テストレポート
AVerMediaのビデオキャプチャデバイス「GC550」再テストレポート。プレビュー表示には4〜5フレーム相当の遅延があった
しかしその後,読者から,
そこで本稿では,プレビュー表示時の遅延がどの程度あるのかを検証した再テストレポートをお届けする。レビュー記事の存在を前提に進めていくので,プレビュー表示の遅延に関すること以外は,そちらを参照してもらえれば幸いだ。
1月30日に掲載したGC550レビュー記事
再検証に進む前に,間違いが起きた原因についても簡単に説明しておきたい。
筆者がテストした環境では,GC550からのHDMIパススルー出力先として,私物のソニー製液晶テレビ「KDL-22CX400」を接続していた。一方,RECentral 2を表示するのに使ったPC側は,LG Electronics製の液晶ディスプレイ「22EA63」を接続してある。
このうち,KDL-22CX400には,テレビ内部の映像処理をバイパスして遅延を短縮する「ゲームモード」のような機能がない。そのため,内部での遅延は相応にあると思われる。一方,22EA63のほうはシンプルなPC用ディスプレイであるため,遅延はほとんどないはずだ。
原因はここにあり,遅延の少ない22EA63側で,遅延のあるRECentral 2のプレビューを見るのと,テレビ内部で遅延のあるKDL-22CX400の画面を見比べた結果として,遅延に違いがないように感じてしまったというわけである。
その点を誤解して,筆者はレビュー記事において,「体感できるレベルの遅延は確認されなかった」と書いた次第だ。
同一の液晶ディスプレイ2台でRECentral 2のプレビュー表示における遅延を検証
検証に使うGC550は,前回のレビューで使ったのと同じ個体で,テスト用PCもLEVEL∞の「Lev-C011-LCi7-TM」カスタムモデルで変えていない。ゲームを想定した映像ソースとしては,PlayStation 4(以下,PS4)を用意している。
液晶ディスプレイは,Dellの23インチ液晶ディスプレイ「Alienware OptX
GC550は前回のテストと同じ個体を使用している |
Alienware OptX AW2310を2台並べて検証を行った |
RECentral 2の設定は,「録画品質」を「カスタム」にしたうえで,以下のとおり,最も高負荷の設定を採用している。これもすべて前回の検証時と同じ条件だ。
- 解像度:1920×1080ドット
- 映像ビットレート:60Mbps
- フレームレート:60fps
- 音声ビットレート:256kbps
- コーデック:NVIDIA
この環境で,PS4のホーム画面を操作する様子を撮影した模様が下のビデオだ。左側に置いたディスプレイがRECentral 2のプレビュー表示,右側はHDMIパススルーで出力したものをそれぞれ映している。左の表示が右よりも遅ければ,遅延の存在が分かるというわけである。
映像の冒頭は,60fpsで録画しているが,ここだと遅延の有無は分かりにくい。だが,映像の4秒め以降にある240fpsの高速度撮影状態だと,顕著な違いがあると見てとれよう。とくに,上下方向にボタンやメニューが動くタイミングでは,露骨に遅れているのが分かるはずだ。
2つめの検証として,次はPS4の代わりにMSI製のゲーマー向けノートPC「GT70 2QD Dominator」(以下,GT70)を用意し,「LCD Delay Checker」 (Version 1.4)を動かして遅延の数値を検証してみた。
まず,ノートPC本体の液晶パネルと,
検証の様子を撮影したビデオを掲載しておこう。先に掲載したビデオと同じく,冒頭は60fpsだが,途中から240fpsの高速度撮影になる。
表示遅延を気にする人は,ゲーム画面表示とプレビュー用でディスプレイを分けよう
以上,RECentral 2のプレビュー表示には,明らかな遅延がある。垂直リフレッシュレート60Hzの液晶ディスプレイで4〜5フレームの遅延というのは,遅延にシビアなゲームをプレイするには問題になるだろう。とくに,垂直リフレッシュレートが120〜144Hzのゲーマー向け液晶ディスプレイを常用しているような人から見れば,60Hzで4〜5フレームの遅延は我慢できないレベルかもしれない。ゲームジャンルによっては,耐えられる程度の遅延とも思えるのだが,遅延の許容度合いには個人差もあるので,やってみないことには分からないのが難しいところだ。
いずれにせよ,表示する液晶ディスプレイやテレビが1台しかない環境で,
プレビュー表示に遅延があるとはいえ,GC550自体の魅力は損なわれていないと筆者は考えている。ミドルクラス以上のゲームPCが必要というハードルの高さはあるものの,手軽に1080p/60Hzのゲーム映像をキャプチャできるデバイスとして,依然として検討する価値のある製品といえるだろう。
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