 同じく海外で評価を受ける楢村氏のもとには,海外で受けるにはどうしたらいいのか,海外市場でこのゲームは受けるのか,といった相談があるのだという。大手作品ではカルチャライズということで,キャラの絵柄や一部の内容をその国に合わせて変えることがあるが,それに対して楢村氏は,インディーズゲームに関しては面白い部分は全世界共通なので,カルチャライズする必要はないと考えているそうだ。そして五十嵐氏の意見と同様に,自身が面白いと思ったものは,どこの国の人でも面白いはずなので,(インディーズゲーム開発者に)その面白さを遠慮なく追求してほしいと述べた。

 トークセッションの最後には,一人ずつ,インディーズゲームシーンに関するコメントが述べられた。

水谷氏:
 PLAYISMというサイトがあるので,一度見てください。インディーズゲームはすごくすばらしいものなので,見てもらえれば分かります。あと五十嵐さんには
ゲームを作っていただいて,うちでリリースしていただければと(笑)。

楢村氏:
 僕自身が「僕と同じようにゲームを作ると楽しいよ」とは,まだスッと言えない苦しい状態です。でもそれを覚悟して進めるのであれば,(ゲーム制作は)かなり楽しいと思うので,キッカケとパワーがあれば続けていけます。実際にやってみて,合う,合わないはありますが,それはどんな職探しでも同じです。ただ,僕はいやいや今の仕事をやっているよりも,趣味のゲーム制作のほうにパワーを数倍かけていると思ったときに切り替えました。それが遅かったので苦労しましたから,(決断は)早くしたほうがいいと思います。

五十嵐氏:
 僕は恵まれた環境だったので,開発の苦労話くらいしかできないのですが,いまは大手を出て,ベンチャー企業としてヒトヤマ当てなくてはいけないところに身を置いています。ですから,今年の目標は,どんな形でもいいので物を出して,皆さんに一度評価を受けるというクリエイターの原点に戻ろうと思っています。今回,何かを発信したいと思っている人の後押しになればと思います。そして,ArtPlayをよろしくお願いします(笑)。

吉田氏:
 日本のインディーズシーンが盛り上がって欲しいと思っているので,私ができることはやろうと思っています。クリエイターを目指しているのではれば,とにかく何かを作って発表し,人からの批判を聞いて,制作を続けていただければと思います。そうでない人は,知られていないさまざまな楽しいインディーズゲームがあるので,ウェブメディアなどでインディーズゲーム情報を探してみてください。そして,自分が見つけたゲームを仲間に教えて,日本のクリエイターが盛り上がれるように,周りに広めていただける嬉しいです。

黒川氏:
 ゲーム開発もそうですが,要は扉を自分で開けるか,開けないかということだけです。もし自分が本当に作りたいものがあったら,勇気をもって開けてみてはいかがでしょうか。

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