プレイレポート
稲船敬二氏の新作アクション「Mighty No.9」のβテスト版コードが届いたのでさっそくプレイしてみた
Kickstarterでのキャンペーン終了後も,公式サイト内で運営されているコミュニティページを通じて,キャラクターのビジュアルアンケートや,デザインを決めるための投票といった,ファン参加型の取り組みが行われてきたほか,TVアニメ化に向けたプロジェクトも始動した本作だが,発表から1周年を迎える2014年9月1日に新たな動きを見せた。
それは,一定額の出資をしたバッカーに,βテスト版のコードを配布するというもの。そのβコードが,80ドルほど出資した記憶があるようでないような筆者のもとにも届いたのである。
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配布されたβコードはSteamでアクティベート可能ということで,さっそく入力してみると,ライブラリにMighty No.9の文字が。個人的にはこれだけでも非常に満足なのだが,それではただの自慢話に終わってしまうので,稲船氏が手掛ける横スクロールアクションという響きに思うところがある人に向けて,本作のインプレッションをお届けしよう。
「Mighty No.9」公式サイト
プレイヤーが操作するのは,本作の主人公「ベック」だ。彼は,Dr.ホワイトが開発した9体の兄弟ロボット「Mighty Numbers」(マイティナンバーズ)において,9番目に作られたロボット――いわば末っ子――であり,ロボットの格闘大会「バトルコロッセオ」で人気チームであったMighty Numbersの中でも,唯一足を引っ張っていた存在だった。
そんな彼に人類の未来が託されたのは,ベックを除くすべてのロボットが,コンピュータウィルスに感染し,暴走を始めたことに端を発する。兄弟を含めたロボット達の暴走を止められるのはベックただ1体のみとなった今,世界を救うため立ち上がることになったのだ。
今回のβテスト版では,軍事施設が舞台となる「Military Base」がプレイできる。ステージ内には,暴走したロボット達を始め,大きなコンテナを運搬するベルトコンベアや,地雷といったギミックが登場し,プレイヤーの行く手を阻んでいる。
ベックに用意されたアクションは,通常攻撃とダッシュのみとなり,彼の特殊能力である“変形”は,βテスト版で試すことはできなかった。したがって今回は,通常攻撃とダッシュを駆使してステージを攻略していく。
ステージ中に配置された暴走ロボット達は,ベックを見つけるやいなや攻撃してくるので,こちらも通常攻撃で応戦するのだが,これがなかなか倒せない。ただ,数発攻撃を当てると,ロボット達のボディが変色するのが確認できる。どうやら本作の戦闘では,この変色した状態のロボットに対して,別のアプローチを仕掛ける必要があるようだ。
そのアプローチとなるのが,ダッシュだ。変色したロボットにダッシュで接近すると,ロボットが分子化し,その後ベックに吸収される。こうすることで,通常攻撃を当て続けるよりも素早く倒せるうえ,吸収された分子はベックの能力を一定時間高めてくれるというわけだ。一石二鳥とはまさにこのこと。
ロボットが変色した状態のことを,本作では「Destabilizing」と呼ぶ。通常攻撃を当てて敵ロボットをDestabilizingにし,ダッシュで接近して吸収する。これがベックの基本的な戦闘スタイルだ。
また,Destabilizing中の敵を吸収するとコンボが成立し,受付け時間中に素早く次の敵を吸収することで,コンボ数がどんどん増えるという仕組みだ。コンボ数が多ければ多いほどたくさんポイントが手に入り,ステージクリア時の評価にもつながってくる。
敵ロボットの倒し方は分かったものの,ステージギミックの攻略に関しては,プレイヤーの腕にすべてが掛かっている。本ステージで一番苦労したのは,足場がベルトコンベアになっているエリアだ。足場の下は,刺が設置されており,触れると一発でアウトとなる。
したがって,足場から落ちないように,次の足場へと飛び移らなければならないのだが,着地したコンベアの回転方向がさっきと違っていたり,大きなコンテナを運搬中だったりと,一筋縄ではいかない。ほかにも,頭を使わないと進めない場所や,ダッシュを使って駆け抜けるようなギミックもあり,さまざまなシチュエーションでプレイヤーを楽しませて(苦しめて)くれるはずだ。
お約束(?)ともいえる,ボス部屋手前の細い通路を抜けると,ステージの最後に待ち受けていたのは,Mighty No.5である「BATTALION」だった。ボス戦では,道中とは違ったアクション性が求められる。相手のジャンプに合わせてダッシュで下をくぐり抜けたり,ジャンプで相手を飛び越えて背後から攻撃したりと,まさに1対1での対決といった感じだ。
50回ほどコンティニューして,やっとのことボスを倒したところでステージクリアとなった。道中,足場から落ちて死亡した回数を含めればコンティニュー数は100を越えそうだが,リザルトではそれが表示されなかったのがせめてもの救いか。
ちなみに今回遊べたのは「Military Base」の1ステージのみだったが,βテスト用のクライアントは今後もアップデートを続けていくとのことで,新たなステージを追加する予定もあるようだ。
稲船氏が手掛ける横スクロールアクションというだけで,すでに面白さは保証されたようなものだったが,今回のβテスト版では,バッカーになっておいて良かったと思えるほど,完成度の高いアクションが楽しめた。後は完成を待つのみといったところか。
Mighty No.9の公式サイトでは,本作を発表した9月を,「Mighty Month」(マイティ・マンス)と名付け,期間中,本作にまつわるトリビアを毎日投稿するというイベントが開催されている。また,これに合わせて稲船氏自身がプレイしているムービーなども公開されているので,気になる人はこちらも確認しておこう。
「Mighty No.9」公式サイト
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