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今冬発売のTRPG「グランクレスト」のトークショウが秋葉原で開催。水野氏×矢野氏×賀東氏の3名が語る,キャラクターと世界観
「グランクレスト」とは,富士見書房40周年とメディアファクトリーのMF文庫J 10周年を記念して展開されているメディアミックスプロジェクトのことで,現在は水野 良氏による小説「グランクレスト戦記」(イラスト:深遊)と,夏希のたね氏による外伝小説「グランクレスト・アデプト」(監修:水野 良/イラスト:春日歩),そしてワールドガイドである「グランクレスト スタートブック」が発売されている。
「ロードス島戦記」などで知られる水野 良氏の生み出した世界観を元に,さまざまなクリエイターの参加によって物語が紡がれていくプロジェクトとして,矢野俊策氏デザインによるTRPGルールブックを始め,さまざまな刊行物が,富士見書房/メディアファクトリーの双方から登場予定となっている。
「グランクレスト」公式サイト
シェアード・ワールド「グランクレスト」の成り立ち
今回の「グランクレスト」トークショーには,「グランクレスト戦記」の作者にして世界設定を担当した水野氏,TRPG版のシステムディレクターであり,「ダブルクロス The 3rd Edition」のデザイナーとしても知られる矢野氏,「フルメタル・パニック!」などの人気作品を手がけ,「グランクレスト」のリプレイ(TRPGのプレイ風景を再現した読み物)にも参加している作家の賀東招二氏の3名が登壇。さまざまな話題でトークを繰り広げた。
トークは,「グランクレスト」プロジェクトのそもそもの発端を語るところからスタートした。
先述のとおり,富士見書房とMF文庫Jの合同によるアニバーサリー・イヤー企画として生まれたプロジェクトだったのだが,その後の再編によって2つの編集部が「KADOKAWA」として1つにまとまることが発覚。富士見書房側は当初,「メディアファクトリーに『かかってこいよ!』と勝負を仕掛けるつもりだった」そうだが,KADOKAWAとして一緒になったこともあって,当初の目論みはどこへやら,今では仲良くやっているとのことである。
また,水野氏によればメディアミックスに並ぶコンセプトとして「シェアード・ワールド」(共通の世界観を使って多くのクリエイターが作品を作ること。「クトゥルフ神話」などが有名)があるという。この世界では,魔法で異世界からの「投影体」を召喚することができるという設定があり,ほかの作品の登場人物などが登場できるという。KADOKAWAが展開するさまざまな作品とのコラボも十分にありえるそうなので,期待しておこう。
続いてトークは,この世界の根幹をなす小説「グランクレスト戦記」の内容と,キャラクターの紹介に移っていった。2013年8月に1巻が発売されたこの小説は,幻想詩連合(ファンタジア・ユニオン)と大工房同盟(ファクトリー・アライアンス)に属する数多くの小国家による覇権争いという,グランクレスト・ワールドの基軸となる大きな歴史を描き,発売後即重版がかかるほどの人気だという。そのキャラクターについて,水野氏とゲストらが一緒になって人物評が繰り広げられた。
“押しかけ軍師”ことヒロインのシルーカに対しては,「いわゆる“落ちもの”と呼ばれるジャンル(空からヒロインが降ってくるようなパターンの物語)ですが,落ちものヒロインにしては性格がやや黒い」と水野氏が解説し,それに賀東氏が「でもまだ未熟なところもあるのがかわいいですね。あとシルーカにはもっとエロい格好をしてほしい」と熱望していたのが印象的だった。
個性的なキャラクターぞろいのリプレイ
続いて,2013年12月と2014年1月に発売を控えているリプレイ2作品の紹介がおこなわれた。ファンタジア文庫とMF文庫Jの双方から,人気作家/クリエイターが集まってゲームを遊び,2つのリプレイ作品を作っていくというこの企画。ステージのパネルには,ファンタジア文庫サイドのキャラクター4名と,MF文庫Jサイドのキャラクター4名が順に映し出され,それぞれ紹介が行われた。
ちなみにMF文庫Jのチームは,ファンタジア文庫チームを人気で上回るべく,キャッチーな美少女キャラをそろえたとのこと。それに対し賀東氏は「なんか勝てる気がしない……でも全員触手でヌルヌルにしてやりますよ!」と,違う方向性でやる気を示していた。
■ファンタジア文庫サイド リプレイ登場キャラクター
■MF文庫Jサイド リプレイ登場キャラクター
ルールブックは2013年12月発売。小説2巻も12月予定?
グランクレストシリーズでは,このほか2013年10月25日に小説「メイジオブリージュ」(著:内山靖二郎/イラスト:硯)がMF文庫Jから,12月には富士見ドラゴンブックからTRPGルールブックが発売となる予定だ。
また,12月には「グランクレスト戦記」の第2巻も発売されるとのことだが……ステージ上の水野氏が,「締め切りまであと1週間――」と具体的な話をしだして,「制作快調」と連呼する担当編集者を焦らせる一場面も。水野氏は「自分を追い込むため,2巻発売の告知をあえてTwitterに書いてみました。ぜひ拡散してください」と背水の陣を敷いているようなので,新刊を早く読みたい人は,ぜひ協力してみてはいかがだろうか。
TRPGルールブックが発売されることで,いよいよ読者もシェアード・ワールドに参加できるようになるグランクレスト。TRPGファンは,今後の展開にも期待しておこう。
「グランクレスト」公式サイト
- 関連タイトル:
グランクレストTRPG
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(C)Project GranCrest