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[CES 2014]Tegra K1ならDX11.1世代のゲームがここまで動く。「Unreal Engine 4」のデモや実ゲームタイトルをムービーでチェック
その内容はすでに速報でお伝えしたとおりだが,イベントでは,Epic Games(以下,Epic)が開発中の新世代ゲームエンジン「Unreal Engine 4」(以下,UE4)がTegra K1をサポートすることも発表され,その実動デモが公開されたりしたので,今回はその内容をレポートしてみたい。
Tegra K1システムでUE4などDX11.1世代の3Dアプリケーションが動く
UE4は,最新世代のPC用GPUおよび新世代の据え置き型ゲーム機をターゲットに開発されているゲームエンジンだ。2014年内にEpicからリリース予定のアクションタイトル「Fortnite」をはじめ,Zombie Studiosの「Daylight」やLionhead Studiosの「Fable Legends」など,UE4ベースのタイトルはすでに開発が進んでいるが,Tegra K1のモバイル端末であれば,(フレームレートに目をつぶれば)それらと同レベルのグラフィックスを表示できるようになるというのが,NVIDIAのメッセージである。
さて,今回EpicがTegra K1向けに開発したテクノロジーデモは2つ。雨漏りする地下鉄構内と,小ぎれいなアパートの一部屋を表現したものだ。
地下鉄構内では,外部から入り込む太陽光や薄暗い蛍光灯,パーティクルなどの数少ない光源が,タイル壁や水溜り,ゴミ箱などに反射し,その光が拡散していくことでより現実的な表現が可能になっている点に注目してほしい。
アパートの一室では,ソファや床板のリアルな質感もさることながら,暗い室内から明るい屋外へと視点を移したときに発生する,「光量変化に合わせて動く瞳孔」をシミュレートしたようなハレーション効果も見ものだ。
これらは以前から公開されているUE4のテクロノジーでも確認できるが,それが(おそらく「ほぼ」)そのままTegra K1のリファレンスプラットフォーム上で動作しているのがすごいところなわけである。
なお,イベントではこのほかにも,Tegra K1が開発コードネーム「Logan」(ローガン)としてアナウンスされたときに披露されたフェイシャルアニメーションのデモ「Ira」のアップデート版や(関連記事),NVIDIA社内で開発されたという,火山の火口内部に建設された巨大な基地を隕石で破壊できるデモ「Meteor」,そして,Wii Uでの発売が予定されている「Trine 2」を,インディ系デベロッパFrozenbyte自らがDirectX 11.1世代に対応させたデモも披露されている。
これらのデモが実際に何らかの形でリリースされる予定のものなのか,イベントのために用意された特別な(≒単なる)技術デモなのかは明らかになっていない。しかしゲーム開発者にとっては,PCとPlayStation 4,Xbox Oneに加えて,モバイル端末向けバージョンを開発ラインに載せても,それほどの手間なくリリースできるようになる可能性があるわけで,今回のデモには大きなインパクトがあるといえそうだ。
なおTegra K1搭載端末は,「Cortex-15」を4基集積するバージョンが2014年上半期,NVIDIA独自の64bit ARMコア「Denver」を2基集積するバージョンが2014年下半期にリリース予定とのこと。年内には日本でも入手できるようになっていることを期待したい。