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「電撃文庫 FIGHTING CLIMAX」ロケテストレポート。平和島静雄と黒雪姫が加わった6キャラを,4Gamer的インプレッションで紹介
10月6日に開催された「電撃文庫秋の祭典2013」でプレイできた4キャラクター――「灼眼のシャナ」(著/高橋弥七郎)のシャナ,「ソードアート・オンライン」(著/川原 礫)のアスナ,「とある科学の禁書目録」(著/鎌池和馬)の御坂美琴,「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」(著/伏見つかさ)の高坂桐乃――に加え,「アクセル・ワールド」(著/川原 礫)の黒雪姫と「デュラララ!!」(著/成田良悟)の平和島静雄を加えた,計6キャラクターが選択可能になっており,またサポートキャラクターにも「アクセル・ワールド」のハルユキと,「デュラララ!!」のセルティが追加されている。
そのレポートとなる本稿では,プレイできた範囲での各キャラクターのインプレッションをお届けしていこう。なおゲームシステムについては,先に掲載した「電撃文庫秋の祭典2013」でのプレイレポートが詳しいので,そちらも合わせてチェックしてもらえると幸いだ。
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※キャラクターの性能などは,あくまでロケテストバージョンのものです。調整により製品版とは異なる可能性があります。
「電撃文庫 FIGHTING CLIMAX」公式サイト
■シャナ(「灼眼のシャナ」より)
炎を放つ飛び道具に,コンボに組み込みやすいそうな空中連続斬り,刀を使った突進技と,格闘ゲームらしい技を多く持つシャナ。どんな間合いでも戦いやすいオールラウンダーなので,とくに初心者にオススメかもしれない。
なお[B]+[C]同時押しで出せる「切り札」は,通常技や必殺技を途中で強制停止する,いわゆるロマンキャンセル系の技。コンボや連携のお供として役立つだろう。
■アスナ(「ソードアート・オンライン」より)
飛び道具こそないが,多彩な突進技や連続技を持つアスナ。作中での“閃光”の異名どおりスピードタイプのキャラクターで,必殺技も近距離から中距離でアドバンテージが取れそうなものが揃っている。ただし空中ダッシュを持たないので,相手に近づくのに苦労しそうだ。
ちなみに「切り札」である素手のアッパーは,なんとしゃがみガード不能の中段攻撃。接近戦のまさに“切り札”となりそうだ。
■御坂美琴(「とある科学の禁書目録」より)
電撃使い(エレクトロマスター)の美琴は,その設定通り,雷や磁力を利用した技が再現されている。必殺技だけでなく,通常攻撃にも電撃が使われるので,攻撃のリーチが長いのが特徴だ。「エクステンドアクション」で電撃の攻撃距離を変えることもできるため,相手を寄せ付けない戦い方ができそうだ。
そのほか,磁力を利用して空中に停滞するブロックに飛び乗ったり,ブロックを飛ばして攻撃するといったことも可能。もちろん超必殺技は,お馴染みの超電磁砲(レールガン)だ。
■高坂桐乃(「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」より)
現役女子中学生モデルの桐乃は,持ち前の運動神経と,さまざまなコスプレによる“なりきり能力”(?)で戦うキャラクター。必殺技にはさまざまなアイテムを投げる飛び道具や,前方へのダッシュから,スライディングや跳び蹴りに派生するものがある。ほかのキャラクターとは違い,いわゆる“バトルもの”出身ではないものの,バラエティ豊かな動きで相手を惑わせる,楽しいキャラクターになりそうだ。
■黒雪姫(「アクセル・ワールド」より)
「アクセル・ワールド」のヒロイン・黒雪姫は,なんと通常アバターのドレス姿での登場。しかし攻撃全般はデュエルアバターである《ブラック・ロータス》を呼び出して行う,テクニカルなキャラクターとなっている。
《ブラック・ロータス》を,常に自身の前方に置いて戦うため,攻撃のリーチが長く,攻撃力が総じて高い。ただし空中ダッシュはないのでラッシュはかけづらい。中距離でのけん制と迎撃が得意なキャラクターのように思われる。なお「切り札」は,必殺技の性能を強化する効果があるようだ。
■平和島静雄(「デュラララ!!」より)
“池袋で一番強い男”と恐れられる静雄は,いわゆる“投げキャラ”ポジションのキャラクターだ。イメージどおりのパワフルさで,通常攻撃では交通標識を武器に使い,近づけば相手を掴んで投げ飛ばす。さらに自動販売機をブン投げる飛び道具も持っており,意外と遠目の間合いでも戦えそう。ただし空中ダッシュはないため,いかに相手に接近するかが鍵になるだろう。
サポートキャラについて
[S]ボタンで呼び出せるサポートキャラは,それぞれに固有の技を持っている。それらの性能についても簡単に触れておこう。
- ヴィルヘルミナ:無数のリボンを相手がいる位置に向かって飛ばす。ヒットした相手はリボンに拘束されて行動不能となる。
- リーファ:正面に旋風を巻き起こして相手を吹き飛ばす。攻撃範囲が広く扱いやすそう。
- 上条当麻:“イマジンブレイカー”で相手の攻撃を受け止め,衝撃波で反撃。いわゆる当て身技のようだ。
- 黒猫:登場と同時に,当り判定を持った薔薇の花びらを広範囲にばらまく。停滞時間が長く,連携に役立ちそう。
- セルティ:バイクに跨って登場し,空中から落下。着地と同時にアクセルターンを決めながら画面外へと消えていく。
- ハルユキ:デュエルアバターの《シルバー・クロウ》となって,空中から登場。Vの字の軌道を描いて攻撃する。
ちなみにサポートキャラ自体も当り判定を持っており,呼び出さされたサポートキャラが攻撃を繰り出す前に攻撃を受けると,そのまま何もせずに帰っていってしまう。また通常技や必殺技中にサポートキャラを呼び出すことも可能だが,この場合は“キャンセルサポート”となり,クライマックスゲージを1本消費する。うまく使えば,コンボをさらに強化することができそうだ。
「電撃文庫 FIGHTING CLIMAX」開発陣 合同インタビュー
最後に,ロケテスト会場で行われた合同インタビューの模様をお届けしよう。参加してもらったのは,「電撃文庫秋の祭典2013」の取材時と同じく,本作のプロデューサー,亙 重郎氏と,同じくプロデューサーの野中竜太郎氏,そしてディレクターの寺田貴治氏だ。
――まずはお三方が本作にどのような関わり方をしているのか,お聞かせください。
野中竜太郎氏(以下,野中氏)
プロデュサーとして,ゲーム全体の概要やアウトライン,参加クリエイターの取りまとめなどを担当しています。
寺田貴治氏(以下,寺田氏)
ゲームのシステムや登場キャラクターの発案,そして今後発表されるストーリーなど,主に制作進行をしております。
亙重郎氏(以下,亙氏)
野中と手分けしてプロデュースを担当しています。とくに今回はアスキー・メディアワークスさんとの密接な連携が重要ですので,その契約周りとか。あとアーケードと同時展開ということもあり,その点でも協力していますね。
寺田氏:
我々はコンシューマの人間なので,アーケードのノウハウに乏しい面がある。その点,亙さんはアーケードの経験が豊富なので,知識を吸収させてもらうつもりです(笑)。
――「電撃文庫 FIGHTING CLIMAX」が2D対戦格闘になった経緯を教えてください。
野中氏:
ゲーム化にあたって考えたのは,電撃文庫さんの魅力的なキャラクターが一度に複数登場できるタイトルにしたいということです。アレコレ企画を考えた結果たどり着いたのが,今の2D格闘ゲームなんです。
寺田氏:
実は2D対戦格闘以外にも,当初はさまざまな案があったんです。ですが,やはり自分の手でキャラクターを動かせるジャンルがいいと考えて,今の形になりました。
亙氏:
アドベンチャーゲームやノベルゲームなど,寺田が作った企画書がいろいろあったんですけど,明らかに格闘ゲームだけぶ厚かったよね(笑)。ほかはペラッとしてたのに……。
寺田氏:
実際のところは,“2D格闘ゲーム”一点張りでしたね。ほかの案が進みそうになったときは,どうしようかと(笑)。
――版権を使用した格闘ゲームというとコンシューマで展開されるものが多いように思います。アーケードで勝負しようと考えた理由はなんでしょうか。
野中氏:
コンシューマ版ももちろんやるのですが,我々セガが関わるのであれば,アーケードは外せないと思ったんです。全国にゲームセンターを持っていますし,やはりそこでの展開は必須です。
亙氏:
セガのイニシアチブを考えると,やはりアーケードでの展開は外せません。また,このタイトルの力を試すチャンスでもあります。それにアーケードで評価があれば,コンシューマへ移した時にも,いっそう輝くはずですから。
――アーケードとなると,コンシューマと違う,独自の展開も期待されます。ゲーム外の遊びという点で,なにか予定はあるでしょうか。
寺田氏:
Aimeカードと連動したプレイデータの保存と,それによるさまざまなファクターの開放を考えています。詳しい内容はまだお話はできないのですが,プレイした分だけカスタマイズ要素が追加されるなど,ゲームがうまい人だけでなく,初心者も楽しめるものになる予定です。
野中氏:
本作の場合,普段格闘ゲームをプレイしない人も遊んでくれると思うので,負けてもなにか良いことがある仕組みがいいですね。
――おっしゃるとおり,新しい層が遊んでくれそうなタイトルです。そのほかに新規層を意識した部分はあるでしょうか。
野中氏:
格闘ゲームファンが遊んで楽しい競技性を備えたものにすることはもちろんですが,「コマンドが簡単」「守りよりアグレッシブな攻め重視」など,格闘ゲームをやり込まない人でも楽しめる作りを目指しています。
寺田氏:
やり込んだほうがもちろん強くなるのですが,「重要な必殺技はボタン同時押しで出せる」など,初心者でもストレスなく,かつ派手な戦いができるように工夫しています。格闘ゲームファンはもちろん,電撃文庫さんのファン,もちろん女性の方も含めて,みんなで楽しんで欲しいですね。
亙氏:
格闘ゲームファンの期待に答える制作体制をとっておりますので,そこはご安心ください。また,電撃文庫さんのキャラクターをお借りしているということで,従来の格闘ゲームファンのみならず,新しい層を引き込んで業界を活性化することも目標の一つです。「電撃文庫秋の祭典2013」でも「このキャラが出るんだったらプレイしてみよう!」という人に数多く来場していただけて,我々の願いが一歩実現に近づけたという想いです。
野中氏:
原作を重視したキャラクターの動きを,きちんと再現するチューニングを目指しています。ですので,ファンの方々が作品で感じたイメージのまま,違和感なくプレイできるはずです。電撃文庫さんの作品を知らない格闘ゲーマーの皆さんにも,本作をきっかけに原作に手をだしていただけるような,相乗効果が生まれたらいいなと思います。
――参戦キャラクターを決めるときは,どんな点に注意したのでしょうか。
寺田氏:
主役とヒロインという組み合わせが一番綺麗ではあるのですが,それだとファンの皆さんのニーズには届かないと思いました。なので,電撃文庫さんと相談して,各作品で一番人気のあるキャラクターを,というコンセプトで選んでいます。
亙氏:
主役やヒロインにこだわっていませんし,また作品の年代にもこだわっていません。「灼眼のシャナ」などは完結している作品ですし,もちろん今現在人気の「ソードアート・オンライン」もあります。新旧関係なく,歴代の人気キャラクターを登場させようというスタンスです。
野中氏:
あとは格闘ゲームに適したキャラクターというのも,ポイントの一つですね。特殊な能力を持っているけれども,ゲーム上で再現しきれないということもあります。あとは,僕達が単純にカッコイイと思ったキャラクターですかね(笑)。
寺田氏:
上条当麻なんかは,もちろん人気のあるキャラクターなんですが,格闘ゲームのキャラクターとしては,ちょっと戦わせにくい。そんな理由から,今回はサポートキャラとして参戦させることにしました。そのほかのキャラクターに関しては今後の情報にご期待ください,ということで。まだまだ男性キャラも登場しますので!
――稼働後の大会イベントなどは企画されているでしょうか。
野中氏:
もちろん,やりたいですね。まだ具体的には決まっていませんけど。
亙氏:
ロケテスト次第です(笑)。人気があれば,自然に声が上がってくるものですし。大勢の方々にプレイしていただいて,イベントが開催できるぐらいに活性化してくれたら嬉しいですね。
――最後に,本作に期待するファンに向けたコメントをお願いします。
野中氏:
今回ロケテストで使用されているバージョンは,先週の「電撃文庫秋の祭典2013」からさらに調整を加えた最新版です。どのキャラクターも,テイストが違う面白いキャラクターに仕上がっていますので,実際にプレイしていただいて,感想をいただけると嬉しいです。格闘ゲームファンの皆さんからの忌憚のない意見もお待ちしております。
寺田氏:
今回は,格闘ゲーム制作に定評のあるエコール/フランスパンさんとがっちりタッグを組んで制作しています。システムやバランスはもちろん,キャラクター愛に関してもどこにも負けないものができていると思いますので,ご期待ください。
亙氏:
本作はキャラゲーであり格闘ゲームです。どちらか一方ではなく,その両方をバランスよく重視して制作しています。格闘ゲームとしても,その道のプロフェッショナルとしっかりタッグを組んでおりますので,格闘ゲームファンの方々も安心してください。
そして,電撃文庫さんの作家さんやクリエイターの皆さんにも,脚本やイラストの面で,情熱を持って協力していただいています。本作には,そういういいムードでの開発現場に生じる“パワー”を感じますので,このパワーがプレイヤーの皆さんに届くよう,これからも全力で頑張ります!
――ありがとうございました。
なお今回のロケテストは,冒頭でも触れたとおり,10月13日まで開催の予定だ。実際に動く電撃文庫キャラクターに触れてみたい人は,ぜひ最寄りの会場まで足を運んでみてほしい。またクラブセガ 新宿西口店のロケテストの模様はUstreamでも配信が行われている。残念ながらロケテストに行けないという人は,こちらをチェックしてみよう。
「電撃文庫 FIGHTING CLIMAX」公式サイト
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イラスト/abec、いとうのいぢ、かんざきひろ、はいむらきよたか、HIMA、ヤスダスズヒト
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