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インディーズゲームの祭典「BitSummit 2015」会場レポート。国内外から80以上の開発チームが集結
本稿では,出展されている数多くのタイトルから8本をピックアップして紹介するので,7月12日に会場へ行く予定がある人は,参考にしてほしい。
■Samorost3(PC/Mac/iOS/Android)
「Machinarium」や「Botanicula」で知られるチェコの開発チーム,Amanita Designの新作だ。タイトル名から想像できるとおり,Samorostシリーズの3作めで,魔法の力を秘めたフルートを使い,さまざまな謎を解いて5つの惑星を巡る,ポイント&クリックタイプのアドベンチャーゲームになっている。ムービーを見れば分かるとおり,Amanita Designらしいビジュアルアートは健在だ。
■Airship Q(PlayStation 4/PS Vita)
Airship Qは,スクウェア・エニックスで「エルアーク」を手がけた加藤 拓氏や,環境シミュレーター「gumonji」を作った中嶋謙互氏,「FINAL FANTASY 零式」などに携わった草野裕朗氏と,豪華なメンバーが開発していることでも注目を集めている作品。
ゲーム内容は,以前掲載した記事に詳しいので,そちらを参考にしてほしいが,会場にはPS Vita版が出展されており,「クエストモード」のマルチプレイを見せてもらえた。
■Pavilion(PlayStation 4/PS Vita)
スウェーデンのデベロッパVisiontrick Mediaが開発している斜め見下ろし型のパズルアドベンチャーゲーム。主人公の男は,「暗いところには入れない」「鐘が鳴るとその方向に歩く」といった特性があり,それらをうまく利用してを男をゴールに誘導するのがプレイヤーの目的となる。
プレイヤーができることは非常に少ないのだが,明かりを点ける順番を考えたり,タイミングをはかったりと,なかなか頭を使う。
グラフィックスはかなり描き込まれているが,開発メンバーはわずか2人だというから驚きだ。
■Downwell(PC/iOS/Android)
ひたすら井戸を降りていくアクションゲーム。主人公は,銃器が取り付けられているという,ぶっそうな靴「ガンブーツ」を履いており,それを撃ちまくりながら進んでいくことになる。
ゲームのテンポはかなり速く,考えるよりもフィーリングで操作していかないと,クリアは難しいかもしれない。また,ステージ構成が遊ぶたびに変わるのも特徴の一つ。ボスがいて,一応のエンディングもあるらしいのだが,繰り返し何度も遊ぶべるように設計されている。参考までにだが,公式サイトに行って,ひたすら下にスクロールすると,ゲームの雰囲気が分かるはずだ。
「Downwell」公式サイト
■Back in 1995(PC/Mac/PlayStaion 4/PlayStaion Vita)
「PlayStationやセガサターン時代のグラフィックスで作られたゲームを遊びたい」という思いを抱いた開発者が,たった1人で制作しているアクションアドベンチャーゲーム。
出展されていたバージョンはまだプロトタイプということだったが,若干操作にイラつく感じも当時のままで,グラフィックスだけでなく,総合的に1995年頃の雰囲気を出すことが最大の目的だ。
■ボコスカウォーズ2(仮称)(PlayStaion 4)
ラショウ氏がX1用に開発し,その後MSXやPC-9801,ファミリーコンピュータ(以下,ファミコン)などに移植されたシミュレーションRPG「ボコスカウォーズ」の続編だ。
2015年は,ファミコン版発売の30周年にあたることから企画されたという。横スクロールのフィールドに囚われている仲間を助けながら進んでいくという基本はそのままに,グラフィックスなどがパワーアップされている。
■勇者ヤマダくん(iOS/Android)
木村祥朗氏がディレクターを,倉島一幸氏がドット絵を手がけるRPG。主人公は,ゲーム会社に勤務するヤマダくん(36歳)で,彼が自作した妄想RPGの中で,女子高生のマリアちゃん(18歳)をモデルにしたマリア姫に愛の告白をすることが目的になるらしい。
本作は,スタート地点からゴールまでを一筆書きでなぞって,ヤマダくんを誘導するというパズルゲームで,道中に敵がいると自動的に戦闘に入り,ヤマダくんは勝つか自分が死ぬまで戦い続ける。ピンチになったらポーションを使うなどして,あまり強くないヤマダくんをサポートする必要があるという。
画面下に表示されているのが,アイテムや魔法。これらを使って勝手に戦うヤマダくん(36歳)をサポートするのだ |
本作の開発元であるOnion Gamesといえば,「Million Onion Hotel」の動向が気になるところだが,もうすぐ出るらしい |
■Vane(PC/PlayStaion 4/Xbox One)
「Battlefield 3」や「人喰いの大鷲トリコ」といったビッグタイトルに携わっていた経験のある4人が手がけるパズルゲームだ。画面に文字などを出さず,プレイヤーをゲームの世界にどっぷりと浸からせることを目指して開発されているという。
出展されていたバージョンは,プレイアブルキャラクターの鳥が,一定の条件を達すると少年に変わり,鳥と少年両方の特徴を生かしながらパズルを解いていくというものだった。
ちなみに,BitSummitを主催する日本インディペンデント・ゲーム協会は,本イベントの出展条件の一つに,「個人/法人を問わず,開発規模がおおむね50人以下」というものを挙げている。実際に各ブースを回ったところ,そのほとんどが10人以下,なかには1人や2人といった場合もあった。
出展されているゲームを作っている人がスタッフとしてブースにいるケースが多かったので,ゲームを遊ぶだけなく,開発者に感想を伝えたり,質問をぶつけたりすることもできる。会場には,このほかにもまだまだ多数のゲームが出展されているので,興味のある人はぜひ会場に足を運んでみよう。
■日時
2015年7月11日(土)10:00〜17:00
2015年7月12日(日)10:00〜17:00
■場所
みやこめっせ(京都市勧業館)
■入場料
一般:1,000円、中高大学生;500円、小学生以下:無料
BitSummit公式サイト
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